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ベンチャー企業の経営管理

平成11年3月24日に開催された東京総研株式会社主催
「第20回 未公開株式研究会 テーマ:ベンチャー企業の経理の仕組み・作り方」
の講演録です。

U ベンチャー企業の経営管理・会計の破綻の事例
 いかにしてベンチャー企業の経営管理・会計を破綻させないようにしなくてはいけないかというのがテーマですが、では、一体どのようにして破綻していくのでしょうか。

U-1 合併と新会計システムの導入
 情報処理サービス業の、関西のほうから進出してきた会社です。データエントリーの部門があって、やがてデータエントリーする前後の業務処理を一括して請け負いましょうという部分が出てきて、それが出てくると、その業務に絡むソフトウェアも開発しましょうと開発部門が出てきて、とやっていきますと、会社がどんどん出てきますので、公開するにあたって、コンピューター業界ですとインテグレーションと言う会社の業務の統合をして、トータルサービスを提供する会社です、とまとめました。
 それまで手書きに近い状態でやっていたんですが、売上高数十億くらいの会社が4〜5社あったのを統合して、100億くらいの会社ができたということで、数十億ならそれでもなんとかなったんですが、合併となりますと部門別の試算表を出さないといけなくなりますから、コンピューターシステムを入れました。が、それ以前の会社間にあったいろいろな債権債務や取引高をきれいに整理できずに、期首残高が固まらないまま4月の月次の取り引きが始まって、5月が始まって6月が始まって。どこかで、とにかく月次はいいから期首残固めようと指示する管理者がいればよかったのですが、いなかったんですね。合併したはいいが、それ以前の各会社と合併後の各部門を統括して見ていくような人がいなかった。関西のほうの部門は関西だけでのんびりやっているし、東京のほうの会社は東京でやっていて、合併したら何が起きるかということを想定して、会社の業務のフローを変えなくてはいけなかったわけですが、これを変えないまま、とにかく請求書は出さなければいけないのでその業務はやらなくては、払いもしないわけにはいかないからやらなくては、という感じで1年間回ってしまいました。
 ちょうどそのころ我々が契約し、まずは最初の予備調査かけましょうかと行った時に、決算が固まっていないことがわかったんです。期首残が入っていない帳簿というのは、みなさん見られたことはないと思いますが、結構おぞましいですね。吸収されて預金を相手会社の他部門の預金に吸い上げられた銀行口座の帳簿というのは、数千万や数億のマイナス残で、もらったほうはたいしたことないと思っていても、期首残が入っていないから実はいくらあるのかもわからない。会社のほうと会計士と一緒になって決算を2ヶ月間ほどでなんとかまとめたということですから、経営管理どころではないわけです。


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