このしつこい方向感覚の狂いを直すためにはどうすればいいのでしょうか?
僕は、自分の行動半径がせまいのがいけないのだと考えました。もう少し中野区内を、いや、区外までこの足を使って出かけて行き、それぞれの方向に延びている道が、どの街に続いているかということを直接見届ければ、誤った方向感覚は直るのではないでしょうか。
僕の頭では、実際には池袋のある方向(北側)が、渋谷や世田谷のある方向(南側)だと思われて仕方がありませんでした。それならば、実際に歩いてみて、本当にそこに池袋があるか、それとも渋谷があるか、確かめてみようじゃないか。
そう思い立って、ある日僕は北へ(無意識レベルとしては南へ)向かいました。地図に間違いがなければ、やがて新青梅街道へ出て、そこから目白通りを通ってJR目白駅を通過、さらに明治通りを北上すれば池袋に出るはずです。
このルートの全長はけっこうな距離になります。6〜7キロメートルといったところでしょうか。体力のない僕ではありますが、歩きながら周りの風景を見るのは楽しく、汗だくになりながらも、いつしか気がつくと、JR池袋駅に到達していました。これで、僕が間違いなく北へ向かっていたということが証明されました。
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