神奈川月記9401b

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冠省
お莫迦ワードパーフェクトを宥め賺して悪戦苦闘,四苦36八苦72していると,IBMから親書が届いた。何とDOSのヴァージョンナップをするからよろしくというのだ。
現ヴァージョンはJ5.02/Vで,これがJ6.0/Vになる。勿論まるまる買い替えるわけではなくて,アップ料金だけである。4代前のものからフォロウして,一律1万2500円。ははんはん,どうするどうする

結論から言うと,替えません。何より買ったばっかりだしV7.0を待っても不都合はないでしょ。それにわし,拡張される機能の半分くらいが何のことかよく解らんのよね。


暫く遠ざかっていたLDをここんとこ買い漁っている。
レンタルが始まったりまたぞろ新規格が登場したりで市場も動いているようだがあんまり気にならない。LDって妙に安心感のあるフォーマットだ。

最近1箇月で買ったのは『タイムボカン王道復古「チキチキ・ウゴウゴ・ホゲホゲ・マシーン猛レース」』『ダウンタウン松本人志の頭頭』『ジョジョの奇妙な冒険「愚者のイギーとゲブ神のンドゥール」』『機動警察パトレイバー2』の数数。

『ジョジョ』は前後篇の2枚でござる。いやー,期待したよりずっとおもしろかった。
このシリーズは賢明にも数人のスタンド遣いをピックアップして掘り下げる方針のようだ。1年かけて6巻リリース,第3部スタンド篇のエジプト上陸からディオとの決戦までを描くのに,最初のンドゥール戦で2枚80分を費やしている。
これは原作を読んだときの体感時間よりも長いわけで,だからこそアニメ化・史上ほとんど初めて原作に比肩するおもしろさを獲得できたと言えよう。原作に若干の付け足しがあり,テレビ放映された映画を改めてビデオで観たといった趣きがある。
『バオー来訪者』なんか単行本2巻を45分にぶち込んだもんだから,郁朗は大急ぎでドレスを訪わねばならなかった。それでは己の存在意義を自問する暇もないではないか。
音響効果をなぜかルーカスのラボが担当している。声優の違和感も少ないほう。
してみるとこのアニメの一番の瑕は配色だろう。近頃のアニメに共通の悪癖だがとにかくどぎつい。原色を通り越して蛍光色に近い。灼熱の沙漠が舞台だから? そうかなあ。
ところでおれ,原作第4部はもう褒めたっけ。

『頭頭』はギャグ作品ではない。つまらなかった。

さて『タイムボカン王道復古』,これは例の『タイムボカン』シリーズOVA化に当たり前夜祭的に作られたお遊び企画である。
第1作『タイムボカン』のスタートは恐ろしや18年前で,そろそろギャグ年齢に達しようかというおれはけっこう夢中になって観ていた。同じキャラが同じ設定(必ず悪役の自爆で終結する)でギャグを追及するパタンはタツノコプロが日本に持ち込んだのである。
ストーリは,OVAの主役を賭けて歴代3悪人(こう言っただけで判る)がチキチキマシン猛レースを行なうというもの。サントラCDが先行して,リザルト予想トトカルチョ企画があったらしい。
熱中したのは第1作だけなもんで,出場7組の中にはさすがのおれも知らない顔がある。まぁそんな奴らは早早に画面から消えるので白ける心配は無い。ボヤッキー(この人『ヤッターマン』のキャラだがどうも『ボカン』のグロッキーと混同されがちである。ネイミングの妙が最高傑作の『ボカン』によりふさわしいということか。ちなみに全国の女子高生の皆さんに最初に話しかけたのはこの人である)のその後と裏切りあり。
おれくらいの年代を懐しがらせて笑わせるのが目的の作品であるから,あっさり琴線に触れられる。逆に言えば新しいファンを獲得するのは難しい。道楽親父を持つひと握りのガキが幸せな時を過ごすのだろう。
肝心の続篇というか本篇は買うことに致す。何たってガッチャマンが飛び入りしそうだコロン。

東京都にはバビロン計画という東京湾干拓事業があって──木更津と川崎を突堤で繋ぎ,上を横断道路・下を水門に使う。完成したらパナマ運河方式で海水を汲み出し,首都圏の用地問題解決と失業対策・海面上昇に因る首都水没の回避・経済刺戟効果を狙う──全国レイバー登録台数の実に半分がここで稼働している。
レイバーとは土木作業用有人ロボットの総称である。元はブルドーザに手足を付けたようなものだから完全な人型はむしろ少なく,蟹や河馬を模した機体が主流である。軍用に分化したものを特にモビル_スーツと呼ぶ。
日本はレイバーの超先進国であって──英語圏で「レイバー」"LABOR"は洒落にならないな。「ブルワーカ」"BLUE WORKER"とでもいうのかな──同時にレイバーを悪用した犯罪の発祥地でもある。武装したレイバーにパトカーで歯の立つ筈もなく警視庁もレイバーを導入,特科車輛2課の設置と相成った。通称パトレイバー隊の誕生である。
パトレイバーことイングラムの型番はAV98であって,1998年製を暗示する。『パトレイバー2』は2002年の設定なのでもはや他レイバーに対する優位性は廃れ,単なるデイタ収集機に退いている。にしても映画タイトルに冠されておきながらラストまで全く動かないし,画面にもちらとしか出てこない。出たと思ったら戦闘ヘリのバルカン連射でスクラップだ。
元元『パトレイバー』シリーズはイングラムが最新鋭機であった頃から呆れるほど戦闘しない・稼働しないプロットだった。つまりパトレイバーに象徴される社会に生きる人間,いやさ社会(東京)そのものが主人公なんだよんと強調したいのであろう。
特車2課の面面も歳を取り,あろうことか大半は2課を離れているのだった。
おれの住民税で建てられたに違いない横浜ベイブリッジに爆破予告が為され,交機が対処に出向いて周辺道路は大渋滞。誰もが半分デマだと思っていたところへ1発のミサイルが撃ち込まれた。時限爆弾や発破なんかじゃなく捕捉装置付きのミサイル・しかも発射したのは自衛隊機F-16改である。自衛隊は直ちに当該機の存在を否定したもののその後も仮想テロや疑似テロが続発し,防衛庁と警視庁の反目が高まる。事態を重く見た政府は遂に実戦部隊の治安出動を決定した。東京に戦争を導くのは何者だ。特車2課の旧メンバはもはや違法と知りつつ犯人逮捕のため集結する。
てなところが粗筋なんだけど,実はおれまだ1回みただけで,何がどうしてどうなったか把握しとらんのよね。難解である。パンフ無しに劇場で初見したって何も残らんだろう。是非はともかくビデオとブックレットで理解したのち銀幕で仕上げというのがベスト。
でもこういうのを観ると100in.スクリーンが欲しいと思うよ。絵と音声は第1級,長岡鉄男も褒めるだろう。
同レヴェルの宮崎アニメとよく比較されるが,イノセントなロリコン_タッチよりおれはこっちの方が好きだぞ。


ジェベ公に1年のって理想のバイクとは何じゃらほいという命題にだいぶ近付け,紙幅の都合も良いので書き留めておこう。埋め草だけど飛ばさずにちゃんと読め。

ジェベ公の気持ち良さ・楽しさはあの車格とサスから来るのが大きいな。足付きは悪いくらいの方が乗車姿勢が楽で疲れにくい。したがって車種としてはオフロウド,よりちょっとオン寄りのデュアル_パーパス_モデルになる。
DR系の筋肉質なイメイジを大切にDR800の化鳥のようなボディにジェベルの大型ライトとサイド_キャリアを付けて,旧250カタナ(コガタナ)の2気筒エンジンを載せる。フロント倒立サスにステインレスのエキパイ・マフラで,ガソリン_タンクは20Lは欲しい。タコ_メイタも要る。

はっ,各パーツをコンポ化して組み上げるシステムを作れば,こりゃ売れるんじゃないかしらん。

草草

1994年1月7日


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ははんはん,どうするどうする
 かれこれ4半世紀前のNHK『みんなのうた』の一曲の一節。タイトル・作詞作曲者みな失念。「日曜日/授業参観日/手を挙げた/当てられちゃった/ははんはん,どうするどうする/ごめんなさい」というようなのが4番くらいあったん。
 あの頃のみんなのうたの復刻CDはあるのかな。『パンのうた』「トレロカモメロ」「おれはおれの話を雲に話すんだ」わはは,懐かしいなあ。(98.10記)

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長岡鉄男
 おれのココロの師匠のひとり。ヴィジュアル_オウディオ機器方面の評論家第一人者である。正統派すぎて一般の貧困な住環境・VA機器の味付け・ソフト傾向から乖離しており,当人もいたく気にしている。

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written by nii.n