● (No.319) サウンドカード ソフトウェア デコーダの紹介 (2002年 4月14日) ---------------------------------------------------------------------- JAMSAT シンポジウム 2002, 発表原稿 (by JE9PEL/1 脇田) 開催日:2002年 4月13日(土)、14日(日) 会 場:東京 お台場「日本科学未来館」 7階 会議室2 加 筆:2007年12月15日(土)
《解説》 衛星 AO-40 (Phase-3D) は、2000年 11月16日 日本時間 午前10時07分 に打ち上げ られた。 最初の頃は、「P3T.EXE」というテレメトリデコーダープログラムを使用 していた。これは AO-13 時代の "G3RUH 400 bps PSK demodulator" と組合わせて テレメトリを解読する、いわば ハードウェア・デコーダ である。 この頃から、TNC などのハードウェアを用いずに、サウンドカードのみを使用して オーディオから直接テレメトリを解読する、いわゆる ソフトウェア・デコーダ が 登場し始めた。ここに紹介している「Ao40rcv」と「Wdecpsk」プログラムをはじめ 他に「IZ8BLY P3D Decoder」プログラムなどがあり、このうち「Ao40rcv」が、現在 は最も使用されていて、AO-40 のテレメトリの信号解読の定番となっている。 「Agwpe」プログラムは、地上のパケット通信でも使用されているソフトウェアで、 「Agwmonitor」とセットで使用する。 作者はギリシャ人で、「Agwmonitor」を立ち 上げる度に作者の顔写真が数秒現れるソフトなので、ご存知の方もいるかと思う。 1200baud の衛星 NO-44 (PCSat), ISS ばかりでなく、G3RUH形式 9600baud の衛星 UO-22, KO-25 等の信号解読にも使用できる。 今回、UO-22 のオーディオを使って 信号解読の実演をする。 「UPW」プログラムは、サウンドカードのみを使用して 信号を AO-16, NO-44 等の パクサット衛星にアップリンクして、APRS (Amateur Position Reporting System) ネットワークへ位置情報を送信するソフトウェアである。 「MixW2」プログラムは、Packet モードの他に SSTV, PSK31, RTTY, Hellshreiber, MFSK16, MT63 など、ほとんど全てのデジタルモードに対応している 画像通信用の ソフトウェアである。 今 紹介しているソフトウェアの中で、唯一 PSK信号に対応 している。今回、これを 衛星AO-16 の PSK信号 に対して受信解読の実演をする。 「HamScope」プログラムは、PSK31, RTTY, MFSK16, CW 等に対応している、やはり 画像通信用のソフトウェアである。 衛星LU-19 や FO-29 などの CW 信号受信に使 うことができるが、受信信号の音量調節には、非常に繊細なチューニングを必要と する。今回、FO-29 の CW 受信の実演をする。 「Uo11dem」プログラムは、衛星UO-11 専用の 145.825MHz ビーコンの解読用 ソフ トウェアである。上で紹介してきたソフトウェアは、衛星からの信号をリアルタイ ムで受信解読するソフトウェアであるが、この「Uo11dem」は いったん wave とし て受信保存したファイルを、このソフトウェアにかけて信号解読する。今回、これ も実演する。 「UISS」プログラムは、TNC 無しで 1200bps/9600bps APRS 衛星に送信受信するこ とのできる画期的なソフトウェアである。 AGWPEプログラムと併用して動作する。 「Fo29cwt2」プログラムは、自作(JE9PEL/1) の 衛星FO-29 専用の CW テレメトリ の解読用のソフトウェアである。このプログラムは、いったん受信した CW 信号を テキストファイルとして所定の書式で保存した後で このソフトウェアにかけると、 自動的にそのテレメトリを解析し、衛星内部の電流や電圧などを算出させることが できる。 「Fo29cwts」プログラムも、自作(JE9PEL/1) の 衛星FO-29 専用の CW テレメトリ の解読用のソフトウェアであるが、こちらは 1行のテレメトリを入力するだけで、 自動的にそのテレメトリを解析し、衛星内部の電流や電圧などを算出させることが できるシンプルなソフトウェアである。 《余談》 本日(4/16)付けの朝日新聞の夕刊に、ISS(国際宇宙ステーション)に 全長約13mの レールが敷かれ、その上を 全長約2.7mの貨車を試運転する実験に成功した、とい う記事が載っていました。 将来的にはレールが 100m以上に延び、ステーションの増設工事や修理の際に資材 を運搬するのに使われるということです。 今でも ISS は早朝や夕方に眼視できま すし、望遠鏡でも使えば、レールの上を走る貨車が見えるかもしれませんね。 まるでアニメの「銀河鉄道」と同じ光景です。少し前までは夢物語であった映画の 「2001年宇宙の旅」も現代では ほぼそのとおりになっていますし、(コンピュータ の大きさは チップ化で当時の予想よりもはるかに小さくなりました)、いずれ月や 火星に基地ができる なんていう話も近いうちに実現するのかもしれません。 先日開催された JAMSATシンポジウムの会場の日本科学未来館のある 東京お台場の あたりは、近未来的な趣きのあるビルの間を走る首都高速や、コンピューター制御 されて海の上を無人で走るモノレール「ゆりかもめ」などで、本当にそのビルの陰 から「鉄腕アトム」が飛んできても不思議ではない雰囲気がありました。
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