イソップの宙返り・100
        
旅人とヘルメスの神
長旅で食べ物に困った旅人が、食べ物欲しさに、見つけた食べ物の半分をヘルメスの神に捧げると誓いました。
それから暫くすると、アーモンドとナツメヤシの入った袋をひろいました。
そして全部を食べてしまうと、ゴミになったアーモンドの果肉とナツメヤシの種を祭壇に供えました。
「ヘルメスの神よ。これが約束した食べ物の半分です」
寓意・神々をも、ごまかそうとする貪欲な奴がいる。
☆     ☆
そう言えば、ボクらが食べるアーモンドは種ですねぇ。
ナツメヤシは食べたことはないのですが、食べるのは果肉の部分だそうで、そうなるとタネはゴミですねぇ。
ヘルメスはイタリア語読みをするとエルメス。
ええ、フィレンツェのエルメス。
元は馬具屋さんだそうで、乗馬の鞍が有名。
だから、今ではスカーフまで商っていても、鞍とか鞭とかの馬具の模様が売り物。
             
ヘルメスは、元々はギリシャの神だそうで、商業の神だったそうですが、イタリアではドロボウの神さんでもあるとか。ドロボウに守護神があるところが、イタリア的ですねぇ。
              
話の主題をはずれますが、知らないとアーモンドの果肉を食べて肝心の種を捨てたり、ナツメヤシのタネを食べて肝心の果肉を捨ててしまうなんて間違いをしてしまうような気がする。
ええ、カラスミ(ボラの卵の干物)を唐墨の文字を見て、硯でする人はいないと思うけど、煮てたべたなんて笑い話がありますねぇ。
ええ、座薬を「座って飲んだ」なんてのもありますか。
            
何なに! こんなのを嗤えないですよ。
神戸の近くに日本一のゴルフ場と言うことになっいている広野ゴルフ倶楽部ってのがありましてね。
こんな一流社交倶楽部で、昭和40年代になっても、こんな珍事件が散発していたそうです。
何しろ、一流ですから戦前から洋式便所しかなかった。
で、便座、ボードって言うんですか、が木製。
この木製のボードが、すぐにゴルフ・シューズのスパイクで、ささくれだってしまったそうですよ。
エヘッ! そうそうゴルフ・シューズを履いたまま便座の上に乗って使う人がいたらしい。支配人の話だと、ボードを取り替えても、すぐにガタガタになったそう。
よう落ちなかったと思うけど、ヤッパリ落ちてケガをする人が続出したとか。
              
だったら、使い方を掲示すればいいと思うんだけど、何しろ由緒ある倶楽部ですから、そんな無様なことは理事会では通らなかったらしい。
でも、昭和60年頃には使い方の掲示が、中に張ってあったような気がしますがね。
           
ところで、紳士諸兄よ、洋式トイレでショウベンをするときどうしています?
立ったまま、あの流しの穴を狙って射出しています?
小便器のない喫茶店とかのトイレに入ると、よくこぼれて周りが汚くなっていますよね?
ええ、男女共通トイレだと女性も不潔なのに弱られると思いますが。
              
あれ、男も座ってやればいいんですよね。女性のようにね。
ヨーロッパのホテルでも、小便器ないでしょう? お宅のマンションでも同じではないかなぁ。
立ったままやるのが、何も男のコケンでもないように思うけどねぇ。
            
ところで、ヨーロッバのホテルの便所には、ビデが並んでいるでしょう?
日本では大便をした後,紙でふくでしょう?
紙でふくと便がお尻に広がるだけで、不潔なので、水で洗うんですよね。
この設備がビデ。
         
ええ、手で洗う。左手でね。
だから、素手で食べ物を掴んで食べるインド人は、食事に左手はつかわないですねぇ。
でも、日本人のなかには、あのビデを女性がセックスしたあとだけ使う物と勘違いしている人って多いみたい。
             
「勘違いしている人が多い」って言う根拠は、「ヨーロッパのトイレットベーパーは粗末で、小さくて堅く粗悪だ」って知ったかぶりを言っている識者がいるもんねぇ。
ヨーロッパのトイレットベーパーはビデを使ったあとの水気を吸い取るのに使うのであって、お尻をぬぐう紙ではないのを知らない人がいるらしい。
             
こんな識者は、きっと靴をはいたまま便座の上に乗って悪戦苦闘しているんだろうなぁ。
ああオカシイ ひとの不幸は想像するだにオカシイ。