天海06

2021年8月

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08/01/日
オリンピックが開催され疫病の感染は爆発的で猛暑が続いている、という状態で8月になった。こちらはひたすら『天海』を進めている。7月は『尼将軍』の初校ゲラが出たり、日大文芸賞、まほろば賞、歴時賞の選考があって候補作を読まねばならなかった。写真家著作権協会の瀬尾太一さんが亡くなったという想定外のこともあって何かと多忙だった。賞の選考は歴時賞を残すだけとなり8月は公用も少ないので何とか『天海』に集中したいと思う。今週は木曜日に三鷹サテライトの講座の最終回があり、そのあと大学でも何か用があるようだが、これは自分の体を運んでいけばいいだけのことだ。歴時賞も候補作の11作はすべて目を通した。『天海』はこれまでの読み返しが終わり少し書きかけていた小牧長久手の戦いとつながった。ここからは展開のスピードを上げていきたい。すでに120ページ360枚に到達している。全体は200ページと考えていたのだが、250ページ750枚になるかもしれない。それが一冊の単行本としての限度だろう。作品社でももっと分厚い本を出したこともあるが、『天海』は売れる本にしないといけない。ここまでの120ページで主要登場人物は、最後に出てくる崇伝を除いては出揃った。近衛前久と徳川家康が重要な脇役だが、秀吉のキャラクターもうまくかけた。信長、教如、お寧、黒田官兵衛、安国寺恵瓊などもしっかり書けている。登場人物のファーストショットが崇伝以外は終わっているので、ここからはテンポを上げていい。どうやら遙か彼方ではあるが、ゴールが遠望できるようになってきた。8月は『天海』に集中したい。三鷹サテライトが終わったら浜松の仕事場にいくことも考えている。しばらく行っていないので、庭の雑草と、NETがうまくつながるか心配だが。

08/02/月
かかりつけの医者のところに行き薬を貰う。これで今週は木曜日の三鷹サテライトを除いては何も用がない。相変わらず猛暑が続いているが、エアコンが効いているので気分だけの問題だ。散歩に行けないのが残念だが、いま熱中症になりたくないので体力の衰えは気にせず、体操とエキスパンダーで体が固くなるのを防いでいる。小牧長久手の戦さから秀吉が関白になるまでは一気に展開していく。秀吉の死も小さなエピソードとして書くだけにとどめる。ただ家康が江戸に行くところはしっかりと書いておきたい。

08/03/火
サッカーの準決勝スペイン対日本。スペイン人の孫がいるので、この対戦は複雑な感じになる。いつものように国歌が演奏されても歌わないスペインの選手。スペイン国歌には歌詞がない。日本のような単一民族国家では考えられないことだが、スペインは多言語国家だ。一般にスペイン語と呼ばれるカスティージャ語の外に、バルセロナやバレンシアではカタルーニャ語が公用語で、教科書もカタルーニャ語だ。ポルトガルの北側のスペイン領も言語はポルトガル語だ。それにバスク地方のバスク語。従って国歌には歌詞がない。日本の選手たちもちゃんと歌ってはいなかった。日本の国歌って若い人には意味不明だろう。ぼくは旅行で中国に行って、初めて「さざれ石」というものを見た。カルスト地形で砂利に石灰が溶けた水が流れ込んで固まったものが「さざれ石」で、大きな石になるまでに長い年月がかかるという意味だ。国家がそれだけ存続してほしいということだろうが、それほど国家を愛している若者はいないだろう。延長戦後半でスペインに点が入った。PK戦になったら勝つチャンスがありそうだったので残念。やっぱり日本を応援してしまう。女の子がボクシングで勝ったのもすごいね。さて『天海』は主人公が初めて江戸にやってくる。江戸崎というところの寺の再興を任されるという史実がある。天海は会津出身だが上洛する時は群馬県のあたりを通るので江戸は初めてだろう。家康に先んじて江戸の地形を見る。そこから江戸先に向かうと常陸川を渡ることになる。いまの利根川だ。昔の利根川は江戸川を通じて東京湾に流れていてしばしば大洪水を起こした。利根川と常陸川をくっつけるために低い山地を開削した大工事。駿河台を切通して神田川を隅田川につなげたのもすごい工事だが、これは大名に金を使わせるための策戦だ。天海はそういったことも考えたのではないかと思われる。

08/04/水
明後日に浜松の仕事場に移動するので荷物の準備。まずは歴時賞の選考があるので候補作11冊を一つのリュックに入れる。これだけ別にしておきたい。あとは『尼将軍』の再校ゲラが届くのて、現在進行中の『天海』の資料。あとは常備薬など。Wi-Fiの装置は仕事場にある。掃除機のバッテリーはむこちらで充電してもっていく。明日は三鷹サテライトの講座と大学で仕事があるので、本日の内に荷物を作っておきたい。

08/05/木
三鷹サテライト。連続講座の最終回。疫病の流行で休止になること2回。4回の講座なのでどうなるかと思ったが、何とか無事に4回を終わることができた。終わってから大学。久し振りだ。かつては毎日のように通っていた大学だが、行かなくなるとけっこう遠くでめんどくさいと思う。よくこんなところに毎日通っていたと思う。インタビューに答えるだけの簡単な仕事だが、カメラで撮影されるのでいくぶん緊張したが必要な話はできた。武蔵野文学館のホームページにそのうち掲示される。オリンピックもそろそろ終わる。明日は仕事場に移動する。郵便を受け取れないが必要なところにはメールで連絡したので大丈夫だろう。

08/06/金
仕事場に移動。外気温35度。直射日光。大和トンネルまで大渋滞。難行苦行でどうにか仕事場にたどりついた。ここも気温は高いし陽射しも強いが風が通っている。御茶ノ水の集合住宅のリビングルームは窓が開かない造りになっているので天気の好い日は温室みたいになる。この仕事場は丘の上にあって風が通る。とはいえ台風が接近しているらしいので心配。NETも問題なくすぐに仕事が出来る状態になった。東京から遠く離れてのではあるが、来週は毎日会議がある。やれやれ。ZOOMという発明のおかげでやたらと会議が増えた気がする。

08/07/土
仕事場で朝を迎える。台風のせいで東京は雨模様ということだが、浜松は雲は多いものの雨の気配はない。朝のうちに再校ゲラが届いたので、妻といっしょに食料品の買い出し。この仕事場は町から離れた別荘地の中にあるので、三ヶ日、鷲津、気賀など、町まで出ないと買い物ができない。本日は一番近い三ヶ日の町。遠鉄ストアとバローを回る。仕事場に戻って『天海』を少し先に進める。ゲラは歴時賞の選考が終わってから集中する。

08/08/日
オリンピックが終わった。まあ、けっこうテレビで見ていた。事前に金メダル30個という目標が聞こえてきた時には、夢のまた夢と思っていたのだが、27個というのは意外な成果だ。スケボーとか、なじみのない種目で金がざくざく採れたという感じもするが、柔道とレスリングはよく頑張ったし、観客はいなくても地元開催のメリットがあったのだろう。逆にバドミントンとか水泳とか不振の種目もあった。ぼくが驚き感動したのは、卓球男女ダブルスの金、柔道の上から2番目のクラスですべて押さえ込みで勝った女子選手、フェンシングの団体エペの金、それと女子バスケットの銀……といったところか。野球とソフトはよく頑張ったが、勝って当たり前という感じもする。ということで、オリンピックは終わったが、高校野球がそろそろ始まるのかな。来月になればアメリカのFootballが始まる。いまからドキドキしている。

08/09/月
今日も休日らしいが、歴史時代小説作家協会賞の選考。新人賞、文庫新人賞、作品賞について議論する。議論は伯仲した。新人賞はレベルが高かった。すごいものが1つあった。こういう時の他の作家は気の毒なので、2作選んではとも思ったが、その2作目については選考委員の意見が分かれたので1作のみとなった。結果としてはスッキリしたと思う。文庫新人賞は候補が2作しかなく1作を受賞作とした。5作くらいあるとそのうちに2作を同時受賞ということもありうるのだが、候補の2作にはわずかではあるが差があるので1作受賞となった。作品賞も大いに紛糾した。歴史時代小説は神話の時代から明治期くらいまでの時代の幅があるし、歴史研究を踏まえた史実中心のものからファンタジーので、手法にも幅がある。その中で優劣を決めるのは難しい。資料をしっかり読んでよくまとまった作品は読み応えがあるのだが、資料さえあれば誰でも書けるということがあり、書き手の個性、主人公の個性が要求される。ファンタジー的なものも史実に寄り添いすぎて奔放な展開が束縛されることもあるし、逆にファンタジーだからと史実から離れすぎても魅力が失われる。そういった議論の中で、最終的には選者も少し冒険をしようという成り行きとなった。充実した議論が続いて、ぼくとしても勉強になった。ゲラを見ている『尼将軍』や『天海』のことを考えた。何しろ選考委員長なので、下手なものは世に出せない。委員の他の3人は評論家や編集者なので、ぼくだけが候補作と自分の作品を比べてしまう。そういうこともあるので、会議が終わると疲労を覚えた。

08/10/火
猛暑が続く。それでも昨日までの湿気がないので、夕方まではエアコンを入れずに窓を明け放っていた。自然の風が心地よい。この仕事場を建てた当初は、屋根裏にあるぼくの書斎にしかエアコンがなく、寝る時は自然の風だった。これでも心地好く眠れていた。やはり地球は温暖化していると感じる。いまは夜中もエアコンが必要で、すべての寝室にエアコンをつけている。設計の段階で確執のエアコン用の配線をして、ブレーカーも別個にしてあったので、取り付けは簡単だった。本日はSARTRASのフォーラムという会議。傍聴しながら『天海』を進めている。随風という名で登場した主人公がようやく天海となった。その切り換えが難しい。まだ地の文では主人公を随風と呼んでいる。家康が死ぬまでは随風で押し通そうと思う。

08/11/水
猛暑。昨日より湿度が高い。根洗のファーマーズマーケット、都田テクノのカインズホーム、都田駅前の葡萄販売所などを回る。『尼将軍』の再校チェック。初校との突き合わせは終わった。あとは校正のことは考えずに最初から通読して最終のチェックとする。『天海』も少し進む。家康が天海と呼びかけたので、ここから先は地の文も天海としたい。名前が変わったせいもあるが、このあたりから天海の押しが強くなっていく。晩年の独裁者の感じに少しずつ移行していきたい。

08/12/木
今日は豪雨。どこにも出かけずに仕事。初校との突き合わせが終わった再校ゲラを最初から読み返す。導入部はよく出来ている。息をつかせぬ迫力がある。展開に忍び込ませた状況の説明もうまくいっている。ヒロインのキャラは単純明快で屈折がない。自分の書く主人公はある程度、屈折を抱えた人物が多い。デッドストックとなっている紫式部も屈折がある。しかし今回の北条政子は、どこまでも強い女だ。そういうタイプの主人公なので、話がどんどん進んでいく。頼朝は頼りなく、義時は暗い。義村は明るい好青年として登場する。2章まで読み終えた。全体は8章。ここまですらすら読めたので、あとは流れに乗って読んでいけるだろう。『天海』も少し。また近衛前久が出て来た。このキャラクターはまことに楽しい。主人公の天海には屈折がないが、前久は屈折だらけだ。その対比がおもしろいので、この先も何度も登場することになるだろう。

08/13/金
午後から豪雨。九州や中国地方でも豪雨が続いているが、ここ静岡県もそれから長く雨が降り続くことになるようだ。幸い北風ではないので雨漏りはしていない。再校ゲラの読み返しは4章まで。これで半分。毎日2章読むということなら、日曜には完了する。『天海』も少し。秀吉の朝鮮遠征が始まった。ここはサラッと通過して早く関ヶ原に行きたい。天海が主人公なので家康が死んでからまだ書くべきことがたくさんある。しかしそのあたりはエピローグの文体で書くしかない。家康も近衛前久もいないと対話の相手がないのでドラマが脹らんでいかない。ただ吉田兼見はすでに登場させているし、最後に崇伝も出てくる。三浦按針も登場させたい。

08/14/土
連日の雨。ゲラは6章まで。あと1日で終わる。登場人物の語り口調に不統一のところを発見。これだから気は許せない。大きな直しはないが、パーフェクトを期するための校正だ。集中しないといけない。『天海』も少し。歴時作家協会の講演会。ZOOMで傍聴する。ただ聞いているだけでいい。危機ながらパソコンの画面を見ていた。明日にはゲラが終わる。月曜には投函できる。

08/15/日
昼過ぎまでにゲラ完了。封筒に入れて送付できる状態にする。これで一つの仕事が終わった。長くデッドストックをためこむだけの作業を続けてきたが、ようやくゲラが完了して本が出る。『遠き春の日々』に続いて『尼将軍』が本になる。今年はこれで終わりだが、現在作業中の『天海』も今年中にはまとまりそうだ。午後に次男が到着。夕方に孫2人を鷲津の駅に迎えに行く。急に人が増えた。明日の夜までは孫がいるので作業は小休止とする。明日はゲラを宅急便で送り出せばいいだけ。

08/16/月
次男と孫2人がいるのだが朝から雨。子どもたちは夏休みの宿題をしている。こちらは2時からのZOOM会議に出席。終わったころに妻に連絡があり、高齢者施設に入っている母親が目覚めないとのこと。目覚めないだけでまだ生きてはいるのだが、念のために明日、東京に戻ることにした。ということで、明日の朝に帰るはずだった孫たちは、四日市に帰る次男が今夜送っていくことになった。こちらは明日の午後1時半から会議があるのだが、途中のサービスエリアからスマホで参加しようと思っている。冒頭の挨拶だけしてあとは他の方々にお任せしてもいいと思っている。夕食後、孫たちは帰っていった。昨日来て一泊しただけだが、急に建物の中が静かになって寂しい限りだ。

08/17/火
起きた時は豪雨だった。仕事場は建物の出入口から駐車スペースまでの距離が長く、これでは荷物を運べない。帰京を明日に延ばすかと妻と話していると、急に雨が止んだ。天気予報では静岡県は1日中雨ということだったが、降っているのは沿岸部だけで、内陸を通っている新東名はまったく雨はなかった。午後1時半から文化庁の会議。海老名SAあたりで参加できるかと思ったのだが、早く着いて買い物も済ませたので、車に乗り込んでからアクセス。いつものオーファン委員会だと思っていたら文化庁主催のWEBEXだった。国会図書館の会議がWEBEXだったのでiPadにはアプリが入っているのだが、iPhoneには入っていない。ぼくのiPadは電話がついていないのでWi-Fiのないところでは使えない。あわててiPhoneにアプリを入れようとしたらパスワードを聞かれて途惑った。ということで会議の参加が少し遅れてしまったが、文化庁の説明はちゃんと聞けたし、われわれのメンバーも適切に対応していた。こちらは車の中なので発言は控えた。iPhoneを手にもっていると顔が拡大されて映ってしまうのでビデオを切ってしまった。とにかく傍聴はできた。雨に降られなかったので快適なドライブで思ったより早く自宅に到着。東京は雨で、明日からは猛暑が復活するとのこと。仕事場のある浜松はいま豪雨で、高齢者避難の指示が出ているとのこと。雨漏りのする仕事場が心配だ。

08/18/水
このところ毎日会議がある。NETの会議とはいえ時間を制約される。自分の仕事のペースの中に時間の制約が割り込んでくると、行動の自由を束縛される。自由といっても散歩に出るだけなのだが。本日は分配委員会。これはいつものWGとは違うものだということに会議が始まってから気づいた。明日は理事会があり明後日は何やら別の会議がある。会議のメンバーはいつも同じような気もするのだが、まあとにかく、何度も会議をしているうちに参加者が疲れてきて話がまとまるということではないかと思う。自分の仕事もそれなりに進んでいる。今朝、ぼくが寝ているうちに妻は母親の死が伝えられたという。97歳で死因は老衰だ。老衰というのは自然死ということで、まずは無難な死だとは思うのだが、自分はもっと簡単に死にたいという気がしている。

08/19/木
本日はSARTRASの理事会。分配委員会の報告を認めるだけの会。ぼくは分配委員会のメンバーだし、その下部組織の分配WGのメンバーでもあるので、このテーマについて考えるのも語るのも倦んでいる。本日は会議のようすをバックミュージックのように流しながら自分の仕事に集中していた。NET会議のいいところは内職ができること。まあ、リアルな会議でもノートにメモを書いて内職はしていたのだが。

08/20/金
妻は早朝に大阪に向かった。日曜日に葬式。こちらはパスさせてもらう。親戚の集まりがあるわけでもなく儀式をするだけなので休ませてもらった。義父が亡くなった時もパスをした。去年はまだワクチンが出来る前だった。今回は2回の注射は受けたのだが、デルタ株には効かないという噂もあって、新幹線には乗りたくない。というか、いま『天海』のエンディングに向けての追い込みに入っているので集中して仕事をしたいと思う。本日の会議は共同目的委員会。補償金のお金が入ってくるので、このお金をただ分けるだけではなく、有意義な目的に使うための会議。これはフェアでピュアなものだ。怪しい事が起こらないように見張っていなければならない。

08/21/土
今週は毎日会議があって5日連続。週末になってやっと一息。本日は義母のお通夜。わが次男と次男の長男が参加。義父の葬儀にもこの2人は参加してくれた。次男は義父母に可愛がってもらった記憶があるのだろう。こちらは妻がいないのでひたすら仕事。もうすぐ関ヶ原に到達する。現在160ページほど。『尼将軍』は200ページだった。今回は家康の死までで200ページ生きそうなのでもう少しボリュームが必要だ。明智光秀の配下の斎籐利三の娘の春日局まで出てくるので、まだまだエピソードが多い。金地院崇伝がこれから出てくる。林羅山も少しだけ登場させたい。

08/22/日
義母の葬儀。写真が送られてきた。戒名の草案を妻に頼まれてラインで送ってあったのだが、ほぼそのまま採用されていた。ぼくの自分の母親の時は葬儀をしなかったので、自分で考えた戒名をそのまま墓石に掘ってもらった。公共墓地だとそういうことができる。お寺の墓地だとそういうわけにはいかないようだ。今回は葬儀に坊さんを呼んだので、お金を払って戒名をつけてもらったのだが、草案を出したので文字順番が少し変わったくらいでそのままだった。それでも坊さんがその戒名の意味を解説した掲示板を作ってくれたので、何やらたいへんありがたい戒名のような感じになっていた。

08/23/月
またウィークデーが始まった。先週は五日連続でNET会議があったが、今週はゼロ。ありがたい。いよいよ関ヶ原の戦さが始まるので今週は自分の仕事に集中したい。

08/24/火
高台院を登場させた。このあたりで章を締めくくって新たな章に入る。関ヶ原の前哨戦が始まる。まず黒田官兵衛を登場させる。ここから黒田長政の活躍につながっていく。井伊直政も活躍させたい。妻が帰ってきた。義母の葬儀だけでなく、高齢者施設の後始末などの作業もあったようだ。こちらは何も出来なかった。申し訳ないようだが、まあ、仕方がない。パラリンピックが始まったが、とくに興味はない。9月10日からFootballが始まる。近づいてくればドキドキするだろうが、いまはまだあまり考えないようにしている。今シーズンはスーパーボウルで対戦したチーフスとバッカニアーズの再戦となるだろうが、チーフスのマホームズは足を傷めていた。これが順調に回復するのに対し、ブレイディーはさすがに少し衰えるだろう。互角の闘いが期待できる。伏兵として、Aカンファはベアーズ、Nカンファはカーディナルズを応援したい。ドラフト1巡で入った5人の新人QBがどの時点で先発するのかにも注目したい。

08/25/水
妻が帰ってきたので日常が戻ってきた。関ヶ原の直前、淀どのと大蔵局が登場。次に安国寺恵瓊を出して、それから黒田長政か。本日は異様な暑さ。ぼくの仕事スペースは西に向いているのでまともに西日を浴びることになる。カーテンを閉め切っていても、カーテン越しに輻射熱を感じる。とにかく仕事が前進しているので、気分はよい。

08/26/木
いま取り組んでいる『天海』は締切のある作業ではないが、次の仕事の予定もあるので、どこかで区切りをつけたい。とにかく草稿を完成させて、少し時間を置いてからプリントして読み返し、全体の流れを見たい。ここまで書いてきた草稿はあくまでも第一次草稿で、ここからキャラクターを煮詰めていくことになる。ということで、今月中に関ヶ原に突入してコンパクトに描ききってしまいたい。そこから先はエピローグの文体でよりコンパクトに歴史を追いかけていくことになる。崇伝が出てきてからも緊張感のある場面はいくつかあるはずだが、もう大きな戦闘はない。大坂の冬の陣、夏の陣は、勝つとわかった戦さなので、ほとんど描く必要はないだろう。

08/27/金
猛暑。浜松市が暑そうで、東京にいてよかったと思う。義母の危篤の報に予定より早く東京に戻ってきた。ここは集合住宅なので外気とは隔てられている。どんなに強風が吹いても、室内はエアコンで調整されるのだが、それでも陽射しが強いと輻射熱が入ってくる。夕方はとくにぼくの仕事スペースが暑くなるので、食卓に移動して資料を読んだりiPadで調べ物をする。こういう作業をしていると、自分の年齢のことを考え、これが最後の仕事かと考えてしまう。次の仕事は決まっているし、まだデッドストックが2つあるので、これを何とかしたいとは思っているのだが、新たな作品のプランがなかなか生じない。まあ、少しのんびりしてもいいかなとは思っているが、疫病の流行が収まらないので旅行にも行けない。

08/28/土
猛暑。主人公の天海が関ヶ原に到着した。まだ戦さは始まらない。だが天海の目には戦況が見えている。ぼくの小説では天海はスーパースターだから、何でも見透すことができる。ここまでいい感じで書いてきた。関ヶ原はこの作品においても最高の山場となる。そのあとはもうやや長いエピローグを列ねていくだろだ。まだ山は越えていないが、ゴールは見えてきた。

08/29/日
曇り空だが戸外に出るとすごい湿度で何とも耐えがたい状態だった。妻が疲れ気味なので三越に弁当を買いに行く。デパ地下は空いていた。さすがにすごい感染者数になったので、人々が警戒するようになったのだろう。仕事をしながら高校野球の決勝戦を見る。お盆のころに次男が仕事場に来たので、優勝候補はどこかと訊いたら、大阪桐蔭と両智弁、という答えだった。そのとおりに智弁同士の決勝戦になった。ぼくは自分と顔が似ているエースのいる和歌山を応援していたので、和歌山の勝利に満足した。

08/30/月
またウィークデーが始まった。先週は会議が皆無だった。その前の週は毎日会議だった。今週は本日と木曜に会議が入っている。本日の会議は重要なもので必要な発言をしたので疲れた。近所まで買い物。暑い。この猛暑はいつまで続くのか。『天海』は江戸に戻ってきた。これで関ヶ原の準備が終わった。あとは戦闘の経緯を簡潔に記すだけだ。戦記物ではないので細かい描写はしない。ここから先はエピローグの文体になる。ただし金地院崇伝、林羅山、三浦按針らは登場させないといけない。いま190ページくらいのところまで来ているが、あと50ページは必要だろう。250ページだと400字にして750枚ということになる。まあ、適当なサイズだろう。

08/31/火
今月も月末になった。猛暑が続く日々と、雨ばかりの日々があって、散歩に行けなかったが、そのぶんパソコンの前に座っていることが多く仕事は捗った。浜松の仕事場にも行ったが、義母が危篤との報せに急遽東京に戻ってきた。どこにいても仕事は出来るし、東京の方が資料が揃っている。本日は関ヶ原の戦さの模様を一日で書き上げた。これで一つの山を越えた。





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