少年空海03

2021年12月

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12/01/水
今年も最後の月に入った。今年は昨年の連載ではあるが『遠き春の日々/ぼくの高校時代』の単行本が出たのと、書き下ろしの『尼将軍』が出たし、『天海』もほぼ完成となっている。さらに現在、『少年空海』を執筆中でこれも年内には完成すると思われる。よく働いていると思う。『少年空海』は一次草稿をプリントしたものを読み返している。物理学と哲学の話なので説明が難しいところがあるが、少年マオ(空海)と美少女のグロリア(観音菩薩)がガリレオやニュートン、パスカル、アインシュタインなどを、語り手のホーキング博士の指示に従って訪ね歩くというもので、すべて会話で進行しているので読みやすい内容にはなっているが、どこまで奥深いところに迫れるかが課題だが、何とか当初の構想に近いものが仕上がっていると思う。ぼくの唯一の趣味といえるFootballはあと一ヶ月という大詰めを迎えている。A(アメリカン)とN(ナショナル)のカンファレンスに分かれ、カンファごとに地区優勝4チームと、ワイルドカードと呼ばれる3チームの7チーム、両カンファ合計14チームが1月のトーナメントに進出する。そこからがSUPERBOWLへの本当の闘いで、シーズンのリーグ戦はとりあえず7チームに入ってプレーオフに進出すればいいという戦いだ。昨シーズンの覇者のバッカニアーズも地区優勝はしていない。とにかくプレーオフに進出すれば覇者となる権利をもっているということだ。そこでここでは両カンファのいまの状況を記しておく。まずはAカンファ。地区優勝はレイブンズ8勝3敗、ペイトリオッツ8勝4敗、タイタンズとチーフス7勝4敗、これにビルズとベンガルズが7勝4敗で当確圏内。残り1枠に6チームがひしめいている。レイダーズ、チャージャーズ、ブロンコスという西地区3チームが6勝5敗、ブラウンズとコルツが6勝6敗、スティーラーズが5勝5敗1分。ここまでが可能性を残している。ドルフィンズ5勝7敗は残り5連勝で10勝7敗ならわずかに可能性を残しているがそれは無理だろう。当落圏内の中ではコルツの調子が上がっている。ぼくはブロンコスを応援している。Nカンファは9勝2敗のカーディナルスを先頭に、パッカーズ9勝3敗、バッカニアーズ8勝3敗、カウボーイズ7勝4敗の4チームの地区優勝は堅いだろう。昨年のような負け越しで地区優勝という事態はない。これに続くのが7勝4敗のラムズと6勝5敗の49ナーズ。残り1枠には負け越しチームがひしめいている。5勝6敗のワシントン、バイキングズ、セインツ、ここまでが可能性をもっている。7敗のパンサーズ、イーグルス、ジャイアンツ、ベアーズは圏外というべきだろう。残り1枠争いはワシントンに注目している。昨シーズンは負け越しで地区優勝となってプレーオフに進出し、初戦で覇者となったバッカニアーズとまさかの接戦を演じた。しかも今シーズンはバッカニアーズに勝って雪辱を果たしている。バイキングも実力のあるチームだが調子に波があり、セインツはQBがいなくなって苦しんでいる。脱落したチームの中ではドラフト1番QBのトレバー・ローレンスが2勝9敗と苦しくでいる。同じ2勝のテキサンズはQBワトソンと契約がこじれて出場不能となった。仕方がない。シーホークスがQBラッセル・ウィルソンの不調で圏外に沈んだ。このままならドラフトで新人QBがとれる。全敗のライオンズはドラ1のQBがとれるので出直すしかない。

12/02/木
譜面台が届いた。妻が注文してくれたもので、がっちりしたものと言ってあったら、オーケストラがステージで交響曲の楽譜を載せる仕様のものが届いた。確かにがっちりしていたが、組み立てるのがたいへんだった。しかし何とか使えるようになった。これはギターを引きながらビートルズや「天城越え」を歌う時に使うものだが、プリントに赤字でチェックを入れた場合など、書見台としても使用するし、ZOOMで会議をする時のiPadの台にもなる。これまでは次男がヴァイオリンを習っていた時に使っていた譜面台を使っていたのだが、ネジが錆び付いていて高さ調整が難しく、ビートルズ大全集とか昭和歌謡曲集などという分厚い楽譜集を載せると歌っている時にずるずると下がってくることがあるし、ZOOMで会議がある時は念のためにネジを思いきりしめたりしなければならず、がっしりした台がほしかった。これで安心して会議に臨むことができる。試しに「赤いスイトピー」を歌ってみると声がよくなった気がした。がっしりとした金属製の大きな台が目の前にあるので、風呂場みたいに反響するようだ。『少年空海』はようやくアインシュタインが出てきた。その前にマイケルソンとモーリーの「エーテルの風」の検出に失敗した話は出してあって、光速に近い速さの電車の中で弓を射るという話もすでに提出している。特殊相対性理論でいちばんおもしろい話はここなのだが、アインシュタインが自分で話し始めると話が長くなってしまうので、事前に説明を終えて、アインシュタインには光が曲がるという話をしてもらう。他にも光量子の話を、コーヒーに砂糖を入れすぎた時に、液体のねばりけから砂糖分子の大きさがわかる話とか、ブラウン運動の話などもしなければならない。まあ、アインシュタインの少しへんな感じはうまく出せていると思うが、今回の作品は考えてみればへんな人ばかり出てくる。ガリレオとパスカルはわりとさらっと描いたのだが、ニュートンやマッハは明らかにへんな人物だ。書きながら、自分も「へんな人」なのかな、と考えたりもした。こんなへんな作品を書いているのだからやっぱり「へんな人」なのだなと思ったりもした。

12/03/金
旺文社の作文コンクールの選考会。この選考会は以前は神楽坂の坂の上にある出版グラブが会場で、重い資料をもって坂を登るのがたいへんだったのだが、3年ほど前から出版グラブが神保町に移転して会場も移ってきた。毎日の散歩コースで10分もあれば行けるところでありがたい。本日の仕事はそれだけ。

12/04/土
『少年空海』のプリントチェック完了。もう一度このまま読み返して挿図をチェック。赤字入力の時に担当編集者にわかるように挿図の箇所に何か記号のようなものを入れておく必要がある。かなり赤字が入ったし、エンディングがまだズバッと決まっていない感じがするので、挿図を検討しながらもう一度しっかり読み返して再チェックしたい。赤字入力のあとの再プリントやチェックはせずに編集者に送ってみたい。これはかなり過激な作品なので編集者だけでなく営業からも何か指摘があるかもしれない。話がこじれたらすべてがボツになるかもしれないが、そういうことを覚悟で書いている。デッドストックもいくつかかかえている状態だから、とくにどうということではない。

12/05/日
明日はFootballの日。第13週ということで、残り6試合の戦いだが、ここまで来るとプレーオフ出場が絶望というチームが出てくる。日本のサッカーだと成績が悪いと2部に陥落ということなので最後まで気が抜けないのだが、Footballの場合は陥落ということはないし、いっそビリになってドラフト1番の選手をゲットしたいと考えるチームも出てくる。ということでここから先は消化試合が増えていくことになる。その中で明日の好ゲームをひろっていくと、スカパーで中継のあるチーフス対ブロンコスがおもしろい。マホームズの不調で出だしにつまずいたチーフスだが調子はもどりつつあるようで地区の首位に立っているものの、残り3チームが1勝の差で並んでいる。その3チームの一つがブロンコスで、ここでチーフスに勝てば地区首位に立てる。だが負けるとプレーオフ進出が苦しくなるという瀬戸際の一戦だ。他にはチャージャーズ対ベンガルズ、レイダーズ対ワシントン、レイブンズ対スティーラーズが、接戦となりそうだ。好勝負となりそうなのが火曜の試合だがペイトリオッツ対ビルズ。Aカンファ東地区の優勝争いでほぼ並んでいるチームの決戦だ。『少年空海』はもう一度、赤字の入ったプリントを最初から読み返している。今回は挿図の確認が主だが、時々タイプミスが見つかる。一種のファンタジーなので漢字を少し減らした。平仮名がふえるとタイプミスが見えなくなる。

12/06/月
目が覚めたら5時だった。それでも第3クォーターの始まりくらいだった。昨日、これからは消化試合が多くなると書いたのだが、Footballの選手たちは試合が始まると全員が本気で闘うことは確かで、意外なアップセットがあっておもしろかった。実力伯仲のチャージャーズ対ベンガルズはチャージャーズの勝ち。ベンガルズのいる北地区のレイブンズ対スティーラーズはカンファ首位のレイブンズが競り負ける大波乱。これで北地区はレイブンズが8勝4敗、ベンガルズが7勝5敗、スティーラーズが6勝5敗1分、試合のなかったブラウンズが6勝6敗とダンゴ状態になった。ビリのブラウンズも直接対決で勝っていけば地区優勝の可能性も残っている。プレーオフ出場が絶望となってもいま一番モチベーションが高いのが全敗(1分)のライオンズだろう。残り1秒で大逆転のタッチダウン。死に馬に蹴られたバイキングスは7敗となってプレーオフが絶望となった。カーディナルスやチーフスは順当に勝利。これでNカンファはカーディナルスが単独首位だが、Aカンファは各地区の首位が8勝4敗で並んだ。ただし明日は東地区の首位決戦のペイトリオッツ対ビルズ戦がある。勝てばペイトリオッツの単独首位、ビルズが勝つとビルズが8勝4敗で他地区と並ぶことになる。ワイルドの3枠はビルズ(またはペイトリオッツ)に続いて、ベンガルズとチャージャーズが7勝5敗で並んでいる。次点はコルツが1試合多くて7勝6敗だが、負け数が多いのは苦しい。スティーラーズも6勝5敗(1分)で勝ち越している。6勝6敗のブラウンズ、レイダーズ、プロンコスにも可能性がある。Nカンファは各地区首位の4チームは楽勝。ラムズは大丈夫だろう。残り2枠は接戦。勝ち越しチームがなく、6勝6敗のワシントンと49ナーズが当確圏だが、7敗のチームが5つあって、のこりを4勝1敗でいけば9勝8敗で当確圏にぎりぎりすべりこむのではないか。昨シーズンのように負け越しで地区優勝ということはないが、9勝8敗で当確ということもあるだろう。今シーズンもNカンファの方が負けが込んでいる。

12/07/火
本日は1試合だけだが、ペイトリオッツ対ビルズというAカンファ東地区の優勝争いに関わる決戦。ずっと見ていると疲れるので時々DOZNで経過を追っただけだが、ロースコアの接戦だった。ペイトリオッツのマック・ジョーンズは新人ながら慎重なキャラクターで無理をしない。無理にタッチダウンを狙うよりフィールドゴールの3点で充分の考えている。ヘッドコーチのベリチックがそのように洗脳したのだろう。だからこそ新人QBの中では5番手だったにもかかわらず、いまはカンファ全体の首位に立とうとしている。それはペイトリオッツの守備力にも支えられている。3点ずつとっていれば、相手はそれ以上の得点をとれないという自信がベリチックにはあるのだろうし、実際にそのとおりに試合は展開する。この試合も最後の2分間、ビルズは敵陣直前のレッドゾーンで4回の攻撃機会があったのだが、すべて封じられた。ディフェンスの勝利ではあるが、がまんして無理をしなかったマック・ジョーンズの勝利でもある。試合終了を見届けてから内閣府へ。身障者週間のポスターと作文の優秀者の表彰。賞状を渡すのは特命大臣、こちらは選評を述べるだけだが、どれも優秀な作文で、受賞者の半ばは障害者でもあるので、何かしら感慨めいたものがある。健常者の作文も思いやりにあふれたもので、こういう人間がいるということが、この世に生きていることの救いになるという気がする。ぼくは毎年この行事に参加しているが、特命大臣はそのつど代わっている。今年の大臣は感じのよい人だった。夜、早稲田の教養過程の同級生の忘年会。メンバーの一人、伊藤友貞くんが俳句集を出版したのでその祝いを兼ねる。伊藤くんは生涯にわたってフリーの校正者として活躍しいまも仕事を続けているそうだ。文学部の学生なので出版社や広告会社に就職した人が多い。そうした昔の話題が出たり、学生時代の話や、高齢者の集まりなので互いの病気の話、不参加の人々の病気の話など。伊藤くん自身も長く難病を患っていて、歩行器で歩いている状態だ。ぼく自身もいまのところ元気で、とくに生活に困ることもない。まあ、元気な間は自分の仕事を続けたいと思っている。

12/08/水
雨が降り続いている。昨日は内閣府に出かけた時はまだ雨が降っていなかった。夜の宴会の会場はマークシティーの中なので千代田線と銀座線を乗り継いでいけば傘の必要がなかった。高齢者になると傘をさして歩くのがめんどうになる。本日は夜にNET会議があるだけなので散歩にも出ない。ずっと引きこもっていたい。

12/09/木
快晴。まず近くの医院で必要な薬を処方してもらう。薬を受け取るのは近くの薬局。散歩に出たついでに床屋をのぞいたら空いていたので散髪。夕方はSARTRASの利用報告委員会。SARTRASはいったいいくつ委員会やWGがあるのだろう。月の大半が会議で埋まってしまう。これで少しは前進しているのかとも思うが、今年は専従の理事が3人態勢になったので、まあ何とかなるところまでは来ているのだろう。まだお金は入ってきていないが見通しは立っている。よく頑張ってきたものだと思う。飲み会でもやりたいところだがまだそういう段階ではない。

12/10/金
金曜日は1試合だけFootballがある。5勝7敗のバイキングズと6勝5敗1分のスティーラーズ。バイキングズはもう土俵際。というかすでに踏み越しているかもしれないのだが、8敗になったら絶望という瀬戸際であることは確かで、必死でがんばった。スティーラーズは上位の7枠から外れているので負けられないはずなのだが、エンジンのかかりが遅かった。大敗の展開だったが、最後に8点差まで迫った。反撃もそこまで。Aカンファはレベルが高いので6敗1分はもはや土俵際だ。残りがタイタンズ、チーフス、ブラウンズ、レイブンズと強敵ばかりで、全敗もある。今期はもはや絶望だろう。勝ったバイキングスもまだ負け越しだが、Nカンファは8勝9敗でもプレーオフ進出の可能性はある。「死に馬」ともいえるベアーズのとの対戦が2試合あるので、2勝2敗で行けば8勝9敗になる。

12/11/土
近くの物置の部屋に行って、「親鸞」関連の資料を探す。『親鸞』を書いたのは大学の教員をしていたころで、使い終わった資料は研究室の棚に適当につめこんでおいた。それがどういう状態になっているかわからなかったのだが、わりあい一箇所にまとまっていた。来年は親鸞の長男の善鸞の話を書こうと思っている。これは担当編集者からのリクエストだ。『少年空海』は二度目のプリントチェック。挿図を考えながら読み進んでいる。明日にはゴールインできそうだ。

12/12/日
武蔵野大学の文学賞高校生部門の表彰式。今年はZOOMで実施。所定の時間に接続。昨年は中止で、それ以前は大学に受賞者を招いていたのだが、遠くから来る人もいた。ZOOMの方がいい。いまは高校生でもスマホくらいはもっていて、授業もZOOMで受けていたりするから、操作もわかっているはずだ。選評はメモしてあったので読み上げるだけだが、授賞式のあと短い時間、懇談会があったので、受賞者と話をすることができた。これもZOOMだと真正面から向き合うことができて話がしやすかった。『少年空海』のプリントチェックの2回目終了。これで入力作業に入ることができる。挿図を準備しながらの作業になる。

12/13/月
昨日は早めに寝酒を飲んで寝たのだが2時半に目が覚めてしまった。Footballの中継は3時からだが、起きて暖房をつけ、パソコンを開いた。プリントのチェックが終わったので赤字入力をしないといけない。入力しながら挿図の番号を記入し、それに対応する画像を別の文書を作って貼り付けていく。画像が入手できない場合は自分で図を作成する。昔、新潮新書で『父親が教えるツルカメ算』という本を出した時に、挿絵の人の参考にと自分でツルやカメの絵を描いた編集者に送ったら、ぼくが描いた絵をそのまま挿絵として使われてしまった。『原子への不思議な旅』も同様だった。だから図の作成もしっかり描かないといけない。作業に集中していたら、気がつくと4時近くになっていた。あわててDOZNを設定する。すでにプレーオフ絶望のチームが多く、大差がつく試合がほとんどだった。それでも49ナーズ対ベンガルズと、バッカニアーズ対ビルズが、延長戦になった。ともに追いつかれた49ナーズとバッカニアーズが勝った。明日のラムズ対カーディナルスはまだだが、本日の時点での状況は、Aカンファのトップは今週お休みのペイトリオッツ、タイタンズ、チーフスの9勝4敗。有力チームが浮上してきた。この3チームの地区優勝はほぼ確定といっていい。北地区だけが混戦で、レイブンズ8勝4敗、ブラウンズとベンガルズが7勝6敗。本日ブラウンズがベンガルズに勝ったのでこの混戦になった。プレーオフ争いは8勝5敗のチャージャーズが当確で、残り2枠に7勝6敗のブラウンズ、ベンガルズ、ビルズ、コルツ、ブロンコスが並んでいる。2枠に5チームだから残り4試合が熾烈な戦いになる。半ゲーム差の6勝6敗1分のスティーラーズは苦しくなってしまった。Aカンファはレベルが高くて勝ち越しただけではプレーオフに残れない。Nカンファは明日試合のあるカーディナルスが2敗を維持できればトップ。負ければパッカーズ、バッカニアーズと3チームが並ぶ。地区優勝のあと1つはカウボーイズで9勝4敗。プレーオフはラムズが明日負けても8勝5敗で確定。7勝6敗の49ナーズが続く。残り1枠は負け越しチームになるか。6勝7敗にワシントン、イーグルス、セインツ、ファルコンズということで、1枠に4チームと、こちらも熾烈だ。どこが残るかはまったく予測がつかない。夕方、SARTRASの分配委員会。会議が多すぎて何の委員会かわからなくなっている。とにかく必要な発言をして軌道修正を求めた。今朝は2時半に起きて睡眠不足だが、Footballの音だけ聞きながら作業に集中したので終章の半分くらいのところまで入力できた。明日には完了する。

12/14/火
昨日は11時くらいには寝たのだがすぐには眠れなかった。夜中に何度も目が覚めたが、10時まではベッドにいた。体を休めないといけない。起きてすぐに作業にとりかかり、午前中に完了。ただちに担当者に送付。まだ挿図を整理する作業が残っている。そのつどラフなイラストを描いてあるので、スキャンして文書に貼り付ければいい。午後はマッサージのために新宿へ。昨日は午前2時半から夕方の会議が終わるまでパソコンの前でずっと作業をやっていた。かつてないほどに肩が凝っていた。この日に予約を入れていてよかった。帰宅したあと挿図の整理。プリンターのスキャニングの機能で自分のイラストを読み込ませるのだが、時に誤作動する。大きさを示すために上下にカラーテープを貼っておいたのだが、たとえば電磁石と棒磁石を並べた図で、電磁石と棒磁石をそれぞれ別の画像として読み込んだだけでなく、上と下の緑の線も個別に読み込んで4つの画像にしてしまう。こういうのはさらにテープを貼って四方を囲むしかない。とにかくすべての画像を読み込んで文書に貼り付けた。これですべての作業が終わった。約一ヶ月ほど、『天海』を放ってあった。頭の中が初期化されているのでもう一度読んでみたい。やはりプリントして縦書きで読むべきだろう。こちらは挿図などがないので読むのは楽だ。楽しみながら読んでみたい。

12/15/水
『少年空海』がいちおう終わったので、また『天海』に戻ることになる。本日は原稿をプリントしただけ。来週は浜松の仕事場に移動するので、仕事場に移ってからじっくり読むことにする。今週はまだ会議などの行事が続くので、年末のあわただしさの中にいる。『天海』の次の作業は、まだ考えていないのだが、担当編集者からのオファーで『善鸞』というのを考えている。親鸞の廃絶された長男で、「隠し念仏」の始祖だとされている人物だ。ぼくが書いた『親鸞』にも善鸞は登場している。この作品は、父と子というのがテーマとなるだろう。親鸞の父の日野有範から始まって、親鸞、善鸞、さらに孫の性信までの四代にわたる父と子の物語となるだろう。親鸞は五歳の時に父が仏門に入った。いわば「父に捨てられた子」だ。親鸞も流罪になったとはいえ、善鸞は京に残され、仏門に入るしかなかった。性信は京に戻った親鸞の教えを受けた。結果的に親鸞を宗祖とする宗主の二代目を性信が継ぐことになり、善鸞は二度、父に捨てられたことになる。こういう父と子の問題というのは、ぼく自身は次男に生まれたので、自分の問題としては体験していない。あまり深入りしない方がいいのかもしれない。ぼくの父は中堅企業の経営者だった。兄が跡を継いだ。小さな企業の経営者にとっては、会社というものは家族のようなもので、子どもは会社に組み込まれていくことで改めて家族になるというところがある。女優になった姉と、作家になったぼくは、いわば会社という家族からは脱落したことになるが、もちろん血のつながった家族としての親密な関係はあったが、ぼくは父から学んだことはほとんど何もないといっていい。父は誠実な人であったし、よく働く人であった。そういう点は学ぶべきだといまも思っているが、それは学ぶというよりも、血が伝わっているということで、意識的に学んだことではない。ただサラリーマンの家庭ではないので、オンとオフの切り替えみたいなものがない家で子ども時代を過ごしてきた。会社の経営者にはオフというものがないのだ。それは作家の場合も同様で、つねにスイッチが入っている感じだ。ぼくがほぼ毎日、寝酒を飲むのは、一日の最後の2時間くらいをオフにするためだと思っている。一昨日の月曜はDOZNの中継を見ながら、『少年空海』の最後の仕上げに取り組んでいた。試合をほとんど見ていなかった。耳で聞いてはいたが、英語の実況なので、カーディナルスのマレーのひどいプレーの詳細がよくわからなかった。ただこの年末は少しひまになるので、Footballを見ている間はオフにしたいと思っている。シーズンは残り4試合。各チームの対戦相手がわかっているので、最終的な星取り表が見えてきた。Aカンファは3チームが9勝4敗で並んでいるが、タイタンズとチーフスは対戦相手から見て4連勝する可能性が高い。ただタイタンズはやや調子を落としているのに対し、チーフスはどんどんプレーの質が上がっている。ペイトリオッツはQBが新人なので、このあたりからプレッシャーがかかってくるだろう。次週のコルツ戦と次のビルズ戦がカギになる。そのあとの2戦は楽勝なので、3チームとも全勝する可能性がある。その場合のカンファ優勝は複雑な計算が必要だ。ということで、5敗しているチームはカンファ優勝の可能性はないといっていい。ただプレーオフ出場となると、8勝5敗のレイブンズとチャージャーズも大負けすることはないと思われるので、残り2枠を7勝6敗の5チーム、6勝6敗1分のスティーラーズが争うことになる。ぼくの見るところ、調子が上向きなのはコルツとブラウンズだ。ただコルツはペイトリオッツとカーディナルズ、ブラウンズはパッカーズとベンガルズという強敵を残している。どちらかに勝って3勝1敗で乗り切る必要がある。Nカンファは10勝3敗が3チーム。パッカーズとバッカニアーズは全勝する。カーディナルスはコルツ、カウボーイズのどちらかに星を落としそうだ。マレーは怪我の影響か、まだ本調子に戻っていない。というか、休んでいたせいで、周囲が見えていないようだ。ただこの3チームと9勝4敗のカウボーイズ、ラムズまではプレーオフ出場は当確といっていい。残り2枠、7勝6敗は49ナーズだけで一歩リード。最後の1枠を負け越しの5チームが肩を並べている。どのチームも全勝はできない。ここまでが負け越しのチームだからせいぜい2勝2敗だろう。3勝1敗のチームが出ればプレーオフ出場が濃厚になる。RBカマラが復帰して、体力勝負のQBヒルとのタンデムのラン攻撃が期待できるセインツが3勝しそうだ。次週はブレイディーのバッカニアーズ戦で負けるだろうが、土俵際で踏みとどまって最後の3戦を全勝で駆け抜ける可能性はある。とにかく次週の試合結果で、先が見えてくる。注目の試合はペイトリオッツ対コルツ、チーフス対チャージャーズ、ベンガルズ対ブロンコス、パッカーズ対レイブンズ、バッカニアーズ対セインツと、好勝負が並んでいる。

12/16/木
昨日のこのページに、自分の父親のことを書いた。会社の経営者だった父とは疎遠だったというようなことを書いたが、昨夜の夜中にスカパーで「ゴッドファーザー」をやっていて、改めて父と子のことを考えた。ぼくは次男で、長男の兄が跡を継いだので、自分は父の会社と関係がなかったと、そんなふうに自分では考えていたのだが、よくよく考えてみれば、父はぼくに期待をかけていたのだろうと思う。ぼくは中学生くらいまでは数学や理科が好きで、頭も理科系だと自分では思っていた。父は兄が社長を継ぎ、次男のぼくが技術関係で会社の助けになることを期待していたのだと思う。ぼくが登校拒否をしたり、早稲田の文学部に入った時も、いずれは会社に戻ってくると考えていたのではないかと思う。そうするとぼくが芥川賞をもらって作家として出発した時、父は失望し、落胆したのではないかと思う。そういう父の気持が親鸞にもあったのかという気がしてきた。

12/17/金
本日は1試合。チーフス対チャージャーズ。Aカンファ西地区の地区優勝争いを左右する一戦。ゲーム差は1。チャージャーが勝つと勝ち星では並ぶのだが、直接対決で勝つ方が首位になるので、とにかく勝った方が首位になるという戦い。接戦になるだろうとは思ったが、今年2年目になるチャージャーズのQBハーバートが、まるでマホームズのようなすごいプレーをするようになった。チーフスのマホームズは前半戦の不調からは脱しているようだが、この一戦はチャージャーズのディフェンスがきっちりとマークしていて、マホームズも苦戦する。チャージャーズがつねに押し気味だが、チーフスのディフェンスもぎりぎりと持ちこたえて、チャージャーズ1点リードの局面からチャージャーズがタッチダウンを決めた。8点差。残り時間も少なくなっているのでこの8点差はきついかと思われたが、マホームズのバスが決まってタッチダウン。しかも2点コンバージョンも決まって同点。さらにタッチダウンをとりあって同点でタイムアップ。延長戦はコイントスでチーフスの攻撃。このあたりでさすがのチャージャーズのディフェンス陣も疲れが目立つようになった。チーフスのタイトエンド、ケルシーの独走でタッチダウン。チャージャーズはよくがんばったが、コイントスで負けたのが痛かった。実力は互角だ。このチームはプレーオフでまた対戦することになるだろう。この2チームに割って入りそうなのはペイトリオッツくらいか。とにかく本日の試合は今シーズンのベストの熱戦だった。夕方、SARTRASの共通目的委員会。これはSARTRASが得る補償金の20パーセントほどを公共目的のために使うというもので、よい方向に向かっていると思う。自分の仕事は浜松に移動してから本格的に始めたいと思っている。いまはさまざまな資料にあたっている。

12/18/土
女優の三田和代さんを招いて夕食をともにする。先日、芝居を見に行ったので元気な姿を確認できたが、疫病の流行があって、実際に会うのは2年ぶりだ。二年前の年末年始といえば、疫病流行の直前のことだが、スペインにいる長男一家が日本に来て、家族だけのコンサートをやってくれた。3人の娘がピアノ三重奏(ピアノ、バイオリン、チェロ)の演奏をやってくれた。そのころ姉は手術の直後だったので演奏会には来られなかったのだが、正月は渋谷のホテルですごしているというので、全員で訪問した。姉はお茶とケーキを用意してくれた。それからほぼ二年が経過した。ぼくたちは4人兄弟だが、すぐ上のこの姉とは親しくしている。長生きしてほしいと思う。

12/19/日
メンデルスゾーン協会の会報発送作業と理事会のために事務局長の自宅へ。東横線の妙蓮寺。何度か行ったことはあるが、御茶ノ水に引っ越してからは初めての気がする。三宿に住んでいたころは、渋谷に近かったから東横線はすぐに行けた。御茶ノ水からどうやって東横線に向かうか。千代田線で明治神宮前乗り換えだろう。特急で菊名まで行って各駅停車に乗り換え。1時間ほどで行けた。帰りも菊名から特急。これは渋谷行きだったので、中目黒から日比谷線に乗った。これも1時間ほどだった。理事会では今後の方針を決めた。本日の仕事はこれだけ。

12/20/月
本日は5時起床。コロナの影響が広がりつつあるようで、2試合が順延になった。ブラウンズは先発QBと控えQBがリザーブとなり、第3QBが先発するようだ。マレンズという、昔49ナーズでガロポロの控えで、何試合か先発したことがある。さらに控えとして練習生を急遽ベンチ入りさせるようだ。昨日は見られなかったのだが、コルツがペイトリオッツに勝って、本日はレイブンズがパッカーズに順当に負け、タイタンズが番狂わせでスティーラーズに負けた。これでAカンファはチーフスが単独首位、北地区の地区優勝争いは、ベンガルズとレイブンズが8勝6敗で並び、試合のなかったブラウンズが7勝6敗、スティーラーズが7勝6敗1分となった。4チームとも6敗で並んでいるのだが、ブラウンズはQBがいなくなっている。スティーラーズは引分が1つある。ベンガルズとレイブンズは直接対決でベンガルズが勝っているので暫定地区首位だが、次週に直接対決がある。しかしレイブンズはQBのラマ―・ジャクソンが不調。本日も試合に出ていなかった。このカンファはやっぱりチーフスが強い。対抗馬は調子を上げてきたコルツだろう。テイラーというダントツのRBがいる。ウェンツもテイラーに助けられて大きなミスをしなくなった。ただ金曜日チーフスと延長戦を戦ったチャージャーズも実力伯仲だ。ペイトリオッツはコルツに負けたところで新人QBマック・ジョーンズの若さが出た。ヘッドコーチのベリチックがどのように調整するか。プレーオフまでにはまだ間がある。次戦のビルズとの試合が注目される。Nカンファはバッカニアーズのブレイディーがセインツ相手にまさかの完封負け。ブレイディー自身初めての体験だろう。これでセインツもプレーオフ進出の望みが出てきた。今日のディフェンスは完璧。残り3試合は楽勝の相手なので第3QBのヒルでも全勝できそうだ。10勝7敗なら当確だろう。このカンファはパッカーズが単独首位、カーディナルスは死に体のライオンズにまさかの大敗。

12/21/火
コロナ関係で順延になっていた試合があり、ブラウンズは惜敗。第3QBのマレンズはよくがんばったとは思うが、RBのハントも怪我で、主力の大半が欠けていた。これは不運なことではあるが、そういう状況を受け容れるしかない。ブラウンズのファンはけっこう多い。ヘッドコーチがよくないとか、QBのメイフィールドに問題があるとか、議論が起こるだろうが、今年のブラウンズはここまでだったと思い。ぼくはブラウンズのファンではなく、少しだけ応援したいと思っているくらいだが、ここでプレーオフ争いから脱落するのは残念だ。チーフスもタイトエンドのケルシーが次の試合も出られないが、弱小チームが相手なので、地区優勝は間違いないだろう。Aカンファは本命がいなくなった。まあ、それはそれで楽しい。Nカンファはパッカーズとラムズが調子を上げてきた。バッカニアーズとカーディナルスが不振。それでもプレーオフには進むだろう。カンファ優勝チームは初戦が休みになるのだが、それで調子を落とすこともあるのでメリットとはいえない。それに対してプレーオフの第7シードにすべりこむのは、生きるか死ぬかの違いがある。残り1枠に5チームが並んでいるうち、セインツがバッカニアーズに勝ったのが大きい。明日はワシントン対イーグルスの対戦がある。ここから先は負けたら終わりのトーナメント状態になっていく。午後はSARTRASの分配WG。やや紛糾した。

12/22/水
浜松の仕事場に移動。道路が順調に流れていて、無事に到着、と思ったら、妻がキャリーバッグを載せ忘れたと大騒ぎ。仕事場に移動する時は荷物がたくさんあるので、コンシェルジェのところに行って台車を借りる。荷物用のエレベーターに必要なキーも同時に借りて、地下の駐車場に移動する。キャリーバッグも台車に載せればよかったのだが、妻が自分でもつというのでそのままにしておいたのが、これを車に乗せなかったというのだ。集合住宅の管理人に連絡すると、無管理センターで保管してくれていて、郵送してくれることになった。よかった。いろいろと大事なものが入っていた。ぼくは自分の仕事に必要なパソコンとiPadにしか関心がなくて、あとは台車の上の荷物を車に載せることしか考えていなかった。とにかく荷物が無事でよかった。

12/23/木
荷物は無事に届いた。ありがたいこと。さて本日はNETの会議。あまりにも会議が多くて何の会議だかわからくなっている。今回は発言しなくてもよいのでただ聞くだけ。今回は仕事場では『天海』のプリントを読むだけ。最終チェックだが、けっこう赤字が入る。仕事場に来ると気分がかわるので、ふだんと違った生活になる。たまったビデオをディスクに落として、仕事場で見るようにしている。今回は「刑事モース」を見ることにしている。これは老人の警部が出てくるシリーズの過去の話で、刑事になりたての若いモースが主人公。以前、NHKの衛星で放送していて時々見ていたのだが、主人公の性格が暗く、映像の展開もひどく暗い。そこが気に入っていたのだが、一話完結の事件と並行して連続しているストーリーもあって、時々見るだけではわからないところがあった。そのシリーズはスカパーでも見られるWOWOWで一括して放送していたのをすべて録画してある。昨日、その第1回を妻と見た。わあ、暗い! というような話だったが、主人公の生い立ちやら、性格の暗さの原因の一端がわかって、やっぱり第1回から見ないといけないと思った。今日は第2回。今回も暗い話。話がよくできていて、主人公モースの暗さと事件の展開がきっちりとシンクロしている。謎解きの部分もあるのだが主人公のキャラクターで全篇をもたせている。しかく偏屈で孤独でしかも好感がもてるいという不思議なキャラに仕上がっている。これは名作だと思う。『天海』のプリントチェックは4章まで進んだ。全体が12章なので3分の1くらいのところ。明智光秀と近衛前久という重要人物がすでに何度か登場していて強い印象を残している。強い自信と野望をもった光秀と、才能をもてあまして酒に溺れている前久。二人の対照的なキャラがうまく描けている。家康の弱さと狡さもなかなかいい。信長のファーストショットもいい感じだ。

12/24/金
もう会議はない。年末年始の休みの期間に入る。メールは届くがこちらは浜松にいるのですべてお任せするしかない。会議は終わりだが自分の仕事がある。『天海』のプリント。4章が完全に終わって5章に入る。いよいよ羽柴秀吉が登場した。この人物は有名人なのでわかりやすいキャラクターだし、あえてひねった設定にする必要はない。そのままの猿どのが朗らかにしたたかに登場する。石田三成と黒田官兵衛。安国寺恵瓊も出てくる。このあたりはよく知られた展開をそのまま踏襲する。ただそこに随風(天海)という人物がつねに関わっているところがこの作品の特色で、どの場面にも必ず天海は出ているのだが、天海は聞き手に回ることが多く、狂言回しのような役割を演じている。それでいい。すべての登場人物が死に絶えたあとから、本当の天海の物語が始まることになるのだ。本日は海岸沿いにある志都呂イオンまで買い物。わりとすいていた。レストランが何軒がつぶれていた。人が来なかったのだろうな。飲食業はとんでもない逆境にあるということがよくわかった。

12/25/土
『天海』のプリントのチェック。この作業は3回目で、通常は2回チェックして担当編集者に渡すのだが、今回は自分のライフワークかとも考えているのでもう1回チェックすることにした。やってもみると思いの外、赤字が入った。赤字びっしりになったページもある。つまり2回チェックでは不完全だったということだ。『尼将軍』ではプリントの段階で一度、編集者から戻しがあって、もう一度チェックをすることになったのだが、やはり2回ではダメだということだろう。歴史小説は難しい。

12/26/日
日曜日だがFootballの中継がある。現地の土曜日。土曜日は大学の試合が設定されていて、アメリカでは日本の高校野球のように人気がある。神宮球場のように、大学とプロが共用しているスタジアムがあるので、プロの試合は土曜日には設定されていないのだが、年末になると大学のシーズンが終わるので、プロの試合が土曜日にも組まれ、日本では日曜日の朝ということになる。コルツ対カーディナルス。前半不調だったが盛り返してプレーオフ進出の望みが出てきたコルツと、前半絶好調で、今月に入ってから絶不調のカーディナルス。勢いのままにコルツが勝った。これでコルツはプレーオフに近づいた。カーディナルスもあと1勝すればプレーオフ進出はできるのだが、地区優勝がラムズになると、初戦がアウェイになる。さらに相手が地区優勝のチームになるので、パッカーズとかバッカニアーズに当たるので、初戦敗退となりかねない。しかしカーディナルスは本当に調子を崩していて、大丈夫かという感じになっている。ワイドレシーバーのホプキンスと、ディフェンスの要のワットのリタイアが響いている。コルツもさらに調子を上げているようだが、RBのテイラー頼みで、QBのウェンツに正確さがないように思われる。ブラウンズはパッカーズに惜敗。これでシーズンが完全に終わった。『天海』は6章が終わって全体の半分が終わった。6章が本能寺の変で、ここまではとても楽しく読める。そこから先は少し説明が多くなっている。盛り上がりの場面が少なくなるのだが、天海が初めて江戸を歩くところがイメージ豊かで、ここから先も楽しめるのではないか。太田道灌についての本を読んで、少し説明を加えたくなったのだが、ストーリーの流れをそぐので最小限に届けた。いつもの散歩のコースに大田姫神社というのがあって、江戸庶民の間では太田道灌は人気があったようだ。江戸っ子にとっては、江戸を開いた人物として、大事なキャラクターなのだろう。だがぼくの作品は天海と家康の話なので、あまり太田道灌についてディテールを書く必要はないし、かえってじゃまになるので、ここはがまんしないといけない。夕方、石油ストーブが突然動かなくなった。エアコンが作動しているので、石油ストーブは補助的なものなのだが、熱風が吹き出す感じが木造家屋にいると貴重なので壊れると困惑する。安いものなので新しいものを買おうかと思ったが、何度か試すうちに動いてくれた。明日またストップするようだと買いに行かないといけない。

12/27/月
早朝からFootballを見る月曜日ではあるが、プレーオフ出場チームがほぼ決まった状態だし、あまりの寒さに暗いうちに起きることができなかった。8時過ぎに起きて、6時からの試合の第4クォーターあたりから見た。ベアーズが珍しくニック・フォールズを先発させて、終了間際に2点コンバージョンで逆転勝ち。ニック・フォールズは数年前にイーグルスがペイトリオッツに勝ったSUPERBOWLのMVPだ。ベアーズの第3QBに甘んじていたがようやく活躍の機会を得た。感動した。『天海』は8章が終わった。全体の3分の2のチェックが終わったことになる。6章で本能寺の変が終わり、7章から先はややドラマ感が失われたのだが、主人公の天海が独自に動き始めるところから、新たなドラマが始まっていく。前半の天海は、いわば狂言回しで、明智光秀、近衛前久、徳川家康、織田信長、豊臣秀吉、黒田官兵衛ら、おなじみの人物のようすを眺めているのだが、後半に入って存在感が出てくる。とくに江戸崎に向かう途中に江戸に立ち寄るあたりから、天海が何を目指しているかが見えてくる。江戸を造ったのが天海だということが読者にも伝わるだろう。このあたりから家康は完全に脇役に回り、天海が主人公として活躍を始める。兄から電話がかかってきた。三ヶ日みかんを送ったのだが届いたとのこと。少し話をした。9歳年上の兄だが元気そうだった。昨日と今日は1時間以上散歩した。いままで行かなかった先の方まで行ってみた。どこに向かっても信号で足を止められることがないし、大半は^鼻湖という湖の湖岸の遊歩道なので、寒いけれども快適だ。

12/28/火
本日も1試合。ドルフィンズ対セインツ。両者とも7勝7敗。残り3試合で、プレーオフ当確ラインはおそらく10勝7敗だろう。ということは、もう負けられないという土俵際同士の戦い。もうトーナメントが始まっている感じだ。その大事な時にセインツは怪我とコロナで第4QBの新人QBの先発。ブックとかいう聞いたことのない選手。ドルフィンズの方は昨年のナンバー2新人のタゴバイロア。これでは最初から勝負が見えている。開始直後にブックはインターセプトされてピック6。そこで勝負あり。これで15週が終わった。残り2試合となり、プレーオフのメンバーが見えてきた。Aカンファはチーフスが11勝で首位。次週がやや強敵のベンガルズ、最終週が死に体のブロンコスなので、このままカンファ首位でシード1位となるだろう。タイタンズが10勝、ペイトリオッツ、ベンガルズ、コルツ、ビルズが9勝。ベンガルズが強敵チーフスを残しているが最終週は死に体のブラウンズなので、1つは勝てる。ということでここまでの6チームは当確。残り枠は1つしかない。ここに8勝7敗のチームが4つ。今日勝ったドルフィンズはタイタンズとペイトリオッツという強敵が相手で2勝するのは厳しい。レイブンズもラムズ戦を残している。最終週のチャージャーズ対レイダーズ戦で残り1枠が決まりそうだが、レイダーズは次週がコルツ戦でここで勝たないと脱落ということになる。チャージャーズが2連勝しそうだが、チャージャーズが最終戦でレイダーズに負けると、現在7勝7敗1分のスティーラーズにも可能性がある。ただ相手がブラウンズとレイブンズで、どちらかに負けそうだ。とにかく残り1枠は渾沌としている。Nカンファはパッカーズ、バッカニアーズ、カウボーイズ、カーディナルスが10勝以上挙げていて当確。残り2枠に49ナーズとイーグルスが8勝7敗。きっちりと収まりそうだ。ただ両チームとも強敵を残していて1勝1敗になりそうで、7勝8敗のセインツ、バイキングズ、ファルコンズの3チームにも2連勝すればまだチャンスがあるはずだが、勝ち星が並んだ場合の判定はいまのところ予想がつかない。どのチームが並ぶかがわからないからだ。直接対決の勝敗が第1ポイントだが、まだ相手がわからない。来週の対戦が終わると、最終的な判定基準が公示されるはずだが、とんでもない死に体のチームが関係してくることがあるので、まだ渾沌としている。しかし昨シーズンのように、地区優勝を逃したバッカニアーズがSUPERBOWLまで勝ち上がるなどということは起こらないだろう。可能性があるのは同地区のラムズに負けているけれども10勝で当確のカーディナルスくらいか。欠場しているワイドレシーバーのホプキンスと、ディフェンスのワットが戻ってくると、地区優勝の4チームとも互角の闘いができる。この時点のSUPERBOWLの予想は、チーフス対パッカーズでチーフスの勝ち。ただし、チーフス対バッカニアーズになったら、またブレイディーが勝ちそうだ。

12/29/水
孫2名、到着。来た途端にレゴで壮大な装置を作り始めた。近くの気賀に祖父母がいるという友人もいっしょ。その喧騒の中でプリントのチェックが終わった。ある程度予想したとおり、金地院崇伝が出てきてからは会話が多く読みやすくなっていく。家康が弱っていくようすもうまく書けている。ラストシーンはやや弱いか。長い作品なので、静かにすっと終わるのもいいかもしれない。ただちに赤字を入力する作業を開始。出だしの部分はほとんど赤字が入っていない。どんどんとページをめくっていく。夜、四日市にいる次男も到着。

12/30/木
次男と孫2名がいる。もう年末年始モードに入っている。妻の買い物につきあい鷲津に行く。下の孫が任天堂のゲーム機の充電コードを忘れたというので100円ショップでゲット。ぼくも妻もiPhoneとiPadを使っている。ぼくは昔はアンドロイドだったので自宅にはコードがあるはずだが、まあ100円ショップだから買っておいてもいい。赤字入力は順調に進んでいる。中盤まで来ると赤字で紙全体が真っ赤になっている。プリントにした原稿はすでに2回チェックを入れたもので、このまま編集者に渡してもいいと思っていたのだが、読み返してみると赤字がびっしり入ってしまう。もう1回くらい見た方がいいのかもしれないが、まあ、直しだしたらキリがないということだろう。とにかく明日には完了となる。

12/31/金
朝9時に起きて、最終章の入力。直しが少なかったので10時には完了。天海と春日局のセリフを少しだけ手直し。これで完成。通常の作品なら半年くらいで完成するのだが、この作品は長くかかった。途中で『尼将軍』と『遠き春の日々』の校正などが入ったし、『少年空海』の草稿も書いた。だが『天海』のことは考え続けていた。自分にとっても大事な作品となった。ここには自分の一種のビジョンが描かれている。天海というのは架空の人物だ。天海という名の僧が史実に記されてはいるが、どのような人物であったかはまったく不明だ。ただ江戸城の造営、寛永寺と上野の山の構想、日光東照宮の建立など、重要な局面に天海が関わっていたことは事実だし、徳川家康を東照大権現という神に祀ったのが天海で、その神について理論武装した山王一実神道という思想書も現存している。しかし天海については謎が多く、史実に沿って小説を書くことは不可能で、ほとんどが創作といっていいのだが、比叡山焼き討ちから関ヶ原、江戸幕府成立後の崇伝との関わりなどを描き、明智光秀、武田信玄、覚恕法親王、快川和尚、徳川家康、織田信長、豊臣秀吉、黒田官兵衛、安国寺恵瓊、石田三成、大谷刑部、春日局など、歴史的な人物を配したよく知られた戦国絵巻の中に、随風と呼ばれた若き天海を織り込んでいく作業を続けてきた。近衛前久という人物が副主人公のように活躍する。弁誉および豪海という仏教の師についてもおもしろく書けたと思っている。ラスボスのように登場する崇伝の存在感もうまく書けたと思っている。さて、これですべてが終わったので、のんびりと正月を迎えることができる。数え年でいうと75歳になる。もっとも年をとるのは春の節分だという説もある。次の子年まで生きていたいというぼんやりとした希望をもっているが、それまで健康でいられるかは何ともいえない。これまで大きな病気をしたことがない。子どものころは病弱だったので、無理をせずに生きてきた。寝酒はいまも飲んでいるが深酒することはない。まあこのままの体調を維持したいと思っている。Footballは今シーズンはリーグ戦が1試合増えたので、年末のこの時点でもシード1位は決まっていないが、Aカンファはやはりチーフスだろう。大きな怪我人もいまのところ出ていない。Nカンファはパッカーズがトップだが、QBロジャースがつま先を傷めたようで、そうなるとまたもやブレイディーのバッカニアーズか。チーフスはマホームズが不調の時に守備力が向上したので、今年はチーフスが優位かなとも思っているが、Footballの試合は一発勝負なので、どちらが勝つかは予測がつかない。1月はリーグの最後の2週間と、プレーオフを楽しめる。昨シーズンはバッカニアーズがワイルドカードから覇者となった。今年のダークホースは、Aカンファがコルツ、Nカンファがカーディナルスだろう。年末なので来年の抱負も書いておく。『善鸞』。まだ何も考えていない。いや、ラスコーリニコフか、アリョーシャか、といったことは考えている。ただ偉大な宗祖の嫡男なので、オイディプスや阿闍世王子のようなところもある。仏教の話だから、阿闍世王子とダブるところもあるだろうが、韋提希夫人のような母親はいない。ただ母親の面影はあるだろうから、マザコン的な要素はあるのではないか。それと「秘事法門」という隠された原理をどのように扱うかだ。資料は少し集めたが、本当のところは何もわからない。現在まで伝えられている「裏在家」と呼ばれるフリーメーソンのような秘密集団は、蓮如から起こっているとも考えられるので、善鸞の事蹟については何もわからないというしかない。その点では天海と同じなのだが、天海の場合は徳川家康のような有名人と絡ませることができた。考えられるのは北条時頼と日蓮だ。思想の対決という、ドストエフスキーの大審問官のような場面をどこかに盛り込むことができれば、自分のライフワークとなるだろう。


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