1997/02/18(TUE)

1997/02/18(TUE)



昨日もよく眠った。面白いほどよく眠れるのだ。ほとんど一般の健康人並みの睡眠時間ではないだろうか。いちおう、ナーダがわたしの強迫観念に打ち勝ったということだ。さて、一夜が明けたが、だからといって、何かが変わったわけでもなければ、事態が好転したというのでもない。そして、いうまでもなく、愚痴は言えない。このままの自分を引き摺っていくしかないのだ。点滴も一緒に。
考えてみれば、健康人の生活も、わたしの生活も、そんなに大きな違いがあるわけじゃないのだ。生活は生活であってそれは同じものだ。ただ、表に現われて見えるものが違うだけである。それと、体力が弱っているということはあるだろう。こればかりはどうしようもない。体力の絶対量が足りないのだから悲しい。この悲しみは曰く言い難いものだ。そうしたことを除けば、わたしと健康人との生活上の違いなどほとんどないといっていい。繰り返すが、生活は生活だ。

魚とか肉類の味噌漬けが食べたい。子どもの頃から好物だった。いまでもまったく変わりない。粕漬けも大好きだ。特に牛肉の味噌漬け、粕漬けはほんとうに大好物だった。あと、魚の干物なども、子どもの頃はずいぶんうまいものがまだあったものだ。あの日に帰りたい。

足のだるさが襲ってきて、また眠れなくなった。まったくこればかりはどうしようもない。体じゅうをかきむしってばらばらにしたくなるといった発作に襲われる。それでも、特効薬はないのだから、結局のところは自分で耐えているしかないのだ。なんという馬鹿々々しいことだろう! なんという不毛、浪費、アホらしさであろう。アホらしい。やってらんないよ。いまも、それを押してこうしてキーを叩いている。ろくなものが書けるわけないよ。ろくなものじゃなくてもいいじゃない。そうだあ。なんでもいいんだ。くだらないものでいいよ。読む人には悪いけどね。読む人の身になれば、馬鹿は書けないはずなんだけどね。この問題が、最後にあるわけだ。読者。読者にだけは媚びるわけにはいかない。はっきりプロとして書いているわけだからね。するとだね、アホを書いてもそこに芸がなければいけないということだ。アホでもなんでも、芸でもって読ませることができればそれはそれでプロとして通用することになる。

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夏際敏生日記 [1997/01/21-1997/02/22] 目次| 前頁(1997/02/17(MON))| 次頁(1997/02/19(WED))|