神奈川月記9906b

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aiBoの注文フォームを送信して2秒後のレスだった「お買い上げ確認書」が,その晩また配信されてきた。何だ何だ。再送信である旨が記されているものの,む,何か混乱しているな。
aiBo発売の発表以来ソニーへのwebアクセスが爆発的に伸びたのだそうで,サーヴァの増強をせっせとやっていたらしい。その一方でホントに売れるか心配で(!)TVや新聞に広告を打っていたのだそうだ。マッチポンプであるな。CM打ってたとは知らなかったなあ。

ここでハッと気が付いたことには,おれ5月12日にwebニューズを読んでなかったら発売日まで知らずにいたのではないだろうか。そうして20分で売り切れただのオウクションで120万円の売り値が付いただのを全て終わった後に聞いて悶絶憤死したのではないだろうか。ぞぞぞ。

「お買い上げ確認書」はSo-net AIBO Shopから来たものだ。aiBoはここの一手販売である。1週間以内にSmash決済用確認emailを送るから2週間以内に決済してくれとあり,業務処理の都合で送信が1週間を過ぎるかもと言い添えている。
SmashというのはSo-net主催のオンライン決済システムである。Smashに対してクレジット_カード支払いの契約を結んでIDを貰い,Smash傘下のオンライン_ショップで買い物するときはSmash IDだけを送信する。個個の買い物ではクレジット_カード番号の遣り取りが発生しないから漏洩の危険を回避できるという仕掛けだ。
aiBo注文に当たっておれはわざわざSmash会員となっている。それは取りも直さず発売1週間ほど前になって書き替えられたaiBo Order頁に,Smashで買うと決済が早くて便利だよとドシオされていたからだ。
「決済が早くて便利」とは何ぞや。aiBoは最初から早い者勝ちであることが明言されている。普通は「注文受付順」であると解するが,「決済が早くて便利」と言われては「入金順」である可能性を否定できない。ひぃ,入金順。

aiBo代金の支払いには次のみっつが提示されていた。

  1. Smash決済
  2. 郵送請求書によるコンビニ・銀行での振り込み支払い
  3. ソニーファイナンスとのクレジット契約

webで多めに受け付けられるなら,払いがトロいと逆転負けする恐れがある。それなればオンラインが有利だ。「便利」と「有利」は違うんだけど1%でも可能性があれば歯を食いしばって堪えるのが男だと松本零士も言っている。スピード勝負・タッチの差が明暗を分けることが充分予想される。それでSmashできるようにしておいたん。

Smashの登録通知は非常に素早く郵送されてきた。aiBo注文時は心置きなくSmash決済を選択できたわけだが,その「Smash決済用確認メール」というのが来ないのよ。約束の1週間を過ぎても来ない。そりゃ「遅れることがあります」とは書いてあったがこの手の通知が遅れるなんて資本主義らしくない。購入に失敗しとるのではないかと当然疑心暗鬼となるのだ。むーん。
直接の知人は固よりおれがちょいちょい覗くweb日記書きにもaiBoを買えた人は見当たらないからね,周りの状況が見えないの。やっと来たと思ったらこりゃ「CLUB AIBO」の登録確認だ。お呼びでない。

10日たって何の音沙汰もないのに業を煮やし,決済用emailまだスかと問い合わせのemailを打ってみた。ところが余程じりじりしてウロが来ていたのであろう,「お買い上げ確認書」の発信者宛てに打電してしまったのだ。これ非常にまずい。何がまずいって「お買い上げ確認書」のルールに拠れば「返信」するのは「キャンセルするよ」の意思表示であるからだ。
文面を読めばそうでないのは解るとは言え「返信」を検知して自動キャンセルするシステムならおしまいである。数十分後に気が付いて慌てて問い合わせ用IDに送信しなおした。さっき間違えてキャンセル用?のIDにも送りました・むろんキャンセルではありませんとなりふり構わぬ口上つき。ああああ不安だ。

未だかつてこんなにカネを払いたい気持ちになったことはない。
不安な一夜が明けて出社して帰って風呂に入って寝る前にネットに繋いでみたら,遅れてます・もう少しお待ちくださいという言い訳emailが入っていた。やでうでしや。請求が待ち遠しいぞ。

しかしねえ,遅いよ。1週間すぎたところで取り敢えず知らせろよな。高高3000人の決済準備になぜ手間取るのだ。あの数十分間に何千ヒットあったのかは判らない。ただそんなに大した負荷でもないだろう。
ちょっと思ったのが,ソニーは確かExchange Serverに切り替えたのだったな,落ちとるんちゃうか。いや真偽の程は知らんよ。aiBo獲得合戦の余波や問い合わせ・不正アタックの殺到で,ダウンしまくっとるんちゃうん。
言い訳emailの翌日に「Smash決済用メール」が届いた。「Smash注文確かめ〜る」なる標題に瞬間殺意を抱く。
速攻で指定のURLへ飛び,SmashのIDと暗証とaiBo受付番号を叩き込み,[購入する]をクリックした。はあっはあっはあっ。どうだ,これで確定か。

確定ではないのである。こういうのは送信しただけではダメで,向こうが受け取ったよと言わなければ成立したと言えない。Smashには過去の決済状況を見るペイジがあるからそこで確認できる。
それがね,出てこないのよ。「今月のご利用」に表示されて然るべきだが「今月はご利用がありません」などと言っている。「確かめ〜る」が着いて2週間以内に「購入する」しないと心変わりまたはいたずら注文と見なされてキャンセルになるのだ。
おいおい。まぁ今日は土曜日だから受付ないし利用歴頁作成がお休みなのかもしれんね。そう思って月曜日まで我慢したのだけれど,やっぱり「今月はご利用がありません」なのだ。うおー。おれまさか[購入しない]を押してしまったのではないだろうな。
再度決済できるのかなとaiBo受付番号でもう一度アクセスしてみたら,その伝票番号はありませんとはねられた。んじゃ決済は終わってるんだよなあ。しかし「ご利用がありません」はないよなあ。

またも不安の黒い翰が広がる。2週間たつ最終日に変化がなかったらまた問い合わせる気でいたら,そのうち利用歴頁の但し書きに「商品発送済みのものが表示されます」とコメントされるようになった。ははは,おれと同じようにじれた奴が問い合わせたと見える。
ただこれで確信を持てないまま「発送日のお知らせ」emailをひたすら待つしかなくなったのだな。

ソニーらしくないね。この一連の手際の悪さ・後手後手の対応は見苦しい。自分たちが送り出した商品が如何に刺戟的であるか見くびっていたのではないか。
キャンセル待ちや次回販売の問い合わせが多いけど全く予定なしですという主旨のemailがCLUB AIBOから来ていたが──問い合わせに音を上げている感じだった──一度売り出したんだ,次が無いなんて誰も信じないよ。

ちょっと意外だったのは,20分で完売した日本と違って合州国では4日以上"Now On Sale"だったことである。
いくらアメリカ人がロボットに冷淡だと言っても好き者2000人が居ないはずはないし──日本国内3000頭・合州国2000頭の限定だったん──在米日本人が放っとかないと思ったんだけどね。案外だれも知らなかったのではないかな,web販売中であることを。

1999年6月27日


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written by nii. n