イソップの宙返り・210
   
ゼウスの裁き
ゼウスがヘルメスに命じて、人間の罪や不正を陶片に書き込み、傍に置いた木箱に投げ入れさせました。調べたうえで償いをさせるつもりでした。
陶片は次から次へと投げ入れられるので、ゼウスが吟味をするのが遅いのもあれば、早いのもあった。
それだから、罪を犯して早く見つかるのもあれば、見つかるのが遅いのもある。
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この頃の新聞、テレビのニュースを見ていると、犯罪のニュースがふえましたね。
犯罪ニュースは、記者が自分で調べないで、警察発表を聞いてくるだけですから、マスコミの取材としてはイージーなんでしょうが、あんなに犯罪ばかりをニュースで見るとうんざりしてしまう。
ボクなんか気が弱いのか、朝にテンコ盛りの犯罪ニュースを見せられると、その日が陰鬱になってしまうんですが、あなた、どうですか?
「見ザレバ清シ」なんていいますから、犯罪ニュースを見ないのも生活の知恵かとも思うけど気にはなりますね。
        
マスコミも、あんまり犯罪ニュースが多いから、表現を押さえていますね。ええ、強姦はすべて婦女暴行とか強制ワイセツとかに言い換えていますね。
でも、あんまり言い換えられると分かり難いですね。
          
犯罪ニュースが多いわりに、その一方、「あれどうなったの?」って思う迷宮入りの事件も多いですね。
それと、気になるのは精神障害者の犯罪。
平成14年に検察庁で精神障害による心神喪失と心神耗弱で不起訴処分になったのは664人もあるそうです。それに、裁判で心神喪失と心神耗弱で無罪になったのが70人、あわせて734人。
これじゃあ、街を歩くのも、気が抜けない。
      
ボクなんか電車に乗っても、アヤシイやつがいないかキョロキョロしています。
でも、こんなことをしても安全ではないらしいですよ。何しろ、最近はインターネットで拳銃が買えるんだそうですからね。
平成14年だけで、インターネットで買った拳銃が115丁も押収されたらしい。
押収されたのだけで、115丁と聞くと、どこから弾丸が飛んでこないものでもないんですからね。取り締まる側もインターネットを見張るのも難儀でしょうが、検索エンジンがこれだけ進んでいるんですから、何とか取り締まってもらわないと、おちおち街も歩けない。
         
ところで、防犯対策のことなんですが、現金を扱う金融機関の窓口には鉄格子をはめるべきではありません?
小さな郵便局で待っていると、いつ強盗が入ってきて巻き添えになるかと、気になって、キョロキョロしています。
防犯カメラは、あるていど犯罪抑止の効果があると思うけど、あれがあると不愉快だと言う人も多いですね。防犯カメラに映った映像の使用についてのルールが確率していない現在では、何やら不気味ではありますが。
でも、これだけ犯罪が増えると金融機関の窓口の鉄格子とか、防犯カメラが必要になってきましたね。
毎朝、殺伐なニュースを見せられていると、「何とかしてほしい」って気になってくる。