起き抜け36.9℃。左の目尻からもう少し奥に寄った所の皮膚に触れるとヒリリと痛い。引っかき傷でもつくったかな。ついさわってしまう所なので保護したいが眼の傍だけに使える軟膏や絆創膏は限られるだろう。看護婦さんに見てもらったら,ちょっと赤い程度みたい。さわらないようにがんばるしかないか。
左手で遊んでいる点滴ルートのひとつを外してもらった。
朝食は猫まんまにして降参。服薬。内服薬に代わった鎮痛剤はトラマドール塩酸塩なる成分でアセトアミノフェン,なるほど効くなあ。髭剃りする気になった。メモ取り再開。
8時半Dr.s来て,ドレイン管を抜くと言う。え,ここでやるの。胸腔まで達しているぶっとい管を気合いと共に抜き,跡をちょちょっと縫う。そのために左向きの姿勢をとるところからして痛いのだが,ずるりと何かが体を出ていく感触と縫合の針とが一段と痛かった。痕は止血のテープを貼っておしまいで,ガーゼを当てたりはしない。一所に硬膜外麻酔のチューブも撤去。もうフラッシュできない。
9時にリハビリのトレーナが来,足首ストレッチのあとDルームまで歩いて往還する。血中酸素濃度を測るクリップは自前で持ってたほうがいいのかもしれんな。
10時看護婦さん来て尿道カテーテルを撤去する。い・た・い,は痛いが前回のようにじらされなくて済んでよかった。これでおれの体に刺さっているのは左右一対の点滴ルートのみとなった。
10時半車椅子でレントゲンを撮りに行く。きのうより遙かにマシな挙動であるが,技師さんが防護服を着けて転倒に備えてくれた。帰りにトイレに寄ってもらってPしてみる。Qは空振り。オムツにQ漏れはなかったもののえらい臭いで,早急の交換が望ましい。病室のごみ籠に捨てるのもあれだし,看護師さんに訊いてみたら,ごみ袋をあげるから詰めて出してとのことだった。
11時36.7℃。意外やけさの話に反応があって,眼の脇の傷に塗って保湿してくださいというので白色ワセリンが処方されてきた。ボクサーがまぶたの止血に塗るやつだよねこれ。なるほど,眼に近くても危険は小さいか。
12時昼食。焼きそば・芋とパイン・モヤシ・梨シャーベットゼリー。焼きそばすら完食できず,パイナップル片を摘み,シャーベットうみゃい。
12時半クスリ。オムツ廃棄用のポリ袋が入手できたのでオムツを穿きかえる。術前に用意した2枚目である。さっきまで穿いていたオムツはおれの穿いていった寸胴タイプでない,前面前開きする豪華なやつだった。術中に換えられたのだ。もうふつうのパンツでいいのだけれど,手元に来ちまってたぶんはここで消費しておこう。しかしおれ,おとな用オムツにぜんぜん抵抗ないな。
14時半から午後のリハビリ。午前と午後でトレーナが代わるのだが,別に連携しているわけでなく,相乗効果などは考えていないようだ。まずはDルームに歩いていき,ここを起点としてきのうと同じコースを5周する。毎周Dルームの椅子に坐って呼吸の整うまで休む。歩くだけなら術前と変わらないところまで行けるだろう。
18時夕食。ごはん・吸物・焼き鮭・豆とヒジキ・小松菜。小松菜のお浸しとごはんを一所にクチに入れるとんまーーいいーーーので,かなり完食に近づけた。
18時半クスリ。19時歯磨き。点滴ルートが左右とも撤去され,おれの体から管が一本も出ていない完全体に成長した。『無常の月』読破。
20時クスリ。20時半P。Q空振り。何か喉が渇くな。21時クスリ。
24時半,目が覚めてポケットラジオで「タモリ倶楽部」の音声を聴いてみる。タモリも老いて気が短くなってるな。慎重にサーチしたが東京MXが入らずジョジョ五部を断念,代わりにテレ東のヤマト2202第1話を聴いた。うーん,そこはかとなく気に入らなくてやっぱヤマト2以降の仲間だなあと思う。宇宙艦隊戦のドンパチを楽しむしかないのか。