コラム・2
     
コリアンダーの話
シナの古い町では、朝登校する子供達を目当てに露天の食べ物屋が出るところがあるらしい。日本では、露天物の食べ物を食べるのを「買い食い」って親は喜びませんねぇ。
でも、子供にとっては、あれは楽しいですねぇ。
先日見た、シナの小さな町の「買い食い」朝食の話では、母親は朝寝をする習慣があるらしく、登校する子供達は校門まえの露天店で「買い食い」なんですよ。
ええ、食べながら校内に入らないように先生が校門にガンバッていましたがね。
その露天店のなかにお粥がありましてね。
寝坊して遅れた子供が、よせばいいのにわざわざ熱いお粥を買って、ふうふうやりながら校門でガンバッている先生の前でかき込んでいました。あれは、焦るだろうなぁ。
でも、朝食を摂らない子供が何パーセントいるなんて統計をとるぐらいなら朝校門前で食べ物屋が屋台を並べる段取りを考えた方がいいように思うけどなぁ。
     
ところで、お粥の話ですが、処はシナですから、「中華粥」。
本格的な「中華粥」は生米から一晩かけて炊きあげます。ええ、まあ糊のようなネバネバ。
華僑の多い神戸でも、生米から炊く本格的なお粥を出す店は少なくなりましたし、それに早朝から開けている店もなくなりましたから、朝粥ではなく、物好きが食べる午前中の食べ物になってしまいましたがね。
あの「中華粥」には香菜(シャンツアイ)をトッピングすることになっています。ええ、香菜が乗っていないと、とても食べられない。
香菜(シャンツアイ)には芳香がありますが、強い香りですから好きずきがありますね。
香菜はハーブのコリアンダーの若苗の茎葉のことですが、コリアンダーcorianderはイギリス名。属名はコリアンドラムCoriandrum。コリアンドラムCoriandrumはナンキンムシの臭気があることから、ナンキンムシkorisのアニスannonという語源だそうですね。
香菜(シャンツアイ)は快い芳香のように感じますが、人によってはナンキンムシの臭いに感じるのでしょうか。
       
香菜(シャンツアイ)が成長してできる果実のコリアンダーは重金属の排泄作用があるのではないかと言われていますね。堺の砒素入りカレーライス事件の時、乾燥コリアンダーの大量投与をした病院で治療を受けた患者は後遺症を残さなかったと聞きます。
ダイオキシンにも効果があるのかも知れません。
ボクらには他に防ぎようがわかりませんから、せいぜい香菜(シャンツアイ)を食べましょうかね。コリアンダーは作りやすいハーブですから、テラスのプランターで作れますからね。