冠省
あー，莫迦莫迦。へまこいたなー。東京月記を収めたフロッピイ_ディスクを誤って消してしまった。取り返しのつかない大事故だ。勿論バックアップのディスクは取ってあったのだが，事もあらうにちゃうど初期化した所だった。己の迂闊さを此れほど呪った時は無い。１年半の記録が無意味な磁性体の配列に戻ってしまった。ぐおお。全く今日と云ふ日を無かった事にしたい。
キャノワードに教へ込んだユーザ辞書・外字は分野別に用意した数枚のフロッピイが夫夫コピイを持ってゐるので助かったが，消去された文書が依りに依って東京月記だったのは正に千載の恨事である。落語やヴィディオソフトのＤＢは再構築できるし雑文書は諦めが付くにしても東京月記だけは再現不可能，全作プリントアウトしてある創作詞集と違って紙にも落としてゐなかった。こりゃ本当に参ったね。
東京月記の一番の読者は将来の僕自身である。だから東京"月記"であり，かうも拘はるのだ。この１年大した事件も無くＶＴＲと自律神経失調の経過ばかり書いてゐたに違ひ無いとは言へ，さう云ふ１年だったと云ふ記録は記録である。失ふのは痛恨の極みで，なるべく回復させたい。平蜘蛛と化してお情けを請ふ。東京月記，見してちょーだい。
不一
1990年３月30日
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