コラム・9
     
タミフルの話
話題の薬といえば、タミフルですかね。タミフルは抗インフルエンザ・ウイルス薬として優れているとかで、日本では多用してきましたね。ええ、一昨年あたりからね。
世界中で使われているものの7割が日本で使われているらしいですね。
タミフルは薬ですから、あんまり多用すると抗薬剤耐性菌がでてきましょうね。ええ、タミフルが平気なんてウイルスがね。
あの多用をみていると抗生物質の多用を連想してしまう。特効薬だからといって、家畜の餌にまで抗生物質を混入してきました。もうたいていの細菌はありきたりの抗生物質ではびくともしなくなったから、次々に新しい抗生物質を発明してきましたが、もう限界になったらしく、結核とか肺炎になると手がつけられない状態になってしまっているようですね。
あんまり多用するとタミフルに対する抗薬剤耐性菌がでてくると困るので、使用の制限をすべきだと思うんですがね。素人の杞憂かなぁ。
      
乱用の戒めとして、副作用も言われ始めましたね。思春期の子供が飛び降りたなんて新聞は言ってるけど、脳に異常が発生するのは、タミフルの副作用とは言いきれないとして、副作用と断定することにえらく慎重ですね。何らかの脳障害の可能性があれば、安易に多用することに歯止めをかけるのを考えるべきではないのかなぁ。
鳥インフルエンザのような新種のウイルス、fluって言うらしいけど、fluがハヤリ始めるといきなり、抗タミフル耐性菌だっりしたらお手上げだもんね。
タミフルがあるていど効果があれば、とりあえずタミフルで防御して、その時間稼ぎの間にワクチンとかを開発することが可能なんでしょうがね。タミフルを乱用して、そのために新種のウイルスが抗タミフル耐性になってしまっていると、もう手がつけられませんからね。
       
これはほんの一握りの開業医さんの話なんですが、幼児の風邪熱を下げるのにステロイドを多用してきた人がいます。幼児の風邪熱が下らないと、「あの先生はすぐになおしてくれる」なんて、迷える母親が集っていますね。
あれからすると、「あの先生はすぐにタミフルを処方してくれる」なんて迷える母親達が集うだろうなぁ。
健康保険のタミフル使用基準にしても、「兄弟とか周りがインフルエンザに罹患して感染する危険がある」と投与していいなんてきめていますね。基準を作った人は、感染の「具体的危険性」が頭にあって作ったのでしょうが、だれが「具体的危険性」があると判断するかとなると、「母親が、そううったえてきた」ら医者は「どんな具体的危険があるか?」なんて詮索できないでしょうからね。
予防をみとめると、もう乱用に歯止めがかからないことになると思う。ええ、抗生物質のようにね。