コラム・31
   
国民の祝祭日
政府は「国民の祝祭日」をきめましたが、1月の2,3日は祝日でないのにみんな祝日と思っていますよね。それに、8月15日のオボン(御盆)もそうですよね。オボンは8月13,14,15日ですかね。政府のきめた祝祭日を、そのまま休日にしているのは、役所と銀行だけですね。ああ、それに学校ですね。ゆとり教育とかで、先生がサボルから、生徒達は塾へ行く日ですかね。
サラリーマンでも、現場関係のある工場では休日ではありませんし、大工さんとかでは休日ではありませんね。オボン休みをする職種では祝祭日は休みませんね。
    
みんなが従わなかった祝祭日といえば、江戸幕府がきめた五節供。あれは、徳川氏の出身地三河の習俗をそのまま祝祭日にしたらしい。
正月7日の人日(じんじつ)、3月3日の上巳(じょうし)、5月5日の端午(たんご)、7月7日の七夕(しちせき)、9月9日の重陽(ちょうよう)でした。ええ、すべて旧暦。
江戸幕府がきめた五節供は、いまも1月7日は七草、3月3日は桃の節供、5月5日は菖蒲(しょうぶ)の節供、7月7日は七夕(たなばた)、9月9日は菊の節供となって名前も内容もちがっていますし、今は3月と5月の節供だけが残っていますね。
7月7日の七夕(しちせき)とか、9月9日を節供としている人は少ないのではないでしょうかね。タナバタは子供が幼稚園では星祭りにしていますね。これはカシコイ。
タナバタはシナ伝来の乞巧奠(きこうでん)もありますが、各地には天女女房説話、眠り流し行事までありますから、ややこしい説話をさけて単純な星祭にするのが賢明でしょうね。
  
でも、五節供はすべて旧暦の祭りですから、旧暦ですべきでしょうが、旧暦は計算がややこしいですね。
しかし、新暦3月3日には桃の花も咲いていませんから、南国のハウス栽培の桃の花でも買ってこないと間に合いませんね。5月5日の菖蒲(しょうぶ)もそうですね。
そんなことから、一月遅れで祭りをする人もありますね。あれを「月遅れ」って言い方があります。旧暦の祭りを新暦でやるのは季節感があいませんから、一月遅れでやるのをを「月遅れ」って言うのでしょうが、何やらシックリしません。あれ、新暦ができた当時は中暦(ちゅうれき)って熟語があったようですが、いつ頃から「月遅れ」なんて言葉になったんでしょうかね。中暦(ちゅうれき)って旧暦と新暦の中間とか、折中って意味だと思いますが、便利でそれなりに由緒のある言葉ですので、ボクは使っています。
ところで、最近は節「供」と書かないで、節「句」と書きますね。字引をひくと「句」は句切りの「句」であるなんて書いています。でも、節句は何の「句切り」なんでしょうね。
なぜ「供」にこだわるかと言いますと、「供」は親族郎党がおなじ場所で、おなじ物を食べる意味なんですよ。日本の祭りは一堂に会してゴチソウをよばれること。
だから、節「供」だから、ゴチソウがでるのかと期待して行ったら、何にも出なかったので、参会者がぶつぶつ文句をいって帰ったから、節句。ええ、節句の「句」は文句の「句」。
これに違いない。字引をあらためよ。