LANケーブルを使ったゲルマラジオ

ゲルマラジオの同調コイルは、大きな音を出すためには、大型化が必要ですが、120Cmを超えると簡単には作れなくなります。そこで、代表的な多芯ケーブルであるカテゴリー5(100BASE-T)のLANケーブルを使い、全長約3.6メートル(直径約120Cm)の、ボビンを使わないコイルを作ってみました。

LANケーブルは2芯のツイストペアケーブルが4組で構成されています。他のページでも触れていますが、大型コイルを作ると、その線間の浮遊容量によって、周波数の可変範囲が大変狭くなってしまいます。そこで、今回はスイッチによって、1000KHz以下用として8回巻き、1000KHz以上用として途中の4回巻きで切り替えるようにしてみました。尚、4回巻きの場合、タップから配線するだけでは、インダクタンスは減っても、キャパシタンス(この場合線間容量)はほとんど変化しませんので、2回路のスイッチで完全に切り離す必要があります。

  (本体部)      (スピーカー)

今回はボビンを使わないコイルを構成するために、クリーニングの針金ハンガーを水平部分の中央でカットし、適当に曲げて、ケーブルを壁につるすようにしました。ハンガーは、左右に約1メートルになりますので、あとは自然に垂れ下がるままでOKです。尚、このコイルは、8の字の、かなり強い指向性がありますので、設置方向には注意が必要です。

(裏からの写真)

(写真はタップを取る前のものです)

LANケーブルをカットし、半田付けの後、熱収縮チューブで絶縁しました。つなぎ方は任意ですが、今回の接続は次の通りです。

 緑 −−> 巻初め
緑/白 −−−  緑
 橙  −−− 緑/白
橙/白 −−−  橙
 青->(タップ)<-橙/白
青/白 −−−  青
 茶  −−− 青/白
茶/白 −−−  茶
  巻終り<−−茶/白       

スピーカーは、90Cmダンボールゲルマと同様に、600型黒電話の受話器です。これを、100円ラジオ用スピーカーで紹介しているメガホンに取り付け、裏にトランスも貼り付けています。

当方の所在地は、埼玉県さいたま市(旧大宮市)で、NHK菖蒲送信所、TBS川口送信所、文化放送鳩ヶ谷送信所から各々15Kmから17Kmの距離にあります。90Cmゲルマでは民放は耳を近づけてやっと聴こえる状態でしたが、今回はかなりハッキリ聞き取れるようになっています。

また、持ち運びができるし、場所をとらないので大変便利です。

もどる