会議の進め方
      
日本人がディスカッション(議論とはちょっと違う)を進められるのは8人までだと言いますね。
で、
有効な議論が進むと困る審議会とかの会議では委員を20人を越えるようにしています。
これで、まだ有効な議論が始まりますと「委員会を強化」するって名目で40名にする。
こうなると日本人には有効な審議も議論もできなくなりますね。
これは狡猾な議事運営のマキャァベリー的なノウハウですよ。
会社の会議を連日のようにコナした経験のある方なら判ると思いますが、この議事参加者に上下の関係があると「お説拝聴」会で終始しますよね。
      
地方自治体の審議会とかの議事参加者に上下の関係がないときは、こんな工夫をしています。
まず、時間割を朝10時から2時間、12時から弁当を用意して昼食ってことにする。
そして事務局が原案説明を11時45分までギッチリ詰め込みます。
勿論、この原案説明とか事案の背後事情の説明でも、判ったような、判らないような抽象的な説明にして、疑問の起こらないようにするのが官僚的な才能ですよね? 
いえいえ、これは官庁だけでの話ではなく、今や日本の全ての組織が「官僚的」になっていますから、全ての組織にあてはまる話。
文書で原案を配るときは統計を多用するのがコツですよね。
統計が掲げられている説明書は予め配布しないで、「事務局説明を聞きながらご覧下さい」ってことにしますね。
どんな風に統計が取られたかは判りませんし、数字を並べられると、これに幻惑されないのは、余程の「意地悪」。
こんな意地悪は初めから委員には選ばない。
で、
事務局の説明の終わった11時45分には豪華弁当をぼつぼつ運び込む、ってことにシナリオをつくっておきます。
冷たくなりかけている弁当を前に置いて、質問とか議論を始める無粋で「非常識」なのは日本人にはまれだし、「うるさい人や」ってことになります。
予め用意されたサクラが、これも予め用意された質問をして目出度く12時。お弁当。
       
ところが、物事は何時もシナリオどおりに行くとはかぎらない。
「この議題は重要な問題点がある」って鋭い指摘がなされることがあります。突然資料を配られた委員からでも、こんな鋭い指摘があるのは主催者は重々予測しています。
こんな時は「ご指摘のように思いますので、分科会を設けては?」って提案するサクラの用意をしておきます。
分科会委員は「議長一任」ってことに決まっています。
後日、議長は事務局意見とおりの人選をすることになります。
何しろ、議長も委員個人のことを詳しく知らないですもんね。
委員の専門も識見も知っている事務局の言いなりになるのが、「妥当」な人選でしょうね。
    
民主主義の基本は討論です。
ところが、有効な討論が成り立つためには、参加者全員の持っている情報が平等でないといけませんでしょう?
日本の会議では情報は主催者がわに偏っていますよね。
国会審議を見ていると痛切に感じますね。
官僚だけが情報を持っています。
この情報を議員に与えてしまうと、「平等」になってしまいますから、官僚の「有能」さは、相手に情報を与えないことです。
模範的な答弁は「ソツのない」、わけの分からない曖昧語。
「前向きに検討」が「何もしない」ってことになるなんて、ド素人には判らない。
あれ、外交官の使う外交表現っていうのが出処らしいけど、しっぽを掴ませない、うまいいいかたをしますね。
       
まあ、僕らみたいな素人が会議を引っ張るのはサクラを使いますよね。
あらかじめ、賛成演説してくれる人だけでなく、反対発言にはヤジをとばしてくれるサクラを。
だから、全国的な会議で議論輻輳して、モメる会議は根回しもサクラ作りも有利な東京勢が絶対有利。
           
なんて、キタナイのは東京の連中とか、他人事みたいに言ってきたけど、ホントは僕はサクラに雇われることが多かった。
何しろ、声が大きくて、大勢順応派でしたからね。
          
だから、こんな裏話って、くわしかったでしょう?
途中で判っていました?
失礼しました。