【"THE GARDEN "#9-2】  梵我一如 アニッシュ・カプーア瓢箪プロジェクト   p.2

●カプーアの作品には人体を大宇宙に重ね見る壮大なイマジネーションが内包されています。カプーアにとってリンガ(男性器)とヨニ(女性器)そして精子や卵子といった性的シンボルを想起させる作品は、決して欲望の幻想の象徴ではないはずです。それは人間の内なる本質が不死不変のアートマンであることの暗示なのです。カプーアの顔料による深淵な色(ブルー・赤・黄など)は、そのまま輪廻転生をくり返す幻想の闇に沈んだ無数の魂のかたまりのようですが、その先にアートマン本来の姿(生命を成り立たせている気息)を垣間見させ、そして、ついにはアートマンがブラフマンと重合する宇宙生命への帰一を予見させてくれています。
  彼の瓢箪は宇宙創生の器なのです。
INDEX GALLERY 代表 岩野正英











Exhibition #9 : END

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(2000.9.17掲載)