The Conti入院g Story of Bungalow Bill 第10章

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【過去の下つゆINDEX

 2018.10/1(月)  274  | 201,712

6日目【黴取物語】

台風一過6時P。6時半クスリ。これ以降絶飲となる。歯磨きしとく。

7時Q。8時前にP。弾性ストッキング装着。オムツに穿きかえ,いま脱いだパンツをジップしてバッグに入れる。荷物を看護助師さんに運んでもらって――おれは点滴スタンドを引きずっている――コインロッカーの百円ゲージに押しこんだ。ロッカーの鍵と,解錠用の百円玉3枚を助師さんに預かってもらう。

ここから後はメモが取れなくて,記憶なんか汚染されて排水溝だ。硬膜外麻酔の注射が意外に痛くて,全身麻酔が加わって落ちた次の瞬間にテレビの暗黒画面から情景がフェードインしてくるように目が覚めた。

大手術になったようでかなりの出血があり,輸血までしたらしい。取った上葉は黴の塊がたくさんあったそうである。お医者は大変だったとは言うが多くを語らない。

ICUに入って夜明かしであるが,ぜんぜん憶えてないや。体に刺さっている管は,点滴ルートが右2左2・硬膜外麻酔投入口が背中に1・胸水ドレインが右脇腹に1・尿道カテーテルが1・血中酸素濃度センサが1。足首マッサージャが揉み揉み。

 2018.10/2(火)  275 

7日目【Hard Ache Tonight】

麻酔が切れてからは,痛いー痛いーと叫びつづけていた。まじで毎呼吸声に出して痛いと言う。術創と,なぜか右肩が激烈に痛む。鎮痛剤が効いているあいだだけまどろむ。ここで輸血パックが追加されたのは見た。

それでもICUに居たのは1泊限りで,午前中に病棟に戻る。だいぶ経ってからそこが個室であることに気がついた。最初に思ったのが,うわ,差額きついなという貧乏根性だ。でもまあ痛い痛い連発するやつを大部屋へはとおせんな。

ネブライザ開始。給食は食べられないと断った(点滴に頼る)。

 2018.10/3(水)  276 

8日目【drain-drain】

右肩の激痛が右上腕に広がっている。手術中長時間無理な姿勢をしていたからと言うのだが,それにしても長ない? その理屈なら正坐して足が痺れたのと大差ないよねえ。

鎮痛は硬膜外麻酔メインにシフトして,「フラッシュ」と呼ばれるハイテックな装置を渡された。トリガーボタン1プッシュで硬膜外麻酔剤が定量背中に注入される。驚いたことにおれが好きに押していいそうである。いちど押せば内部でロックされていて,一定時間(たぶん30分)経たないうちにボタンを押しても空振りになり,規定量以上はフラッシュされないのだそうだ。恰好いい。薬剤タンクはスープマグくらいの大きさ。一式ポーチに入れて首から下げてもらう。

給食再開だがほとんど手に着かず。牛乳とかオレンジみたいなオマケがやっと。

それでも大部屋に移動する。個室も1泊2日であった。最もトイレに近い六人部屋の最もトイレに近い通路側である(好都合だろう)。

ネブライザは朝昼晩と3回/日×20分。喘鳴は起きるが痰は出ない。咳こむと術創がビシッと痛むけれども,それにめげず咳を続けたほうが結果が良い。痰は出ないが喘鳴が数呼吸とまる。ガバリと音を立てて薄赤い体液がドレインのチューブを流れていく。ドレインの生えている周囲は浸潤が酷くて,毎日2度はガーゼを換えて着替えまでしている。

緊急地震速報が一斉に鳴動してびびる。えー,意識があって圧死するのは厭だなあと身構えていたが,まったく揺れが来なくて幸いだった。

 2018.10/4(木)  277 

9日目【右肩痛腕を左へ受け流したいの歌】

夜に眠ったあとはどんと恢復しているのを感じる。昼間ねるのは痛みからの逃避にいいが,体がラクになるには夜中を寝通すことだ。

それはそれとしてぱかぱかフラッシュする。腕にもけっこう効くのである。そして痛みがいちばん小さくなる姿勢を発見した。ベッドの転落防止柵に右腕を乗っけるだけなのだが,上半身の起きてる角度とは関係ないようだ。

レントゲンを撮りに車椅子で移動。起きあがるのが苦痛でベッドに横座りするのが苦痛で立ち上がるのが苦痛で車椅子まで半歩あるくのが苦痛で坐るのが苦痛だ。車椅子を押してもらっての移動中はあまり苦痛でない(痛みはあるが)。こりゃあ連絡ミスだなあというくらいの放射線科の込みっぷりで,待つのが苦痛。それから撮影台の前に立つのが苦痛で半半歩体幹を調整するのが苦痛で正面と横向きと2枚撮るのが苦痛で車椅子に坐るのが苦痛で以下割愛。ベッドに戻ってきてフラッシュフラッシュ。

点滴終了。右手の甲のルートを抜いてもらった。リハビリが始まって,何より右腕の痛さを訴えるとマッサージしてくれて気持ちいい。しかしメインは歩きである。Dルームまで30mくらいを歩く……のだが道半ばにして限界を感じて引きかえす。息苦しくならないペースで歩くので酸欠の心配ではなく,足があかんでと言ってきたのだった。ま,きょうは立ち上がったんで上出来。フラッシュフラッシュ。

ざわざわと配膳の気配がし,ああやっと夕飯の時間かと思ったら昼飯だった。本気で間違えたのだ。時計を出していなくて一日が長い。お行儀悪いが猫まんまにして,それでも完食ならず。

レギュラのクスリの中でも酸化マグネシウム錠は飲まないでいたら――軟便にする下剤だからね――便通があるまでは飲むべし腹痛になったらどうすると諭されて同意する。おれはトイレにラクに行けるようになるまでは排便したくなかったのである。今はオムツだからプリッとしくじるくらいなら想定内だが,最悪は起きあがれないほど痛いさなかにQが漏れ出て大部屋のベッド上で取ってもらう事態である。せめてあと1日かふつ日便意を遠ざけたかったのだ。

午後のリハビリではDルームまで歩き,単純な往復でなく病棟周回トラックのうちのショートカットを使って帰還。歩くのは術前と大差ない印象(まだ肺機能は伸びるだろうし)。意外だったのは立ってその場でかかとを上げて体を持ち上げる運動で,10回で息が上がってしまった。位置エネルギー恐るべし。体重全体を持ち上げるんだから階段を上るのと同じかあ。フラッシュフラッシュ。

いつの間にか回収してもらっていた荷物からReaderを出してもらい,ちょっと本でもという余裕を見せる。コインロッカーの解錠に百円玉を2枚つかったそうである。ネブライザ終了。

夕飯は炊き込みご飯であったが食欲のなさと腕の痛みには勝てず完食は遠い。最低ひと皿はきれいにすると課しているが,箸を動かす腕が痛んでいちいち動作が固まるようでは難しい。

きのうきょうと同室になった方が,ただの勘違いから譫妄状態まで一気に認知症の進んだ様子に驚く。不謹慎だが,譫妄部分のエピソードを医者に語るとき――大部屋でそんな話するもんだから聞こえちゃうのさ。たとえば昨日は仲間と○○町へ行っていたと主張する(もちろん当人はそのベッドの上だった)――いま西暦何年か訊いてくれと願ったね。こんなに進行が早いのは,服薬のどれかの影響だろうかなあ。

フラッシュが切れてしまった。ボタンを押していただけなのに何故だ。足して足して。しかし今後の鎮痛は内服薬だそうである。まじか。

 2018.10/5(金)  278 

10日目【オーニハソート・オンライン】

起き抜け36.9℃。左の目尻からもう少し奥に寄った所の皮膚に触れるとヒリリと痛い。引っかき傷でもつくったかな。ついさわってしまう所なので保護したいが眼の傍だけに使える軟膏や絆創膏は限られるだろう。看護婦さんに見てもらったら,ちょっと赤い程度みたい。さわらないようにがんばるしかないか。

左手で遊んでいる点滴ルートのひとつを外してもらった。

朝食は猫まんまにして降参。服薬。内服薬に代わった鎮痛剤はトラマドール塩酸塩なる成分でアセトアミノフェン,なるほど効くなあ。髭剃りする気になった。メモ取り再開。

8時半Dr.s来て,ドレイン管を抜くと言う。え,ここでやるの。胸腔まで達しているぶっとい管を気合いと共に抜き,跡をちょちょっと縫う。そのために左向きの姿勢をとるところからして痛いのだが,ずるりと何かが体を出ていく感触と縫合の針とが一段と痛かった。痕は止血のテープを貼っておしまいで,ガーゼを当てたりはしない。一所に硬膜外麻酔のチューブも撤去。もうフラッシュできない。

9時にリハビリのトレーナが来,足首ストレッチのあとDルームまで歩いて往還する。血中酸素濃度を測るクリップは自前で持ってたほうがいいのかもしれんな。

10時看護婦さん来て尿道カテーテルを撤去する。い・た・い,は痛いが前回のようにじらされなくて済んでよかった。これでおれの体に刺さっているのは左右一対の点滴ルートのみとなった。

10時半車椅子でレントゲンを撮りに行く。きのうより遙かにマシな挙動であるが,技師さんが防護服を着けて転倒に備えてくれた。帰りにトイレに寄ってもらってPしてみる。Qは空振り。オムツにQ漏れはなかったもののえらい臭いで,早急の交換が望ましい。病室のごみ籠に捨てるのもあれだし,看護師さんに訊いてみたら,ごみ袋をあげるから詰めて出してとのことだった。

11時36.7℃。意外やけさの話に反応があって,眼の脇の傷に塗って保湿してくださいというので白色ワセリンが処方されてきた。ボクサーがまぶたの止血に塗るやつだよねこれ。なるほど,眼に近くても危険は小さいか。

12時昼食。焼きそば・芋とパイン・モヤシ・梨シャーベットゼリー。焼きそばすら完食できず,パイナップル片を摘み,シャーベットうみゃい。

12時半クスリ。オムツ廃棄用のポリ袋が入手できたのでオムツを穿きかえる。術前に用意した2枚目である。さっきまで穿いていたオムツはおれの穿いていった寸胴タイプでない,前面前開きする豪華なやつだった。術中に換えられたのだ。もうふつうのパンツでいいのだけれど,手元に来ちまってたぶんはここで消費しておこう。しかしおれ,おとな用オムツにぜんぜん抵抗ないな。

14時半から午後のリハビリ。午前と午後でトレーナが代わるのだが,別に連携しているわけでなく,相乗効果などは考えていないようだ。まずはDルームに歩いていき,ここを起点としてきのうと同じコースを5周する。毎周Dルームの椅子に坐って呼吸の整うまで休む。歩くだけなら術前と変わらないところまで行けるだろう。

18時夕食。ごはん・吸物・焼き鮭・豆とヒジキ・小松菜。小松菜のお浸しとごはんを一所にクチに入れるとんまーーいいーーーので,かなり完食に近づけた。

18時半クスリ。19時歯磨き。点滴ルートが左右とも撤去され,おれの体から管が一本も出ていない完全体に成長した。『無常の月』読破。

20時クスリ。20時半P。Q空振り。何か喉が渇くな。21時クスリ。

24時半,目が覚めてポケットラジオで「タモリ倶楽部」の音声を聴いてみる。タモリも老いて気が短くなってるな。慎重にサーチしたが東京MXが入らずジョジョ五部を断念,代わりにテレ東のヤマト2202第1話を聴いた。うーん,そこはかとなく気に入らなくてやっぱヤマト2以降の仲間だなあと思う。宇宙艦隊戦のドンパチを楽しむしかないのか。

 2018.10/6(土)  279 

11日目【ショタのが Choo Choo】

6時P。眠前に飲むトラムセットが切れる頃合いと見えて,朝食前には右腕が痛くなってくる。術創を刺激して痛いのはまぁ当たり前で触らぬ神に祟りなしであるが,腕が痛いのは理不盡で継続的で今やこっちのほうが重くのしかかる。

7時半朝食。ごはん・味噌汁・メカジキ・大根人参・牛乳。牛乳おいしい。

8時クスリ。エリキュース(抗凝固剤)が復活した。もう退院モードだな。10時半クスリ。11時清拭。11時半,自力でポメラを出してきて日記再開。

12時昼食。ごはん・吸物・海老焼売・菠薐草・蜜柑。完食に近づく。温州蜜柑の小袋は,ひと頃は豪放磊落を気取って皮ごと食っていたが,近年は丁寧に白筋を取り,扇断面の底面側から実を吸って(歯でしごいて)食べる。めんどくさいから近年は自分で買って食べない。しかしこの蜜柑は甘くておいしいな。

12時半クスリ。13時Q空振り。左半身にばかり汗を掻く気がする。

14時に右腕対策でロキソニンを貰う。シャワー浴びますかと看護婦さんが訊いてくれたので,17時半枠を取ってもらった。それで入浴セットをつくるのにごそごそして術後置きっぱなしだったミニトートバッグをひょいと持ち上げると,そこに下敷きになっていたのがインドメタシンパップだよ。おいおいおいおい。右肩が痛いと訴えた2日に処方されてたのだ。いわゆるサロンパスタイプの大判湿布薬が5枚残ってた。

17時半を待ってシャワー室へ。配膳に間に合うよう早めを心掛けて出,自前のふつうの肌着パンツに穿きかえる。さらばオムツ,いつかまた会おう。そしてパップを2枚貼ってみる。

18時夕食。ごはん・味噌汁・鶏肉香味焼き・油揚げと蕗・春雨とハム。プレスハムが昔の味で,妙にうまかった。

18時半クスリ。髭剃り。20時半クスリ。歯磨き。P。21時半クスリ。

同室のひとりが先に強制退院になった認知症の人と同じようなことを喋っている。おいおい,ひとりづつ順番か。真景累ヶ淵「新三郎殺し」かよ。

22時,便通がないのを案じて新たに下剤が処方された。前に飲んでたやつで入眠前服用。おれは要らないと思うが,断ると返却手続きがめんどうであろうから消費する。

25時半と26時にP。Q空振り。胃が妙に重く頭が何となく痛く気分がどうも優れない。

 2018.10/7(日)  280 | 53.4kg

12日目【ロンドンQ行】

6時に目を覚ます。ラジオを探ったが大部屋通路側ではAM波がまったく受からない。Dルームに移動して金朋グッチの声を聞きつつ志の輔落語DEデート(文化放送)を待っていたら,あ・そうか,今週から7時に移ったんだった。そこは朝食時間帯でベッドにいないといけない。残念ながら聴取不可となった。

7時ロキソニン来たので飲む。朝食。ごはん・味噌汁・炒り玉子・キャベツ・牛乳。猫まんまにして概ね完食。

8時クスリ。9時半清拭。11時半86mmHg,えっ。血圧のあまりの低さに再測定。とりあえずベッドに寝て足を上げとくよう言われ,ベッドマットの下半身パートを折り曲げるモードを最大にしてReaderを眺める。もう強化ストッキングを脱いでいいそうだ。

12時昼食。ごはん・味噌汁・鰆&ポテト・豆腐煮・沢庵。完食と言っていいだろう。

12時半クスリ。13時半98mmHg。ふう。ひとまず良しとしようか。14時P。

18時半夕食。ごはん・吸物・牛時雨煮・しらす胡瓜・餡蜜。豪華ななー。餡蜜は黄桃・蜜柑・キウイ・寒天をシロップに漬けた上に,ディッシャーで丸く掬い取られた粒餡がどかんと坐る。すげえな,何事だ。完食である。

19時クスリ。19時半歯磨き。待望のQですっきり。

20時クスリ。きのう飲んだ下剤をさっそく中止する。21時半クスリ。

29時半Q多め。割と前例のない気分の悪さ。低血圧症ってやつかなあ。気圧は1001hPaだった。

 2018.10/8(月)  281 

13日目【血圧太陽伝】

6時半採血。血圧を看てもらったら102mmHgあって,ふうん,低血圧症ってわけじゃないのか。足はむくんでいる。

7時半朝食。ごはん・味噌汁・玉葱玉子・金時豆・牛乳。牛乳うみゃい。

8時クスリ。8時半Q。このぶんなら酸化マグネシウム止めたほうがいいかな。

9時清拭に掛かったところでレントゲン行き。歩いていくべきだが気分の悪さが勝り,車椅子を出してもらった。戻ってきて清拭とパップ貼り替え。11時半クスリ。

12時昼食。ごはん・吸物・八宝菜・焼き芋・オレンジ。

12時半クスリ。14時P。16時半P。

18時夕食。ごはん・味噌汁・鰆と竹輪の天ぷら・揚げ豆腐と茄子・胡瓜酢。これはヒドい。

18時半クスリ。20時Q。歯磨き。Dルームで『ブラックライト』終盤。右腕がズキンズキンと痛い。骨が痛いように感じるが,やはり神経痛だろう。21時クスリ。

29時P。Q空振り。右腋の下の皮下に水が溜まってる感じだなあ。

 2018.10/9(火)  282 

14日目【空裂腋刺驚】

7時半朝食。ごはん・味噌汁・サラミ人参・佃煮・牛乳。

術創の上,右腋下の皮膚が盛り上がってたぷんたぷんしている。如何にもドレインを抜いて行き場のなくなった連中といった感じだ。痛みも熱もないのだが単なるむくみとも違うので看護師さんに訴え,Dr.に診てもらい――外科医というものはふだん術後の傷口を見ようとしないのである――あっさり抜きましょうと決まった。腋腹に採血と同じようにビニール針を刺し,注射器で吸い取る。赤黒い薄い体液である。シリンジを取っ替え引っ替えして推定300ccを排出した。穿刺痛のなかったのは幸いであった。数日ごとに繰りかえし抜かねばならない性質のものだろうが,漸減していくハズである。

9時リハビリ。病棟周回路を1周する。思いの外ダメージが大きく,以降へろへろになってしまった。9時半P。10時清拭。

12時昼食。ごはん・吸物・金目鯛・茸玉子・キャベツ豆。金目鯛はどう調理してもまずくておれの苦手魚筆頭。

12時半クスリ。36.9℃・96mmHg・94%。P。眠い。

13時リハビリで今回は1Fのリハビリ室へ遠征する。往来は車椅子である。リハビリするのに歩いていかないのはちと妙な気分であるが,歩いて移動したらリハビリ室に着いた途端に本日の運動終了になってしまうからしかたない。バーにつかまってストレッチや台座昇降など。全体重を押し上げる動作はたちまち息切れを呼ぶ。室内周回路を軽く2周して終了。おれの持久力のなさにトレーナーは当惑の体である。いや,こんなん何ぼでもいるでしょ。

シーツが交換してあった。14時クスリ。昼寝する。15時・17時半P。

18時夕食。牛飯・味噌汁・モヤシ・杏仁ゼリー。

18時半クスリ。『ブラックライト』終わって『狩りの時』。20時歯磨き・クスリ。21時半P・クスリ。26時半P。

 2018.10/10(水)  283 

15日目【息上がり小法師】

7時P。Q空振り。

7時半朝食。ごはん・味噌汁・オムレツ・佃煮。

8時クスリ。9時リハビリ。ストレッチの段階で息が上がり,歩くのは中止。汗びっしょびしょである。これはアイスを買ってもいいのではないか。

9時半Dr.来。胸水がまたぞろ溜まりはじめているが,溜まって何ぼというか恢復の過程という認識のようだ。

10時清拭。甘えて背中を拭いてもらう。11時36.8℃・95%。

12時昼食。ごはん・吸物・酢豚・オクラ・蜜柑。酢豚にパイナップルが入っていないとは。蜜柑を剥いたら,小袋に黴が散っていて魂消る。外皮は異状ないのになあ。不思議。

12時半クスリ。13時リハビリ。メニューはきのうと同じだがおれが早くへたばったのでいくつかカットになったと思う。送迎は車椅子であり,おれの単独行だったらアイス買おうと思ってたのが潰えさった。

14時Q,1日半ぶりか。16時半P。

18時ごはん・味噌汁・カマス・蕗とガンモドキ・胡瓜。

19時クスリ。歯磨き。20時P,クスリ。21時クスリ。26時P。

 2018.10/11(木)  284 

16日目【はらいたいにぜんぶ】

6時P。クスリ(週イチ)。えらく息が上がるな……。6時半採血。

7時半朝食。ロールパン・目玉焼き・人参玉葱・牛乳。ごはんでは食いつきが悪いので朝はパンにしてもらった。拳ほどのロールパンが2個にマーガリンとチョコスプレッドの小袋が2個。これもまた食べにくい。

8時クスリ。咳をしたら右肺の内部が熱く熱く痛み,まさか気胸じゃないだろうなあと不安になる。8時半,おととい同様胸水を注射器で抜く。推定130cc。注射針を刺す痛みをまったく感じないのは何でだろー。

9時リハビリ。ストレッチとショートカット周回。おれがすぐはあはあするのでサーバルちゃんが戸惑うペリカン。

9時半レントゲンへ車椅子往復。アイスならず。10時P。兄者にTEL。36.6℃・102mmHg。どうも左半身に汗を掻く。

11時点滴ルート再設営。何てこったい。血液検査の数字がよろしくなく,やはり胆管炎であろうというので絶食&点滴療法になったのだ。入院中に胆管炎を起こすなんて,おれは今後一生どこへ行ってもおなかが痛くなるのが確定ではないか。

11時半点滴開始。12時半クスリ。P。

13時リハビリで一時的に点滴中止。いつものメニューに周回歩行が2周追加されてこってりめであった。車椅子で売店に寄れず。

15時半・17時P。19時・20時半クスリ。P。25時・28時P。Q空振り。

 2018.10/12(金)  285 

17日目【Love Is キャッシュレス】

7時クスリ,鎮痛剤を中止してみる。7時半P,1日半ぶりにQ。

8時半リハビリ。世間話でわたしは現金派でカードを作らないなどとトレーナが自慢げに言うので脱現金派のおれはうっかり熱弁を振るってしまい,リハビリ史上最高に息が上がる。殺す気か。シンガポール旅行でも現地ドルの札を切ったそうだ。そういうのはまぁオマツリ気分でわからんではないが,今後を憂うとカード決済の確保は絶対の絶対ではないか。んなことは皆に言われてるけどイヤナンデスと強弁するので,ほたら好いたようにしたらええがなの世界。

けさから中止しているトラマドールの代わりにロキソプロフェンが処方されているから任意に請求せよとのお達しである。ここで兼ねて訊いてみたかった疑問を薬剤師にぶつけてみる。動かせば痛いけど安静にしてれば特に痛くはないという体調でこれから寝るぞとなったとき,鎮痛剤を飲むべきなのか飲まないほうがいいのか。「痛くなったら飲んでいいんですよ」とはぐらかすのを「知りたいのは痛くないときには飲まないほうがいいのかどうかです」と追いつめる。さてこ

9時清拭。10時クスリ。11時36.8℃。11時半P。

13時リハビリ。14時半・15時半P。18時Q。18時半クスリ。ロキソニン貰う。21時クスリ。21時半P。

24時Q。タモリクラブを聴く。25時P。

こで引き出せた回答は,「痛くないなら飲まないほうがいい」「痛いなら飲めばいい」である。「我慢するな」ということである。「痛くなりそうでいやだなあ」なら飲んでいい。Oh, yeah....

 2018.10/13(土)  286 

18日目【人間強度が下がる】

6時半Q。夕べから息苦しい。ほんの数歩で息が上がって動けなくなる。肺が広がらなくて吸えない感じ。まさか気胸?

8時クスリ。Q。9時右肩のために鎮痛剤トラムセット。Dr.土曜も入らしたので異状を訴えると,レントゲンを撮ってみることに。

12時クスリ。12時半Q。クスリ。14時・17時P。37.4℃。Dルームの水を汲んできてもらう。異様にうまい。

18時半・20時クスリ。ロキソニン。レントゲンは特に異状ないそうである。

22時Q。眠剤もらう。25時半・29時半Q。

 2018.10/14(日)  287 | 52.4kg

19日目【Love Is Like Oxiganボンベ】

8時クスリ。8時半Q。息苦しさは悪化している。

9時半造影剤CTを撮る。10時クスリ。

どうも左肺下部に間質性肺炎が出ているらしい。ががん,それは聞きたくなかった病名だなあ。治んないやつじゃんか。おれもボンベ生活を覚悟せねばならんか。取りあえず抗生物質を変えて高単位のステロイドを点滴に入れる。

11時37.3℃。12時あろうことか蠅が顔にたかる。おれもう死んでんのか。

13時Q。ステロイド点滴開始。

14時爪切り(ナースセンタに預けてある)を貸してとお願いしたら――金曜にも言ったんだが――おれのをなくした様子で,病棟共用のを出してくれた。お,これは弁償かな。おれのは実にここの売店で買った600円くらいの奴なのだ。弁償なら現物じゃなくてアイス買ってもらおう。

おれの爪切り出てきた。チッ。おれアイス食べていいすかねと訊いてみると,食事制限だからだめですと即答された。

15時清拭。16時甘木さんにDM。16時半Q。

おれ抜きでウチの引越しができないか考えはじめる。甘木さんとDM。

21時クスリ。21時半Q。23時半に眠剤もらう。

24時半P。26時・28時Q。プレドニンのせいと思うがぜんぜん寝付けない。この時間帯の眠剤は断られた。

 2018.10/15(月)  288 

20日目【みんな違ってみんな悪い】

7時採血。Q。8時クスリ。髭剃り。8時半Q。

9時リハビリ。土日よりはマシになっているが,たちまち息が上がる。血中酸素濃度は90%台だから酸欠に喘ぐのではない。脈拍が上がって全力呼吸をせずにいられないのだ。それで呼吸以外の動作ができなくなる。数分で収まる。息が上がると言うより心臓が暴れて呼吸を強いている状態なのだろうか。動悸の問題なら酸素ボンベは関係ないよなあ。常に98%ないと動悸が起きるのなら厄介だが。

9時半清拭。パンツを穿きかえる。10時クスリ。床にしゃがみこんだ蹲踞の姿勢から脚の力だけで立ちあがれなくて恐怖する。リハビリがんばろ。

11時37.0℃。13時P。リハビリ。今おれが歩ける射程距離は10mくらい。部屋に戻ったらシーツが交換してあった。14時クスリ。

14時半,点滴交換の隙に院内着を着替え。このごろ配給がなくて1週間くらい着てたぞ。

16時半右肩のためにロキソニンを貰う。

胆管の数字が悪くて絶食継続。食って消化酵素が出ると悪く作用するのだとか。胆管にはとにかく休めと言うことらしい。そしてそれよりも肺のほうがシリアスで,高ステロイドで悪化を防ぐ手しか今はない。

おれもう「老後」生活は充分おくったので,ターミナルに入るのは吝かでない。貯金が残っているうちに居なくなりたいものだ。

18時Q。18時半・19時半クスリ。水を汲みにDルームまで単独往還を試み,成功する。重荷のはずの点滴スタンドを引いていたのだが,案外杖として使ってしまったのかもしれない。

20時36.9℃。21時P。Q。25時半P。28時Q。

本日記の手書きメモで「往還」の「還」が書けなくなっていてびびる。まず「西」を書いてしまい,それは「遷」だと気づいて止め,「目」「一」「口」と来て,あれ,手が運筆を忘れていたのだ。ケータイの検索結果のフォントがたまたま「呆」に「’」が付いてるみたいでそんなわけないと更に混乱し,別のフォントを拡大して見るまでとうとう正解を思いだせなかった。怖いなあ。でも「環」は書けたんだよ。おれちょっと習字練習しちゃったよ。

おもろい夢を見た。一面のスケートリンクと観客席に模造紙を並べて貼りめぐらし,漫画家数十名を入れてすべての用紙にネタを描きこませる。1枚/コマ見当だが,使い方は自由。テレビの企画らしい。おれは神視点であるが,植田まさしの新作四コマに爆笑してしまった。1コマ目に四コマ内四コマがあってその内容を実現しようとする男を,コボが漫符を操作して妨害するのである。ちゃんと完成していた。このマンガを考えたのも笑ったのもおれだよな……。

ケータイをトイレの床に落として冷やっとする。考えてみれば生命線だ。

 2018.10/16(火)  289 

21日目【三週まわってわんと言う】

7時Q,これはもう消化管の垢なのかな。7時半Dルーム往還。8時クスリ,酸化マグネ抜き。

8時半,胸水抜き。推定140cc。刺痛があった。

9時,車椅子でレントゲン。清拭。

10時Q。リハビリ。歩行なし。歩いていて息切れか動悸で動けなくなったときどうするのがいいか訊いてみた。

  1. 椅子に坐る。
  2. 壁に寄りかかる。
  3. 脚を投げだして坐りこむ。
  4. 体育坐り。

尻を浮かせてしゃがみこむうんこスタイルは内蔵が圧迫されるのでNGである。寝転がるのは下半身の血が一気に心肺に戻りすぎてよくない。上半身が伸びて立っているほうがマシなはず。

10時半Q。クスリ。

11時,車椅子で公衆電話エリアに連れていってもらう。兄不通,不動産屋に質問。頭文字Dのテレカを1枚カラにして廃棄する。テレカは50度数をあと3枚持っていて,そのうちの1枚が手元にある。早く使い切りたい。

13時リハビリ。途中で失禁を恐れてトイレに行かせてもらい,P&Q。

14時クスリ。酸化マグなし,ロキソニン追加。

14時半,再度公衆電話で不動産屋と兄に連絡。手持ちテレカ(これもイニD)の残度数が9になる。

レントゲンの結果は恢復基調でやれやれ。外出自体は許可できるとのことで,おう,おれが長く歩けないのがネックになっているのだな。栄養点滴を併用して飯が食えればリハビリも捗るとは思うが。

18時半クスリ。20時P&Q,クスリ。36.7℃。

22時眠剤を貰う。P&Q。24時半P。26時P。眠剤を貰う。28時P。眠剤を貰って眠っても,2時間後Pに起きたあとは寝付けない。

 2018.10/17(水)  290 

22日目【閉開するマド】

6時半P。7時半Dルーム往還。クスリ。9時清拭。トイレ待ちのあとQ。10時半クスリ。37.0℃。

11時リハビリ。Dルーム往還。

13時リハビリ室。帰ってくれば怖い蟹,ベッドの電源ケーブルが抜かれて投げ出されている。何でもベッドが「ショート」してるそうで交換するのだそうだ。でも来たのはベッド柵が変形しない,差替え式の旧型だった。マット位置が低く,きっちり寝心地が悪い。腰が痛くなる。

14時P。14時半クスリ。

Dルーム快晴できれいですよーと看護婦さんに暗に運動しろと促され,おネムであったが無下にするわけにもいかず,Readerを持って移動してみる。紙コップ茶サーバの番茶を啜りつつ「早川文庫SF総解説2000」をつらつら。空はめっちゃ曇っている。

18時半クスリ。P。Qひと膜。酸化マグネシウムを飲むのを止めて2時間ごとにノックしてくるのは治まったけど,うーん,むしろ流れるまま逃がしてやったほうがいいのかもしれんなあ。

18時半クスリ。P。20時クスリ。20時半P。

21時半ロキソニンと眠剤ルミスタ2錠を貰い,1錠づつ飲む。耳栓をして寝付き必勝態勢である。

23時P。ルミスタ2錠目で再度寝にいく。

28時P。今夜はここまでか。

おかしな夢を見た。宇宙船の中,無重量で呼吸可能な密閉樽にふたりで入り,丸腰で格闘する。相手は敵対する宇宙人で,円筒形の岩石っぽい体からグフの鞭みたいな四肢が生えている。互角に打ちあうが,相手の体はダメージに応じて腫れてきており,次第に戦闘空間を圧迫するのだ。早く相手を殴り殺さないと,動ける空間と空気がなくなってしまう。岩石宇宙人とてこちらを殺さなければ自分の体が樽を満たして窒息する。ああもう,オラオララッシュを繰りだしても宇宙人の体が頬を押している……。

 2018.10/18(木)  291 

23日目【転びの宴】

6時半採血。週イチのクスリ。P&Q。便座から立つとき転びかけて焦ったぜ。8時クスリ。

8時半,回診時にお願いして胸水を取ってもらう。前回よりペース早く,推定350cc。テーピングを強くしてみる。

9時P。Qの野放図さが止まったので,今度は酸化マグネシウムで出すほうへ制御を試みよう。

9時半リハビリ。トレーナの誕生日だそうだ。どう反応すりゃいいんだ。途中でレントゲンのお呼びが掛かって中止。車椅子で撮ってくる。

10時クスリ。11時清拭。11時半P。

12時昼食再開。ごはん・味噌汁・カジキマグロ・蕗油揚げ・オレンジ。1週間ぶりの固形食であるなあ。ちょっとづつかじって1/3も食べてないかな。オレンジうまいな。

12時半Q。13時リハビリ。午前のリハビリはベッド横で,午後のは車椅子でリハビリ室に出張しているのだ。

13時半クスリ。15時・16時半P。

18時夕食。ごはん・吸物・グリルドチキン・竹輪大根里芋・菠薐草。お浸しのおかげでごはんが食べられた。

18時半P。Qひと片。19時クスリ。20時歯磨き,P。クスリ。37.4℃。

21時半P。ロキソニンとルネスタ各1。23時・24時半・26時P。ルネスタ追加。27時半・29時P。点滴終了。

 2018.10/19(金)  292 

24日目【天使墜落】

6時半P。

7時半朝食。食パン・炒り玉子・牛乳。

8時半クスリ。9時リハビリ。10時半,腰痛対策にマットレスを硬いのに交換してもらう。11時P。11時半クスリ。何だかずっと眠い。

看護婦さんが訊いてくれたようで,おれはアイスを1日1個なら食べていいそうだ。ははは。クーリッシュ飲みたいな。

12時昼食。うどん・挽き肉茄子・大根。

12時半P。クスリ。

13時リハビリ科へ車椅子で移動。おや,脚に筋肉痛があるぞ。これは吉兆ではないか。14時半Q。15時半P。ロキソニン貰う。17時半Q。

18時夕食。ごはん・吸物・鮭・胡瓜酢。杏仁フルーツ。

18時半クスリ。19時歯磨き。P。20時クスリ。21時半ロキソとルネスタ。22時半・26時半P。調子急落。27時ナースセンタでネブライザを受ける。

 2018.10/20(土)  293 

25日目【無精床】

6時半採血。全力で呼吸して安静状態を保つ感じ。

7時半朝食。食パン・オムレツ・牛乳。

8時Q。クスリ。10時クスリ。レントゲン。P。

12時昼食。うどん・ハンバーグ・筍ワカメ・オレンジ。

12時半クスリ。15時Q。18時P。

18時半夕食。ごはん・味噌汁・金目鯛・蓮根・膾。

19時クスリ。歯磨き。21時クスリ。24時P。痛み止めにロキソニンより強いクスリを貰う。

 2018.10/21(日)  294 | 51.4kg

26日目【無精の代参】

6時半Q。

7時半朝食。食パン・ハム玉葱・キャベツ・牛乳。

8時・10時半クスリ。11時半P。

12時昼食。うどん・胡麻豆腐・ガンモドキ・お浸し。

13時クスリ。13時半,酸素ボンベを吸いながら棟内を歩いてみるよう指示される。毎分1L。割りと効く感じ。町中を歩くのに不安要素が減るのは助かる。ふーむ。常用する必要はないのだが,持っておきたいアイテムではあるし,退院が早まるなら採ってしかるべしという気持ちだ。

16時P。17時半Q。

18時夕食。ごはん・味噌汁・揚げ魚・コーン・蜜柑。

18時半クスリ。19時半歯磨き。20時半クスリ。21時半Q。トラムセット飲む。24時半Q。

 2018.10/22(月)  295 

27日目【見つめるキャッシュアイ】

6時半P。

7時半朝食。食パン・ハムキャベツ・牛乳。

8時クスリ。9時胸水抜き,推定370cc。9時半リハビリで1L/分の酸素を吸いながら150m歩く。清拭と着替え。10時クスリ。37.4℃。11時半Q。

12時昼食。ポークカレー・キャベツ・オレンジ。給食は基本カレーでいいんじゃないの。

13時車椅子でリハビリ科へ。酸素ありで6分間耐久歩行テストをする。まぁ時間を掛ければ何とか。

帰りに某都市銀ATMの小部屋に寄ってもらう。病院の建て屋に収容されており,入院患者は院内側のドアから出入りできて外気の寒暖をあまり感じなくて済む(一般客が自動ドアから入ってくれば盛大に換気されてしまうが)。ATMは2基あっておれがもたもたしても大丈夫。ふだんはウチのPCでオンライン振込みしているから,ここで家賃を払えなくて困っていたのだ。まずクレジットカードでキャッシングして現金を入手し,次いで不動産屋の口座に現金振込する。キャッシュカードを持ってきていないので現金の確保が心配だったが,ちゃんと万札が出てきた。おお,銀行からカネを借りるなど,そしてATMに文字入力の操作をするなど何十年ぶりであろうか。振込手数料が648円もして魂消たね。

あ,もしかしていったん現金化しなくてもクレジットカードじかに振り込みできたのかなあ。

15時半・17時半P。

18時夕食。ごはん・味噌汁・鯖塩焼き・高野豆腐・漬物。

18時半クスリ。19時歯磨き。20時クスリ。21時Q。ルネスタとトラムセットを飲んでしまう。

25時Q。27時P。

 2018.10/23(火)  296 

28日目【借りタオルにて・シャワー】

6時半P。

7時半朝食。食パン・ロールキャベツ・お浸し・牛乳。

9時リハビリで酸素あり棟内回廊1周。なぜかバスタオルを置いていかれる。9時半車椅子行でレントゲン。過去最長に待たされた。10時半クスリ。11時P。

12時昼食。うどん・チキン・人参キャベツ・蜜柑。

12時半クスリ。Q。

13時リハビリ科へ車椅子移動。酸素ありで周回2周×2。

14時半,看護助手さんに髪を洗ってもらう。洗髪台まで車椅子で,おれが自分で頭をがしがし洗い,濯ぎのシャワーだけ掛けてもらう想定であったが,シャンプーリンスもやっていただいて超きもちいい。午前中の謎のバスタオルが役に立った。

15時P。17時半Q。

18時夕食。栗ごはん・吸物・ガンモドキ・酢の物。

18時半クスリ。19時半歯磨き。Q。20時半クスリ。22時半P。トラムセット。24時半Q。29時P。

 2018.10/24(水)  297 

29日目【ワレワレハ頭痛ジンダ】

7時採血。P。頗る調子悪い。頭痛がする。

7時半朝食。食パン・ハム菠薐草・牛乳。

8時半クスリ。9時清拭。ロキソニン。リハビリはごく軽くにしてもらった。10時クスリ。11時半Q。

12時昼食。うどん・ポーク莢豌豆・酢の物・オレンジ。

12時半クスリ。P。

13時リハビリ科へ移動。歩いて行かされそうだったが,遭難を危ぶんで車椅子にしてもらう。14時爪切りを借りる。17時Q。

18時夕食。ごはん・味噌汁・サンマ塩焼き・里芋・酢の物。サンマは骨と腸を抜いて竹輪のようになっていたが,いったいどうやるんだろう。

18時半クスリ。19時半歯磨き。20時半クスリ。「ハヤカワSF文庫2000」おしまい。巻末1割の索引部分はReaderの処理能力を越えて事実上閲覧不能であった。

24時・25時半Q。ルネスタ飲む。

 2018.10/25(木)  298 

30日目【ボンベーマン】

6時半クスリ。Q。

7時半朝食。食パン・炒り玉子・酢の物・牛乳。

8時Q。クスリ。9時に抜糸と胸水抜き。推定140cc。9時半リハビリは低調。10時クスリ。

11時に業者来て自宅酸素ボンベの説明を受ける。健康保険と宅配システムがミソ。

12時昼食。うどん・ポークステーキ・酢の物・蜜柑。

12時半Q。クスリ。

13時リハビリ科へ車椅子移動。ネットラジオと思うがBGMに音楽番組が流してある。おれの知っている曲がちょいちょい掛かるのである。きょうTotoの『Africa』が掛かってちょっと泣きそうになった。リハビリやるような世代の中央値に合わせてるんだろうなあ。おれもそこに加わりつつあるのだ。

15時・17時半P。37.4℃。

18時夕食。ごはん・味噌汁・チキンカツ・インゲン・ポテサラ。

19時・20時半クスリ。21時Q。27時半P。29時半Q。

 2018.10/26(金)  299 

31日目【ボンベ狸】

6時半クスリ。8時半Q。10時清拭。10時半Q。クスリ。

11時造影剤CT。

12時昼食。うどん・麻婆豆腐・酢の物2品・ヤクルト的飲料。

12時半Q。13時リハビリ科。きつい。

15時酸素ボンベ利用契約にサインする。15時半Q。

18時夕食。ごはん・吸物・揚げ鮭・煮南瓜・お浸し。

19時P。歯磨き。37.9℃。19時半・20時クスリ。寒い。22時半Q。26時半P。29時半Q。

 2018.10/27(土)  300 

32日目【ネイルカッターは岩砕く】

7時半朝食。食パン・ハムキャベツ・牛乳。

8時半Q。11時清拭。11時半P。熱っぽくてぐったり。

12時昼食。うどん・鯖味噌・里芋・酢の物。給食再開以来完食を心掛けていたがここでダウン。

13時半クスリ。ロキソニン。37.2℃。何とおれの爪切りが返却されてきた。ナースセンタの管理物を一品でも減らしたいのだろう,それぐらい回ってない印象だ。17時半Q。

18時夕食。ごはん・味噌汁・白身魚フライ・キャベツ・蜜柑。

18時半クスリ。37.0℃。20時半クスリ。歯磨き。Q。25時P。ルネスタ。

ReaderStoreでディーヴァー『ブラック・ストリーム』を買う。ポイント期限とキャンペーンの兼ね合いで決めるのだ。

【きょうの愉しみ】

  1. ブラック・スクリーム [eBook]Jeffery Deaver・池田真紀子(訳)文藝春秋

 2018.10/28(日)  301 | 50.4kg

33日目【華氏100度】

6時Q。

7時半朝食。食パン・オムレツ・牛乳。

8時半・10時クスリ。10時半清拭。パンツを穿きかえる。Q。

12時昼食。うどん・カジキマグロ・豆腐・もやし人参。

12時半クスリ。38.2℃。アイスノンと解熱剤を貰う。15時P。17時半Q。

18時夕飯。ごはん・吸物・チキン・カリフラワー・プラム。

19時歯磨き。クスリ。

連続して眠るのはだいたい2時間程度なんだけど,めまぐるしくいろんな夢を見ている。中に特別なシリーズがあって,それが出てくるや否や,それを見てはいかん!とばかりにバッと目が覚める。頭がズキンと痛み,本当に目を開いて天井を見る。何だ,ありゃ。見たら異世界に飛ばされるのだろうか。

20時37.2℃。クスリ。21時Q。

23時半,唾を誤嚥したのか咳が止まらず,体を起こしていってもエスカレイトしてパニックに陥る。ナースコールした看護師は何もしてくれない。口に溜まる唾と洟をごみ袋に吐いて吐いてようよう治まるも喘鳴は長く続き,くたくたにくたびれた。

24時半P。

 2018.10/29(月)  302 

34日目【粗忽な肋骨】

6時半Q。

7時半朝食。食パン・ハムキャベツ・牛乳。

8時半,胸水が湧いていそうな所をテーピングで圧迫していたのを剥がす。てっきりカップでも当てているのかと思ってたら,裸になったそこをさわってみるにアバラしかない。その上の胸水溜まりが固かったのだろう。本来1日しか使ってはいけない強力テープを3日間テンション掛けて貼っていたため腹にカブレの血豆ができてしまった。

さて,これで術創に対してやることはなくなった。退院を考えましょう。じゃあ,あした!

10時半クスリ。

12時昼食。ハヤシライス・若布キャベツ・オレンジ・乳酸菌飲料。

13時Q。外科の診察に呼ばれ,車椅子で移動。胆嚢切除の消化器外科としてはこれでおしまい。そのままリハビリ科へ回り,トレーナにけものフレンズを啓蒙し,病室に戻ればシーツ交換されていた。

14時半・17時半P。

18時。夕食。ごはん・吸物・穴子の玉子巻とチキン・茄子2品。

18時半・20時クスリ。歯磨き。P。ロキソニン。23時半P。ルネスタ。29時半P。

 2018.10/30(火)  303 

35日目【高らかにラ・マルセイーばフランス】

7時半朝食。食パン・ソーセージ・牛乳。

8時クスリ。8時半胸水抜き。推定40cc。着替えを始める。髭剃りと爪切り。9時Q。

10時クスリ。クスリを返却してもらって退出チェック。

さて,酸素ボンベを引き,荷物を持って廊下に出たらもう限界。エレベータホールまで歩いていけない。車椅子で送ってもらうことにして――こういう例はよくあるんだが,こんなん娑婆に出していいのかよと思うよね――支払窓口や自販機にも寄ってタクシー乗り場へ運ばれていく。

ふだんよりタクシーをアパートに近づけて停め,最大の難所・外階段に腰掛けて大休止。動悸が治まったら荷とボンベを一段づつ引きあげ,おれも一段のぼって坐り,動悸の治まるのを待つ。体感数十分を掛けて上がりきり,自室の前に坐りこんで休憩し,鍵を開けてドアをひらいたら,GQが部屋から逃げ出すような恰好の死骸があった。どういうことだ。庭箒で掃きだし,ドアを閉めて玄関口に坐って休憩。これが11時過ぎ。トイレにしゃがみこんで休憩。

いやあ,誰も通りかからなくてよかった。そして穏やかな天候であったのは僥倖であった。服装は9月のものなのだからな。

こんなんで生活できるのか。ま,破綻は見えてるよね。


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