イソップの宙返り・201
      
黒いイタチ
靴屋が白いイタチを飼っていました。このイタチは毎日1匹ずつネズミをとっていました。
ところが、ある日、皮を黒く染める染料の壺に落ちて、真っ黒になってしまいました。
ネズミたちは、イタチが修道士の黒い衣姿になったんだから、もう殺生をしないだろうと、安心して家中をのし歩きました。
イタチは、これを見てネズミの群を襲い、いつもは1匹だったのに、2匹もとってしまいました。
ネズミたちは、イタチが墨染めの衣を着てから、どうして前よりも残酷になったのかと不思議がりましたとサ。
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ボクらは、僧侶が墨染めの衣を着ていると、この世の欲望から解脱していて、悟りをひらいた人かと思ってしまいますね。
ところがドッコイ、ぎらぎらと脂ぎった欲望の固まりみたいな僧侶って少なくないですねぇ。
それならまだましで、「オレは、悟りをひらいたんだゾ」なんて高々とした顔をしているのまでいますよね?
ボクは家の宗派が禅宗ですから、禅ボウズに出会う機会が多いのですが、禅ボウズは、この高々で、傲慢無礼なヤツが多いんですよ。何にも悟れてなんかいないのにねぇ。
そりゃあ、女房子供もおれば、清貧なんて言っておれないのはわかるけど、それにしても禅宗で妻帯を認めた宗義って、いつやったの?
ええ、出家しないでも、悟りをひらけるかなんて、宗義の根本でしょうにね。
        
墨染めの衣の話から制服の話。
軍隊や警察官に征服があるのはわかるけど、公立中学に制服があるのはわからない。
強要しているほうも、自信がないのか、「制服ではありません、標準服です」なんて、逃げているところも多いですね。
だったら着用を強要しないのかと言うとそうでもないでしょう?
何となく隠微、偽善。非教育的。
      
制服を着用すると「生徒に学校の一員であるという自覚や連帯感を促し、規律心を育てるだけでなく、非行を防ぐなどの効果がある」なんて言っていますが、そんなら教師にこそ、制服を着用させるべきではありません?
そうすれば、援助交際をやったり、痴漢をやったりする教師がへるとおもうよ。
制服を着用すると「自覚や、規律心を育てる」効果がほんとにあるのならね。
       
まあ、私立学校で制服を着用させるのは、学校の宣伝でしょうから、それはそれでいいと思うけどね。公立学校は違うよ。
センスのない制服をむりやり着せるから、女子大の一年生はトータル・ファッションとかけ離れた、ぜんぜん似合わない赤い靴を履いたりしてね。
あれを見れば、制服が「色彩感覚や服装に関するセンスの発達をゆがめる」という意見が正しいことがわかる。