古代日本語って?
    
古事記、万葉集を韓国語で読む、って本が本屋の平場に山積みされていましたね。最近は少なくなりました?
あれ、面白いですね。特に万葉の暗号なんて、読むうちにゾクゾクしてきます。下手な推理小説より面白い。
          
サスペンスの中には、始めに犯人が判っていて、それでワクワクさせる探偵ものがありますが、あれに似た面白さですね。
でも、推理小説の中には、時間を損したような空しい後味のものがありますよね。
特に、真犯人に無理がある、結末のやつ。
          
万葉集は韓国語の暗号で書かれている、ってのは無理に作った真犯人に気分が似ている。
ちょっと考えてみると、韓国語って13世紀ごろの歌謡が残っているだけで、とても古代の文献があるわけじゃぁなし、現代韓国語で古代の暗号、って言われても、万葉の時代に現代韓国語を書けた人があったとは思えない。
       
それに、万葉集が編纂された8世紀のころには、百済新羅語の判る人達がごろごろいたから、とても暗号にはならなかったように思えるんです。暗号と言う限り普通の人達には判らない言葉でないと意味ないでしょう?
         
朝鮮半島には10世紀以前の旧い文献が皆無なんですってね。
中世日本語には外来語として百済から伝わった政治科学とかに関する言葉が入っていることも、納得できるし、日本書紀の1から13巻は新羅留学の僧侶山田史御方が書いたことも確かでしょうが、古事記に当時の新羅語の暗号が隠されていたとは到底考えられない。
     
で、これとよく似た話に、最近、古代日本語はアイヌ語とよく似た言葉ではなかったか?って説がでていますね。
アイヌ語って云えば金田一京助さんですよね。
もっと沢山の学者が研究もされてきたんでしょうが、よくは知らない。
ボクが無学だから、よく知らないのかと思っていたら、そうでもないらしい。
言語の研究って云えば、凡人が考えるのは、先ず辞書。ところで、アイヌ語の辞書って、何とイギリス人のバチュラー氏が中世に作ったもの一つしか、いまだにないらしい。
         
言葉の話から横道に逸れるようですが、これと密接な事に、ボクたちの先祖が縄文人か、弥生人か、って話題がありますので、先祖話を話柄にします。
ボクたちの血に入っている弥生人の血の割合は圧倒的に多くはないみたい。
縄文中期では村落遺跡からの推定では20万人。後期では7,8万人に減少していたと言われています。
この急激な減少は、弥生人が持ってきた伝染病のせいだとボクは思う。だから、やって来た弥生人は縄文人を圧倒するほど多くはないと考えられる。
      
最近の人類学では遺伝子とか血液酵素学からの分析をやるから、研究は精緻になっているけど、入ってきた血の割合についてまでは、研究はおよんでいないらしい。
何しろ、縄文人と弥生人は4,5万年前では同じ人種だったし、同じモンゴロイドですからね。
弥生人はシベリアで苦労して寒冷地適応した新モンゴロイドって呼ぶけど、日本列島にやって来たのが、「新」であって、人種としての進化が新ではないですよ。
            
金田一京助さんの話を始めておきながら、横道にそれて、忘れていたけど、金田一さんの時代は、何しろ差別が大好きな戦前の時代でした。だから、アイヌの人達が本州に住んでいる「和人」と同じ人種だとは言えない雰囲気だったらしい。だから、アイヌはコーカソイド(白人)の系統の人種だってことにしていた。だけど、アイヌの人達は、白人の特徴を外見上も持っていないから、「コーカソイドが白人の特徴を獲得する以前に分化進化した白人」だなんて、訳のわからん但し書きを付けていました。
遺伝子の科学的分析が始まると、みんな同じモンゴロイドだってことがばれてしまった。
            
またまた、金田一さんに戻ると、金田一さんの採録さたユーカラでも、アイヌ語は古代日本語からきたものだ、って事になっている。でも、これは逆で古代日本語の兄弟語がアイヌ語で、アイヌ語に色濃く古代日本語が残っているらしい。
これからすると現代日本語の根幹は弥生人が持ってきた言葉ではないらしい。
征服者であるはずの弥生人は、いろいろのところで影響の影は留めているけど、言語の柱は古代日本語らしい。
えらく、横道にそれてしまったけど、渡来した弥生人の数が多くはなかった、と云う話にやっと、たどり着きました。
           
征服者が多数だと弥生言葉一色になったはずでしょう? 文化も言語も。
イギリスのケルト族の運命を見れば、そうでしょう?
これが征服されたはずの縄文人の言葉になったってことは、弥生人がちびちびとやってきたことと、その数も多くはなかったことになりません?
             
なんで、こんな辛気くさい話を始めたかと云うと、次からは日本人の性癖をあげつらう前座噺のつもりなんです。
鮨屋のねたケースみたいに、並べて見せただけの面白くもない話を読ませてゴメンなさい。
続きはメルマガで、ネタ・ケースから出してご馳走(?)を並べる予定。