コラム・12
     
ABO式血液型による気質判断
テレビのワイドショーを見ていると、「明日の運勢」って番組がありますね。
O型の人の明日の運勢は「金運があります」なんて言っていても、あの血液型占いから宝籤を買いに走る人って、まあ、ないでしょうから、気楽な遊びだとみんな思っているようですね。
ところが、血液型で性格判断ができるとして人事採用に使っている企業があります。
手引き書では、O型はおおらか、Aは几帳面、Bはマイペース、ABは二重人格なんて書いてあります。ボクの知人に企業の採用テストにアドバイスをする仕事をやっている人があります。この人はアメリカで心理学を修めた人ですが、その人に「やっぱり、血液型での性格判断もあるんですか?」と訊いたことがあります。
答えは「まさかー、そんな迷信みたいな職業適性検査では、まともな企業は相手にしてくれませんよ!」でしたね。それに、血液型性格判断は日本独特のものらしいですしね。
まあ、人事担当者が、イージーに血液型で性格判断やっているような会社は長持ちしないでしょうしね。
でも、人事採用だけではなく、結婚の相性として血液型が言われますね。あなた聞いたことない? ところが、あるんですよ。結婚紹介業者の情報欄では血液型が明記されているそうですね。
ある心理学系大学院のホームページでは院生の紹介に血液型が掲載されているそうですね。これはインターネットでは確認できませんでした。運動部の部員紹介では書いているものがありますが、これは多分にイチビリと見受けました。
      
ところで、人間の歴史は感染症との戦いの歴史ですが、「O型はコレラに弱く、AB型は強い。ペストは、その反対」っていいますね。コレラが蔓延すると AB型人口が増え、O型人口が減るってことになるんでしょうが、強い弱いといっても、せいぜい生存率が3パーセントていどの差だけらしい。そんなことから、もし仮にあったとしても、血液型と性格・気質との関係は3パーセントだけかもしれませんね。
心理学講座のある教授が毎年学生に「その教授が何型に見えるか?」とアンケートをとったら、答えは日本人の血液型分布と同じ結果になったそうで、学生の判断根拠は自分とか親しい友人の血液型をもとに教授が似ているかどうか、だったらしい。
     
血液型による性格判断についてのブログでの議論がされているけど、この賛否両論者についても、血液型による差違はなかったらしい。変な統計ではありますがね。
マスメディアが悪のりして広めた血液型への信仰に、のめり込むのも、無知なんだろうけど、これを無知だと決めつけている学者の説明もあんまり説得力がないように見受けるんですがね。
それにしても、職業適性検査屋が言うように「血液型による性格判断では、まともな企業は相手にしてくれませんよ!」、「人事担当者が血液型で性格判断やっているような会社は長持ちしないでしょうしね」あたりが、正解かも知れない。
企業が人を採用すると「一生面倒を見る」ことになりますし、「企業は人」ですから、採用には真剣。面接時に受験者の反応をみるための質問としては、血液型をたずねるのもいいのかもしれない。