奇妙な食い物
             
まぁ、ポピュラーなものから始めましょうか。
日本の珍味といえば、何と言っても新島のクサヤですか。
あれはムロアジで作りますが、内蔵を塩漬けした液の中につけるそうですね。何とも臭い。
ところが、あの臭さは、しばらく食べないと、むしょうに食べたくなる奇妙な味ですね。
            
クサヤをだせば、次は東北のホヤですね。
関西ではなかなか手に入りませんが、瓶詰めでは梅田の阪急百貨店には置いています。
ところが、悪食のわが家でもボクしか食べないので、口にする機会がすくない。
それに、夫婦喧嘩までして食べるほどのものでもありませんしね。
         
少し飛びますが、信州の蜂の子って、見慣れない者には、奇妙な食い物ですね。
食べると甘みがあって、それなりに風味のあるものですが。
       
そうそう、蜂の子で思い出したけど「鳥の子(紙)」って紙の色種がありますが、あれ、鳥の子ですから卵。
卵の殻の色からくる命名なんだそうですね。
卵の色にも色々あると思うけど、命名当時の江戸時代の卵ってあんな色をしていたのかなぁ。
           
蜂の子と似たような信州の食い物に、イナゴがありますね。
あれは、戦後食料に困った時代、母につれられて、稲田に取りに行って食べさせられた記憶が鮮明なんです。
信州の名物は上等のたまりで味付けしてありますから、別に不味い物でもありませんが、「戦後飢え世代」には先入観がありますねぇ。あれは苦手。
     
戦後飢え時代で思い出したけど、東南アジアでの食い物。
貴方、蛇たべたことある?
あれは、香港での広東料理には時々出てくるけど、美味しいものではありませんねぇ。
戦後、食糧難の時、タンパク質補充に2、3度食べたことがあるけど、美味いとは思わなかった。
一緒に捕って、焼いて食べたガキ仲間が家に帰って告げ口したらしく、伝え聞いた母親にえらく叱られたおぼえがあるけど、怒った母の気持も、今になったらわからないでもない。
息子が蛇にみえたんでしょうねぇ。
  
蛇といえば、ご親戚のワニの肉。
これは、昔パラオで食べたけど、これも美味くはなかった。よく言えば鳥のササミに似てないこともないけど、笹身のほうがはるかに美味い。
ワニの肉は中華料理のメニューにあるらしいので、華僑の知人に、「ワニの肉って、(中国人は)ハンドバッグの残りをたべるのか?」って揶揄したら、
すかさず、「あんたらかって、靴の残りを食べるやないか」って反論されたことがありましたっけ。
そう言えば、牛肉って靴の残りでもありますねぇ。
ところで、焼き豚に皮付きのがあります。神戸の南京町の益生号では時々作っているけど、見ようによっては、靴底みたいな感じがしないでもない。
    
それにしても、あんまり、ひとの食べるものをくさすのは、よいないことですねぇ。反省。