イソップの宙返り・80
        
オオカミと馬
オオカミが畠で大麦を見つけたが、自分は食べられないので立ち去りました。
ところが、馬に出会ったので、畠へ連れて行って、こう言いました。
「こうするのは、馬が大麦を食べる歯音を聞くのが楽しみなんだ」と。
馬は、「ふん、もしオオカミが大麦を食べられたら、胃袋より耳を選ぶなんてことをしないだろうよ」と答えましたとサ。
寓意・性悪辣なヤツは、たとえ役に立つことを言っても信用されない。
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極東の凡俗といたしましては・・・
寓意が「性悪辣なヤツ」と言っている項目に、こんなことを言い出すのは穏当ではないのかも知れませんが・・・
         
最近気になるのはWHO。
あの組織は大変に資金不足なんだそうですねぇ。
そのセイか、極端な健康基準を言い出すような気がしているんですがね。
旧聞に属しますが、血圧。
血圧の上限値に140なんて言い出したでしょう?
それまでの160でも、どうかと思っていたら、140以上に血圧降下剤の服用を勧めました。
あれで、不況に泣いていた製薬業界が、とたんに潤ったっていいますね。
         
血圧のやや高い目の人って、原因があるんでしょうに、その原因を放っておいて、血圧だけを下げるのは問題なように、素人には思えません?
てっきり、むやみに血圧を下げると、心筋梗塞とか脳梗塞がでるのではないか?とか、梗塞症状が増えてきたのは、無理な血圧降下剤の投与が原因ではないか?なんて話が、ボソボソ言われだしましたね。
  
WHOについてのもう一つの疑問は、高脂血症。
コレステロール値を問題にする、あれ。
まあ、中には病的にコレステロール値が高い人がありましょうから、こんな重篤な高脂血症には緊急療法として、コレステロール降下剤を投与するのはわかるけど、50才以上の60パーセントが該当する値のコレステロール値なのに、服用をすすめるのはどうかなぁ。
血流の遅い静脈にコレステロールが沈着しないで、沈着しにくいはずの動脈の、それも心臓から出た大動脈分岐点に沈着するのは、素人が考えると、何か生理的な必要があっての現象のように思えるんですがね。
     
例えは、治水に土嚢を積むのは良くないなんてことを連想してしまう。
治水には、上流の山林に保水力の高いブナ林を養うのが王道だと思うけど、治水ではなく、洪水の緊急時に、土嚢を積むのは良くない撤去しろなんて、のはどうかと思ってしまう。
そうよ、コレステロールが動脈に沈着するのは、血管が薄くなっていて、動脈瘤なんかを防ぐ土嚢の役割を果たしているようにも思えるんですがね。
だからって、「土嚢はやめろ。コレステロールは有害」なんて理屈で、コレステロール降下剤を投与するのは、いかがなものでしょうかねぇ。
          
「性悪辣なヤツは、たとえ役に立つことを言っても信用されない」なんて寓意にWHOを持ち出したのも、穏当ではないのかも知れないけど、ボクが信用する良心的な医師は「WHOはねぇ」なんて言っているもんねぇ。
まあ、性悪辣なヤツなんて言わないで、ボクも「WHOはねぇ」なんて言うべきかも知れない。
              
WHOと並ぶ、もう一つの良心的な権威は全国生協連。
生協の食品は割高だけど、「チャンと検査してくれているから安心だ」と皆思ってきましたよね。
ところが、先日来の問題食品はみんなコープで売っていたもんなんでしょう?
          
輸入肉についての全国生協連のHPには、「なぜ生協は輸入肉を置かないのか?」って組合員の抗議に答えているのに「国内の酪農保護育成のため」だと伊藤専務理事が言っていますね。
むかし、食品の自由化にも生協連は反対しましたね。
生協連は、消費者の立場にだけ固執しないことも良いだろうけど、消費者の立場を無視するのは、どうかなぁ。
食品の自由化反対の時には週刊誌に、統一購買機構が農水省の天下りに占領されているなんてスッパ抜かれていたけど、今でもそうなのかなぁ。