イソップの宙返り・91
          
幸せなハエ
ハエが肉汁の鍋にはまり、溺れそうになりました。
そこで、ハエは「たらふく食ったし飲んだんだから、もう死んでも幸せだ」って言いましたとサ。
寓意・死にも幸せな死がある。
             ☆     ☆
辻静夫さんって美食家がありまして、最後は肝硬変で亡くなりました。
まあ、主義に殉じた壮烈な死に方って褒めた人が、ほとんどでしたねぇ。
ウーン、美食で死ぬのを幸せな死に方って、考える人、考えない人はさまざまでしょうねぇ。
             
テレビを見ていると、一食1万円、一泊3万円なんて美食番組が盛んですねぇ。
あの番組を組むと、プロデューサーは数年で家が建つって聞きますが、テレビの影響はスゴイから、特集してもらう方は大金の袖の下を出しても、ひきあうんでしょうねぇ。
             
ところで、美食、飲酒と肝硬変って関係があるのかなぁ。
近年、日本では肝硬変で死亡する人の率が増加してきたらしいけど、女性が肝硬変で死ぬのは、それほど増えていないそうですよ。
増えたのは40歳代から60歳代の男らしい。
でも、女は美食や、飲酒をしていないかというと、そうでもないようでしょうに・・・。
           
食べ物とか、飲酒の習慣って地域で大きな差があるように思えるんですが、肝硬変の地域分布では、西高東低の傾向があるそう。
九州、四国、中国地方では肝硬変が目立って高いらしい。
肝硬変はHBs抗原とかウイルス肝炎で起こる率も高いのでしょうが、この病気は西高東低ではないらしい。
各都道府県で人口1人当りの純アルコール消費量は、戦後の頃より5倍以上に増えているらしいけど、これも西高東低の消費量ではないとか。
そうすると、飲酒量と肝硬変って逆の傾向まであると言えなくもない。
           
それに、西高東低って言っても、九州、四国、中国地方が特別大酒のみで、健康にわるい食習慣があるようにも思えない。
まあ、真の理由は今後の研究にまたねばならないのでしょうねぇ。
        
エヘッ、こうなると「今後の研究」がでるまでは、気楽に大酒、美食をたのしんでもいいのかなぁ。
               
それにしても、テレビで大食い競争とか、美食見せびらかしを、やるのはどうかなぁ。
大食い競争で死ぬのを「ソバほとけ」って言う呼び方が江戸時代になったらしいけど、「ラーメンの食い過ぎで「ラーメンほとけ」になるのは、あんまり名誉でもないよね。
         
ところで、テレビで放映されると、スゴイ人気になるようですね。
行きつけの食べ物屋を訪ねると、表に行列ができていて、入れなくてガックリすることがある。
それに、店の態度が、わるくなっていたりしてね。
           
食べ物のテレビ放映って言うと、読売系でみのもんたが司会している「思いっきりテレビ」ってのがありますね。
あれでとりあげられると、その日その食品がバカ売れするらしい。
食品屋は、明日は何がとりあげられるかの情報を集めて、仕入れに狂奔するとか。
         
家族の健康を考えると主婦たる者は、みのもんたの大道ヤシ的な口上を聞くと走りますよね。
でも、食品って、みんなそれなりに身体にいいのであって、「1里四方の食べ物を」って昔から言いますから、いろいろ取り混ぜて多品目を食べるのが理想らしいですね。
毎日30品目ですか?
        
「思いっきりテレビ」で一年間に、いう食品を集めると30品目はクリアーしているそうだから、何もその日に取り上げられた食品だけを、一日偏食しないでいいとおもうけどなぁ。