デーヴァダッタ11

2023年11月

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11/01/水
今年もあと2月になった。『デーヴァダッタ』はまだ半分くらいのところで、今年中には終わりそうもない。来年半ばくらいに草稿完成といったおよその目標でじっくりと書き続けるしかない。とりあえずこれをライフワークと考えているし、絶筆といった覚悟で取り組んでいる。もしかしたら最後の作品になるかという感じはもっている。次の作品について何のプランももっていないし、書きたいテーマもないかなと思っている。ただ書きかけで中断している作品があるような気もするし、プランを立てたもののまだ取りかかっていないテーマもあるかもしれないが、いまのところそういうものが念頭から完全に消え去っているので、いま書いているこの作品だけに集中している。デーヴァダッタが主人公ではあるが、この作品のテーマは釈迦だ。釈迦という人物については高校時代に興味をもった。仏教入門みたいな本はたくさん書いてきたが、小説としては『釈迦と維摩』(作品社)という作品がある。作品社の担当編集者と最初に出したのがこの本だった。これは維摩居士が主人公で釈迦は脇役にすぎない。釈迦を主人公とした作品は、いま書いているこの作品が初めてで、この年になってこのような大きなテーマに挑むことになろうとは思っていなかった。『善鸞』の初校のやりとりをした時に担当編集者がぽろっと「提婆達多」の話をした。これに対しては、「中勘助の復刻版の本をもっています」という程度のことしか応えなかったのだが、改めて中勘助の作品を読み返してみると、これでは釈迦が気の毒だという気がした。自分の内部にはもっとスケールの大きな釈迦のイメージがあることに気づいて、これを書かずに死ねないという気がした。小説を書く自分の能力が衰えているという感じはまったくもっていないが、若い書き手のような意気込みはいまの自分にはない。しかしこれまでの蓄積があって総合力では誰にも負けないという自信はある。ただ自分の内部には冷徹なところがあって、誰もが崇拝し敬愛するような釈迦のイメージではなく、かなり困った感じの人物になるだろうとは思っているのだが、とにかくこれを書くしかないという気持で書いている。いまは釈迦が六師外道と対決して、そこを乗り越えていった軌跡を、デーヴァダッタがたどるという設定のところを書いている。ここが最大の山場だ。6人のうち4人が終わった。まだサンジャヤとマハーヴィーラーが残っている。これからの半月くらいでこの場面を仕上げたいと思っている。

11/02/木
旺文社のコンクールの候補作を読んで結果を担当者にFAXで送信。この仕事も10年以上やっている。去年までは詩を担当していたのだが、小説担当の阿刀田さんが引退されたので今年からぼくが小説を担当する。下読みの人がいて候補作3篇(小中高があるので合計9篇)読むだけでいいので楽な仕事だと思っていたのだが詩は短いのですぐに読めた。小説は中高だけなので6篇読むだけでいいのだが、やってみると小説を読むのは時間がかかる。阿刀田さんはたいへんだったのだなと思った。とにかく読み終えて報告も完了した。本日は日本文藝家協会の理事会。リアルな会なので紀尾井町の文春ビルへ。入口のところで理事長の林さんと出会った。お忙しそうなようすはテレビのニュースで知っていたが、実際にお会いすると意外にお元気なので安心した。

11/03/金
金曜日だが週末。タイタンズ対スティーラーズ。今年のドラフト1巡目に指名されず2巡目の始めに指名されたQBとしては4番目評価のレヴィスと、昨年ドラフトの1番QBピケットの対決。レヴィスのパス精度の方がまさっているように見えたが、最強ディフェンスのスティーラーズに封殺されてピケットが辛勝。妻と散歩。伝通院。かなり以前に目的もなく散歩していると、伝通院前に出た。家康の母の於大の方の墓所とは知っていたが入るのは初めてで、徳川の嫡男でない子どもたちの墓所でもあって、墓を見るだけで名所めぐりをしている感じだった。思いがけず堺屋太一さんの墓があった。ぼくは『堺屋太一の青春』という伝記を書いたことがあって、堺屋さんとは親しく取材をさせていただいた。小学校の先輩ということで、以前からお名前は存じ上げていたが、堺屋さんのご指名で伝記を書くことになった。それで初めて知ったのだが、幼稚園の先輩でもあったし、戦前の堺屋さんの住所が、ぼくが中学高校時代を過ごしたところと同じだった。いまは町名変更でなくなったのだが、東区岡山町というところで、宇喜多秀家の屋敷跡のワンブロックだけの町名で、時期は違っていても同じ場所に住んでいたことになる。昔の大阪は高いビルもなく、どこにいても生駒山と大坂城の天主閣が見えた。生駒山と大坂城の角度によって自分の現在地を知ることができた。堺屋さんとぼくは、同じ角度で大坂城を見ていたことになる。

11/04/土
昨日から週末に入っている。大学の先生をしていたころはウィークデーはフルに大学に出向いていたので週末というものは貴重だった。自分の感覚では週末は休みではなく、やっと自分の仕事ができるという感じでだった。大学をリタイアしたあともSARTRASなどの公用があり、社会が動いているウィークデーはメールがたくさん来るので何となく気持が落ち着かない。やはり週末は心が安まる期間だ。いまは六師外道の五番目、サンジャヤについて書いている。サンジャヤは一種の不可知論で、釈迦の初期の思想と通底するところがある。確かなものは何もなく、一切の言説は無意味だというのは、禅宗の思想に近いのだが、仏教はただの不可知論ではなく、覚りの境地に近づく方法論をもっている。その方法論をくりだす前にサンジャヤと釈迦が共通認識をもっているところを読者に示しておきたい。

11/05/日
年に何回か浜松の仕事場に行くのだが、いつも往路が混雑する。運転する妻の疲労を考えて、往路は御殿場で一泊することにした。これなら午前中に準備をして午後に出発すればいいし、道路が混んでいても御殿場までたどりつけば休憩できる。今回は三連休の最後の日曜で道路の混雑を考え午後1時半に出発。大井松田から先の道路が左右に分かれているところの左ルートが工事で止められていて、右ルートで事故渋滞という状況だったが四時過ぎには御殿場に到着した。時間があったのでノートに少しメモ。あとはいつもの日曜のようにテレビを見て、早めに寝酒を飲んで寝た。

11/06/月
八時に御殿場を出発。九時半に三ヶ日インター。農協の建物に入っているスーパーで買い物してから仕事場に入る。荷物を運び掃除などもする。浜名湖に面した庭に雑草が生い茂っている。自分で草刈りをすると重労働になるので、今回はこのままにして、正月前に専門家に頼んだ方がいいかもしれない。月曜はFootballの日だが、あとでネットで結果を確認する。とりあえずチーフスはドルフィンズに勝っていたが、意外なロースコアの結果だった。レイブンズ対シーホークスの2敗対決はレイブンズ圧勝。チーフスと並んでAカンファ首位に並んでいる。シーホークスは3敗に後退。Nカンファはカウボーイズに勝ったイーグルの独走になった。ビルズ対ベンガルズはベンガルズが勝ってまだ3敗で踏みとどまっている。ビルズは4敗に後退。Aカンファ東は意外にもロジャースのリタイアで絶望かと思われたジェッツが3敗で踏みとどまってドルフィンズと並んで首位。ビルズは1差の3位に甘んじている。Aカンファの北がすごいことになっている。レイブンズが2敗で首位だが、他の3チームが5勝3敗で並んでいる。全チームが勝ち越してプレーオフ争いに踏みとどまっている。南はジャガーズ、西はチーフスの独走。そういえばジャガースも2敗のまま。今週はお休みだったので忘れていた。今週はライオンズもお休みで2敗のままだ。他のライバルが3敗になったので単独2位ということになる。Nカンファの地区優勝はイーグルスとライオンズが独走。南はセインツが5勝4敗で一歩脱け出した。西は49ナーズとシーホークスが3敗で並んでいる。あとのプレーオフ候補はバイキングスがベテランQBカズンズの負傷で終わったかと思ったのだが、急遽カーディナルスから補強したデブスの活躍で逆転勝ちして、5勝4敗で生き残っている。

11/07/火
岡崎のショッピングモールに行く。いつも行くのは浜松の志都呂というところなのだが、同じ浜松市でも北の端から南の海際まで行く。ちょうど浜名湖を半周することになる。それなら岡崎の方が近いのではということで行ってみた。高速に乗れば時間はほとんど変わらない。知らない土地なので往路は少し途惑ったが帰りは楽だった。ショッピングモールの規模は少し大きいという感じで、志都呂は長い廊下が続いているのだが、こちらは長方形の回廊になっていて、変化があっておもしろかった。よい散歩になった。昨日のチーフス対ドルフィンズは、21対14の辛勝だったのだが、その14点のうちマホームズのファンブルで自陣からの相手の攻撃になった7点を除けば、ディフェンスが7点におさえたということになる。今シーズン、80点超の試合もあったハイパー攻撃陣を7点におさえたのはチーフスの若いディフェンス陣が円熟してきた証拠だろう。さらに攻撃の21点のうち7点は、相手のスーパースターのタイク・ヒルにファンブルさせたボールはディフェンスが拾って、ラグビーのように後ろパスでフリーになったディフェンスが50ヤード以上走ってあげたタッチダウンで、まさにディフェンスの勝利といってよい。今日はジェッツ対チャージャーズの試合があった。好調のジェッツが勝つかと思っていたのだが、チャージャーのディフェンスがジェッツを完封した。やはりQBのザック・ウィルソンは好不調の波があって安定しない。ジェッツもディフェンスが優秀でロジャース健在ならスーパーボウルも狙えたのにと惜しまれる。

11/08/水
昨夜は風が強く急速に冷えこんできた。冬のズボンをはき、半袖シャツの上に長袖のシャツを着て、さらに真冬用のベストを着たのだがまだ寒かった。築40年以上の木造家屋なので隙間風が入ってくる。ホットカーペットのスイッチを入れて何とかしのいだ。明け方、妻が寝室のエアコンの暖房を入れた。本日は快晴までまた半袖シャツの生活に戻っている。夜中はまた冷えるかもしれないので石油ストーブの準備をする。本日は都田テクノというところにあるカインズホームに行った。かなり遠いところなのでドライブ旅行した感じだが、昨日の岡崎よりは近い。

11/09/木
妻が野菜を買いに行っている間に、裏庭のキウィを収穫する。手の届かないところは高枝切りを使う。斜面で足を踏んばっていたので疲れた。今年に入ってだったかこの斜面で転倒したことがある。足が弱っている。毎日散歩に行くわけにもいかないので、昨日カインズで足を鍛える装置を買った。1万円ほどした。使い物になるかは東京に帰ってから検討する。自分の仕事はいよいよマハーヴィーラーの章に入った。埴谷雄高さんの名作『死霊』は、ご本人の前で、この作品はぼくが最後まで仕上げると宣言したことがある。こちらは18歳の高校生だった。まさかご本人が最後まで感性させるとは思っていなかった。その時に埴谷さんは、きみはドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の続篇を書けと言われた。そんなことができるわけはないとその時は思っていたのだが、自分が60歳になった時に、ふとそのお言葉を思い出して、書く気になった。ドストエフスキー四部作と称しているぼくの一種の代表作だ。『カラマーゾフ』の続篇を書く準備として『罪と罰』から読み返そうと思った。ただ読み返すだけでなく評論を書こうと思ったのだが、読み進むうちにこれは『刑事コロンボ』だと改めて思った。ただ犯人が主人公だというところがコロンボとは違う。しかし作品に出てくるポリフィーリーという予審判事は明らかにコロンボだ。それでコロンボの弟子みたいな若者が、予審判事とともに犯人を追及するという仕掛けにすれば、主人公を批判的に描けるのではないかと思った。自分なりの批評であり評論のスタイルとして、作品の構造を反転して新たな小説を書くということを一種の実験としてやってみたのだ。それはともかく、『カラマーゾフ』の続篇はもう書いてしまったので、埴谷さんとの約束は果たした。『死霊』という作品について、まだ3章までしか書かれていない段階で、埴谷さんはエッセーで、最後の場面は釈迦と大雄(マハーヴィーラー)の対決になると書かれていた。それでぼくは自分が『死霊』を完成させるとしたら、釈迦とマハーヴィーラーの対決をどう書くかと考えてみた。そのことが尾を曳いて、実際に埴谷さん自身が作品を完成させたあとも、最終章は読まずにいた。自分なりの釈迦と大雄の対決を書きたいという思いがあって、埴谷さんの結末を読んでしまうと、すべてが終わってしまう気がしたからだ。読まないでよかった。いよいよぼくなりの対決を描く時が来たのだ。ただしいま書いている作品は、この対決がラストシーンではない。いまはまだ全体の半分くらいのところで、このすごい対決シーンのあとから、新たな物語が始まっていくことになる。ともかくいまは少し緊張している。

11/10/金
SARTRAS共通目的委員会。来年度以降の助成申し込みが急増した場合にそなえて審議の体制をどうするかという検討会議。必要な発言をしたあとは皆さんのご意見を聞いていた。いい方向に向かっていると思う。一日中ひたすら雨。昨日のうちに収穫を終えてよかった。自分の仕事はいよいよマハーヴィーラーの章に入っているので予定どおりに作業が進んでいる。

11/11/土
朝の8時半に三ヶ日を出発。午後1時には御茶ノ水に到着していた。土曜日なので東名の下りは大渋滞だったが、上りは順調に流れていた。先週の日曜に東京を出た時はまだ夏の猛暑のなごりが残っている感じだったが、浜松に着いた夜から真冬のような寒気がやってきた。木造家屋なので外気が冷えると寒さが直撃する。今日は静岡SAと鮎沢PAで休んだのだが、真夏の半袖シャツに薄い上着だけだったので寒かった。東京の街に入ると道行く人がコートやヤッケを着込んでいた。しかし集合住宅に入ると隙間風がないのでまだ温暖な空気が室内に残っている感じだ。水道の水がやけにぬるい感じがする。夕方は郵便物の整理をしながら竜王戦の中継を見ていた。藤井くんが32手詰めの詰み筋を発見して、持ち駒をすべて使い果たして勝った。コンピュータの「次の一手」の表示も、最善手は95%以上なので、事前の手は一気に大逆転するという綱渡りだったが、ここまで来ると藤井くんは間違えない。4連勝で竜王位を3連覇した。ところで負けた伊藤匠くんに、藤井くんは小学3年生の大会で負けている。これは準決勝の試合で、藤井くんが負けて大泣きしている写真が残っている。ところがこの時勝った伊藤くんは決勝戦では負けている。その大会で優勝した同級生は、棋士にはなっていない。小学生でチャンピオンになると周囲の期待が大きくなる。期待に応えようとしている自分に気づいて、将棋が楽しくなくなったということだった。考えてみれば、小説家も同じようなもので、若くしてデビューすると、周囲の期待が大きくなる。ぼくも小説を書くのがおもしろくなくなった時期がある。そこで途中から、自分が楽しいと思った仕事しかしないと決めてしまった。人生は短いので、いやな仕事を無理にすることはないのだ。そう思って、書くことはを楽しんでいるうちに、75歳になった。いまでも小説を書くことを楽しんでいる。確かにつらいと思うことはあるのだが、それは自分で設定したハードルが少し高かったり、地図もなく旅に出るような感じでどこにたどりつくのかわからず不安だったりするからだが、作業があるところまで進むと、最初は高く感じたハードルが目の前に近づいて、跳べそうな気がしてくる。到達地点までのルートも見えてくる。いまはそういう時期なので毎日が楽しい。

11/12/日
急に寒くなって何を着ればいいか途惑っている。年のせいか猛暑の夏の前の記憶があいまいだ。夏の間はティーシャツ一枚で過ごす。寒くなればその上に長袖のシャツを着る。これでいいのだと思う。もっと寒くなれば下着をヒートテックの長袖に替える。あとはベストを着て調整。そんなところか。長袖のシャツはタートルネックのものを着るのだが、冬の入口のこの時期はタートルは暑苦しいのでハイネックにする。毎日着ているとシャツはボロい感じになるので、公用のある時のためにあまり着ていないシャツが何着かある。公用と普段に分けているのだが、毎日大学に通っていたころは普段着のぼろぼろのシャツで通していた。ズボンもぼろぼろのままだった気がする。このところ会議がネットになったので公用で外出することが少なくなった。ネクタイをしめることはほとんどなくなった。皆無かもしれない。

11/13/月
物置にしているアパートで水道工事をするというので妻にカギをあけにいってもらう。こちらはふだんどおりに10時くらいに起きる。今週はチーフスはお休みなのだがいちおうネットで試合結果を見る。ブラウンズがレイブンズに勝ったのは驚き。まだQBのワトソンは万全ではない。ブラウンズはここまで守備で勝ってきた。これでAカンファ北地区がおもしろくなった。1試合多いレイブンズが7勝3敗で依然として首位だが、ブラウンズとスティーラーズが6勝3敗で負け数では3チームが並んでいる。調子の出てきたベンガルズがドラ2QBストラウドのいるテキサンズに惜敗して5勝4敗のビリ。それでもベンガルズが地区優勝候補の筆頭といっていい。スティーラーズもブラウンズも守備だけで勝っているようなチームだ。この地区は4チームとも勝ち越しになるかもしれない。対照的なのがNカンファ南だ。5勝5敗のセインツが首位であとの3チームは負け越し。この地区は例年、負け越しでも地区優勝なのだが今年もそんな感じ。49ナーズがようやく調子を取り戻して、6勝3敗でシーホークスと並んだ。本日は公用はSARTRASのWG。これはオブザーバーとしての参加なのだが1回だけ発言。会議中に業者から電話があって工事が終わったとのこと。カギを閉めにいかないといけないと思っていたら外出中の妻が帰ってきたので行ってもらう。ぼくの物置部屋なのに妻の手を煩わせてしまった。

11/14/火
快晴。妻がどこかに行きたいというので、電車で高尾山へ。昔、京王電車の高尾の高尾の手前にあるめじろ台というところに住んでいたことがある。引っ越したあともめじろ台男声合唱団というものに参加していたので月に1度はめじろ台に通っていたのだが、メンバーの高齢化によりコロナ発生を機に解散した。ぼくらが住んでいた家はキリスト教の教会に売却したのでいまもそのままで使われている。高尾山はすごい人出だったが、紅葉にはまだ早かった。それでも気分のよい散歩ができた。本日の試合はビルズ対ブロンコス。当然ビルズが勝つと思っていたら、ブロンコスの奇蹟の逆転勝ち。1点差で負けている試合で50ヤード弱のキックが失敗してゲームセットと思われたのに、ビルズ側がフィールドに12人いたというので5ヤード前進して蹴り直し。キッカーは外れたキックの風の影響を把握して蹴り直したので見事に逆転のキックが決まった。ビルズはQBジョシュ・アレン一人でもたせているようなチームだが、今シーズンのアレンは気分にむらがあって、独り相撲をとっているようなところがある。これで5敗となって、3敗のドルフィンズと2差になった。プレーオフ出場も危うくなってきたか。10週が終わってプレーオフ出場の可能性を列挙する。地区優勝はAカンファ東がドルフィンズ、北は混戦。南は3敗のジャーガーズを4敗のテキサンズが追っている。ドラ2新人ストラウドの調子があがっているのでテキサンズの逆転の可能性が出てきた。西はチーフスが独走。ワイルドカードは混戦の北地区から暫定首位のレイブンズを除いてスティーラーズとブラウンズが3敗。ベンガルズも4敗。これに南のテキサンズが加わる。3枠に4チーム。まだ可能性を残しているのが5勝5敗のビルズ。そこまでだろう。Nカンファはイーグルス、ライオンズは独走。南は5勝5敗のセインツが首位。西は3敗の49ナーズとシーホークスが並んでいる。他に3敗はカウボーイズ。残り1枠は4敗のバイキングスだが、QBカズンズが怪我で今期絶望。今週はカーディナルスから移籍したQBドブスが急遽出場して勝利だが、あとが続くかどうか。あとは4勝5敗のバッカニアーズがいるだけで、Nカンファは全体に負けが込んでいるので、勝ち越せばプレーオフ出場となる可能性が高くなってきた。逆にAカンファは10勝7敗でも安全圏とはいえないことになりそうだ。

11/15/水
SARTRASの事務所に出向いて役員会。夜は別件の会議がある。1時間ほどの空き時間にSARTRASの事務所でメモを書いたらどんどん書けた。大学の先生をしていたころはアキ時間があったし、学部長会議などいろいろな会議があった。入試の時は学部長は一日中会議室に待機している必要があった。そういう豊富なアキ時間にずいぶん作業が進んだ。1時間くらいの空き時間はちょうど集中力の持続時間と同じなので作業の効率がいい。夜の会議は会食しながらということになっていて、5人のメンバーのうち酒を飲む人は2人しかいないくて、その1人は議長なので、結局ぼく1人で飲んでいた。いい会合だった。

11/16/木
SARTRAS理事会。やや紛糾。こちらは発言しなかったが聞いているだけで疲れた。昨日SARTRASの事務所で1時間のアキ時間で書いたメモを入力。これでマハーヴィーラーの出番が終わったが、おもしろいキャラクターなのでもう1度登場させたい。次はヴァイデーヒーとの再会。コーサラ国のシュラヴァースティで1度会っている。今回も短い出番としたいが、ビンビサーラ王は少し長く会話させたい。終盤の重要人物だ。重みのある人物として描いておきたい。

11/17/金
金曜日はスカパーの中継があるはずなのだがなぜか中継がない。レイブンズ対ベンガルズという熱戦が期待された対戦だが、ベンガルズのQBバローが負傷してレイブンズの圧勝となった。レイブンズのラマ―・ジャクソンやイーグルスのハーツなど、走るQBが好きではない。QBはどっしり構えてロングパスという、ブレイディーやアーロン・ロジャースのタイプが好きで、いまはチーフスのマホームズを推している。テキサンズのストラウドやタイタンズのレヴィスにも可能性を感じている。とにかくレイブンズが勝ち、ベンガルズはAカンファ北地区の優勝争いから脱落してしまった。この地区はブラウンズもQBワトソンがリタイアしたので、新人QBで行くしかなくなった。どうやらレイブンズが独走しそうだ。自分の仕事はビンビサーラ王が登場したので慎重に進めている。

11/18/土
よく行く科学技術館のバーゲンセール。2ヵ月前にも行った気がする。その時に短いコートを買った。それは紅葉見物の旅行に行った時に役に立った。会議がリモートになって外出の機会が減ったので、上着などもとくに必要ない。若いころと違って着るものにはまったく興味がなくなっている。で、何も買わずに、妻と待ち合わせの時刻を決めて出口から出たのだが、出口の先でもものを売っていて、バッグを買ってしまった。会議などに出向く時にさげているバッグがかなりくたびれていた。2200円。これで充分だ。北の丸公園を散歩。外堀に面した人気のない場所にベンチがあったので、そこでノートを取り出してメモをとる。4ページほど書けた。これでビンビサーラ王との対話はほぼ完成だが、あと少し、未来の悲劇を暗示させる伏線が必要だ。ここでこの章が終わる。

11/19/日
ぼくは高校で1年、大学で1年、留年しているので、大学を卒業した時は二十四歳になっていた。大学の最終年は、一年生の時の英語など、出席が厳しい科目がいくつも残っていたので、一つくらい単位を落とすだろうと思って就職活動をしなかったのだが、運良くすべての単位がセーフで卒業することになった。卒論『ヨブ記と維摩経』という大作を書いたあと三月末まで3ヵ月のひまが出来たので、のちに芥川賞をいただくことになる『僕って何』の草稿を書いていた。4月に入るとすることがなくなったので、朝日新聞の求人欄を見て履歴書を送った。簡単な試験があって、東京玩具人形問屋協同組合というところに就職した。『トイジャーナル』という機関誌の編集に一年ほどかかわった。そこはあまりにもひまなところだったので、編集というものを学びたいと思い、また朝日新聞を見て転職した。そこはホンダの機関誌などを編集するプロダクションで、魅力的なPR誌を出していたのだが、ぼくが配属されたのは販売店向けの機関誌だった。営業促進のためのノウハウなどを誌面に載せる仕事で、きわめて多忙だった。ぼくが配属された途端に上司の編集長が蒸発してしまい、役員の常務とぼくの二人で担当していたのだが、その常務も退職して、ぼくが編集長になった。ハードワークが続いていて、そろそろ小説を書いてデビューしたいという思いがあって、社長に退職を申し出たら、嘱託という扱いにしてくれて、月に半分ほど出社すればいいことになった。二年ほどして働いていなかったのだが、わずかな退職金をくれたので、水道橋にあった事務所から歩いていける駿河台下の事務用品を売る店に出向いて、平仮名キーボードのタイプライターを購入した。取材の下書きなどをそのタイプライターで打つようになった。平仮名しか打てないのだが下書きならそれで充分で、手書きより早く打てるようになった。すぐにプロの作家になって、手で原稿を書いていたのだが、34歳の時にオモチャみたいなパソコンを買った。それでも平仮名が打てた。それで練習して、35歳の時に東芝のワードプロセッサを買った。70万くらいしたように思う。それ以来、平仮名キーボードで仕事をしている。いまこの文章も平仮名キーボードで打っていて、頭の中で考えるのと同じスピードで文章が表示されている。平仮名キーの位置はすべて頭の中に入っていてブラインドタッチで打てるのだが、下3列に並んでいるアルファベットと違って、平仮名は一番上の段にも並んでいる。ブラインドタッチで打つ場合、左右の人差し指の定位置に突起があって、いつもその突起で指が定位置にあることがわかる。アルファベットだと親指以外の4本の指は左手が「ASDF」右手が「JKL+」に位置している。平仮名だと「ちとしは」「まのりれ」の上に指がある。これは下から2番目の段で、ここからすぐ下とすぐ上の段には指が届くのだが、一番上の段にある「ぬふあうえおやゆよわほへ」は指が飛ぶことになるので時に打ち間違いがある。たぶん瞬間的に画面から視線を下げてキーボードを見ているのだと思う。もっともキーボードを見ているという意識はなくて、ふつうに次々と画面に文字が出てくる。最上段の文字はあまり使わないということかもしれない。いまどうしてこんなことを書いているかというと、新聞記事で最近の若者たちは平仮名キーボードを打つことがないので、パソコンのキーに平仮名があるのが不思議であり、わずらわしくもあるということが紹介されていた。いつも平仮名キーボードを打っているぼくとしては、この表示がなくなると困ると思っているのだが、考えてみれば愛用しているiPadには平仮名のキーがなくてローマ字で打っている。iPhoneはテンキーで打つ。しかし小説は、平仮名キーでないと打てないと思っているので、この平仮名の表示は残してほしいと思っている。

11/20/月
ペンクラブでシンポジウム。第1部は桐野夏生会長と、芥川賞の市川沙央さんの対談。第2部はアクセシブルブックサポートセンター座長代理の落合さん、三田、追手門学院図書館長の湯浅さんの3人で読書バリアフリーについてのパネルディスカッション。必要なことは話せたと思う。このテーマでペンクラブで話すのは3回目。同じ話ばかりしている。また別の機会に同じ話をすることになるだろうと思う。

11/21/火
中野の小ホールで松橋登、三田和代の朗読の会。大昔、この二人が劇団四季の公演で『白痴』のムイシュキンとナスターシャを演じた。もう半世紀前のことになるだろう。客席はほぼ高齢者だった。

11/22/水
昨日の朗読会の開始前に20分ほど時間があってメモを取った。その文章をパソコンに入力。これで12章が終わった。1つの章が約15ページ、12章で180ページ。400字詰めでは540枚というところか。これで半分は過ぎているはず。そうでないと千枚を超える大作になってしまう。ここからはコンパクトにストーリーを進行させてエンディングに向かいたいが、仏教教団創設のようすを示し、シュラヴァースティに移って祇園精舎を築き、ついで故郷のカピラヴァストゥの滅亡、親戚一同が仏教教団に入り、再びラージャグリハに戻ってアジャータシャトル王子がビンビサーラ王を幽閉して殺害する、といった話を展開するのだが、こうやって書き出してみるとまだ山場がたくさんある。導入部を厚く描きすぎたかもしれない。これでは千枚を確実に超えてしまう。どこかで時間を飛ばす必要があるが、仏典では舎利子と呼ばれるシャーリプトラなどの重要人物もしっかりキャラクター設定する必要がある。自分の仕事、公用などが多忙で、Footballのことを忘れていた。昨日は朗読会で外出したので、iPhoneで途中経過を見ていたのだが、チーフスはイーグルスに逆転負け。今年2月のスーパーボウルの借りを返されたわけだが、本当の闘いは来年のスーパーボウルだから、ここは負けてもかまわない。それにしてもレシーバーが育っていない。ディフェンスは去年と同じメンバーだが少しずつうまくなっていて失点が減っている。あとは得点力の強化だが、マホームズもレシーバーがいないので苦労をしている。トニーやムーアなど、スーパーボウルで活躍した若手の成長が停滞している。何とかならないものか。11週が終わった。あと7週しか残っていない。全体が18週だが各チーム1回バイウィークと呼ばれる休みがあるので、17戦闘う。相撲は8勝7敗で勝ち越しだが、Footballは9勝8敗が勝ち越し。しかしプレーオフに出られるのは各カンファごとに16チーム中7チームだから半分以下。ということは勝ち越しただけではプレーオフ進出は難しい。10勝が目途だろう。バイウィークを消化したチームとそうでないチームで試合数が違うので負け数だけで見ていくと、Aカンファは3敗が東のドルフィンズ、北のレイブンズとブラウンズ、南のジャガーズ、西のチーフスと、4地区にばらけているので地区優勝もこの中から出るだろう。3敗が5チームもあるので、プレーオフの残りの椅子は2つしかない。4敗は北のスティーラーズ、南のテキサンズ。これできっちり埋まってしまった。可能性を残している5敗は東のビルズ、北のベンガルズ、南のコルツ、西のブロンコスだが、ベンガルズはQBバローが負傷して今期絶望、コルツは控えQBのミンシューが何とか頑張っているが爆発力がない。チャンスがあるのは好不調の波の多いビルズのQBジョシュ・アレンが調子の波に乗れるか。去年移籍したベテランQBラッセル・ウィルソンがようやく調子を出して4連勝しているブロンコス。この2チームだけだろう。新人ドラ2QBストラウドが好調のテキサンズはこのまま行きそうだ。QBがまったく不振でディフェンスだけで勝っているブラウンズとスティーラーズが脱落しそうな気がする。とくにブラウンズはQBワトソンが負傷して、ロビンソンという新人QBが出ているのだがまったく使い物にならない。それでも連勝をしているのはディフェンスがインターセプトやファンブルリカバーで得点を挙げているからだ。攻撃の時は失点しそうで、守備の時に点が入るという不思議なチームになっている。Nカンファは東のイーグルスが1敗でシード1位候補、北のライオンズが2敗で追っている。この2チームは直接対決がないのでイーグルスが逃げ切りそうだ。3敗は東のカウボーイズ、西の749ナーズ。ここまでで4チーム。南地区5敗のセインツが負け越しでも地区優勝になりそうで、6敗のバッカニアーズとファルコンズにも希望は残されている。この地区は無視してワイルドカードの枠はあと2つ。4敗は西のシーホークスだけ。5敗は北のバイキングスだけだが、ここもQBカズンズが負傷して、移籍したドブスで間に合わせているだけ。ということは南の負け越しチームがワイルドカードに出る可能性もある。Aカンファに好調チームが多いのと、Nカンファはイーグルスとライオンズが勝ちすぎていて、負け越しチームが多すぎるようだ。ということでAカンファはプレーオフ候補がしだいにしぼられつつあるのだが、Nカンファは渾沌としている。次週はサースデーの試合が3試合、フライデーが1試合ある変則の日程になっている。注目の試合はジャガーズ対テキサンズ。南地区の優勝争い。3年目のトレバー・ローレンスと新人のストラウドの対決が楽しみ。ブラウンズ対ブロンコスもプレーオフ進出をかけた試合になる。ジョシュ・アレンのビルズは1敗のイーグルスが相手だが、ここで金星をあげればまだプレーオフに望みを残すことになる。あとは実力差のある対戦で番狂わせは起こらないだろう。セインツはファルコンズは同地区対決で、ファルコンズが勝てば地区優勝に望みが出てくる。ただここもQBがいないので、カーが何とか頑張っているセインツが有利だろう。

11/23/木
勤労感謝の日。自分が勤労しているかどうかはわからない。大学を卒業したほど4年ほど勤労していたことは確かだが、その後は作家として仕事をしていた。座談会や講演会など雑用もあったが、どれも楽しい仕事だった。勤労という感じはしなかった。非常勤で大学に出向くのも楽しかったし、専任は早稲田で6年、武蔵野大学で八年やった。この最後の八年(そのうち六年は学部長)はほぼ毎日出勤したし、日曜の出勤もあったのでたいへんではあったが、大学に通うのは慣れてしまえば日常になってしまうし、研究室では仕事ができたので、これも勤労という感じはない。そういう人生を送れたことは幸運だったと思う。いまも公用と称する雑用があって負担はあるのだが、何もなくなると寂しいと思う。公用の合間の自由の時間を大事に使って小説を書くのが適度な緊張感をもたらしている。とにかくいまは『デーヴァダッタ』の完成に向けてラストスパートをかけたいと思っている。

11/24/金
シッダルタが久々に登場した。この作品はデーヴァダッタをタイトルロールにしているが、実際の主役はシッダルタなので、六師外道をめぐっている間、シッダルタは間接的にしか出番がなかった。久々に主役が登場して、ニヒルな感じをふりまいている。ただ視線の中心にあるのはデーヴァダッタなので、ここで描かれるシッダルタ像は主人公の主観によって捉えられたイメージということになる。少し書き進んでみたのだが、イメージが少しぶれているようなので、少し元に戻して修正していきたい。SARTRAS三役会。今年の夏から始まった理事長と副理事長2人の三者会談。福岡在住の理事長と1時間ネットで意見交換をする。とくにこちらから発言するテーマはないのだが、理事長から質問されると答えることになる。3人だけなので頻繁に話す順番が回ってくる。本日の公用はこれだけ。

11/25/土
消防点検。この集合住宅に転居して10年になる。高層住宅なので時々点検がある。スクリンプラーを黙視でチェックするくらいのことだが、その時に在宅していなければならない。今回も無事に終わった。

11/26/日
日本文藝家協会元理事長・篠弘さんの一周忌の法要に参列。真冬の到来のような寒さに霧雨。一周忌だから葬式と同じような服装だろうとは思ったが、ワイシャツにネクタイではなく、下着をヒートテック、それにタートルの黒いシャツという服装で出席。風は冷たかったがヒートテックの威力で寒くはなかった。篠さんは歌人なので、ぼく以外は歌人の人ばかりだったが、まあ、楽しく歓談できた。

11/27/月
教育NPOとの定期協議。私立中学高校の先生方との意見交換。長いつきあいの人々なので和やかに歓談できた。

11/28/火
このところ『デーヴァダッタ』は停滞している。久方ぶりに主人公のデーヴァが副主人公のシッダルタと再会したのだが、シッダルタの人物像がやや揺れ動いていて調整に手間どっている。オープニングからシッダルタは謎めいた人物というイメージだったが、ここへ来て仏教教団の導師となっている。いわば公の場所に出たわけで、この教祖としてのキャラとこれまでのキャラとの間に、もう少し葛藤があったもいいと思われるが、そこがうまくいかないと人物像が途中で不用意に揺れ動くことになるのでそこが難しい。手塚治虫の『ブッダ』でも少年時代のシッダルタは魅力的なのに、途中から仏像みたいな顔になって魅力がなくなってしまった。ここは大事なところなので時間をかけて試行錯誤したい。そうこうしているうちにFootballぱ12週が終わってしまった。残りはあと6試合だ。まだ来週とその次の週にバイウィークを迎えるチームがあるので消化試合数が不揃いだが、負け数だけで地区優勝やプレーオフ争いについてチェックしておく。Aカンファ東は3敗のドルフィンズが安全圏に入った。ジェシュ・アレンが調子を取り戻しつつあるビルズは相手が強敵イーグルスで、接戦に持ち込むまでにチーム力はあがっているものの、競り負けてしまって6敗目となった。6勝6敗では残り5試合を4勝1敗で行かないとプレーオフ争いに残れない。ただチーフスとドルフィンズ戦を残しているので4勝1敗も厳しくなってきた。ただドルフィンズ戦は最終戦なので、地区優勝を決めた相手が戦力を温存する可能性もあるが、シード1位争いが最終戦まで続いていると本気の勝負になる。北地区はバローが故障したベンガルズが失速。3敗のレイブンズを4敗のスティーラーズが追う。ブラウンズも4敗だがここはQBワトソンが離脱しているので控えQBでは勝ち残れないだろう。ただ守備は強いので7勝4敗から残りを3勝3敗で行けば10勝に到達できる。南地区は3敗のジャガーズがテキサンズとの直接対決に勝って脱け出した。テキサンズは5敗となって地区優勝は難しいがのこりを4勝2敗でいけば10勝に到達できる。西は3敗のチーフスを5敗のブロンコスが追う。ブロンコスはようやくベテランQBラッセル・ウィルソンが調子を出しディフェンスも強くなって現在5連勝中。このままいけばプレーオフに進出できる。地区優勝はドルフィンズ、レイブンズ、ジャガーズ、チーフスが各地区の首位。シード1位争いはこの4チームとも3敗で激戦になっている。ワイルドカードは、4敗がスティーラーズとブラウンズだが、ブラウンズが脱落しそうなので、5敗のテキサンズとブロンコスも有力。ここに6勝6敗のビルズが追いつけるか微妙だ。Nカンファ東は1敗のイーグルスが独走。シード1位が見えてきた。3敗のカウボーイズが追走。北はライオンズがパッカーズ相手に取りこぼして3敗だが地区優勝は安全圏。南地区は5勝6敗でセインツとファルコンズが並んでいる。今年も負け越しチームが優勝しそうだ。直接対決はファルコンズが今週勝ってリード。ただ最終戦でもう1度直接対決がある。この地区は優勝しなければプレーオフ進出が難しい。西地区は49ナーズが3敗で独走。二番手は5敗のシーホークス。イーグルス、ライオンズ、49ナーズの地区優勝は固い。シード1位はイーグルスが独走。ワイルドカード5敗のシーホークスがまだ安全圏にいる。6敗バイキングス、パッカーズ、ラムズ。それに南地区のセインツとファルコンズ。この2チームはどちらかが地区優勝なので、残り2枠を4チームが争っている。こうなると7敗のバッカニアーズにも可能性はある。いずれにしても、2チーム以上が負け越しでプレーオフ出場ということになるかもしれない。今シーズンはAカンファの方がレベルが高い。ここで大胆にスーパーボウル進出チームを占ってみると、Aカンファはチーフスとレイブンズの勝者、Nカンファはイーグルスと49ナーズの勝者だろう。レイブンズはQBラマー・ジャクソンに調子の波があり、毎年、プレーオフ前に怪我を負う。走るQBには怪我かつきまとう。チーフスのマホームズは走らずにパスを投げるQBだが、今年はレシーバーがいない。ようやく今週、新人レシーバーのライスが100ヤードを超えた。去年活躍したスキャントリングとトニーがまったく不振。結局今年もタイトエンドのケルシーに頼るしかない。予備のタイトエンドのニア・グレイと、タイトエンドなみの体躯をしているレシーバーのワトソンを入れて、3人タイトエンドみたいな陣形をとることも考えられる。新人ライスは背が高くボールを受けてからの走りに特色があって、ようやく使い物になってきた。これからプレーオフに向けて徐々に全員のキャッチ能力が上がっていくことを期待したい。イーグルスは1敗で独走しているけれども接戦が多い。接戦に強いというのはQBハーツの頑強な体躯によるものだろう。これに対して49ナーズのパーディーはポケットパサーなので、オフェンスラインが崩れた時にもろさがでる。ただ怪我人が復帰して、レシーバーのアイユークとサミュエル、タイトエンドのキトル、ランニングバックのマカフリーと最強メンバーが機能しているし、ディフェンスはリーグ全体でも最強なので、今年は49ナーズの可能性もある。チーフス対イーグルスとなると去年と同じ対戦、チーフス対49ナーズは4年前と同じということになる。イーグルスは昨年とほぼ同じ戦力だが、49ナーズは4年前より確実に戦力アップしている。チーフスはディフェンスは去年と同じメンバーだが若者が多いので戦力は少し上がっている。問題はレシーバーだ。レシーバーがポロッと落球するケースがリーグでトップと言われている。これをプレーオフまでに修正できるかどうかが注目されるところだろう。

11/29/水
妻が次男のところに行ったのでしばらくは独身に戻る。ぼく自身が独身であったのは短い期間だけだ。高校までは大阪の実家にいた。早稲田に入るために東京に来たのだが、当時劇団四季の女優だった姉が住んでいた賃貸アパートの同じ建物にアキがあるというので母がそこに決めてしまった。3ヵ月ほどのちに妻と共同生活を始めたので、ぼくの独身時代は3ヶ月だけだ。何とそれはいまから55年ほど前のことだ。何が違うかというと、コンビニや牛丼チェーンの発達がある。55年前は定食屋とラーメン屋が近所にあっただけで、当時、何を食べていたか記憶にないのだが、大学1年生ではあるし、まだバリケードストにはなっていなかったから、毎日、大学に行っていたのだろう。大学には学食があるし、早稲田の周囲には学生向けの店が並んでいる。そういえばいま住んでいる御茶ノ水は学生の街だから、学生向けの店がないわけではないが、それよりもチェーン店があるし、神保町から広がっているカレーと中華料理の店の分布がこのあたりまで広がっている。ただ神田から分布している居酒屋もあって、錯綜している感じだ。ただ若い人が多い店に老人が1人で行くのも気がひけるので、住んでいる集合住宅の別館に入っているセブンイレブンか、隣接しているビルの地下街にあるファミマに行くことが多い。『デーヴァダッタ』はシッダルタと再会する場面が続いている。ここでいちおう仏教の教えの基礎を示すことになる。四諦、八正道、十二因縁、五蘊、六波羅蜜など、数字がついているものばかりだ。そういう数字に意味があるのかと主人公が問いかけると、シッダルタは意味はないと応える。仏教の大事な教えを教祖が全否定する。これは当然のことで、一切は空なのであるから、釈迦の教えもすべて空ということになる。ぼくは仏教のわかりやすい解説と教祖の英雄譚を書いているのではない。既存の釈迦のイメージを全否定する新しい人物像を描いている。このあたりから作品は未知の領域に入っていく。『カラマーゾフの兄弟』の続篇を書いていた時と同じくらいの緊張感をもって書いている。今回もいちおう既存のテキストとして世間に知られたブッダの生涯といったイメージがある。それを一つ一つ丹念に追いながら、一つ一つ丹念に壊していくことになる。仏教の原理を語るこの場面は作品の中でも最大の山場になる。少し前のジャイナ教のマハーヴィーラーとの対話も最大の山場だったので、山場が連続することになるが、ここから先は山また山の領域になる。すごい小説だなと自分でも思うし、これを書ききったらバッタリ倒れてしまいそうだが、そんな感じもしない。まあ、ゆとりをもって楽しみながら書いている。ライフワークではあるが、あと数年は生きているだろうから、命を削って書くという感じではなく、長生きしながらのんびりとゴールに近づいていけばいいと思っている。

11/30/木
著作権情報センターの理事会。ここはコロナがなくなったのでリアルな会議をやっているのだが、リモートで参加してもいいということなのでZOOMで接続。臨時の理事会で案件1つなのですぐに終わる。こちらはイヤホンで耳を傾けながら自分の仕事を続けていた。さて、本日で11月も終わりだ。自分でもよくがんばって仕事を続けていると思い。作品を書くだけでなく、公用も無事にこなして、多くの人々と楽しく交流できている。教員の仕事はリタイヤしているし、同業者とのつきあいもほとんどないので、昔のように忘年会が続くということもないが、体調をととのえて年末年始を迎えたい。


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