いろはガルタ・十一
       
京ガルタの「て」は「寺から、里へ」
これは関西では日常的に遣いますねぇ。
こっちからお礼なりをしなければ、ならない相手から物をもらうと「畏れ入ります。これでは寺から、里へですがな」なんてね。
徒然草に「良き友 薬師(くすし)、ものくるる友」ってのがあるけど、僕の友人の医者で、物を「くるる」のが好きなのがいるんよ。
こんな時には「寺から、里へでんがな」なんていってるけど、陰では「リャンハン(2翻)良き友」とも呼んでいる。ええ友達。
          
大阪ガルタの「て」は「天道人を殺さず」
天は人を見捨てることはない。
さすが、商業都市だけあって、話が明るいなぁ。
地道に努力していれば、「天道人を殺さず」って、いい言葉だなぁ。
諺は、こうこなくっちゃあ。
       
江戸ガルタは「亭主の好きな赤烏帽子」
夫婦円満の秘訣ですねぇ。
烏帽子は黒に決まっているものを、亭主が「赤い烏帽子がええ」って言うと「それは結構ですなぁ」なんて、涙ぐましい同調。
甲子園球場へ行くと、タイガース衣装のバカ亭主に調子を合わせての「亭主の好きな赤烏帽子」組の奥さんがおられますね。
「ご苦労さん」とも思うけどあれは、ええ女房。
ええなア。縁があって結ばれたんやから、夫婦はあれでなくっちゃあ。
              
京ガルタの「あ」は「足の下から鳥が立つ」
慌ただしい出立の様。
一説には、よそのことに気をとられていたら、身内から裏切りとかが出て、驚くこととする説もあります。
いとこの夫婦喧嘩の仲裁をしていたら、嫁はんに駆け落ちされた話を聞いたことがあるけど、こんなのは「足もとから鳥が立つ」ほど驚いただろうなぁ。
          
大阪ガルタの「あ」は「阿呆につける薬はない」
大阪では今はアホの方が軽い意味で遣われます。
「アホやなぁ」は相手への親密感情が入っています。
バカって言うと重い意味。
バカって言うと相手は怒り出す。
東京では反対のようですね。
アホ・バカ考現学って労作(?)があるけど、真ん中の名古屋では、「タワケ」っていうんですか?
名古屋で言う、タワケは重い意味?
          
江戸ガルタは「頭隠して、尻隠さず」
本人は隠したつもりなのに、バレバレ状態のこと。
えらく強気で、みんなが「(外務省官僚を)もっと、やったれ!」って声援しているのに、北京が何か言ったら、途端にペコペコしてきたマキ子さん。
あんた、親父さんから引き継いだ利権守りの「尻隠さず」がバレバレ。
        
次は「さ」
京ガルタの「さ」は「竿の先に鈴」
巧いことをいうなぁ。悪口は京名物だけあるぅ。
そりゃあ、口数が多くてウルサイわなぁ。
よく似た言葉に「金棒引き」って言葉もあるけど、ちょっとしたことを大げさに触れ回る人のこと。
今は放送局って言い方がポヒュラーですね。
      
落ちつきのない人のことを「キツネを馬に乗せた」って言い方があるけど、あれも真に迫った表現ですねぇ。
         
大阪ガルタは「触らぬ神に祟りなし」
かって、神は祟るものだったんですね。
祟るほど強い神は、祀ると恩恵も大きいことになっています。
天神さんがそうですね。
大阪人は「触らぬ神に祟りなし」なんて冴えているようだけど、大坂の天満宮なんすごいよぅ。初詣の人出を見ると、御利益があれば、触らぬどころか、賽銭もって出かけることになっているらしい。
     
江戸ガルタは「三遍まわって、タバコにしょ」
何か意味があるんかなぁ。別にそれだけのことのような気がする。