イソップの宙返り・29
          
水辺の鹿
水辺で水を飲んでいた鹿が水に映る我が姿を見て、角が立派なので得意になったが、足が弱々しく細いのが悲しかった。
そこにライオンが現れました。
俊足を生かして平原を逃げました。ところが、樹木の生い茂るところに来てから、角が枝に絡まってしまい、ライオンに捕まってしまいました。
寓意・欠点と卑下していたことが我が身を救い、自慢の才能と思ったものが命を奪うことがある。
       
極東の凡俗が考えまするに・・・
才能なんて裏腹ですね。
思春期には、今から思うと,つまらない事に劣等感をもつものですよね。
社交性のあるヤツって、どうしても思索性に欠けますし、美人ってちやほやされ過ぎて身を誤ることって多いでしょう。
美人にちやほやするヤツって、だいたいが自尊心のないロクでもない男ですよね。
         
こんな分かり切ったことを書くのは、ボクの趣味ではないので、「思春期」で思いついたことを・・・
       
文法理解が出来ないウイリアムズ症候群で、小児には童話を読んで聴かせる事が重要だと書いたけど、思春期に読ませる本が乏しいですね。
思いつくのは、夏目漱石の「猫」と「坊ちゃん」ぐらいですか。
なぜ、この二つしか思いつかないか、って云うと、漱石の他の本でも、鴎外、藤村にしてもユーモアがないでしょう。
なんとも、深刻ぶった笑いのない小説。
         
思春期の少年少女に、笑いのない深刻な小説を読ませるのは、どうかなあ。
それでなくても深刻になって、落ちこむ年齢なのにねぇ。
でも、書き手の方も少年少女むけの小説を書いても売れないですからね。
          
最近の、少年少女には勉強、勉強でしょう。
小説なんて読まさない。
親が読まさないから売れない、売れないから誰も書かない、って事になったように思える。
   
青春小説には、昔は石坂洋次郎とかのユーモア小説があったけど、これも笑いは時代々々で変わるもんね。
気になるから本屋で、それとなく見るけど、真っ当な新しい青春小説って少ないみたい。
青春小説でもないから、少年少女向けの名作なんて、とんとお目にかからない。
        
それにしても、日本の純文学って、どうしてあんなに笑いがないのかなぁ。
深刻、難解でないと深みがない、ってのは、いつ頃から始まったのかなぁ。
        
それと気になるのは、最近の若者には理系って人気ないみたいですねぇ。
あれ、科学への興味をそそられる本が少ないのも原因になっているんではないかなぁ。
自然に触れる機会が少ないから、自然科学には本で触れるしかないもんねぇ。
それと、親に科学オンチが少なくなったのも原因のようにも、思える。
となると、ボク達にも責任があるようですね。