イソップの宙返り・182
    
鳥刺しとマムシ
鳥刺しが鳥もちを竿につけて、鳥を捕ろうとしました。捕まえるのに気を取られて、マムシを踏んでしまいました。マムシは力一杯噛みつきました。
鳥刺しは死にながら、こんなことを言いました。
「情けない、ひとを狩ろうとして、自分が狩られて死んでしまうとは」
寓意・ひとに悪巧みをする者は、自分が先に災いに陥るものである。
☆     ☆
今年の3月13日のメールマガジンで、温泉に純度に応じての等級をつけるべきだと言っていたら、何と全くの水道水しか使っていない温泉旅館があることが分かってきましたね。
そんな温泉旅館が全国には1000軒はあるらしいですよ。
全国2万軒の温泉旅館で純粋に新しい源泉を使っているのは1割ぐらいだと言うんですから、あっけにとられてしまう。
でも、あれ、ボクらもわるいんですよ。温泉に入りに行って、掲示されている温泉成分を読んでいる人って1割あるかなぁ。
          
温泉ブームが始まった30年ほど前までは、温泉地へ行くと川やら街角から湯気が盛んに上がっていたものでした。
あれが温泉町の情緒でもあったんですが、最近はサッパリ見かけませんねぇ。
源泉を100パーセント使っているといっても、新しい湯ではなく古い湯を循環式で使っているところでは、湯を川へ捨てることはなくなったんでしょうねぇ。
こんなことから、湯の町に湯気が棚引くことがなくなったらしい。
       
それにしても、伊香保温泉の100パーセント水道水ってのには呆れましたね。
でも、あの報道を見ていると70数軒の内、ヒドイのは数十軒だけなんですか?
でも、ボクらが受ける印象は伊香保温泉ぜんぶがインチキ温泉のように思えてきましたね。
あの悪印象は、そうとう長く続くような気がしません?
     
ほかのマジメにやっている旅館には気の毒。
でも、ほかの旅館の経営者は、「あれは例外。ウチは100パーセント、源泉」とは言い切っていないですねぇ。
まあ、意地悪くとると、ここも忸怩たるものがあるのかなぁ、とも思うけど、どうなんでしょう?
ボクは、こんな印象を持ったのですが。
小さな町中のことでしょう。 ケシカランなんて言っただけで、恨みをかうんではありません?
だから、キッパリ言い切りたい旅館でも、遠慮した物言いになっているようですね。
    
だから、マジメにやっている旅館にしたら、インチキ旅館を取り締まってほしいと思っていても、言い出せなかったように思えるんですがね。
ボクらにしたら、こんどから温泉に行ったら、浴場に掲げている成分表を、よく読もう、とか、行く前にインターネットでホームページを調べようと思うけど、あんなインチキ温泉は、堂々とウソの成分表を掲げているんですってね。
このウソを町が公認して入湯税まで取らせてきたらしいですよ。
        
地方分権もいいけれど、こんな不正は市町村内ではチェックできないんではない?
町の観光課では、人のシガラミから「できない」って白状していましたね。
ボクもそう思う。
では、府県でやるのがいいか、は問題。
もうこれ以上、行政を肥大化させたくないでしょう?
一度温泉の品質検査をやると、その係はドンドンと肥大化して、その内に第三セクター品質検査機関ができ、天下り先になっているなんて、ウンザリするほど見てきたもんねぇ。
ヤッパリ、ミシュラン見たいな民間機関がやってくれるのが、一番だと思う。
でも、日本で民間がやれば、贈収賄がはびこるかもしれませんね。
いっそ、こんなインチキ旅館にダマされ泊まった人には、宿泊費全額を返還しなければならないとの法律をつくるのも考えられるけど、今度はユスリ・カタリがはびこるだろうなぁ。
とうにも、いい思案が浮かばない。あなた、どう思いますが?