市民機関の現実性・実現可能性について

 

甲府市自治基本条例策定の極私的経過報告その5

 

森本 優(2006/04/20)


H18.4.14

 

 甲府市自治基本条例グループ案にある「市民機関」について、自治機構の中の一機関として上手く機能してゆくのか疑問である、との声が上がっている。

 すなわち、この「市民機関」が充分その機能を果たすためには、それを支える市民層が充分成熟していて、さらにその層も厚くなければならないが、甲府市の場合、そのような成熟度も厚みもさほどない、ということらしい。

 その為、そのような基盤が整っていない甲府市では、いくら理想を描いてみても、所詮絵に描いた餅に終わるしかない、と言うのである。

 

 然し、上記主張に納得していたのでは、何も始まらないのである。

 考えるに、甲府市自治基本条例が「まちの憲法」であるなら、現状を確認し反映した最高規範に止まらず、甲府市の自治の理想像(妥協案ではない)を追い求めるものでなければならないはずである。

 また、本条例案の「市民機関」は法令上禁止されているわけではなく、問題視されているのは、それを支える市民がいるのか、ということである。

 であるならば、この「市民機関」を支える市民層を育てる方向で話を進めるべきなのである。

 そこで、提案する。

 PI・パブリックコメントの段階で、本条例案の「市民機関」を提案し、一般市民の意見を頂くと同時に、この「市民機関」を支え参加していただける個々の市民の方々を拾い上げて結びつけ、広範囲な草の根ネットワークを県下に構築する作業を平行して進めること。

 条例策定後も、「つくる会」会員有志が核となって支援組織を作り、3年間程責任を持って「市民機関」を支え、本条例の自治機構が上手く機能するよう協働し調整し合いながら、市民自治の担い手となる市民層を発掘し育成すること。

 (3年間で市民層の成熟度も厚みも飛躍的に高まるとは考えられない、という疑問も当然出るであろう。しかし、甲府及び山梨県内においても人材は数多くいるのである。ただ、今までの自治の仕組では、そのような人材を活かすことができなかっただけなのである。であるから、参画・協働による市民自治を推進する本条例において、そのような人材が充分活かされるような草の根ネットワークを構築し、また意見を汲み上げることのできる意見交換・討論の場を数多く設定してゆくことで、ある程度短期間の内に、「市民機関」を支えるのに充分な市民層を獲得し育成をなすことは可能なはずなのである。)

 先ずは挑戦してみることである。

 ここ30年から50年という期間は、甲府市民や日本国民だけでなく、人類の歴史上においても、非常に大きな転換期となってきている。

 すなわち、地球環境の急激な変化と、それと相互関係を持たされている政治・経済等の大変化・大混乱が科学的にも予見されているのである。

 そのような時期に、中途半端なことをしていたのでは、あらゆる意味で取り残され、滅びてゆくしかないと言わねばならない。

 私たちは、このような激動期にこそ、挑戦して飛躍し、そして、そのような来るべき激動期を乗り越えてゆくしかないのである。

 

以上、森本個人の私見を述べました。

皆様のご意見等頂けましたら幸いです。

 


甲府市自治基本条例をつくる会会議録


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