- 上ホロ避難小屋横のテント場は、夜中、風が強かった。翌朝は霧が立ちこめ、時々雨がぱらついた。天気が回復しそうにないので、この日は停滞とした。昼頃、少し晴れたので付近の花の撮影をした。上ホロカメットク山にも行ってみたが霧で何も見えなかった。夕刻、十勝岳が見えだしたので空身で往復した。山頂に近づくと再び霧が出てきた。山頂からは稜線の先にある鋸岳が時々見えただけだった。
- 夜、時々稲光が遠くで光った。テントの入口を開けてみると星空が見えた。東の空には稲光を発する暗い雲の上に、登り始める満月が見えた。幻想的な感じがした。
- 翌朝、出発時は霧がかかっていた。重い足取りで再度十勝岳を目指した。やがて青空がのぞき始め、十勝岳山頂に着く頃には霧が晴れた。はるか向こうに、うっすらとトムラウシが横たわっていた。
- 山頂直下の岩場を下ると砂漠のような水平な道に出た。青空が広がり気分は晴れやかだった。行く手にはギザギザの鋸岳が見えた。
- 鋸岳からは火山性の石ころの多いザラザラの下りだった。須走りのような感じで下った。靴の中に小石がたくさん入った。須走りが一段落したところで靴をいったん脱いで小石を取り出した。
- 美瑛岳との鞍部付近はメアカンキンバイとイワブクロが多かった。鞍部を過ぎるとイワギキョウが多くなった。美瑛岳山頂近くになると、お花畑になった。斜面一面、実になったチングルマでおおわれていた。
- 縦走路から美瑛岳山頂へは、最初の分岐を見落としてしまい、少し遠回りをしてしまった。美瑛岳山頂はガスにおおわれていた。時々ガスが晴れ、十勝岳の山頂が見えた。
- 美瑛岳からの下りも花が多かった。最初はメアカンキンバイとイワブクロ、そのうちにイワギキョウやミヤマアキノキリンソウが増えてきた。
- 美瑛富士からの道と合流し、ポンピ沢へと下った。ポンピ沢の徒渉点付近はマルバシモツケがたくさん咲いていた。冷たい沢の水で顔を洗った。次の徒渉点はすぐ上部に雪渓があり、ぬかるんでいた。泥の中に半分埋もれたロープを頼りに沢の斜面を登った。登り切ったときにはズボンが泥だらけになっていた。
- 十勝岳への道との合流点近くではリンドウがたくさん咲いていた。合流点からは、白金温泉で風呂に入る時間を作るため、少し急ぎ足で下った。白金温泉で、きたなくなったズボンを取り替えた。