男らしさ、女さしさ
    
まず、言葉からはじめます。
          
女々しいって言葉がありますね。
あれ、失敗した時に弁解するのを非難する言葉でしょうか?
男がしてはならないって意味で、今でも生きていますね。
        
でも、失敗の理由を説明しなければならない時ってありますよね。
それに弁解と説明って聞いてみないと判らないし、それを弁解ととるか、経緯説明ととるか、は評価するほうの主観的な判断ですわな。
でも、弁解するのは、ハナからメメシイって思われるし、日本人って弁解とか説明とかをしないですね。
         
これは外交上の問題についても、他の国に反論して説明をしないですね。
道上尚史って人が「日本外交官、韓国奮闘記」にも書いてるけど、外交のレベルでも説明しないそうですね。
特に日本のマスコミって、理を諄々と説く発言なんて無視して外国の側についていますね。
     
弁解すると相手の感情を損ねる、って思ってしまうらしい。
事実、日本では弁解がましいことを言うと、それ自体が女々しいってことになりますね。
失敗した事情なんて、以心伝心で判っているのに説明すると、ただの説明ではなく、弁解になりますね。
でも、文化を同じくしない外国に対してまで、説明もしないで「歯を食いしばって」沈黙するって、どんなもんでしょう?
      
従軍慰安婦の問題でも、1940年代に朝鮮に売春奴隷が何万人いたかとか、日本人の売春奴隷が何万人いたかとかの説明すらも聞いたことがありませんね。
だからと言って、ここで売春奴隷制度を弁護するつもりもありませんし、現在世界中に存在する売春奴隷制度を肯定するものでもありませんが。
ああっ、これ弁解ですか?
聞きづらいですね。
        
アメリカでは、相手の発言に反論することをコンフランティション(confrontation)って言うけど、ちゃんと反論しないと、認めたことになるって言いますね。
後で、実は不賛成だったって判ると、陰険だとか、何を考えているのか判らない、って信頼を失うことになると言います。
         
日本人は説明と弁解の区別の習慣がないせいか、エクスプラネイション(explanation)をしないことから誤解が生じることが多いっていいます。
アメリカなんて色んな民族の集まりですから文化も色々。
だのに、文化の違いだとおもんぱかる習慣は全くないそうですね。
           
例えば、年下の初対面の相手が「フアースト・ネームで呼んでいいか?」って言うと、これをちゃーんと断われる国際人って日本人には少ないそうですね。
でも、断るだけでは相手はわかりませんから、「日本では、フアースト・ネームで呼ぶのは親が子供に対してだけだ」っていう説明がいるそうですがね。
         
アメリカでも子供が親に向かって、名前を呼び捨てる家庭って少ないそうですから。
何にしても、年下に呼び捨てにされるって不愉快ですよ。
断るべき時には、ことわらなくっちゃあ。
       
女々しい話から文化論に広がってしまいました。
         
閑話休題
男らしさ、女らしさの言葉の次は、姦しいを取りあげます。
女が3人寄ればカシマシイですか。
      
でもね、男だって喧しいですよ。
新幹線で時折出会うけど、ゴルフ帰りの4人連れがビールでも飲むとうるさい。
昔は男の喋りは軽蔑さたけど、高中年の男ほど大声で喋ってますね。
でも、家に帰ると、昔の教え通り「メシ」、「フロ」だけになるのかな。
          
男女に限らず、べらべら喋りまくる人って最近は増えてきましたね。あれは沈黙恐怖症って言うらしい。
アメリカ人は人が集まった時には喋りまくって「盛り上がる」とパーテイは成功って考えるらしいけど。
最近、日本でも若い人のパーテイでは、みんなよく喋りますね。かく言う私も、よく喋る方。
聞き役に廻された方は疲れるだろうな。ハンセイ。
         
男らしさって、煙草のマルボロの広告ですか?
荒野を馬で駆けてきて、タバコを一服なんて、おいしそう。禁煙なんて忘れてしまう。
アメリカでは煙草は広告禁止らしいけど、あの広告はすてきですね。
     
でも、あれに出る俳優さんは美男ではありませんね。ブ男の方が男っぽいのかなぁ。
             
昔話になりますが、「男子厨房に入らず」って言葉がありましたね。
今でも、料理を趣味にしている男って、どうなんだろう?
実は、僕は食品買い出しも、料理するのも好きなんだけど、いくらかの後ろめたさを感じているし、人には言ったことはないですね。
           
それから「男子身辺を飾らず」なんてのもありますね。男でルイビトンのハンドバッグを持っているのを見ると、ドーかと思う。
でも、ブランド物の好きな女性って、可愛くってすてき。
だから、男にだけ、ブランド志向を好意的に見ないのは、いわれなき男女差別なんかなあ?
       
素敵な女って言うと、クレオパトラ。
彼女はアレクサンダーの将軍、プトレマイオスの子孫だからマケドニア人。ボクらの馴染みから言うと、当時のギリシャ人。
鼻の高い美人なんでしょうけど、彼女が魅力的だったのは、その教養の高さだと云いますね。
当時のローマは穴居が普通の野蛮国だから、シーザーもアントニウスも惚れたんでしょうが、今でも教養の高い女性って、美人よりも魅力的ですよね。
     
何しろ、この国では平安朝の昔から、文化と教養は女性によって支えられてきた。
音楽会とかの文化的行事に行くと、ほとんどが女性。
その教養志向の高さに圧倒されるもんね。
               
時事コメント(2001年)
沖縄での米兵の犯罪で、犯人(被疑者?)引き渡しをアメリカ軍は同意したようですね。
アメリカが引き渡しに逡巡した理由をコメントします。
この引き渡しをアメリカ国内の人権派は問題にするのです。
それは、まず日本の弁護士に「捜査立ち会い権」がないこと。
        
「捜査立ち会い権」っていうのは、アメリカの刑事物で、逮捕した犯人に「弁護士を呼ぶ権利がある」って、一々告げるでしょう?
刑事が尋問している隣りに弁護士が座っていて、「それは答える必要がない」なんて言っていますね。
あれが捜査立ち会い権。
          
アメリカでは弁護士の立ち会いを認めず尋問をすると、これだけで違法捜査になり、無罪になります。
この制度は日本以外での民主主義国家では共通の人権擁護の制度です。
日本の密室尋問は、異常な制度なんですよ。
ですから、こんな野蛮国に自国の兵士を引き渡すのは人権蹂躙になります。
それに日本では陪審裁判を選択する人権もありませんしね。
            
例によって、日本のマスコミが自国の人権制度の不備をコメントしないで、国粋アジテーションを飛ばしているので、気になりましたので、一言。