いやはや。
 次回はお待たせしませんとか大見得を切りながら、ホントに長い間お待たせしました。
 僕のページでは、いろんなところにアクセスカウンタを設けていて、どんなページが人気あるんだろう、って見ているのだけれども、不思議なことに(っていってはいけないのだけれども)このページを多くの人にアクセスして貰っていて。親ページであるカウントダウンよりもずっと多くの人に訪れて頂いています。ありがとう。
 そういう現象を横目で見ながら、ずっとプレッシャーを感じていたのだけれどもね。マシンのHDが壊れて、半分ほど書いた原稿が飛んでしまって以来、そのままになっちゃったんだよね。言い訳だけど。
 筆の進まないのには理由があってね。それは僕の勉強不足というか、ジャズのおっきさというか。一回に書ける長さの原稿に、どうやったってハードバップの誕生と終焉なんて入らないんだよね。当たり前だけれども。
 だから、その当たり前を当たり前と割り切って、お気に入りのレコードとかを紹介しながら、ぼちぼちジャズの移り変わりを紹介していけたらな、って思っています。
 ずっと更新しないページを、それでもアクセスし続けてくれた人たち、本当にありがとうね。

  スイング・ジャズとモダン・ジャズ 3

   c.モダン・ジャズ 2

 さて、どこまで話したっけね。確か、チャーリー・パーカーの死とともにビ・バップが終わりを告げる、っていうところだよね。
 もちろん、パーカーが死んじゃったから明日から別の音楽を始めましょう、っていうわけでは全然なくってね。ジャズの流行はその前から少しずつ、変わり始めていた。

 その推進役の一人が、マイルス・デイビス

 彼はそのあと50年間に渡ってジャズの変化を導いていく偉大な人なのだけれども、1940年代の彼は、まだ坊やで、あこがれのパーカーのバンドにちょっと混ぜて貰ってた、っていう程度の存在。ここからは僕の推測だけれども、あまりのパーカーの偉大さが息苦しくなって彼はクスリにおぼれていった。もちろんパーカーもクスリをやっていたのだけれども、そんなことをしたってパーカーには追いつけない。いっそのことまったく新しい音楽をしよう、というわけで彼はパーカーと袂を分かったんだ。
 そして、アドリブ勝負のビバップに対抗するべく彼が作り出したアルバムが「クールの誕生」。これは9人って言う大編成なんだけれどもスウィングジャズではなく、一発芸のアドリブをあまり表に出さずに編曲で聴かせる音楽。ホルンとかチューバとかも入って、ビート感がないから、僕は好きじゃないんだけどね。
 たぶんこのアルバムはそんなに売れたわけでもなく、そのスタイルが主流になったわけでもないのだけれども、「クール」って言う言葉は、確実にその後のジャズのキーワードになった。
「クール」という言葉に表される、一発勝負に終わらない編曲重視のグループサウンズとしてのジャズが、若いジャズマンによって試行錯誤され始めた。

 そう。新しい音楽は、いきなり出来る訳じゃないからね。

 最近CD屋さんに行ったら、その当時の状況をすごく良く伝えるアルバムがあったから、思わず買ってしまったよ。
 MILES DAVIS BIRDLAND 1951。パーカーの元を離れて、クスリも断って、クールの誕生を吹き込んだマイルスはNYに帰ってきたのだけれども、昔のクスリのおかげで出られるライブハウスが1軒しかない。そこで連夜新しい音楽を模索していた。かどうかはよく解らないのだけれども、そのライブハウスはBIRLDLAND。そこでの1951年の3セットの演奏が入ったこのアルバムは、ちょうどビバップから抜け出して、後に「ハード・バップ」と呼ばれることになる音楽の卵が生まれ出ようとする瞬間の音がするよ。

 マイルス・デイビスにトロンボンのJ.J.ジョンソン、テナーのソニー・ロリンズ、ピアノのケニー・ドリューにドラムのアート・ブレイキー。それぞれが後に一家を成す若かりし頃のスターが火花を散らす。そういうアルバム。
 ここで僕が言うのも悪いとは思うのだけれども、ビバップとハードバップに明確な一線はないんだよ、たぶん。あるとすればパーカーやバド・パウエルが演っているかどうか、ってことかな。僕が知らないだけ、っていう可能性も大なのだけれども。
 このアルバム、曲はビバップ時代の曲だし、そういう明確な差もないのだけれども、グループとしてのグルーブ感はまさしくハードバップ。若かりし吹きまくるマイルスはそんなにないから、ちょっといいよ。

 なんだけどね。なんだけど、残念なことに音が良くないんだなあ。3セットあるうちの2セット目のテープが傷物みたいで、かなりひどいノイズが混じるから、観賞用としてはいただけないのが残念だね。
 まあ今頃発掘された音源だからね。しょうがないけれど。ちなみに1,3セットの音はまあ普通に聞けるから、CD-Rで真ん中4曲だけ抜いたのを作ろうかな、と画策中。演奏はいいからね、もったいない。

 ちょっと長くなっちゃうから、今日はこのくらいにしとこうかな。ハード・バップまでたどり着かなかったね。ごめんなさい。

 

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