イソップの宙返り・231
       
蟹の親子
母親蟹が子蟹に「斜めに歩いちゃあダメよ。濡れた岩場で横歩きはいけません」と注意しました。子蟹が「先ずお母さんが真っ直ぐ歩いてよ。それを見てするから」と言いました。
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日曜日には公立の温水プールで子供の水泳教室がよく行われていますね。ボクも子供達が幼いころには休日には子供達を連れて、公立温水プールに出かけていました。
あれで困るのは男性用脱衣室へ子供の着替えの世話をやきにお母さん達が入ってきて、うろうろされることでしたね。運悪く子供の水泳教室の開始時間とかち合うと、男性用脱衣室がお母さん連中で溢れる。
子供の水泳教室と言っても、小学生用ですから、子供は自分で着替えられるのにねぇ。
お母さんの中には、アツカマシイのもいるけど、たいていは子供が気にはなるし、裸の男の中に入ってくるのも気兼ねでしょうしね。
    
子供向水泳教室の開催日だけではなく、子供用脱衣室を設けるべきではない?
「小学生にもなれば、着替えが自分でできるように、ちゃんと躾るべき」と思うけど、子供って、日常は着替えできても、はしゃいでしまって服は脱ぎ散らし、なんてのも多いですもんね。
日曜日の朝、公立プールに行くと、ボクは自分の子供の面倒を見た上で、服を脱ぎ散らす他の子供達の面倒まで見ていました。ええ、躾のいい母親は男性用脱衣室へは入ってきませんのでね。母親が躾がよくても、子供はそうはいかないですからね。
母親がついて入っていける子供用脱衣室はぜひ必要だと思う。
       
それと子供向水泳教室で気になるのは、せっかくプールへやってきたのに、お母さん連中は泳がないで二階の観覧席からもっぱら見学しているんですねぇ。
水泳教室が開催されていても、他のレーンは一般用に空けてあるんですがね。
「ぼんやり子供が泳ぐのを見ているなんて、バカじゃあない」と思っていました。
そのうちに、家内の友達に子供を水泳教室に通わせている人がありまして、「自分が泳げないで不自由したから、子供だけはと思って水泳教室に通わせている」って聞きましてね。
よく事情も考えないで、泳げないお母さんに薄情なことを考えていたことをボクは猛省しました。
まあ、考えてみると、泳げるのなら親が教えますよね。まあ、初歩なんですからね。
わかったような、えらそうなことを言いますが、水泳の初歩は水を恐れないことですから、洗面器に顔をつける練習からすべきなんですよね。
水への恐怖心をなくして、水の中で息が止められれば、後は簡単なんですがね。
         
反対に「やって見せてはならない」話。
家族連れで、よく山へ登りました。いえいえ、ロープウエイ専門でしたがね。
ところが、山登りの人達とすれ違う機会もありましてね。子供にすれば、あれは格好の良い粋な姿に見えていたんでしょうねぇ。
次男が、大学生になって「山岳部に入りたい」って言いだしましてね。驚愕。猛烈に反対しました。
ボクにとっては登山は極道遊び。あれだけは絶対に避けたい遊び。
と言いますのは、ボクの友人の息子さんが冬の穂高で遭難しまして。ザイルに吊り下がったまま死亡。麓から見える岸壁の中ほどで、ぶらぶらと宙づり。あまりの悲惨さに、とうとう自衛隊が出動して機関銃でザイルを切り落としました。ええ、憶えておられる人もあると思いますが。
    
登山、特に冬山へ登った人の家族は、無事帰ってくるまで「生きた心地がしない」そうですよ。あれは究極の極道遊び。
この頃は熟年者登山が流行っていますが、家族は気を揉むでしょうねぇ。
登山人口は日本だけでも1000万を超えたそうですね。それに、登山がプロスポーツ化していますから、テレビで格好良い映像が出てきます。でも、子供の前で「格好良い」なんて褒めるものではない。
蟹じゃあないが、山登りだけは「やって見せてはならない」。