イソップの宙返り・46
      
蟻とセンチコガネ
夏の盛り、蟻がせっせと食料をため込んでいました。
これを見たセンチコガネは、みんなが遊んでいるときに汗水たらしているのを嗤いました。冬になって、餌がなくなったセンチコガネが蟻のところへ餌を分けてもらいに来ました。蟻が言いました。
「センチコガネ君 ボクが汗水流していたときに、嗤って遊んでいたから、こんなことになったのだよ」
寓意・ふんだんにある時に将来に備えない者は、時勢が変われば不幸になる。
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極東の凡俗といたしましては・・・
この話は日本では「蟻とキリギリス」って題で有名ですね。
ここでは主人公の一方はセンチコガネですから、砂漠地帯で出来た寓話なんでしょうか。
         
突然下世話に落ちますが、でも、貯えってなかなかできませんねぇ。
ですが、借金をはじめると貯えをする習慣は出来なくなりますよね。
サラ金にはまると、借金が癖になって、もう絶対に抜け出せないですからね。
         
今の日本の政府を見ていると、この格言はあてはまる。
借金もあるが、社会投資もあるから子孫に借金を残してもいいんだ、なんて考えになると、もう借金地獄も極まれり、ですね。
        
貯えのこつは、先ず100万円を貯めること、って言いますね。
今から思いかえしてみると、何とか100万円を貯めると、後は習慣になって貯まってきたようにおもえますが、さあ、どうだったのかなぁ。
だいたい、年寄りの思出で話って、8割方ウソの作り話だといいますね。
これが、ボケの始まりらしいから、こんな格言的な話はしないように気をつけているんですが、つい格言的な話をしてしまう。
           
ボクのやったことは、まず、無理して小さい家を買いました。
無理したローンを無理して一括返済をしまして、次の少し大きい家の頭金にして、またローン。
これを4回繰り返したら何とか、住むに値する今の家に辿りつきました。
先日後輩が、無理してローンで買った家が安くなってしまった、って嘆いていたけど、「今の家が安くなったと言うことは、次に買う少し大きい家との差額が少なくなったんだから、喜ぶべきだ」と言ったんだけど、自分の家がやすくなると、理屈は別にして、やっぱり悲しいだろうなぁ。
          
若いときには、お金って無理してローンで家を買い、またしても次を買い続けないとなかなか貯まらないものですよね。
それにしても、今から思い返すと、こんな講釈を言えるけど、何かズーッとローンを支払ってきた人生だったようにも思えますね。
      
それに、子育ての時代には、少し広い家が欲しいのに、なかなか広い家は買えないし、やっとやや広い家にすめるようになると、今度は子供達が独立して、ガランドウの家になってしまう。
ボクの場合は震災で立て直しましたから、老夫婦2人用の家に、心ならずも、なっていますが。
まあ、こんなに考えると、震災も悪くはなかった。
人生、何が幸運か不運かわからない物ですねぇ。
「じんかん(人間=人生)万事 塞翁が馬」ですね。