イソップの宙返り・175
      
踏まれたヘビとゼウス 
蛇がたくさんの人間に踏みつけられるので、ゼウス神に訴えました。
するとゼウスは蛇に
「もしお前が最初に踏みつけた者に噛みついてやったなら、他の者は踏みつけようとはしなかったろう」と言いました。
寓意・踏みつけにした最初の者に手向かうものは他の人々に恐れられる。
☆     ☆
イソップ物語は愚民を操縦する教えとして作られたと言う人がありますが、ここでは「踏みつけにした者に手向かえ」と言っていますねぇ。
これは、まあ、そのまま受け取ると「抵抗しないと、とことんやられる」って教訓でしょう?
こんなところで、政治の話をはじめるのも、どうかとは思いますが、「抵抗しないと、とことんやられる」って言うと、パレスチナ問題を思い出してしまうんですがね。
いえいえ、ボクはパレスチナが抹殺されようと、ユダヤ人が追い出されようと、まあ、どっちにしても関心がないんですがね。
ええ、どちらかに義勇軍に出かけるとか、武器援助に立ちあがる気もありませんからね。
         
それにしても、ユダヤ人がローマ帝国各地へ送られてから、1800年も経ってから、1948年、そこは俺たちの国だった、と帰ってきても、長らく暮らしてきたパレスチナ人は困りますよね。
そこへ、ユダヤ人が勝手につくった旧約聖書で「約束の地」と定められているから、帰って来ただけではなく、パレスチナ人に「出て行け!」でしょう。
まあ、400万人いるパレスチナ人の相当部分は外国に出て行ってはいるようですが、先祖が暮らしてきた故郷を奪われて、哀しいだろうなぁ。
            
1800年前と言えば、日本では縄文時代ですもんねぇ。
いまになって、この国は縄文人の国だから、「弥生人は出て行け」って言い出されたら、ボクら行くところがないもんねぇ。
いやー、みんな何分の一かは弥生人だものねぇ。ボクらはみんな片足追放かなぁ。
もっと凄いことになるのはアメリカでしょう?
1800年前どころか、500年前はインディアン(ネイティブ)の土地だったことは、まぎれもないんですからねぇ。
「アメリカ人、みんな出て行け」になったら、凄い内戦になるんじゃあない?
まあ、ネイティブじゃあ、内戦にはならないで、テロぐらいかなぁ。
         
パレスチナにユダヤ人国家を建設しようとしたシオニズムは19世紀末に、吹き荒れた東ヨーロッパでのユダヤ人迫害の嵐がもとだそうですね。
ええ、嵐に吹き寄せられるようにして集まったそうですね。
はじめユダヤ人が国家を造ろうと集まって来はじめた時にも、アラブ住民は、「抵抗しないと、とことんやられる」って知っていたけど、何しろ当時は第一次世界大戦後のイギリス委任統治時代ですから、イギリスに弾圧されたんですってね。
            
それにしても、ボクらにすれば、ユダヤ人が国家を造ろうとして勝手にシオニズムを始めたように思っているけど、端的に言えば、ヨーロッパがユダヤ人を追い出したんですよね?
ええ、19世紀末からのユダヤ人迫害って、嫌がらせの追い出しでしょう?
行くところのないないユダヤ人にすれば、旧約聖書の「約束の地」・パレスチナへ帰るしか方法がないんでしょうねぇ。
だから、イスラエル・パレスチナ問題は出口のない紛争らしい。
いやー、外国の紛争って、「ボクらは関係ない」って耳も目も塞いでいないと、毎朝のニュースで頭がおかしくなる。
それに、イラクでしょう?
あなた、どうしておられます? 
ボクと同じ? 何も考えないことにしてます?