図書館員のコンピュータ基礎講座
ダブリン・コア(Dublin Core)は、メタデータ標準の一つです。世界初の画像に対応したWebブラウザであるMosaicを開発したNCSA (エヌシーエスエー;National Center for Supercomputing Applications)と図書館関係機関であるOCLC (オーシーエルシー;Online Computer Library Center,Inc.)が主催したワークショップ(1995年3月オハイオ州ダブリンで開催)での開発に始まったもので、現在はDCMI (ディーシーエムアイ;Dublin Core Metadata Initiative)が維持・管理をおこなっています。
あらゆる情報資源に適用可能なコアとなる要素として、DCMES(ディーシーエムイーエス;Dublin Core Metadata Element Set)と呼ばれる15の基本記述要素が発表され(バージョン1.0)、2003年にISO 15836(JIS X 0836:2005)として国際標準になりました。その後、DCMESは2006年にバージョン1.1 となりました。この要素はシンプルDCなどとも呼ばれます。
ダブリン・コアの15の基本記述要素(DCMES)
要素型名 |
要素型名(英語) |
定義とコメント |
タイトル |
title |
資源に与えられた名前。一般的に、資源が公式に知られている名前 |
作成者 |
creator |
資源の作成に主たる責任を持つ実体。人、組織、サービスなど。一般的に、作成者の名前は、実体を示すために使用すべき |
キーワード |
subject |
資源のトピック。一般的に、キーワード、キーフレーズや分類コードを用いて表される。統制語彙の使用を推奨。資源の空間や時間のトピックを記述する場合には、時空間範囲要素を用いること |
内容記述 |
description |
資源に関する説明や抄録。資源の要約、目次、画像表現、自由形式の説明文など |
公開者 |
publisher |
資源を利用可能とすることに責任をもつ実体。人、組織、サービスなど。一般的に、公開者の名前は、実体を示すために使用すべき |
寄与者 |
contributor |
資源への寄与に責任を持つ実体。人、組織、サービスなど。一般的に、寄与者の名前は、実体を示すために使用すべき |
日付 |
date |
資源のライフサイクルにおける出来事に関連している時や期間。あらゆる粒度の時間を表現するために使用できる。ISO-8601のW3C-DTFなどの符号化スキームの使用を推奨 |
資源型 |
type |
資源の性質やジャンル。DCMITYPEなどの統制語彙の使用を推奨。ファイル形式、物理的媒体や資源の大きさを記述する場合には、記録形式要素を使用すること |
記録形式 |
format |
資源のファイル形式、物理的媒体や大きさ。大きさには、サイズや経過時間が含まれる。MIMEなどの統制語彙の使用を推奨 |
資源識別子 |
identifier |
あるコンテキストにおける資源への一意の参照。公式な識別体系に従った文字列による識別を推奨 |
出処 |
source |
当該資源の派生元である関連資源。当該資源は、その関連資源の全体または一部から派生したものでありえる。公式な識別体系に従った文字列による識別を推奨 |
言語 |
language |
資源の言語。RFC 4646などの符号化スキームの使用を推奨 |
関係 |
relation |
関連する資源。公式な識別体系に従った文字列による識別を推奨 |
時空間範囲 |
coverage |
資源の空間的または時間的なトピック、資源の空間的適用性、または資源が関連している管轄。空間的なトピックと適用性は、地理座標で指定される地名でありえる。時間的なトッピクは、時代名、日付、期間でありえる。管轄は、行政期間や資源を適用する地理的な場所でありえる。TGNなどの統制語彙の使用を推奨。座標や期間などの数値識別子よりも地名や時代の方が適切な場合には、それらを優先して使用できる。 |
権利管理 |
rights |
資源に含まれるまたは資源に関する権利に関する情報。一般的に、知的財産権を含む、資源に関連する様々な所有権に関するステートメントなど |
CyberLibrarian : tips on computer for librarians, 1998-
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