魂を貪るもの
其の十一 灯火が消える(とき)
3.力の源

 無秩序に繰り出される霧刃の拳の嵐のうちの一撃が、抉るような軌道で鈴音の胸を打った。
 チャイナドレスの胸元が破け、裂傷から溢れ出た血で濡れた黒い下着が露わになった。
 肌蹴たチャイナドレスから、銀色の光がこぼれ落ちる。
 乾いた音が鳴り響いた。
 霧刃の動きが止まる。
 サンドバックのように打たれていた鈴音が、彼女が倒れることを妨げていた拳の洗礼から開放され、床へ膝から崩れるように倒れた。
 霧刃の視線は、鈴音からはずれている。
 彼女の昏い瞳は、鈴音の懐から落ちた銀色──鈴音が肌身離さず身に付けていた家族の写真入りのロケットペンダント──に注がれていた。
 ロケットは床に落ちた衝撃で開いている。
 その中の写真の中央で、霧刃と彼女の恋人が恥ずかしそうに微笑んでいる。
 霧刃の隣には恋人たちを茶化すような表情の鈴音、そして、後ろには両親の姿が写されていた。
 その写真には、幸せがあった。
 ――白い。
 限りなく白い思い出が、暖かな光を湛えている。
 霧刃の目の前も白くなる。

 ――いつもと変わらない暖かな日差しの日だった。
 夕方まで、彼とデートした。
 その最後に立ち寄った高級ホテルの展望レストラン。
 彼と一緒にいるだけで、幸せになれる。
 彼は優しく微笑んでいた。
 彼の手には宝石箱が乗り、その中にダイヤモンドで装飾された銀色の指輪が美しく輝いていた。
「キミさえ良ければ、これを左の薬指に嵌めて欲しいんだ」
「それって……」
 彼の言葉に、頬が熱くなるのを感じた。
 彼の頬も微かに赤く染まっている。
「ダメ、だろうか?」
「そんな……そんなこと……ないわ!」
 思わず大きな声を上げてしまい、恥ずかしさのあまり、顔がさらに紅潮するのがわかった。
「ありがとう」
 嬉しかった。
 同時に、怖くもなった。
「でも、本当に私なんかと……」
 年上の彼――将来、医学界の希望となるだろう青年――を、病弱な自分に縛り付けてしまうことが、怖くなった。
 そして、自分がまだ十代の学生の身分だということが、堪らなく不安になった。
 彼の経歴に傷がつくのではないか。
 彼の重荷になるのではないか。
 その不安を払拭するように彼はやさしい微笑みを浮かべ、指輪を受け取った手を力強く握ってくれた。
 本当に、嬉しかった。

 その白いキャンバスに真紅が滴り落ちる。
 真っ赤な染みは無尽蔵に広がり、霧刃の脳裏の光景の白さを奪う。
 唐突に、微笑んでいた彼の唇から血が滴り落ちた。
 そして、首に赤い線が走り、そこを境に首が落ちた。
 首は転がり、霧刃の足に当たって止まった。
 霧刃の手の中で、もっとも硬いと言われる硬度を持つダイヤモンドが、容易く砕け散る。
 その破片は、霧刃の心をズタズタに切り裂いていた。
 真っ赤な背景に現れた巨大な口が牙を覗かせ、霧刃に哄笑を浴びせた。
 霧刃は手のひらで顔を覆った。
 世界は赤さを失い、元の色を取り戻した。
 鈴音が向こうで横たわっており、その近くに銀色のロケットペンダントが転がっている。
 ――現実世界だ。
「くっ、はぁ……、はぁ……」
 荒い息を吐き、霧刃は顔を覆っていた手を下げた。

 ――鈴音は沈んでいた。
 自分の中から流れ出した生暖かい赤い液体に沈んでいた。
 血だ。
 そう思った瞬間、鈴音は咳き込んだ。
 口から新たな紅が溢れる。
 虚ろな目で流れ出ていく血の眺めた。
 その先に、銀色のロケットペンダント。
 ああっ……。
 鈴音は写真を見た。
 あたし。
 親父。
 母さん。
 誰よりも優しかった姉。
 そして、姉の恋人。
 止まった時の中で、家族が微笑んでいる。
 鈴音は手を伸ばした。
 ロケットペンダントを掴む。
 力が湧き上がってきた。
 ロケットペンダントを握り締め、立ち上がろうともがく。
 だが、思い出を掴んだ鈴音の上から、冷たい声が降ってきた。
「未練がましい、な」
 瞬間、右手に激痛が走った。
 霧刃が鈴音の右手を踏みつけていた。
「ぐっ、あああああああっ!」
「いつまでも、そんな物を持ち歩いて……!」
「ぐああっ……!」
 霧刃は鈴音の右手を踏みにじっていた足を持ち上げ、鈴音に言った。
 鈴音の右手の甲は擦り剥け、血が滲み出ている。
「捨てろ」
「何……だと……?」
「それが目障りだ。捨てろ」
「嫌だ!」
「なら、……おまえの右手ごと潰すまで」
 メキメキと鈴音の右手の骨が嫌な音を立てて軋む。
「ぐああっ、き、霧刃ぁ!」
 利き腕である右手を潰されれば、鈴音の勝機は万に一つもなくなる。
 それでも鈴音は決してロケットを手離さないつもりだった。
「思い出などに、いつまでも縋り付いた結果が、その無様に床に転がっているおまえの姿だ!」
「うぐぅぁぁっ!」
「はぁ……、はぁ……、ぜぇーっ、ぜぇーっ、……無力さを思い知れ」
 這いつくばりながらも、鈴音はまったく衰えない強い意志を宿した瞳で霧刃を見上げた。
「思い出は、……無力なんかじゃない!」
 鈴音は右手を踏み躙られながらも、必死の形相で左腕で霧刃の脚にしがみつく。
「往生際が悪い」
 霧刃は鈴音の右手を踏みつけていた足を振り上げ、まとわりつく実の妹を無慈悲に蹴り飛ばした。
 小さな呻き声を漏らして、血の帯を引きながら鈴音が地面を転がる。
 さらに霧刃は苛立った様子で鈴音を蹴りつける。
「がっ、がはあっ、あぐぅっ!」
 激しく蹴りつけるつま先が、鈴音の頭に、腹に、背中に、食い込む。
 そして、チャイナドレスの裂け目から覗く黒い下着に包まれた乳房をひしゃげるほどに強く踏み躙った。
 胸の裂傷から、血が飛び散る。
「あああああっ!」
「捨てろ」
「嫌だ!」
「この……!」
 不快感に極まった形相で、霧刃が鈴音を思い切り蹴り飛ばす。
「あ、くあっ!」
 ごろごろと地面を転がる鈴音。
 やがて、蹴られた勢いが失われ、うつ伏せになって止まった。
 右手には未だにロケットが、しっかりと握り締められているのを見て、霧刃が不快そうに眉を吊り上げた。
 だが、すぐに霧刃の表情が不快から驚愕へと変わった。
「何……!?」
 もう動く力も残っていないと思っていた鈴音が、地面に両腕をつき、膝を立てた。
 何度も崩れそうになりながらも、その度に歯を食いしばって、ゆっくりと立ち上がる。
 霧刃は殺気を強め、鈴音の腹に膝蹴りを埋めた。
「ぐふっ……!」
 反動で前のめりになった鈴音の後頭部に肘を落とした。
 さらに、這いつくばった鈴音の背中に、拳を落とす。
 頸椎と脊髄を狙った容赦のない打撃。
「がはあっ……!」
 鈴音の背が逆反りに折れるほどの衝撃に、地面が砕けた。
 霧刃は呼吸を整えるために、大きく息を吐く。
 そして、その動きが止まった。
「なっ……」
 驚愕。
 目の前に、鈴音が立っていた。
 がくがくと膝を震わせながらも、鈴音はロケットを握り締めた右手の甲から血を滴らせ、鋭い眼光を霧刃に向けている。
「……なぜ、立てる?」
「霧刃、おまえが否定しようとするこの写真は、あたしに力をくれる」
 鈴音は激痛の走る右手でロケットを握る手に力を込めた。
「過去を思い出にしてこそ、人は未来に進むことができる!」
 鈴音が動いた。
 立っているのが不思議なほどにダメージが蓄積されているはずなのにも関わらず、その動きは今までより一段と速く感じられた。
 霧刃は動かなかった。
 いや、動けなかった。
 反応ができなかったのだ。
 速さにではない。
 "凍てつく炎"と呼ばれ、裏世界で畏怖されている織田霧刃が、鈴音の気迫に押されていた。
「おおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
 ロケットを握り締めた鈴音の拳が、霧刃の頬に突き刺さる。
 真正面からの一撃。
 簡単に避けられるはずのその拳が、霧刃の顔面に炸裂していた。
 口の中と唇が切れたのか、霧刃の口から血が舞った。
 霧刃は呻いた。
 ――重い。
 信じられないほどに重い拳だった。
 殴られた衝撃で脳が揺れている。
 頬骨にひびぐらいは入ったかもしれない。
 それほどの強烈な一撃だった。
 一方、鈴音は身体に翼が生えたような感覚を覚えていた。
 酷く傷ついた身体なのに、軽く速く、考えるより前に身体が動く。
 よろめいている霧刃の顎に蹴りを追撃で打ち込む。
 さらに、仰け反る霧刃の腹に突き上げるような拳を深深と叩き込んだ。
「がっは……!」
 苦悶の表情を浮かべる霧刃に向かって、二撃、三撃と連続して鳩尾に拳を突き刺す。
 鈴音の激しく強力な拳の連打。
 しかし、それは霧刃の放つ統制なき暴力ではなく、一定のリズムを持った武の旋律だった。
 一撃一撃が的確に急所を捉え、霧刃の意識を混濁へと誘導する。
「ぐっ、あっ、がはっ…!」
 血を口から滴らせながら、後退る霧刃。
 鈴音の攻めは止まらない。
 すぐに間合いを詰めて、追撃を加える。
 霧刃の捌きに返されるかもしれないという怯えはなかった。
 反撃を食らっても、それを糧として、さらなる激しい攻撃へと変換できるに違いない。
 そう思わせるほどに、今の鈴音の動きは鋭く、霧刃を圧倒していた。
 手刀を繰り出し、霧刃の肩を打つ。
 続いて、裏拳、二段回し蹴りが、次々と霧刃に突き刺さる。
 霧刃は、そのすべてを避けることも、防ぐこともできないでいた。
 身体に蓄積したダメージのためではない。
 鈴音の連撃は決して、霧刃の見切れないほどの速度で繰り出されているわけではなかった。
 それでも対応することができない。
 霧刃が見切ったと思った瞬間には、まるで吸い付くように鈴音の拳や蹴りが身体に打ち込まれているのだ。
 ただただ、打たれ続けるしかなかった。
 だが、霧刃の身体に容赦なく叩き込まれる鈴音の拳脚には殺気がこもっていなかった。
 感じられるのは悲哀と敬愛の情。
 哀しくも暖かい、優しくも激しい力。
 姉を慕いながらも、姉を倒さねばならない。
 姉を救うには、姉の命を削らねばならない。
 鈴音は無意識に唇を噛み締めながら、拳脚を繰り出していた。
「霧刃、過去を思い出にできずに闇に囚われ続けているのが、おまえだよ!」
 舞うような連舞の最後に、鈴音は闘気を収束した右正拳突きを、床が砕けるほどの踏み込みで、霧刃の胸部に打ち付けた。
 霧刃は零れ落ちそうなほど目を見開き、口から真紅の糸を引きながら、吹き飛ばされた。
 そして、鈴音が叩きつけられた正反対にある真正面の壁に背中から叩きつけられる。
 全身を打つ衝撃に気を吐き、霧刃は崩れ落ちた。

 ロックは、今までの危機が嘘のような鈴音の猛攻に目を見張った。
「鈴音サン……」
 鈴音が霧刃に滅多打ちにされているときでさえ、ロックは鈴音を信頼して手を出さなかった。
 手出しをしたところで、援護といえるほどの援護もできずに、ロック自身の命は霧刃に両断されてしまうに違いない。
 いや、その以前に、妙な動きを見せれば、目の前の魔獣に殺されてしまうだろう。
 そうなれば、鈴音に勝機は微塵もなくなる。
 ロックを消した後、霧刃と鈴音の戦いにケルベロスは決して手を出さないだろうが、鈴音の心は確実に弱まる。
 闘志を失った鈴音を葬ることなど、霧刃にとって造作もないことだろう。
 今、闘いの流れは鈴音に傾きつつある。
 実質、見守ることしかできないロックにとって鈴音が痛めつけられるのを見なくて済むのは幸いだったが、今の鈴音は霧刃に攻め込まれている時の何倍も傷ついているように思えた。
 霧刃を押しているにも関わらず、悲壮感を漂わせる鈴音を見て、息が苦しくなった。
 それに対して、ケルベロスは無言で、ロックとの対峙を続けている。
 ロックは、この魔獣が霧刃のただの下僕ではないことに気づいていた。
 この魔獣には、人間と同じような心があるはずだ。
 霧刃が傷ついて、平気とは思えなかった。
 だが、一向に動く気配はない。
 自分が鈴音を信頼しているように、ケルベロスも霧刃を信頼しているのだろうか。
 唸り声すら上げずに、ロックを見ている赤い瞳からは、その想いは読み取れない。
 ただ、無言のまま、微動だにしないでいた。

「はぁ……、はぁ……、ごほっ……」
 霧刃は咳の混じった荒い呼吸をしながら、黒金の鞘を杖代わりにして片膝をついた。
 ボロボロになった黒い千早と白衣、そして、袴が、霧刃の受けたダメージを物語っている。
「霧刃……」
 鈴音自身もすでに肉体的なダメージは限界を超えていた。
 今の一方的な展開を考慮しても、それはほんの僅かな時間だけだ。
 この闘いにおいて、鈴音が霧刃に痛めつけられていることの方が圧倒的な割合を占めているのだ。
 死に近い位置にいるのはどちらかといえば、それは鈴音なのだ。
 いつ倒れてもおかしくはない。
「鈴音……」
 霧刃は揺らめきながらも立ち上がり、細雪を抜いた。
 そして、目をカッと見開く。
 邪気が爆発した。
「はあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
 霧刃を中心に、禍禍しい霊気が嵐のように渦巻き、立ち昇る。
「くっ…!」
 霧刃はまだ、これほどの霊気を秘めていた。
 鈴音は改めて霧刃の力を思い知らされながらも、荒れ狂う邪気を振り払う。
 霧刃の邪気は物理的な圧力を伴って、四方の壁に亀裂を走らせるまでに至っていた。
 だが、次の瞬間、際限なく高まると思われた霧刃の霊気が唐突に消え失せた。
 そして、霧刃の身体が神々しい光に包まれる。
 その光は、今までの暗黒の霧刃の気ではなかった。
 聖なる印象を受ける。
 代わりに、一点の紅の闇が生じる。
 ――細雪。
 細雪は禍禍しい真っ赤な邪悪な霊気に染まっていた。
 それは霧刃から今まで放出されていた邪悪な霊気だった。
 そして、霧刃から感じられる神々しい霊気は、細雪に宿っていた聖なる力だった。
 霧刃の霊気と、神刀の霊気が入れ替わったのだ。
「細雪の強大な霊気を自身の経絡へ流し込むことで命の枷を外し、極限まで肉体能力を高め、反対に自らの全霊気を細雪に注ぎ込んで解き放つ」
 極めて説明的な言葉が、鈴音の口から流れ出す。
 鈴音は霧刃が繰り出そうとしている技を知っていた。
「無理矢理に力を引き出す上、細雪の聖なる霊気に耐えられるほどの穢れがない使い手でなければ、命を失いかねない危険な技」
 かつて、最終奥義・覇天神命斬(はてんしんめいざん)を父親に見せてもらった後に、説明だけを受けた技だった。
「それでもなお、細雪の記憶に刻まれている禁断の奥義」
 鈴音の言葉は、父親の説明をそのまま口に出しただけだった。
「……そう、よ」
 霧刃は苦しそうに血の滴っている唇を歪めて、全身に走る激痛を予想させる擦れた声を搾り出す。
「天武夢幻流禁断奥義・忌邪奈深(イザナミ)
 漆黒の光を放つ、細雪を握り締め、霧刃が応えた。
 霧刃の右肩から血が弾けた。
 左腕から、右腰から、左腿から、そして、全身から、血の霧が吹き上がる。
 細雪の聖なる力に霧刃の邪気に染まった身体が耐えられていない。
 それでも自滅せずに奥義を制御しているのは、霧刃の天賦の霊力と力への執念のおかげだろう。
「鈴音、おまえが言うように、私が過去に取り憑かれているというのなら、今ここで、すべてを断ち切るまでのこと」
 全身から血を流しながらも、霧刃の濁った目はかわらない。
「過去も、織田家も、おまえも、……今、この手で斬り捨てる」
 細雪にさらに霊気を集中させていく霧刃。
「はあああああぁぁぁ!」
 邪気が踊り、血が舞って、霧刃と細雪を繋ぐ。
「霧刃……」
 鈴音は目を閉じて、ロケットペンダントを握り締めた。
 この期に及んでは、言葉は意味をなさない。
 霧刃の執念を受け止めるのは、自分の役割だ。
 握った拳からから血が滴る。
 鈴音の気合いに呼応して、霊気剣が現出する。
「はあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
 しっかりと地面を踏みしめ、霊気を高める鈴音。
 大地から両足を通じて上ってくる霊気を受け止め、天へと流す。
 その膨大な霊気量に、痛めつけられた身体が悲鳴を上げそうになるが、集中を乱すまでには至らない。
 聖なる青い霊気が、鈴音から立ち昇る。
「霧刃、おまえの目を覚まさせてやるよ」
「何だ……?」
 見知らぬ技に霧刃が目を見張る。
 鈴音の気が自分の邪気とは対照的に綺麗に透き通っていく。
「おまえは知らないだろうが、これが天武夢幻流最終奥義さ」
 鈴音の言葉に、霧刃が納得したように頷いた。
「細雪の記憶にないわけだ。だが、勝つのは私よ」
 お互いの身体から発せられるのは、聖なる霊気。
 だが、二人の剣に込めた霊気は正反対のものだ。
 鈴音の霊剣に込められた青い澄んだ気と、霧刃の細雪に込められた紅に濁った気。
 それが牽制するように絡み合う。
「いくぜ、霧刃!」
 鈴音が叫んだ。
「来なさい!」
 霧刃が応じる。
「いざ!」
「尋常に!」
 二人の声が合わさる。
「勝負!」


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