コラム・6
 
有機栽培
作物は土中のバクテリアと太陽光線で作るもののはずですよね? いやー、これに少々の人力ですかね。こんなのを有機栽培っていうんでしたね?
今では、石油を農薬と化学肥料にして、土中にしみ通らせるのが農業ということになっています。だから、収穫物は投下カロリーの3分の1だと言いますね。バクテリアと太陽光線で作ると投下カロリーの10倍以上の収穫を得られるものらしい。
農薬と化学肥料を土中にしみ通らせてきたので、土中のバクテリアは死に絶えてしまっているそうな。そう言えば、田舎を通ると水田からはドプの臭いがしますねぇ。
一昔前には、田舎の臭いは人糞とか、家畜の糞の臭いでした。
都会の人間は、あれをキタナイって嫌ってきましたね。野菜なんか清浄野菜なんてのを重宝してきました。人糞・家畜糞を肥料に使いますと、回虫とかに感染しますからね。
ええ、ボクらの子供の頃は、年に何回か便をとってマッチ箱にいれて学校へ持っていったものでした。ええ、回虫とかの寄生虫検査にね。
有機肥料は、今は人糞・家畜糞そのままを腐敗させて使うんではなく、腐葉土とかをバクテリアで分解して使うようですが、少々の家畜糞も堆肥に混ぜ込まないと充分な地力がでないようですね。
バクテリアだけではなく、土中の分解酵素とかの力も借りないとだめらしいですよ。
そうなると、問題は家畜糞ですね。中国と韓国のキムチ問題は、回虫汚染でしたね。
ええ、糞便からの堆肥汚染らしいですね。
    
韓国のキムチ汚染問題でのインタビューで農家かキムチ業者らしいのが、「土まで消毒せいと言うのか?」と抗議していました。堆肥や土を消毒すると土中のバクテリアなんかも死滅しますから、有機栽培はできないことになりますでしょうねぇ。
土までは消毒しないでも土がついている根の部分をしっかり洗浄すればいいように思いますね。土をしっかり洗うのには溜めた水ではだめで、流水でしっかり洗う必要があるんでしょうねぇ。
加熱しないで食べる漬け物とかは漬ける前の下ごしらえに、しっかり流水で洗う必要がありましょうねぇ。ええ、洗い桶に水を溜めて洗ったんではダメなんでしょうねぇ。
漬け物の汚染と言えば若菜病があります。
若菜病は近畿北部や山陰地方などでは古くからある食中毒に似た疾患でして、ズビニ鉤虫(こうちゆう)が引き起こす病気だそうです。ズビニ鉤虫は回虫とはレベルのちがう恐ろしい風土病ですから、「漬け物の下ごしらえは流水で」との教えはかたく守られてきました。
漬け物の下ごしらえだけは桶の溜まり水では洗わなかったものです。いちいち、流れのある溝とか小川へ持っていって洗っていました。ええ、近畿ではね。
でも、ボクらは清浄野菜とかに慣れてきましたから、洗い桶で洗うだけになっていますねぇ。
有機栽培の野菜を願うなら、ボクらもそれなりの覚悟をして、野菜との付き合い方に工夫がいるんでしょうねぇ。