コラム・16
    
わが家の変なもの
わが家では西洋式の洗面台を使わないで理科実験室のステンレス製・流し台を使っています。
流し台を使っている理由は絵の具を洗い流すのに洗面台では不便ですからね。ええ、流し台だと絵の具の残りでも、ザーっとながせますでしょう?
洗面台だと絵の具がこびり付いて汚れが洗い流せないのが、流し台使用の動機なんですがね。
まあそれに震災後に建てた際、建築屋が中学校の理科室を請け負って、売れ残っていた流し台がたまたまあったセイでもあるんですがね。ええ、タダでサーピスしてくれると言うんでね。
ところが使ってみると、これ便利なんですよ。洗面台って使うと流すツボっていうんですかが汚れるだけでなく、周りまで汚れますでしょう? 汚れなくても水でビショビショになりますよね? あれ、何となくキタナイでしょう? あれ、西洋のエチケットでは、あとの人のために、使ったタオルでキレイに拭うものだそうですね。
     
子供達がいると、朝あわてて洗顔して走っていくものだから、ボクが使おうとすると、いつも洗面台の周りは跳ね水でビショビショ。
文句を言うと「オトウちゃんだってキタナイままだよ」と反撃されていました。
カミさんの評価では、「後始末をしないのはボクが一番」だそうです。まあ、汚しの最大責任者のことはさておき、一人づつタオルを一枚ごと使われるとカミさんの洗濯の負担がたいへんでもありますねぇ。
  
一流ホテルの客室では洗面台は2台ありますね。あれだと、先の者が「汚したまま」だと不快にはなりませんが、庶民の家屋では無理。
ああ、一流ホテルのパブリック・スペースの洗面所では洗面台は4,5台並んでいますが、あれしょっちゅう掃除係が洗面台を拭ってキレイにしています。
ボクらは西洋風エチケットに慣れていないので、使ったあとキレイにしている人ってまれですからね。それに、ホテルのパブリック・スペースのペーパー・タオルでは拭いようがないですもんね。
    
わが家の理科実験室用の流しでは、昔風の洗面器を使っています。昔風といいましても、アルミのではなく今風のプラスチックですがね。
あれだと、使ったあとはヒックリ替えしてザーっと流せばキレイになるし、水を跳ねても流し槽の中だけですもんね。あとがつかえていても、何しろ早い。
見栄からはずれると、人生気楽。
神は細部に宿る。