デーヴァダッタ12

2023年12月

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12/01/金
年末が近づいてくる。今年は師走になった。1月からこのノートに改めて、もうすぐ1年になろうとしているのだが、『デーヴァダッタ』はまだ道半ばというところだ。まだ長い導入部を書いているという感じで、物語が先に進んでいかない。まずはカピラヴァストゥの描写から始めて、シッダルタのもとに嫁いできた皇太子妃ヤショーダラの給仕として、主人公デーヴァを登場させ、王宮の森の中で副主人公のシッダルタと出会う。なかなか魅力的なオープニングが書けたと思っている。主人公はシッダルタに魅力を感じてはいるのだが、あまりに完璧な人物のために反発や敵意を感じている。そこには嫉妬みたいなものもあるだろう。英雄に憧れながら、英雄になれきれない人物の悲劇。ただデーヴァダッタは感じやすく傷つきやすい人物ではあるが、善意をもった人物として描かれている。この善意がしだいに屈折していって、悪事を働くことになる。その主人公の心の支えとなるのが、影の主人公ともいえるマハーヴィーラーだ。だいたい物語の構図としてはこういうことになるのだが、作品は叙事詩のように多く人物を登場させながら進行する。最初の舞台であったカピラヴァストゥから、隣国の大国コーサラの首都シュラヴァースティ。さらにシッダルタが修行の旅に出たあとを追って、主人公はヴァーナラシーに移動し、六師外道と対決する。そこから仏教教団の導師となったシッダルタを訪ねてラージャグリハに向かう。いまは竹林精舎でシッダルタと再会して、仏教の原理について問答している。ここまでが準備段階だ。物語としては、故郷のカピラヴァストゥの崩壊と、マガダ国王ビンビサーラが息子の皇太子アジャータシャトルによって幽閉され殺害されるという悲劇につき進む。どちらの悲劇も主人公によって画策されるものだ。これからようやくその二つの悲劇が始まろうとしている。今年は残り1ヶ月。年越しの仕事となった。来年の半ばくらいに草稿が完成すればと考えている。ぼくはまだあと何年かは生きるだろうと考えているので、来年のうちに本が出せればといった期待をもっている。15歳の時に小説家になろうと思い、最初の作品『Mの世界』を書いたのは17歳。『文藝』に掲載されたのが18歳の時だ。小説家になろうと思ってから60年も書き続けてきて、ようやくこの『デーヴァダッタ』という作品にたどりついた。まだ完成してはいないが、構想の大きさという点では自分の生涯でも最大の作品だ。つねに、自分がこれから書く作品がライフワークだと考えてきたが、この作品を書き終えてしまうと、もう大きな作品のプランが1つもないという状態になりそうだ。まだ書き遺している日本神話の世界があることはあるのだが、これは未発表のままで残ってしまいそうだ。『デーヴァダッタ』は何とか完成させて出版まで到達したい。1年間、がんばってきたので、少し疲れてはいるのだが、これはすごい作品だという手応えはあるし、悲劇が始まってしまえば少し先にゴールが見えてくる。希望と期待をもって先に進みたい。さて本日は神保町の書協のビルで旺文社主催のコンクールの選考会。サイエンス、絵画、書道、デザイン、写真、詩、小説、読書感想文、小論文など多様なジャンルの作品から総理大臣賞1点、その他の賞を選考する。ジャンルが多用なので、選考委員はジャンルを担当する専門家の評価を聞いて判断するしかない。書道の先生に、これはすごい、と言われたら、そういうものかと思ってしまう。ぼくは去年までは詩の担当だったが、小説担当の阿刀田さんがリタイアされたので小説担当になった。詩だとその場で読み上げて短い感想を述べるだけでよかったのだが、小説は読み上げるわけにはいかないので、説明がたいへんだ。詩の担当は文藝家協会で毎月顔を合わせる山田隆昭さんにお願いした。山田さんが左隣で、右隣は今年から選考委員長になられた野村萬先生で、野村さんとは大昔、著作権情報センターで著作権白書を作った時に同席したことがある。こんなところで再びお目にかかれるとは思っていなかった。まあ、とにかく選考が始まって、小説も詩も、それなりの賞をいただけたのでよかった。

12/02/土
妻は明日帰ってくる予定。こちらはひたすら仕事だが、清水エスパルス対東京ヴェルディの2部から1部への昇格決定戦の中継を見る。ぼくは浜松にしばらくいたので、静岡のローカルニュースを見ることが多かった。静岡では熱海富士と翠富士の活躍と、2部リーグに清水、磐田、藤枝の3チームが入って激戦、という話題でもちきりだった。結局2部リーグは、まさにローカルチームだった町田が早々と優勝を決めて昇格を確実にした。2位のチームも昇格できるので2位争いが熾烈となったのだが、清水、磐田、東京ヴェルディーの順位で最終戦を迎えた。勝ち点は同じで得失点差で順位がついている。3チームとも格下相手の最終戦で、清水が勝てば昇格決定だったのだが引き分けてしまった。磐田と東京は勝って、磐田が2位で昇格、東京3位、清水4位は、5位と6位のチームとのトーナメントに出場して勝ち上がり、本日の最終決戦となった。勝てば昇格。ただし延長戦はないので、引き分ければ順位が上の東京の昇格が決まる。清水はリーグ戦の最終戦に勝てなかったことがあとあとまで響くことになる。磐田に負けただけでなく、東京ヴェルディよりも下になってしまったので、本日は引分では敗退ということになる。開始から清水は攻めに攻めた。ヴェルディは防戦一方だった。このままでは引分かと思われたのだが、後半の開始早々、ヴェルディーの選手がゴール前でハンドの反則。意図的ではなく、相手の蹴ったボールがたまたま手に当たってしまった。しかし審判の判定はPK。これで清水が1点リードとなった。今度はヴェルディが攻めに攻め、清水は防戦一方。90分が過ぎてあとは追加タイムだけになった時に、清水が自陣で相手にボールをとられてしまった。ヴェルディーの選手がオフサイドぎりぎりで飛び出したところに、スルーパスがぴったり決まってゴール前、清水の選手がボールにアタックしたように見えたのだが、足がボールに触れる直前に、ヴェルディーの選手がその足に触れて転倒した。わざとらしい大げさな転倒だったが、スローで見ると確かにボールよりも先に足に触っている。判定はPK。こういう場合、審判は先ほどのPKの判定を引きずっている。意図的なハンドではないのでPKにしないという判断もできた。自分の判断でヴェルディーが負けてしまうことに負担を感じていたはずで、埋め合わせのPK判定という感じがした。どちらもPKでないと判定しても文句がつけられない微妙な感じで、ぼくがスローを見た印象を言えばどちらもPKではない思うのだが、片方をPKにしたので、両方PKにするのは公平な判断だろう。それでも追加タイムのPK判定は、清水にとっては苛酷な逆転負けだった。実際の勝負は引分なのだが、清水はここでもリーグ最終戦で勝っていればという後悔が残っただろう。ヴェルディーにとっては悲願の1部昇格だった。プロリーグが始まった時は、ヴェルディと鹿島アントラーズの一騎打ちみたいな感じだった。そのヴェルディーが1部から姿を消して、長い年月が経っている(女子のヴェルディーはがんばっている)。これで1部昇格が決まったのだが、1部では苦しい闘いが続くと思われる。2部にいた時間があまりに長いので、有力選手がいなくなった。これから選手を集めるのはたいへんで、このまま行くしかないが、2部の甲府が天皇杯のトーナメントで優勝した例もあるので、がんばってほしい。その甲府は、アジア杯に進出して、互角に闘っているのだが、そこで疲れ果てて2部リーグでは、6位にも入れなかった。有力チームは2軍でも闘えるほどの戦力をもっているのだが、甲府の場合はそういうわけにはいかなかったのだろう。サッカーのことばかり書いてしまったが、『デーヴァダッタ』の13章が終わった。実はここまでが長いプロローグで、いよいよここからストーリーが始まる。仏教教団を創設しマガダ国ラージャグリハの竹林精舎に本拠を構えた釈迦は、故郷のカピラヴァストゥに近いコーサラ国シュラヴァースティの近くに第二の拠点の祇園精舎を開設するのだが、その直後にデーヴァダッタの画策によって故郷のカピラヴァストゥが滅びる。これが第一の物語。続いてマガダ国王ビンビサーラがアジャータシャトル王子に幽閉されて殺されるという第二の物語が展開される。これもデーヴァダッタの画策によるもの。この二つの物語は作品の中心となる。ここで200ページ600枚の分量になっている。おそらく完成すれば全体は1200枚になるのではないか。1冊には収まるだろうが、定価5000円くらいになりそうだ。

12/03/日
妻が帰ってきた。日常性が戻る。『デーヴァダッタ』は14章に入る。ここでブッダの側近となるアーナンダが登場する。いよいよ物語が動き始めた。明日のFootballだが、チーフス対パッカーズの試合が中継される。これはビデオに録画して何度も見るつもりだ。レシーバーがいない状況でマホームズがどのように苦労をして得点を挙げるか注目したい。パッカーズはロジャースを移籍させて、控えのラブを先発QBにしたのだが、このところ調子を上げているので要注意だ。他の試合で注目したいのは、49ナーズ対イーグルスというすごい試合がある。黒星の差が2つあるので、シード1位が逆転するわけではないのだが、昨シーズンのカンファ決勝では新人QBのパーディーが腕を負傷して惨敗した49ナーズの雪辱戦だ。この2チームはプレーオフの決勝で必ず対戦するので、実力を判断できる機会となる。49ナーズを応援したい。少し調子を崩しているライオンズはセインツが相手。まあ、勝てるだろう。カウボーイズは金曜の試合でシーホークスに勝っている。Aカンファのトップシード争いは、ドルフィンズがコマンダーズ、ジャガーズはベンガルズ、レイブンズはお休み。チーフスも含めて、どのチームも3敗を維持するだろう。残り6試合。負けられない闘いが続く。ラマー・ジャクソンの調子が出ているブロンコスだが、ドラ2QBストラウドも調子を上げているのでテキサンズ相手に苦戦するだろう。ブラウンズはラムズ。QBがまったくいなくなって、急遽、大昔レイブンズをスーパーボウル覇者に導いたフラッコを獲得した。ぞのチームからもオファーがなくて浪人していたベテランがすぐに役に立つのか疑問だが、守備の強さで勝ち込んでいるチームだけに、ベテランの判断力で無理をしない試合をすれば勝てるかもしれない。スティーラーズはカーディナルスが相手。これは楽勝だろう。今シーズンのドラフトは、1番のパンサーズが、ヤングをとるかストラウドをとるかで注目された。ヤングをとったパンサーズはわずか1勝。ストラウドをとったテキサンズは6勝してプレーオフの望みを残している。ヤングは背が低い。機動力もない。アラバマ大学で大活躍したのは、強力なオフェンスラインに守られていたからだろう。名門大学出身のQBが1年目に不振なのは、ドラ1になると一番弱いチームに指名される。弱小チームはオフェンスラインも整っていないので、QBを守れない。テキサンズのストラウドは体力と機動力があるので、ラインが弱くても自力で脱出できるのだが、ヤングはどうもダメみたいだ。ドラフト下位指名やドラフト外のQBが何人もヤング以上に活躍している。どうやらパンサーズは、空籤を引いてしまったようだ。

12/04/月
ネット会議1件。ただ聞いていただけ。あとはほぼパソコンに向かっていた。チーフス対パッカーズ戦の中継があったのだが、見ていてつらくなるような展開だったので、途中で消してしまった。パッカーズごときに負けるとは思っていなかった。これでシード1位は難しくなったが、プレーオフには出場できるだろうから、それまでにチームを整備してほしい。49ナーズはイーグルスに圧勝。このままスーパーボウル制覇に突き進みそうな勢いだ。さて、明日はベンガルズ対ジャガーズの試合があるが、ベンガルズはQBバローがリタイアしているのでジャガーズが勝つだろう。残り6試合。そろそろ地区優勝のチームが見えてきた。競っているのはNカンファ南だけで残りの7地区はほぼ決まりだ。Aカンファ東はドルフィンズ、北はレイブンズ、南はジャガーズ、西はチーフス。Nカンファ東はイーグルス、北はライオンズ、南はいまのところ僅差でファルコンズ、西は49ナーズ。この4チームがシード1位から4位に配置される。5位から7位のワイルドカード。各カンファ3つの座席を争うのは、Aカンファは5敗がスティーラーズ、ブラウンズ、コルツ、テキサンズ。3つの座席に4チーム。1つが脱落することになるが、ブラウンズとスティーラーズは調子を落としているので、6敗のビルズとブロンコスにもチャンスはある。Nカンファは東のカウボーイズが3敗のままで、2敗となったイーグルスを追っているので、地区優勝の可能性は残っているが、優勝を逃したとしてもトーナメント出場は固いし、シード5位は、負け越しで地区優勝しそうな南地区との対戦となるので、初戦突破は間違いない。とはいえ、カンファ準決勝でシード1位のイーグルスに当たりそうなので、そこが勝負どころとなる。このカウボーイズ以外のワイルドカード候補は、残り2枠に6敗チームが4つ。バイキングス、パッカーズ、シーホークス。それからファルコンズも6敗だがこちらは南地区なので負け越しでも地区優勝から、実質的には2枠を3チームで争うことになる。7敗のバッカニアーズとセインツにも可能性はある。この2チームは南地区なので、1差のファルコンズを追い抜けば地区優勝でトーナメント進出も可能だ。南地区で地区優勝できないようだと脱落ということになるだろう。このあたりでスーパーボウル出場チームを予想する。Aカンファは好調な時のタゴヴァイロアとタイリーク・ヒルのコンビの爆発力はものすごいものがあるのだが、チーフスに対しては相性がよくない。ラマ―・ジャクソンの調子がよければレイブンスか。それでもチーフスがじりじりと調子を上げるのではないか。ここには希望的観測もある。ダークホースはビルズ。次週、チーフス戦がある。ここに勝つようだと、スーパーボウルまで全勝を続けそうな感じがする。こちらとしてはチーフスに勝ってほしい。Nカンファは49ナーズだろう。怪我人が出なければいまは絶好調でこのまま行きそうだ。

12/05/火
近所の医者に行っていつもの薬をもらうついでに健康診断。高齢者なので千代田区から無料検査の書類が送られてくる。大学の教員をしていたころは、必ず人間ドックの診断を受けるようにという指示があったので、年に一回は病院に出向いていたのだが、リタイアしてからはこの簡易な検査で済ませている。リタイアした身なので、いつ死んでもいいというくらいの気分だし、高齢者は無用な内視鏡検査は避けるべきだという意見を何かで読んだことがある。気にしてなかったのだが今日のFootballの試合、昼過ぎにネットで調べるとベンガルズがリードしていた。相手のジャガーズは3年目QBのトレバー・ローレンスが絶好調で3敗でシード1位争いに加わっている。一方のベンガルズはQBバローの怪我でブロウニングという聞いたことのない控えQBが先発する。完敗に終わるだろうと思ったら、いい試合をしている。結局、延長戦にまでもつれこんで、キックの3点でベンガルズが逃げ切った。これでベンガルズは6敗で生き残っているし、ジャガーズは4敗になったので、5敗のコルツ、テキサンズが、地区優勝争いに加わることになった。コルツは開幕直後から活躍した新人QBリチャードソンが負傷したものの、控えのベテランQBミンシューでこのところ4連勝している。テキサンズはドラ2QBのストラウドが大活躍している。ただ直接対決はすでに終わっていて、ジャガーズはコルツに対しては2連勝、テキサンズに対しては1勝1敗。コルツはジャガーズを追い越さないといけない。まだ5試合残っている。ジャガーズはレイブンズ戦を残しているのだが、あとの4試合は楽な相手。ただ控えQBのベンガルズに負けるようだと、失速する可能性がある。テキサンズは控えQBで苦戦しているタイタンズ戦を2試合残しているので連勝できそうで、最後のコルツ戦に勝てば11勝6敗で地区優勝の可能性が出てきた。いずれにしろこの3チームはプレーオフには進出しそうだ。

12/06/水
日大文芸賞授賞式。7月に選考会があって、例年だと9月に授賞式があるのだが、日大関係者が多忙だったようで、12月にずれこんでしまった。場所もいつもの私学会館ではなく、向かいの日大本部。最近ニュースなどでよく映る場所だ。いつもぼくが選考経過を語るのだが、急なスケジュールだったため、他の選考委員が不在。授賞式のあと、会食があって雑談するのだが、一人で受賞者の相手をすることになった。隣に学長がいた。穏やかないい人なのだが、最近はこの人もよくテレビに映る。選考会から日がたっているので、候補作の内容を忘れかけていたが、日大新聞に載った自分の選評を見ながら、何とか話をすることができた。

12/07/木
日本文藝家協会常務理事会。本日は理事会がないのですぐ終わるはずだったが、林理事長の話がおもしろかったので会議が長びいた。

12/08/金
SARTRAS共通目的委員会。懸案だった選考手順の改善と、応募のガイドラインは、思っていたよりうまくまとまった。

12/09/土
『デーヴァダッタ』は14章の終わり。いよいよ物語が始まろうとしている。章の最後にまだ少年のアジャータシャトル王子が登場する。父親殺しの宿命を負った王子で、ギリシャのオイディプス王と双璧の重い宿命を負った人物だ。

12/10/日
武蔵野大学の高校生コンクールの表彰式。これはぼくが武蔵野大学の専任になった時から始めた催しで、大学の宣伝ということもあり、また入賞者をAO入試でぼくのゼミに来てもらうという狙いもあって始めたもの。いまでは小説だけでなく、短歌、俳句、評論なども募集しているし、これによって武蔵野大学が、早稲田の文化構想学部や、日大の芸術学部と並んで、文芸に関する講座を多くもっている大学であることを強調している。文学など勉強しても就職に役立たないだろうという考え方もあるが、ぼくが学部長になってからは、すべてのゼミや講座で、学生による発表やディベートの機会を増やすことで、「文学について熱く語ることのできる学生」を育てることにした。自分の好きなテーマで何かを語るという体験をもった学生は、企業の面接でも自分の思いを語ることができるし、企業に入ってもプレゼンテーションやディベートで活躍できるはずだ。文学という何の役にも立たないテーマで熱く語れる学生は、企業に入って実用的な製品開発や営業戦略については、もっと熱く語れるはずだ、というのがぼくのスローガンだったのだが、これで驚くべきことに就職率がアップして、他の学部の先生方の前でぼくが成果を発表するようにというオファーを受けることになった。ということで、大学をリタイアしたあとも、このコンクールの選考は続けている。ぼくのあと、芥川賞作家の町田康さんを招いて審査員になってもらっている。本日はZOOMで町田さんとぼくと受賞者4人で語り合う時間もあった。さて、Footballもいよいよ大詰めになってきた。AカンファもNカンファも、地区優勝候補のチームは単独首位になっている。危ないのはA南のジャガーズのQBローレンスが足首を傷めたこと。コルツとテキサンズが1ゲーム差で追っている。Nカンファ南のファルコンズもQBリダーが安定しない。バッカニアーズとセインツが1差に迫っている。ただこの両チームもQBが安定していない。星のつぶしあいになるだろうが、9勝8敗なら当確。8勝9敗でも地区優勝ということがあるかもしれない。首位のファルコンズは現在6勝6敗。あとの5試合を3勝2敗で行くのは難しいかもしれない。負け越しでも地区優勝ということが実現しそうだ。

12/11/月
今週は公用が少ない。本日はいつもの深川ギャザリア。ここへ行くのは車を動かすため。これで年末に仕事場に行くまでは動かさなくても大丈夫だろう。イーグルス対カウボーイズ戦の中継があったがあとでビデオで見る。ネットで結果を確認すると、イーグルスは負けて2連敗。10勝3敗となって、同地区のカウボーイズと並んでしまった。直接対決は1勝1敗。どちらが上か計算が難しい。シード1位は同じ3敗の49ナーズが有利か。ライオンズは負けて4敗に後退。南地区は混戦。ファルコンズが同地区のバッカニアーズに負けて6勝7敗、勝ったバッカニアーズと、ビリのパンサーズに勝ったセインツも6勝7敗で、3チームが首位に並んだ。3強1弱のパンサーズが弱すぎる。ドラ1QBのヤングがまったく使い物にならない。スカを引いてしまった。明日は2試合が予定されている。ドルフィンズとパッカーズが勝つものとしてワイルドカードの状況を書いておく。Aカンファは地区優勝は4地区とも単独首位なので揺るがない。シード1位はドルフィンズとレイブンズが3敗で並んでいる。ジャガーズとチーフスはともに負けて5敗となったが地区の首位はキープ。ワイルドカードはブラウンズが5敗のままで踏みとどまった。QBが全滅となったため浪人中のベテランQBフラッコと契約。先週は負けたが本日は快勝。単独でシード5位の位置にいる。フラッコが使い物になると守備が強いだけにこのまま行きそうだ。シード6位と7位の2つの椅子に、6敗のチームが6つ。ビルズ、ベンガルズ、スティーラーズ、コルツ、テキサンズ、ブロンコス。本日チーフスに勝ったビルズはQBジョシュ・アレンが復活。バローのリタイアで絶望視されたベンガルズは控えQBのブラウニングの大活躍で2連勝。この2チームは強い。QBピケットが負傷したスティーラーズ、ドラ4リチャードソンの負傷で控えのミンシューで何とか勝ってきたコルツも難しい。テキサンズはドラ2QBストラウドが心配。プロンコスは大ベテランQBラマー・ジャクソンが復活したもののまだ波がある。しかし5敗のブラウンズもまだ安定感がないので、椅子は3つあると考えると、ビルズとベンガルズは進出しそうだ。1差でリードしているブラウンズが逃げ切るか、テキサンズかブロンコスが追いつくか。Nカンファはついに東地区のイーグルスとカウボーイズが並んでしまったが、どちらかがワイルドカードに回るので残りの椅子は2つしかない。そうなると6敗のバイキングとパッカーズがきっちり椅子をゲートしそうだ。南地区の3チームはとにかく地区優勝するしかない。シーホークスとラムズは7敗となったが、1差なのでまだ可能性は残している。スーパーボウルの予想。Aカンファでシード1位争いをしているドルフィンズとレイブンズ。どちらも爆発力のあるチームだが、コロッと負けることもある。ぼくは元チーフスのタイリーク・ヒルのいるドルフィンズを応援したい。チーフスは5敗となって、ブロンコスと1差になったが、プレーオフには残れるだろう。ただビルズ、ベンガルズも調子を上げているので、トーナメントを勝ち上がるのは至難となってきた。まったくの混戦というべきか。Nカンファは49ナーズの安定感が他チームをしのいでいる。中盤の3連敗が何だったのか。とにかくいまは圧勝続きで、このまま一気にスーパーボウルを制覇しそうだ。ドルフィンズ対49ナーズの試合になるとおもしろそうだ。

12/12/火
昨日のこのノートに、「明日の2試合はドルフィンズとタイタンズが勝つ」と書いたのだが、ドルフィンズはタイタンズに負け、パッカーズはジャイアンツに負けた。こういうのを「死に馬に蹴られる」というのだと思う。プレーオフ進出の望みのないチームにまさかの敗戦だ。とくにチーフスに勝ったパッカーズにジャイアンツが勝ったということになると、チーフスはジャイアンツより弱いということになってしまう。確かにいまのチーフスは弱い。さしものマホームズも、投げたパスをちゃんと受けてくれるレシーバーが1人もいない状態では、点のとりようがない。大谷選手のドジャーズ移籍で7万ドル(約1000億円)と報道され、必ず引き合いに出されるのが、マホームズは5万3000ドル。同じ10年契約だから確かに大谷選手はマホームズを上回った。QBは投げて走り、作戦も伝授するスーパーヒーローだが、大谷くんもホームランを打ち、勝ち投手になり、盗塁もするというのだから、7万ドルもらってもいい。ただ大谷くんの聡明なところは、この金額のほとんどを後払いで貰うということ。10年で7万ドルだから毎年7千ドルというわけではない。野球のメジャーリーグにはサラリーキャップというものはないが、選手の年俸の総額に一定の限度を設け、そこを超えた場合はリーグに課徴金を支払うルールになっている。毎年7千ドルを払った上に巨額の課徴金が発生するとなると、他の選手のギャラを下げるしかなく、チームのレベルが下がってしまう。これを大谷くんの提案でほとんどを後払いにするということらしい。マホームズの場合は、いくぶんかは後払いにしてあるようだが、Footballの選手生命は短いのでマホームズもある提示の年俸を受け取っている。チーフスには他にタイトエンドのケルシー、ディフェンスタックルのクリス・ジョーンズと年俸の高い選手がいる。そのため他の選手は年俸の安い若手ばかりになっている。ディフェンスはチームプレーなので若手を鍛えれば何とかもたせることができるのだが、ワイドレシーバーに関しては、個人技の要素が強い。必要なところに走っていって、的のディフェンスをかわして、確実にキャッチする、というのは故人の能力に負うところが大きい。そしていまやチーフスには、レシーバーがいない状態になっている。サラリーキャップはマホームズのようなスーパープレーヤーが出現した時には、他の選手のレベルが自動的に下がって、チーム間の差がなくなるという公平なシステムだ。下手な選手に囲まれながら勝ち続けたブレイディーがいかにすごいかがわかる。ブレイディーがいなくなったペイトリオッツはいま悲惨な状態になっている。ということで、マホームズはがんばるしかない。下手な選手でもキャッチできるようなボールを投げるしかないのだ。

12/13/水
夕方、妻と大手町まで散歩。中通りを歩く。麻布台などに新しい商業施設ができたので、あまり人はいないのではと思われたが、けっこうな人出だった。ただ通りの照明はほどほどで、われわれが住んでいる集合住宅の周囲の電飾の方が充実している感じがした。住んでいる集合住宅は下半分に企業の事務所が入り、別棟にレストランとスーパーが入っている。小規模な商業施設ではあるが、千代田区の公園の敷地と隣接している。区民の憩いの場になっているし、災害時の避難地にも指定されている。電飾はあるが人は少ない。その感じがいい。中通りは人の多さの割に見るべきものがなかった。

12/14/木
SARTRAS分配委員会。何事もなし。自分の仕事は舞台がシュラヴァースティに移った。すでに序盤で、プラセーナジッド王やジェータ王子を登場させ、ビルリ王子の出生についても書いてある。布石は打ってあるので回収していけばいい。祇園精舎の描写をきっちりやりたい。シッダルタの故郷のカピラヴァストゥの城壁が崩壊する。大坂城落城みたいな感じて、そのあたりのドラマをふくらませたい。ラージャグリハを出発するにあたり、アジャータシャトル王子を登場させた。父殺しのアンチヒーローで、観無量寿経の主人公でもある。といっても誰も知らないだろうから、まだ一人の登場人物として顔見せをしただけだ。ただ父殺しを予言された王子で、その予言については多くの人が知っている。周囲の人の白眼視の中で育つので、そのせいで性格が歪んだとも考えられるが、こちらはフィクションを書いているので、主人公がどのように関わっていくか、ドラマ性を高めていきたい。

12/15/金
メンデルスゾーン協会の理事会。とくにメンデルスゾーンが好きというわけではないが、頼まれて理事長をしている。昔は会員も多く、年に二回くらいコンサートを主催してもいたのだが、いまは会員が減少して、メンデルスゾーンを演目にした催しに協賛させてもらうのと、年に一回、会報を出すだけの活動を続けている。本日は神保町のブックカフェで、刷り上がった会報を封筒に入れて発送する作業を数人の理事で手分けして終え、軽くビールを飲みながら雑談。メンデルスゾーンは不思議な作曲家で、時代遅れの作品を作り続けた人だ。シューマンのようなロマンチックなものでも、年下のワグナーのような大げさなものでもなく、モーツァルトやベートーヴェンの時代の雰囲気を再現することに没頭した。メンデルスゾーンが若いころには、クラシック(古典)と呼ばれる時代の作品は世の中から忘れさられていた。まだ少年のころ、母方の祖母の家の物置でバッハの「マタイ受難曲」の楽譜を見つけ衝撃を受けた。メンデルスゾーンがこの作品を復活上演しなかったら、バッハは歴史の彼方に埋もれていたかもしれない。ベートーヴェンの「荘厳ミサ曲」の復活上演をしたのもメンデルスゾーンで、もしかしたらベートーヴェンも忘れ去られていたかもしれない。モーツァルトの再来と言われるほどに早熟の作曲家であったが、クラシックを愛するあまり時代から取り残されてしまった。4歳年下のワグナーの隆盛の陰で、復活上演や教育者としての実績を残しただけで若くして亡くなってしまった。ユダヤ系であったことも災いしたのかもしれない。いくつかのオラトリオと交響曲、ヴァイオリン協奏曲(メンコンと呼ばれ三大コンチェルトの一つとされる)、無言歌などの小品はいまも演奏されることが多く、「結婚行進曲」では一番人気で、ワグナーをしのいでいる。話はかわってFootball。チャージャーズ対レイダーズ。5勝8敗同士の同地区対決。チーフスが5敗になったのでまだ地区優勝の可能性を残している。スーパーボウル覇者となるためには、トーナメントを全勝するしかないのだが、残り4試合を全勝して9勝8敗なら、プレーオフ進出の可能性がある。要するに、ここから全勝すればスーパーボウル覇者の可能性があるので、今日からトーナメントが始まっていると考えてもいい。そういうわけで、地区のビリ争いの試合でも、ファンは可能性を信じて応援する。チャージャーズにはハーバートという若手QBがいたのだが、先週の試合で手の指を骨折してリタイアした。控えQBは5年目の無名の選手で絶望的な状況。一方のレイダーズもQBガロポロがリタイアして、オコネルという新人QBが出ているのだがまったく不振で、先週は3対0で負けるという、何とも寂しい状況になっていた。QBがダメなのでロースコアが予想されたのだが、63対21というすごい試合になった。オコネルという新人QBが突如として覚醒した。やぶれかぶれでパスを投げまくったら、ことごとくキャッチされてタッチダウンの連続になった。こういうこともあるのだなと驚いた。だから、Footballはおもしろいのだ。

12/16/土
週末。今週は大きな公用がなかったので、落ち着いて自分の仕事に集中できた。主人公はシュラヴァースティに移動。しばらくシッダルタが出てこないので、主人公だけで話をもたせないといけない。ここからいよいよ邪悪な陰謀が始まる。これまで主人公のデーヴァは単独で行動することが多かったので、内面の叙述が説明になってしまった。ここからは従者を一人出すことにした。ただ架空の人物なので名前を考えないといけない。ここまで架空の人物としては、娼婦のマリハムというのを出した。この名前はユダヤの女性に多い名前で、異民族の娼婦という設定だ。今回の従者はガンダルヴァということにした。天龍八部衆の一つだ。主人公がデーヴァ(天)と呼ばれているので、ナーガ(龍)とかガルーダ(鳥)も考えたが、何だかよくわからない酒の神のガンダルヴァということにした。

12/17/日
明日はFootballがある。実は今日も3試合あるはず。シード1位争いはAカンファは3敗のレイブンスが単独首位。Nカンファは3敗が49ナーズ、カウボーイズ、イーグルスだが、直接対決では449ナーズが勝っている。東地区の地区優勝はなぜかカウボーイズが首位と表示されている。直接対決は1勝1敗なので、その他の複雑な計算でそうなっているのだろう。カウボーイズはこれからビルズ、ドルフィンズ、ライオンズと強敵が連続するので1つは負けるだろう。イーグルスは「死に馬」のジャイアンツ戦が2試合もある。ただ死に馬に蹴られる例があるが、まあイーグルスは全勝でいくだろう。そうなるとカウボーイズがシード5位で南地区の優勝チームと当たる。これが一番楽な相手になるだろう。プレーオフ出場の当落線上にある6敗、7敗のチームの明日を見てみよう。バイキングス対ベンガルスは6敗同士の激戦。どちらも先発QBがいない。代役の闘いではベンガルズ有利か。スティーラーズ対コルツも6敗同士。どちらも控えQB。ミンシューに安定感のあるコルツ有利か。ブロンコス(6敗)は強敵ライオンズだが、QBゴフの調子が下降気味でアップセットの可能性はある。ファルコンズ(7敗)は死に馬のベアーズ。この死に馬はこのところ2連勝なので要注意。いい試合になる。バッカニアーズ対パッカーズは7敗同士。双方ともに土俵際で勝つしかチャンスがない。セインツ(7敗)は死に馬ジャイアンツ。すでに8敗のジャイアンツに望みはないのだが、控えQBになってから3連勝している。セインツ危うし。7敗のテキサンズは8敗のタイタンズ。ドラ2QBのストラウドがリタイア濃厚で、テキサンズもここまでか。カウボーイズ対ビルズ。地区優勝がかかるカウボーイズと6敗のビルズ。イーグルスに接戦で負けたビルズが、イーグルスに快勝したカウボーイズに勝てるか。これに勝つようだとトーナメントでも勝ち上がりそうだ。シード3位か4位になりそうなチーフスが、初戦でビルズにあたると負けそうな予感。7敗のラムズは死に馬のコマンダーズ。楽勝だろう。7敗のシーホークスはイーグルス。シーホークスもここまでのようだ。ここまで書いてきて、今日は日曜だが、現地土曜に3試合あることを思い出した。土曜は大学の試合があるのでプロはお休みなのだが、大学のリーグ戦が終了したのだろう。で、ネットで結果を見る。ベンガルズがバイキングスに3点差の辛勝。控えQBでまだ生き残っている。コルツはスティーラーズに快勝。スティーラーズはここで撃沈。去年の新人QBピケットに進歩がなく、リタイアすると控えQBも不振で、失速してしまった。コルツはミンシューでプレーオフまで行くのではないか。ライオンズ対ブロンコスはいまハーフタイムだが、ライオンズが21対0で勝っている。ブロンコスのベテランQBラッセル・ウィルソンは復活の兆しを見せていたのだが、ここまでということだろう。バイキングスは負けても7敗でまだ土俵際だが、このまま失速するのではないか。さてチーフスの明日の相手はペイトリオッツ。死に馬ではあるが先週は控えQBザップ(ザッピーかもしれない)の大活躍でスティーラーズに勝っている。これに負けるようだとチーフスはいよいよダメということになるが、本日ブロンコスが負けそうなので地区優勝争いは負けても単独首位。ただベンガルズ戦を残しているのでまだ油断はできない。とにかくシード3位か4位になりそうなので、初戦に強いチームと当たりそうだ。

12/18/月
早稲田の同窓会。1968年入学の第一文学部Kクラス一年、二年の教養課程の同窓生。13人が参加。皆、同世代の高齢者ばかり。しかし話しているうちに55年前の学生時代がよみがえる。男子6人、女子7人。男女同権とはいわれながら、50年前の就職状況では女子は苦労が多かったと思う。それでもみんなしぶとく今日まで生きながらえている。女子に『紫式部』、男子に『天海』を進呈した。分厚い本なのでもっていくのが重かった。さて、Football。ベンガルズがバイキングスに勝ってプレーオフ戦線に踏みとどまっている。コルツがスティーラーズに勝ってコルツは生き残りスティーラーズはほぼ脱落。ファルコンズは死に馬のパンサーズに蹴られた。今期1勝しかしていないドラ1QBのヤングに2勝目をプレゼント。ただ勝つとドラフト順位が微妙になる。ベンガルズのバローは1年目にまったく不振で、翌年のドラフト上位で同じ大学のレシーバーのチェイスがとれた。それが現在の躍進につながっている。ブラウンズは死に馬のベアーズに快勝。QBが3人リタイアで、急遽、ほぼ引退状態だった元レイブンズのフラッコを招聘。スーパーボウル制覇の経験のある大ベテランで、5敗を維持。レイブンズと同地区なので地区優勝は難しいが、シード5位で一番弱い南地区と当たりそうだ。テキサンズはドラ2QBのストラウドがリタイア。こちらもキーナムという大ベテランを起用して勝ちきった。ジャガーズが負けたため地区優勝も視野に入ってきた。ビルズがカウボーイズに勝った土俵際で生き残っている。地区首位のドルフィンズはこれから強敵との対戦が続くのでビルズは地区優勝の可能性も出てきた。ブレイディーのあとを受けたバッカニアーズのメイフィールドがようやくチームになじんできた。負け越しでも地区優勝のNカンファ南地区で首位をキープ。明日はイーグルス対シーホークス。イーグルスのQBハーツの調子がよくない。どこか傷めているようで、控えのマリオタが先発する可能性もある。マリオタはルーキーイヤーから活躍した中堅選手で、控えQBの中では最上位ではないか。だから勝つだろう。ということで、残り3試合になったプレーオフ進出状況。Aカンファのシード1は3敗のレイブンズ。シード2は4敗のドルフィンズだが、ここへ来てレシーバーのタイリーク・ヒルが欠場。残り3試合が強敵ばかりで全敗の可能性もある。プレーオフには残れるだろうが、地区優勝しないと初戦がホームで戦えなくなる。5敗はブラウンズとチーフスだが、ブラウンズはレイブンズと同地区なのでシード5になる。チーフスがシード3。南地区はジャガーズ、コルツ、テキサンズが3敗で並んでいる。3チームの対戦成績となると計算不能。とにかく残り3試合、勝ち抜くしかない。6敗は他にビルズとベンガルズだが、この2チームは調子が出ているのでこのまま6敗でいきそうだ。ということは南地区の3チームは地区優勝しないとプレーオフに出られないということになる。7敗のスティーラーズとブロンコスは残念ながら圏外だろう。N地区。3敗のイーグルスと49ナーズが並んでいるが直接対決で勝っている49ナーズがシード1。イーグルスは控えQBのマリオタで残り3試合を乗り切れるか。4敗はカウボーイズとライオンズ。カウボーイズはイーグルスと同地区なのでシード5となる。南地区の優勝争いは7敗のバッカニアーズとセインツ。他に7敗は北地区のバイキングスと西地区のラムズ。とにかく7敗の4チームから1つが脱落する。8敗はパッカーズ、ファルコンズ、シーホークス(明日負けると想定)にもまだチャンスはある。

12/19/火
イーグルス対シーホークスは、何とシーホークスが勝った。練習に参加していないと伝えられたハーツは先発したのだがまったくの不振。シーホークスもスミスがリタイアして控えのロックが先発。それでも勝ってしまった。ロックはブロンコス時代には先発したこともある選手だが、ラッセル・ウィルソンとの交換要員でシーホークスに移ったのだが、スミスの控えになっていた。これでNカンファ東はカウボーイズが首位のままだが、イーグルスはジャイアンツ、カージナルス、ジャイアンツという残り3戦。マリオタ先発でも勝てそうなのでハーツを休ませるのではないか。シーホークスは7敗のままでかろうじて生き残っている。今週の金曜から火曜にかけての16週の対戦を見ると、レイブンズ対49ナーズという3敗同士の対決がある。現在のシード1位同士ということは、スーパーボウルがこの対戦になる可能性が高いということだが、ぼくはレイブンズがどこかでつまずくと思っている。調子の波に乗ればビルズ、控えのブラウニングがさらに慣れてくればベンガルズ、フラッコとの連携がうまくいけばブラウンズにもチャンスがある。だがマホームズが何とかするだろうという楽観で、ぼくはチーフス対49ナーズを予想している。ただこの対戦だと49ナーズが勝ちそうだ。今シーズンの49ナーズはパーフェクトだ。プレーオフ進出チームの争いは、金曜日にセインツ対ラムズの7敗対決がある。どちらも土俵際。負けた方が脱落する。ここからは1敗もできないトーナメント状態だ。6敗のベンガルズと7敗のスティーラーズ。ここで勝たないとスティーラーズも脱落する。6敗のコルツと8敗のファルコンズ。Aカンファの方が当確ラインが高いのでどちらも土俵際。5敗のブラウンズは6敗のテキサンズが相手。テキサンズのドラ2ルーキーQBストラウドが復活できるか。キーナムでも何とかなる。フラッコ対キーナムとなれば、リタイア状態だったベテランの「昔の名前で出ています」対決。6敗のジャガーズは7敗のバッカニアーズ。バッカニアーズは7敗でもNカンファ南地区の首位だ。どちらも負けられない。カウボーイズ対ドルフィンズの4敗対決は、シード1位争いではあるが、負けてもプレーオフには出られるチーム同士のゆるい闘い。チーフスは死に馬のレイダーズだが、このチームは控えQBオコネルが先週大爆発した。ロングパスがことごとく決まって覚醒した感じで要注意だ。イーグルスはマリオタでジャイアンツに楽勝するか。

12/20/水
SARTRASの懇親会。その前に永田町の事務所で役員会。懇親会との間に時間があったのでいったん自宅に帰って一時間ほど自分の仕事。事務所の机を借りてメモを書いてもよかったのだが、作業の手順でパソコンでの入力が必要だった。都心に住んでいるので30分あれば自宅に帰れる。懇親会の会場も永田町。永田町の駅から文藝家協会に向かう道の途中にある。放送会館という建物の中にレストランがあることは知っていたが、入るのは初めて。理事長、文化庁の方の挨拶の次に乾杯の挨拶を指示されていたが、前の二人が文化庁長官表彰のことを話題にしておめでとうと言われた。実は昨日が表彰式だったのだが、京都でやるというので行かなかった。まだ表彰状は貰っていない。おめでとうと言われても実感はない。乾杯の時は皆さんがグラスをもつまでにタイムラグがあるので、わたくしごとですが、と前置きして、今年いちばん嬉しかったことを話した。『いちご同盟』のスペイン語版が出て、孫娘が買ってくれたことを話した。その時の写真をスマホの待ち受けにしているでご要望があればお見せすると話したのだが、多くの人が寄ってきてお見せすることになった。

12/21/木
SARTRAS理事会。6月の総会と理事会の時は、理事会のあとで懇親会だったのだが、今回は前日に懇親会だったので、ネットの会議で少し気がぬけた感じだった。

12/22/金
一昨日の懇親会、昨日のネット理事会で、今年の公用も終わった。えらい忙しかった印象がある。その中で自分の仕事もよくがんばっている。今年は『光と陰の紫式部』と『善鸞』を出すことができた。いま書いている『デーヴァダッタ』も半分は超えて居る。Footballも残り3試合で熾烈な闘いが始まる。本日はサースデーナイトのセインツ対ラムズ。双方とも7敗の土俵際。1つも負けられないというトーナンメントがすでに始まっているのだ。中継の冒頭で地区優勝とワイルドカードの現時点での順位表が出た。当落線上のチームが多く、順位を出すのは難しい計算が必要になる。地区優勝で同じ勝ち星のチームが並んだ場合は、当該チームの直接対決の勝敗ということになるが、同地区のチームはホーム&アウェイで2戦あるので1勝1敗のケースが多い。いまNカンファ東でカウボーイズとイーグルスが10勝4敗で並んでいる。直接対決も1−1。それでもカウボーイズが上位にランクされている。同地区での勝率、同カンファでの勝率など、いくつかの判定ポイントがあり、勝った相手チームの勝率などというのもあって、どこかで差がつくのだが、すべての判定基準でも差がつかなかった場合は、「コイントス」という取り決めがあっていかにもアメリカらしい決着の付け方だ。プレーオフのシード順もそうした複雑の判定基準で計算するので、日テレG+が出してくれた順位表は大いにありがたかった。Aカンファの地区優勝およびシード順は、レイブンズ(11−3)、ドルフィンズ(10−4)、チーフス(9−5)、ジャガーズ(8−6)。このジャガーズの南地区はコルツとテキサンズも8勝6敗で並んでいるのだが、計算ではジャガーズが地区優勝でシード4位、コルツがぎりぎりのシード7位、そしてテキサンズがシード外の8位ということになる。同じ勝敗なのに地区優勝とトーナメント落選という、天と地ほどの差が出てしまう。シード5位はブラウンズ(9−5)、6位がベンガルズ(8−6)。圏外のビルズが8勝6敗。これに続くのは7勝7敗のスティーラーズとブロンコス。ここまでのチームは残り試合3連勝すれば当確ラインに到達できるだろう。とにかくどのチームも負けられない闘いだ。Nカンファはシード順に、49ナーズ(11−3)、カウボーイズ(10−4)、ライオンズ(10−4)、バッカニアーズ(7−7)。この南地区はセインツも7勝7敗なのだが圏外になっている。シード5位はイーグルス(10−4)、6位はバイキング(7−7)、7位はラムズ(7−7)。ここまでが当確ライン。続いて7勝7敗がシーホークスとセインツ、6勝8敗がファルコンズとパッカーズ。ここまでは残り試合3連勝で土俵際に踏みとどまる可能性がある。5勝9敗のジャイアンツとベアーズは3連勝しても負け越しで、負け越しでも地区優勝の可能性のある南地区なら話は別だが、この2チームは東と北なので、すでに望みはない。さて本日の7敗対決はラムズがセインツに勝った。この試合には大谷選手が招待されていた。ラムズはロサンジェルスのチームだからだ。ラムズが勝ってよかったね。ラムズはぎりぎりシード7位に位置しているので、勝ったことでこの位置をキープできるだろう。セインツはこの敗戦で土俵外に去っていったか。日本時間の日曜日には、土俵際同士の熱戦が期待されるベンガルズ対スティーラーズがある。月曜日にはジャガーズ対バッカニアーズ、カウボーイズ対ドルフィンズ、そして火曜日にはレイブンズ対49ナーズがある。この最後の試合はスーパーボウルの対戦カードになる可能性があって、前哨戦といえるだろう。ぼくが応援しているチーフスは圏外のレイダーズが相手だが、先週の試合で覚醒したQBオコネルがいるので要注意。ただ2位のブロンコスとは2差があるので地区優勝は間違いないだろう。

12/23/土
週末。というか、公用はすべて終わった。来週の金曜に三者会談という短い会議があるが、これは情報交換だけの会議なのでディベートをするわけではない。御徒町のマツザカヤまで散歩。釈迦と提婆達多が故郷のカピラヴァストゥに戻ってきた。カピラヴァストゥから話が始まったので、一つの円環ができたことになる。いま16章の後半になっている。1つの章がだいたい15ページ。原稿用紙だと45枚。ということは700枚くらいのところにいる。ふつう長篇を書く場合は500枚から600枚くらいを目指す。すでに限界を超えている。それで2000円くらいの本になる。これを超えると価格が高くなる。もともと売れなくなっている本がさらに売れなくなる。いま書いているのはいわゆる「絶筆」である。最後の作品ということだが、そこで死ぬわけではない。意欲をもって大長篇に取り組むということが、だんだん難しくなっていくので、もしかしたらこれが最後の作品かなと思いながら書いている。残念だが、こちらの知力、体力もやや低下していきそうな気配を感じている。ただ書きかけでやめている作品もあるし、ある程度のところまで構想を練ったまま取り組めないでいるものもあるので、80歳になっても何か書いているだろうとは思っているのだが、売れそうなテーマはもっていないので、商業ベースで本を出すということがなくなるだろうと思っている。ただ電子出版で発信することはできるが、できれば紙の本を出したいという思いはある。大学を退任した直後に、出版のあてもなく書いたままデッドストックになっていた『光と陰の紫式部』『尼将軍』それに半分ほど書いていた『天海』は、NHKのおかげで3冊とも単行本になった。そういうこともあるので、デッドストックの品揃えを増やしておいてもいいだろう。

12/24/日
日曜日だが、Footballが2試合。6敗のベンガルズ対7敗のスティーラーズ。負けられない闘いだが、どちらも先発QBがリタイアしている。ベンガルズの控えQBブラウニングが好調で、スティーラーズの控えトラビスキーはまったくダメ。ベンガルズの楽勝かと思ったのだが、スティーラーズは第三のQB、ルドルフを出してきた。偉大なロスリスバーガーの晩年、控えとして活躍した経験のあるQBだが、昨年はトラビスキーが移籍し、新人ピケットを採ったので、3番手に下がっていた。ところがこのルドルフが大活躍で圧勝した。最初からトラビスキーではなくルドルフを起用すればよかったのだ。これで両者7敗となった。ビルズがチャージャーズに勝って6敗を維持したので、ベンガルズは圏外に落ちそうだ。明日、浜松の仕事場に向けて出発する。いつものように午後に出発して御殿場で一泊するので、明日はほんど仕事ができない。本日は、主人公たちがカピラヴァストゥに戻ったところを書いた。ヤショーダラとラーフラに会うシーンはこれから。このあたりは何も考えていない。ストーリーに沿って自然に展開すればいいところなので、事前に考えすぎない方がいい。昨夜の就寝前に突如としてひらめきがあって、釈迦の臨終の場面のアイデアを思いついた。これでいいかどうかはその時になってみないとわからないが、いいアイデアだと思っている。

12/25/月
浜松の仕事場に行くのに往路は御殿場で一泊することにした。初めての時は御殿場インターに一番近そうなところで止まったのだが、一人部屋がほとんどのビジネスホテルという感じだったので、少し離れているけれどもすべてツインというホテルに替えた。今度で4回目くらいだが、ここは部屋が広いので快適だ。すべてツインというのは、昔はラブホテルだったのではと思われる。午後に出発して夕刻に到着。ここは冷水のサーバーがあるので、水割りを飲むのにいい。Footballはどういうわけか明日3試合残っているのでまだ状勢が見えてこない。

12/26/火
午前中に仕事場に到着。荷物を運び込み掃除などもして、パソコンの設営も終わった。Footballの結果を確認。何とチーフスはレイダーズに負けていた。ブロンコスが負けたのにまだ地区優勝が決まらないのは、残り2試合、チーフス2連敗、レイダーズ2連勝なら逆転するということか。2連敗などすると9勝8敗だからワイルドカードでの出場も難しくなる。地区優勝できても第4シードだと、いきなりビルズあたりと当たりそうだ。他の試合ではレイブンズが49ナーズに勝った。今シーズンの49ナーズは最強だと思われていたが、レイブンズに負けるというのはどういうことか。ただラマ―・ジャクソンには調子の波がある。トーナメントのどこかでつまずくはずだ。

12/27/水
近くの三ヶ日のスーパーに行き食料を調達。向かいにあるホームセンターで灯油を買う。仕事場は丘の上にあって、下にある駐車場から灯油を運ぶのは困難だったが、前回ここに来た時にキャリーを購入していた。今回それを試してみる。車輪が三つあって段差を超える時に威力を発揮する。丘の上に向かう通路が階段状になっているところを難なくクリアしていく。しかし建物の2階(入口が2階にある)に上がる階段は無理なので、横の土がむきだしになった斜面を登っていくのだが、これは力仕事になる。結局、キャリーを使用した効果があったのかどうか、よくわからなかった。若いころは灯油など難なく運べたのだが、後期高齢者になるとこういう作業が負担になる。

12/28/木
志都呂のショッピングモールに行く。道路が空いていた。モールの中も空いていた。学校は冬休みになっているので混んでいるかと思ったのだが、浜松の人はまだ働いているのか。あるいは大掃除などをやっているのか。モールでショッピングという感じではないようだ。血圧計が壊れたので電気ショップに行く。こんなものが壊れるとは思わなかった。御茶ノ水の自宅で使っている血圧計は母の形見のもので、25年前くらいのものだがまだ作動している。さて、明日はサースデーナイトのFootballがある。先週はチーフスが負けるなど意外な試合結果がいくつかあった。残り2週となった状況を整理しておく。Aカンファのシード順はレイブンズ12−3、ドルフィンズ11−4、チーフス9−−6、ジャガーズ8−7。これが地区優勝。15戦を終えたところなので、勝敗が大相撲と同じでわかりやすい。8勝7敗という微妙な勝ち越しでもジャガーズは南地区の首位を保っている。ワイルドカードはブラウンズ11−5、ビルズ9−6、コルツ8−7。ここまでがプレーオフ進出候補だが、同じ8勝7敗で、テキサンズ、スティーラーズ、ベンガルズが並んでいる。南地区首位のジャガーズも8勝7敗で、これら5チームは一つも負けられない土俵際にいる。5チームともが2戦全敗ということは考えられないので、7勝8敗のレイダーズとブロンコスにはもはや望みがないようにも見えるのだが、9勝6敗のチーフスも2連敗すれば、この2チームに追いつかれて、地区優勝が危うくなる。Nカンファは3地区の首位チームが並んだ。49ナーズ、イーグルス、ライオンズが11勝4敗。シード順についてはこれからの2試合の状況によって変わっていく。例年負け越しでも地区優勝の南はバッカニアーズが8勝7敗といまのところ勝ち越している。ワイルドカードはカウボーイズ10−5、ラムズ8−7、シーホークス8−7とここまでが当確ライン。しかし7勝8敗のチームがバイキングス、セインツ、ファルコンズ、パッカーズと4つもあるので、南地区首位のバッカニアーズも含めて、どのチームも1つも負けられない状態にあり、すでにトーナメントが始まっていると見ることができる。明日はジェッツ対ブラウンズ。これに勝てばブラウンズのプレーオフ進出が決定する。ただ北地区はレイブンズが独走しているので地区優勝は難しい。残りの試合ではライオンズ対カウボーイズというハイレベルの闘いがある。カウボーイズはイーグルスに1差をつけられているのだが並べば追い越せる。ライオンズはシード1位争いに加わっている。ドルフィンズ対レイブンスもシード1位を狙うチームの対決。メイフィールドのバッカニアーズはセインツと対戦。どちらも負けられない。チーフスはベンガルズと。勝てば地区優勝が決まる。ベンガルズはバローがリタイアしても控えQBブラウニングで勝ち星を重ねているので、いまのチーフスでは接戦になる。負けるかもしれない。イーグルスと49ナーズはともに楽勝の相手。3チームがシード1位を争う状況は最終戦まで続くだろう。

12/29/金
ブラウンズ対ジェッツの中継を見る。ジェッツのディフェンスは強力で、ベテランQBロジャースの加入でスーパーボウル制覇までが考えられていた。初戦でロジャースがリタイアして夢はついえたが、ディフェンスは健在で時々はいい試合をしていた。ブラウンズは4人目のQBフラッコを起用してから突然にパス中心のチームになって連勝を続けているのだが、先週の試合で大活躍したレシーバーのアマリ・クーパーが走りすぎで踵を痛めて欠場。接戦になると予想されたのだが、最初からフラッコのパスが通りまくって大差の試合になった。これでブラウンズはプレーオフ出場が決定。もともとディフェンスとランの強いチームに、フラッコのパスが加わったので、もしかしたら最強のチームになったかもしれない。それにしても、ブラウンズのレシーバーはクーパーがいなくても、パスをきっちりとキャッチしていた。チーフスのレシーバー陣とはえらい違いだ。本日はネット会議。SARTRASの理事長と2人の副理事長の三者会談で、問題山積のいくつかについて見通しを確認。どの問題も解決の方向性が見えてきたので、安心して年越しを迎えられるという結論となり、和やかに別れた。これで今年の公用も完了した。『デーヴァダッタ』は順調にストーリーを展開している。カピラヴァストゥの城壁が崩壊するまでのプロセスを、プロットを高速で展開していけば、ゴールが見えてくる。シュラヴァースティの祇園精舎に尼僧のサンガができるところまでを描くと、残りのプロットはラージャグリハでのアジャータシャトル王子をめぐる父親殺しのテーマだけとなる。これは大きな物語なのでプロットを重ねて描くことになるが、一箇月もあれば作業は終わるのではない。2月末のころにはエンディングに入って、3月中に草稿完了というスケジュールが見えてきたように思う。

12/30/土
土曜日。年末だね。昨日も今日も散歩に出かけた。この仕事場は小規模な別荘地の中にある。端まで歩いていって、何もない領域を通ると、小さな集落があり、そこから浜名湖の支湖の^鼻湖の湖岸に出られる。湖岸を通って別荘地に戻ってくる。一周1時間くらいで、その間、信号が一つもないのが嬉しい。『デーヴァダッタ』は勝鬘夫人の2度目の登場。1度目ははるか昔に伏線として少女の勝鬘を出しておいた。こうして伏線が1つ1つ回収されていくのが楽しい。そのぶんだけゴールが近くなっていく。NHKでビートルズの話をやっていた。妻と2人で見ていると、さまざまなことが思い出される。ぼくたちはいわゆるミーハーではないので、ビートルズが来日した当時は、とくに興味をもっていなかったのだが、ビートルズが公演をやめてスタジオにこもって出した「サージェント・ペパー・ハートクラブ・バンド」の完成度の高さに衝撃を受けた。あらゆる芸術の中で最高のものだと思った。あえていえばこのアルバムのサウンドは、ベートーヴェンの第三交響曲の冒頭のホルンの半音階進行や、その少しあとに出てくる不協和音が20小節以上続くサウンドと双璧の、「新しい音」だと思った。まあ、それ以来のファンで、ファンになった途端にビートルズは解散した。それから50年以上の年月が流れている。それでもこんな特集が組まれるのだからすごいね。明日はライオンズ対カウボーイズ。どちらもプレーオフ出場は決まっているが、シード1位争いをしているチーム同士の激突。ただカウボーイズのいるNカンファ東はイーグルスが1歩リードしていて、残り2試合は楽勝の相手なので、カウボーイズはワイルドカードの第5シードに回るだろう。もしかしたら第1シードは諦めて戦力の温存をはかるかもしれない。戦力温存といえばブロンコスは残り2試合にQBラッセル・ウィルソンを出場させないと決定した。2連勝すれば9勝8敗の勝ち越しになり、現在8勝7敗の5チームの多くが2連敗(実際は直接対決があるので奇蹟に近いのだが)すればプレーオフ出場の可能性がわずかに残っている。だが、2連勝しても希望がないと決断したのだろう。同時に、このベテランQBの解雇に踏み切るようだ。もしラッセル・ウィルソンを出場させて怪我をすると、契約によって余分のギャラを払うことになっているらしい。そういうところはアメリカの経営者は決断が早いのだね。

12/31/日
大晦日になった。今年は暖冬だが、本日は風が強く少し寒い。雨の予報だったが夜中のうちに通りすぎたようだ。それでも曇り空で陽射しがない。今年は孫も来ていないので妻と2人きりの年末。コロナが始まる前の年末にスペインの家族が日本に来ていたことがある。その時は御茶ノ水で年を越した。彼らは湯島にあるコンドミニアムに泊まっていたのだが、われわれの自宅に来て紅白歌合戦などを見た。「パプリカ」という歌が子ども番組などで流行していて、その歌が出てきたのでスペインの子どもたちにもウケた。4年前のことだったか。スペインの子どもの最年長は高校生だった。いまは大学生2人に高校生と年の離れた小学生だ。名古屋の孫は当時は上の子が中学受験だった。3学年下の次男が去年、中学受験だった。そうやって子どもたちは年ごとに成長していくが、ぼくと妻は年ごとに衰えていく。年末にあたり今年1年を振り返ってみるが、『光と陰の紫式部』と『善鸞』を出せたことはまことに喜ばしい。文藝家協会とSARTRASで副理事長をやっていて、それが公用ということになるが、文藝家協会は今年は東京会館で総会が開けた。多くの人に来場いただいて、久し振りの賑わいだった。理事長の林真理子さんがご多忙で、気の毒になるくらいなのだが、文藝家協会の仕事は順調に進んでいる。SARTRASの方は問題山積だが、理事長ともう1人の副理事長がいるので、ぼくは傍観していることが多い。3人の役員のうち、創作者集団の出身はぼくだけなので、必要があれば意見を言うようにしているが、創作者の意向が強すぎてもいけないので、公平に、公正に分配事業が進むように、いわば少し身を引いて監視している。実質的には4月から書き始めた『デーヴァダッタ』は半分は超えているが、まだゴールは見えていない。来年の半ばには仕上げの段階に入って年内に本が出ればと思っている。ぼくにとっては最後の大長篇ということになる。これで絶筆、と人に伝えたこともあるのだが、作品を書き終えてもまだ生きているだろうから、オファーがあれば何か書くだろうし、オファーがなくてもストックを3本くらいはもっていたいので、何か書くだろう。ただ千枚を超える大作はもう書けないだろうと思っている。


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