Menu環境.資源.未来工学未来工学人間の巣の考察人間の巣のを創設

 <考察/第2段階>   文明の第3ステージ/日本列島・大改造 

         人間の巣創設    wpe8B.jpg (16795 バイト) house5.114.2.jpg (1340 バイト)

   
  
〔墳丘墓型・半地下都市〕 30万人 × 200都市の展開

   
  
 wpe74.jpg (13742 バイト)        wpe4F.jpg (12230 バイト)   index.1019.1.jpg (2310 バイト)   wpeB.jpg (27677 バイト) 

 トップページHot SpotMenu最新のアップロード                     担当 : 堀内 秀雄 

   INDEX               wpe89.jpg (15483 バイト)house5.114.2.jpg (1340 バイト)

プロローグ   2006. 7. 4
No.1 〔1〕 コンパクトな中核都市の建設    2006. 7. 4
No.2 〔2〕 墳丘墓型/半・地下都市空間・・・・・“人間の巣”   2006. 7. 4
No.3     ≪墳丘墓型・半地下都市=人間の巣≫の概略 2006. 7. 4
No.4 〔3〕 人間の巣のイメージ 2006. 7. 4

                                                            Sony Style(ソニースタイル)

  プロローグ            wpe4F.jpg (12230 バイト) 

「星野支折です...

  <文明の地下都市へのシフト第2段階の考察>をスタートします。このペー

ジは、脱・車社会/人間の巣を創設 に続きます。ページが大きくなり過ぎた

で、新たにページを新設し、分類・整理しました。

  高杉・塾長堀内さんには、“高杉・海洋研究所”との行ったり来たりで、大変ご

苦労をおかけしています...そうそう、ポンちゃんもそうでした。ご苦労様です...」

「おう、」ポン助が言った。「かまわないよな、」

「うーん...ポンちゃんの釣ってきたシロギスは、さっそくポンちゃんに天婦羅に揚げ

てもらい、おいしいお酒をいただきました」

「また、行ってくるよな!」

「はい!」

〔1〕 コンパクトな中核都市の建設 wpe8B.jpg (16795 バイト)

            wpe74.jpg (13742 バイト)      wpe4F.jpg (12230 バイト)

「ええ、堀内さん...」支折が言った。「日本は、4年後の2010年から...“生産年

齢人口/15〜64歳”が、“年間100万人単位で減少する社会”になります。

  私たちは、この“人口の自然減少”大歓迎なわけですが...この社会変動を、

“国家プロジェクト”としては...どのように対処していけばいいのでしょうか?」

「はい...まさに、文字どうり、目前に迫った国家・社会の大変動です...すでに日

本は、轟々とその方向へ、流れています。それへの対処が、急務となっています...

  大戦略の見地から見れば、日本における急激な人口減少は、まさに大歓迎すると

ころです...“食糧自給率40%/超・過密人口”の実態...そして世界人口の爆

発的増加を考えれば...日本は、願ってもない、正しい方向へ向かって流れていま

す...

  そして同時に、“人類社会の急務”となっている“人口の減少”への水先案内は、

運命的に、日本に課せられた責務となって来ています...まさに、日本が先鞭を切

り、“文明の折り返し”へ向かって急流を流れ下り始めています...」

「はい...まず、何をしたら良いのでしょうか、」

「第1歩が、日本各地での、“コンパクトな中核都市”の建設になります...

  そして、“独立性”の高い、“自給自足型・都市近郊農業”を展開し、“都市としての

食糧の自給率”を高めて行くことが求められます...次に、“社会面・文化面での独

立性”を高めて行きます...

  他にも色々とあるわけですが、これだけでも、相当にユニークな中核都市が、創出

できるのではないでしょうか」

「うーん...そうですね、」

「この場合、中核都市の“行政機構”がどのようになるかということは、非常に重要で

す...“文明のエネルギー管制”では、“なるようになる!”と突き放していました

が、実は、非常に重要な課題です...都市が、1つの行政単位になってくるからで

す。

  私たちは、...この“コンパクトな中核都市”に、津田・編集長たちが主張してき

た、“新・民主主義社会”を実現したいわけです。一口で言えば、そういうことです

「はい」

“独立性”“自給自足性”...そして“脱・車社会”は、“感染症”に対しても、強力

な抑止効果として働きます。

  また、次の段階の“半・地下都市/人間の巣”は、密閉すれば外部の環境から完

全に遮断されるわけです...頑丈な基盤/頑丈な建造物/頑丈なシステムであれ

ば、あらゆる自然災害や、短期・長期の気候変動にも、完全に対処できます」

「その通りです!」高杉が、言った。「都市のインフラ、基盤整備も、非常に限定された

空間になるわけです。これまでのように、無制限に土砂崩れや、水害対策や、地震

対策に、明け暮れることもなくなるわけです」

「そうです!」堀内が、強くうなづいた。「そうした予算措置や、対策が必要なくなると

いうことは、非常に大きいですね。つまり、そうした社会的コストが無くなるということ

ですから、」

火災など、」高杉が言った。「内部の災害も、地下都市システムを頑丈にしておけ

ば、極限まで減らすことは可能です。人間に対して優しい社会であれば、犯罪そのも

のも減少するはずです」

「はい!」支折が言った。「“脱・車社会”なら、交通事故そのものも、存在しなくなりま

すよね...他の新しい災害や犯罪というものは、生まれてくるのでしょうか?」

「そうですねえ、」高杉が言った。「そうした可能性というものは、常にあります...

  病気でもそうです。人類は様々な病気を克服して長寿になりましたが、結局人は死

ぬわけです。そこで死亡率の高い疾患として、生活習慣病や、様々な難病がク

ローズアップしてきました」

「そうですね」支折が言った。「そうでないと、人は死ななくなりますよね、」

「その通りです。そうした意味で、トラブルというものは、完全に克服できるということ

はないでしょう。形あるものは、必ず崩れて行くわけです。

  そのために新陳代謝があり、より本質的なものが受け継がれ、守られていくわけ

です...そうした意味で、人間の個体も新陳代謝していくのです...それが、生態

系の風景であり、この宇宙のエントロピー増大(熱力学の第2法則)に拮抗する、“生命潮

流”の姿なのです」

「はい...死が訪れるのは、残念なことですけど...新陳代謝とらえ、受け入れると

言うことですね。それが、生態系の風景だと言うことですよね、」

「そうです...そして、その誤謬(ごびゅう/間違い)の可笑しさ、出会い楽しさ、別れの淋

しさを、死への恐れと備えを、私たちは“人生の味わい”とするのです...」

「はい...」

「革新的な“人間の巣”ですが...」堀内が言った。「はたして、“文明の第3ステー

ジ/情報革命”の場に、ふさわしいものになるでしょうか?」

「うーむ...“情報革命”は、今ようやく、その入り口に立ったばかりの所です...

  電子情報系が進展し、生物情報系と交わり、ようやく“生物情報系の姿”がおぼろ

げに見えてきた所です。これから本格化する“情報革命”の本質は、私たちの想像を

はるかに絶した所に展開するのでしょう...

  したがって、私たちはともかく...確信をもって...“生態系と調和の取れた文

明”を展開していくしかないのだと思います」

「農業型社会の...“スロー・ライフ”の中でも...」堀内が言った。「人間の好奇心・

探究心は、少しも衰えないと言うことですか...」

「そうですねえ...そういう人たちも、居るということです...」

「はい...」秋月茜が、小さく片手を上げた。「ええ...“コンパクトな中核都市”“人

間の巣”の検討は、私と堀内さんで進めて来ました...まず、私の方から、全体的な

デザインを説明しますわ...」

「うむ、」高杉が、うなづいた。

〔2〕 墳丘墓型半・地下都市空間  wpe74.jpg (13742 バイト)

           “人間の巣”   

  風通し・水はけの良い、墳丘墓型・半地下の空間・・・

         5〜10km30万人×200都市の展開・・・

       wpe4F.jpg (12230 バイト)

「その前に...」茜が言った。「技術的な都市計画そのものは、私達の仕事ではあり

ません。“都市プランナー”の仕事です。便利で、清潔で、使い勝手の良い、コンパクト

な都市設計技術は、専門的な“都市プランナー”や、芸術家の感性に期待します。

  私たちは、技術イノベーション(技術革新)の面...また、空間創出の芸術的側面

や、都市の人間的側面の仕事ではなく...それ以前の、文明戦略的“人間の巣”

を検討しています...

  これは、人類文明“生態系と調和”し、存続を続けための、“種の共同意識体

仕事”、と思っています...まず、しなければならないのは、“総合戦略的なグラン

ド・デザイン”です...」

「うーん...そうですね!」支折が言った。

「さて、話を進めましょう...

  “コンパクトな中核都市”の建設...次に、そこに隣接して、“恒久的な地下都市

空間”を建設し、人類文明をシフトする運びとなります...いわゆる、“人間の巣”

創出です。蓄積されてきた“人類文明の叡智”を、“人間の巣”の創設のために、総動

員しなければなりません」

「はい!」

「まず、“コンパクトな中核都市”は、“自給自足型・農業”と、人間の巣の建設”とい

う2つの側面を持つことになります...“人間の巣”の建設の方は、日本列島を大改

する、全国規模の、未曾有の建設工事になります...これは、単なる建設工事で

はなく、文明全体の建設工事になります。

  今でも、日本全体でこのぐらいの建設工事の量は、年中やっているのかもしれま

せん。高速道路、道路の補修、ビルの建設、河川を改修、橋の架け替え...工場の

建設、研究施設の建設、病院の建設、学校の建設、一般住宅の建築...

  そうしたもの全てが、“人間の巣の建設”に集束するわけです。全てが、この中にコ

ンパクトに詰め込まれることになります。そして、農地の他は、ほとんど大自然に還元

されることになります...」

「全国で、同時に、でしょうか?」

「いえ...まず、シミュレーションを重ね、“人間の巣”デザイン構造計算を進めま

す...同時に国土のデザインを進めます...“人間の巣”場所の選定や、基礎

工事部分は、すぐに始めてもいいわけです。それから、ともかく、小さな“モデル都市”

を1ヶ所、建設してみることです。

  その後、さらにシミュレーションを重ね、“発展型・モデル都市”を建設し、進化させ

ます。その過程で、様々な事を学びます。工法の確立や、新素材の開発や、あらゆる

都市システムの開発などを進めて行きます。

  クリーン・エネルギー・システム新・物流システム採光・システム都市防災・シ

ステム巨大構造物の耐震構造/免震システムの開発...おそらく、膨大な開発事

になります。上に10メートルの土をかぶせるためには、大型ベルト・コンベアー

大量に必要になります。その準備等もしなければなりません...

  今から始めて、本格的な“人間の巣”の建設が始まるのは、15〜20年後ぐらいな

るでしょうか。むろん、もっと急ぐことも可能だと思います。その必要が、あるのかも知

れません。私たちは、一刻も早く“脱・車社会”になり、本格的な“地球環境・復元ミッ

ション”が動き出すことを、大いに期待しています...」

「はい...」支折が言った。「科学技術も、工業生産力も、まだまだ活用の場があると

言うことですね」

「もちろん、そうですわ!

  “文明の地下都市空間へのシフト”には、膨大な科学技術工業生産力が必要で

す。また、多くの“新技術”“イノベーション(技術革新)を必要とします。“科学技術の方

向”も、“人間の巣”の建設に向かわせる大転換が、必要かも知れません」

「うーん...現在の技術水準でも、十分可能なのではないでしょうか?」

「もちろん、十分に可能です...

  でも、“イノベーション(技術革新)があった方がいいのです。そして、もちろん、“イノベ

ーション”はあるでしょう。これだけの、文明史的な大転向になるわけです。“ビッグ・

サイエンス”が、幾つも動くほどの文明の大ターンの開始です...

  でも、現在の技術水準でも、十分に可能です...だから、急ぎたいのです...」

「はい!」

「とりあえず、私たち考えている、“標準的/墳丘墓型・地下都市”をスクリーンに表

示します。堀内さんと二人で、即席に考えたものです...今後の本格的な考察の、

“叩き台”になってくれれば、幸いと考えています...

  ええと...コッコちゃん...表示をお願いします...」

「ウン...」壁面スクリーンの横にいるコッコちゃんが、スクリーンの画面を切りかえ

た。  

 

*************************************************************************

  墳丘墓型半地下都市人間の巣の概略 wpe8B.jpg (16795 バイト)  

                                              <考察・1>

地上に建設し、約10メートルの土をかぶせる“半・地下都市”

風通し・水はけが良く、他でも、最良の立地条件の土地を選ぶ。

地下3層 ...“コンパクトな人間サイズの高機能空間”を建設。

   高さ20〜30メートル...形状は立地条件等により自由。容積

  は、人間サイズの数キロメートル四方複数の小都市の連結も

  一考...

1都市で、人口20〜30万人を収容。

上の地上部分は、日常的な野外公共スペースとして充実。

周辺に、自給自足・労働集約型農業の出来るスペースを確保。

人口30万人“人間の巣”を、日本列島に200箇所展開

主要道路、鉄道、港湾等...複数ネットワークを確保。既存の

  都市・道路・その他は、原則的に大自然に還元

*************************************************************************

“文明の折り返し/反・グローバル化/脱・車社会に対処”“文明

  と生態系との調和”“民族の多様性/宗教の多様性/価値観の

  多様性に対処”“スローフード・スローライフの実現”...

“自然災害の克服”“気候変動への対処”“エネルギー管制の徹

  底”“感染症の克服”“食糧問題/飢餓への対処”...

*************************************************************************

 

「ええ...」茜が、スクリーンを眺めながら、腕組みをした。「私たちは、最初は...

“総人口/20〜30万を収容する、衛星型・連結都市”...を考えていました。機能

分散型での、“墳丘墓型・半地下都市”でした...

  しかし、よりコンパクトになることを求め、形は自由としました...ともかく、シミュレ

ーションをしてないので、まだなんともいえない状況です...

  他の数値も、当然動くものと思います...これらの数字も、確認を取ったものでは

ありません。社会工学人間工学の方面から、最適な人口構成未来型の社会形態

を、早急に築き上げて欲しいと思います...

  また、くり返しますが、都市設計の方は、“都市プランナー”にお任せします。私たち

は、あくまでも、イメージを作り出すために、スケッチを描いています...」

「はい、」支折が、うなづいた。

「それから、とりあえずは、地上で地下都市を建設し...後で墳丘墓のように土を盛

り上げて埋めるという...“最も簡単な工法”で、“最も単純な地下都市空間”を設定

してみました...

  地上から地下へのパラダイムシフトということを考え...まず、あまり格差のない

“半・地下式”とし...“墳丘墓型/半地下式/高機能空間”を設定してみました。こ

れならば、気分的にもスムーズに、パラダイムシフトが可能と考えた次第です...」

「うーん...そうですね、」

「ともかく...

  “文明の折り返し”が急接近しています。“人間の巣”を建設するという、“文明のエ

ネルギー管制”を、私たちは、第一に考えました。“地球温暖化”と、“海洋酸性化”

の対処は、緊急を要する事態になっています...」

「そうですね、」

「それから、予想される“21世紀の大艱難”に備えなければなりません。“長期・短期

の気候変動”や、“飢餓”“生態系からの恒常性(ホメオスタシス)による淘汰(とうた)圧力”

などです...」

「はい、」

「あとは...後の世代の人々が長い年月をかけ...試行錯誤と、技術革新

ね、“本格的な人間の巣”を建設して欲しいと思います...

  そのことに関しては、現在の私たちが、口をさし挟むことは何もありません...

れは、その時代の人たちにお任せします。ともかく、今は時間がありません。突貫工

ということになります」

「はい...」支折が、口を手で押えた。「この、“墳丘墓型”というのは...仁徳天皇

(にんとくてんのうりょう)の様に、“前方・後円墳(方形と円形を連結した墳墓)とか、でしょうか?」

「それでも、」茜がようやく明るい顔で、口元を崩した。「かまわないと思います...

  風通しと、水はけが良く...季節によっては密閉し、冷暖房の要らない...数キ

ロメートル四方...あるいは10キロメートル線形...の、“半地下・未来都市”が簡

単にできるわけです...

  形は円形でも、長方形でも、細長い線形でも、衛星都市型でもかまいません。その

点は、立地条件等もありますし、都市プランナーにお任せします...」

風通しが良いということは、大きな扉があるのかしら?海風や、山からの吹き降ろし

の風が、地下都市全体に吹き抜けるのかしら?」

「さあ...

  それも、都市プランナーの人たちにお任せします...でも、私たちも、基本的な所

は、一応考えてみました...“人間の巣”イメージを固めるためです。はるかな遠い

未来都市は別として、突貫工事で行える、地下都市空間として考えました...」

「はい」

 

〔3〕 “人間の巣” のイメージ wpe1D.jpg (34276 バイト) wpe89.jpg (15483 バイト)

          wpe4F.jpg (12230 バイト)

「まず、地下3層構造が、もつとも単純な形です...

  地上に近い地下1層目は、行政機関や病院等の公共施設、商店、レジャー施設

どとし...地下2層目居住スペースです。そして、地下3層目は、貯蔵倉庫工場

ような作業スペースとしてみました...

  “人間サイズ”“高機能・地下都市空間”へ文明をシフトし...既存の地上都市

大自然へ還元します...私たちはこれまで、膨大な高速道路空港都市構造

を建設してきました。今さら、数キロメートル四方頑丈な建造物を作ることに、さほ

どの驚きはないと思います...

  “発想の転換”さえ行えば、文明の地下空間へのシフトは、個別のミッションとして

は、それほど大変なことではありません...いずれ、実行しなければならない、

明史的な課題ですわ...」

「高さは...20〜30メートルぐらいになるのでしょうか...」

「そうです。まず、そのぐらいかも知れません...それに、土を10メートルぐらい被

せ、断熱効果と、生態系との調和を図ります。上の屋上部分は、野外公共スペース

して、野外施設を充実させます...

  土は、10メートルとしましたが、とりあえずということです。また、気候条件等によっ

ても、変わるかも知れません...それから、全て土をかぶせてしまうというのではな

く、地下1層に自然光を取り入れる天窓の工夫があってもいいわけです。そうしたこと

も...都市プランナーにお任せします...」

「その程度の構造物は、たいしたことないですよね...それに土を被せるには、

型のベルトコンベアでいいわけですし...数キロ四方といっても、これまでの都市建

設の規模を考えれば、はるかに小さくて、コンパクトですよね、」

「その通りですわ...

  ただし...人間サイズ/コンパクト/高機能/快適な居住空間...そして、新し

い理想的なコミュニティーの創出...ここの工夫、このミッションのエキスです。

合的な人間工学、社会工学的推計から、極楽浄土/人類の理想郷を、“人間の巣”

の中に実現して欲しいのです...

  “箱物”と同時に、“理想的なコミュニティーの研究”...これにも、本格的に着手し

なければなりません。都市により、“多様な価値観”の中で、実現して欲しいと思いま

すわ...」

「はい...」支折は、頭をかしげ、黒髪を揺らした。

「とりあえずは、試行錯誤になるでしょう...」

「はい、」

「都市周辺には...“自給自足型/労働集約型農業”が広がり、広大な大自然

都市に隣接します...都市住民は、自分用の菜園も持てると思います...私

たちは、都市単位の“多様な価値観”を考えています...」

「うーん...」

「都市住民は、そこで必要な量の農作物を生産し、健康的な汗を流し、季節の食べ物

を食べ、祭りをし、つつましく暮らしていけるはずです...

  “自給自足・スタイル”なら、“世界中何処であっても”、原則として“豊かな暮らし”

が出来るはずです。それが、“人間の生活”だと思います。“食べ物”さえあれば、貧

しくはないのです。先端工業が作り出す“便利な物”では、結局“極楽浄土”はやって

こなかったのですから...

  これは、私のテリトリー(縄張り、学問的分野)ではないのですが...人間は、まさに、

“心豊かに”暮らしていければ、それでいいのだと思います...私たちは、そうした

存在なのでしょう...そして、これが、まさに“文明の折り返し/反・グローバル化の

効果”なのですわ...」

「うん...」支折が、コクリとうなづいた。

         wpe1D.jpg (34276 バイト)  wpe8B.jpg (16795 バイト)    

「ただし...もう1つの側面があります...

  工業的側面と、“第3ステージ/情報革命”の進展です。したがって、全くの自給自

で、孤立するということはありえません。農業面でも、特産物は出荷しますし、観光地

はそれに対応しなければなりません。

  ただし、それは無制限ではなく、経済原理にのった利益優先でもなく、“文明のデ

ザイン”の中で、調整されたものになります...このあたりは、社会システムともから

んできますので...即席の域を出ませんが、“叩き台”として...私たちなりに順次

考察して行きます...」

「でも、案外、簡単そうですよね...

  “文明の地下都市へのシフト”といっても、“人間の巣”は、それほど大きなものでは

ないですよね。それができれば、地上の街は、カラッポになるのでしょうか?」

「原則として、常設の街や商店街というものは、屋外には置かないことになります。

史的な建造物は残せばいいわけですが、自然に風化していくという過程をとるのかも

知れません。私たちの心の中で、そうした歴史もまた、風化していくのです...そうで

なければ、新しいものは創出されません...」

「うーん...」

「ただ、急激な人口減少の、調整過程というものが、当然あるわけです。“コンパクト

な中核都市”と、“墳丘墓型・半地下都市”との住み分け...その移行過程も、当然

あるわけですね...」

「はい、」

“日本列島・大改造”の...非常にダイナミックな“建設ラッシュの時代”が、もうすぐ

やって来ると思います。それも、建設ラッシュが、地球環境を破壊するのではなく、

球環境を復元の方向に働く未来都市の建設です。これこそが、“地球温暖化”“海

洋酸性化”からの、急速反転・離脱になります...急ぐべきです...」

「その通りです!」堀内が、言い添えた。

「茜さん...」支折が言った。「数キロメートル四方に、30万人もの人間が住めるので

しょうか?」

「人数は、いくらでも可能です...

  居住スペースを、1層ではなく、2層にすればいいわけです。また、多少分散型の、

衛星都市を形成してもいいわけです...工場発電施設などは、衛星都市として切

り離してもいいでしょう...そうしたものを、よりコンパクトに造り、土をかぶせ、“人間

の巣”を形成していけばいいわけです」

「はい」

「ともかく、地下1層の、公共スペースの状況によりますが...人は雑踏祭りが好

きなように、多少混雑している方が好きなのかも知れません。生物体とは、そういうと

ころがあります...

  とくに広さにはこだわりませんが、人間サイズコンパクトな都市ということで、

キロメートル四方ということにしました...」

「そうですか...」

「それから...

  “コンパクトな地下都市”“高機能空間”と呼ばれるゆえんは...もう1つの側面

があります。それは、居住スペースに隣接して、地下1層の公共スペースと、地上の

野外スペースがあり...かつ、十分な農地と、広大な大自然の原野が、ごく身近に

隣接して存在するということです...」

「そうですよね...

  これまでは、都会からだと、電車に1時間も2時間も乗らないと、そうした大自然の

中に入れませんでしたよね、」

「そうですね...

  日本の山野は、再び“昭和の始め頃のような姿”に戻って行くでしょう...そして、

さらにそれ以前の原野に回帰して行くでしょう...かっての街並みは、大自然の中

に呑み込まれ、風化していくことになります...」

「草木が葉を落とし...」堀内が言った。「また春に、新しく始まるように...人の歴

史も“新陳代謝”していくのでしょう...そう、大自然が教えています...」

  高杉が、黙ってうなづいた。

「都市が地下に入り...」支折が言った。「人口が減少していけば、さらに原始の姿

が回復しますよね...やがて、人口の減少は、止るでしょうか?」

“人間の巣”ができ...」茜が言った。「生態系と協調した生活に入っていけば...

適正な人口が維持されると思います。どうでしょうか...?」

「そういうことでしょう...」堀内が答えた。「ともかく、北の方では冬が厳しいですか

ら、風雪に耐えるガッチリとした地下都市が必要でしょう。

  こうした“人間の巣”が実現するのであれば、ドイツのように“脱・原子力発電”

舵を切っても、十分対応していけると思います」

「うーん...そうですよね、」

 

          index.1019.1.jpg (2310 バイト)

「まあ...」津田・編集長が、初めて口を開いた。「もはや地球上で、“覇権競争”や、

“大規模な戦闘訓練”などをやっている時代ではないのです!人類は、一丸となって、

“文明の折り返し”に立ち向かうべき時です!」

「はい!」支折が、津田にうなづいた。

米軍の世界的規模での再編成も、在日米軍基地の再編成も、もはや無用の長物

のです...それは、“覇権のための軍隊の再編成”であり、実際には、その周辺に

権競争を煽(あお)っているのです。

  こうした“覇権主義”は、“20世紀の遺物”と言えるでしょう...21世紀には、不要

なものです。ちょうど日本は、江戸時代から明治の治世になり、諸藩の武装解除が行

われました。以来、日本国内は紛争も激減し、平和に統治されています。

  同じことが、今度は、世界レベルで実践される時だということです。“地球政府”

持つべき時だと言うことです。パレスチナとイスラエルの問題宗教紛争核兵器問

飢餓の問題...全てが、軍事力抜きの、調整テーブルの上の話し合いへ移行し

ます」

「はい!そうですよね!」

まず日本が先鞭をつけ...“急激な人口減少社会”に突入します...

  私たちは、それに備え、国家・社会・街を再編成“コンパクトな中核都市”をしっか

りと造るるべきです。そして、“脱・車社会”“自給自足型・都市近郊農業”を実践して

行くべきです」

「はい!そして、同時に、“人間の巣”ミッションが始動するわけですね!」

「そうです!

  そうした流れの中で...“日本独自の世界平和戦略”を展開し、“地球政府の創

設”に尽力すべきです...“世界共通の平和戦略”で努力をしている限り、日本が

際テロの標的にるはずも、ないわけです」

「そうですね!」

「ともかく、国家というものは、“覇権”にいそしむのではなく、“正しい理想の方向”

進路を定め、しっかりとを抑え、維持して行くことが重要です!」

「はい!」

       wpe8B.jpg (16795 バイト) wpe4F.jpg (12230 バイト)  

 

「ええ、支折です!

  まだ、考察の甘さも多々あると思いますが、今後しだいにキャンバスの絵も固まっ

ていくと思います。どうぞ、次の展開にご期待ください!」

 

 

                                                                      ギフト 234-60  shop022 234-60

    チーズオムレット 120-90  キャスター 120-90  機内ワイン 125-125   shop016_125-125