ボウリングか――、こういう展開は読めませんでしたね。こいつは困ったことになった。
何しろ、僕はスポーツと名のつくものがまるでだめです。かけっこをすればいつもビリ、棒のぼりは出来ないし、ドッジボールではいつも標的。高校の体育祭なんかでは、リレーで僕と一緒の組になった仲間たちは
「うー、これで最下位は確定だ」
とエンサの声を発したものでした。
ボウリングなんか、できるもんか。
といっても、これは体育の授業とは違う。通信簿に書かれるわけじゃないし、下手でも何でも、楽しめばいいんですね。ボウリング、大いにけっこうじゃないか。僕はわりに上機嫌で、一行につき従って「D」ボウリング場の受付をくぐったのでありました。
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