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【茜・新理論研究所】 === 生物情報系との接触領域 === ハードウェアー、ソフトウェアー に続く・・・ 生体インターフェース とは?
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トップページ/Hot Spot/Menu/最新のアップロード/ 理論研究員 : 秋月 茜 (あかね) |
プロローグ | .....梅雨の《軽井沢基地》での考察..... | 2010. 6.19 |
No.1 | 〔1〕 “生体ウエアー/生体インターフェイス”・・・とは? | 2010. 6.19 |
No.2 | <生体ウエアー・・・についての提案> | 2010. 6.19 |
No.3 | 〔2〕 具体的に・・・どのようなものか? | 2010. 6.19 |
![]() No.4 【警告2号】 No.5 |
〔3〕 ・・・ 2010/夏/特別企画 ・・・ 【警告2号】 《危機管理センター》 “2010/参議院選挙”が終わり・・・ 後は、野となれ山となれ、も過ぎ・・・ さあ、私たちの未来社会の展望は・・・?
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2010. 8.16 |
No.6 |
〔4〕
生物情報系と・・・文明との接触領域! <しばらく、ご無沙汰していました・・・> |
2010. 9.25 |
No.7 | <生命体/・・・生物情報系とは?> | 準備中 |
「お久しぶりです! 【茜・新理論研究所】の秋月茜です!今回は、梅雨の季節の《軽井沢基地》での考察になり ます。ええ、軽井沢に入ったのは少し前になりますが、考察はすでに開始していました。これから まとめるのは、“仕事の・・・仕上げ”、という形になります。 軽井沢の散歩道は、連日の雨に濡れています。カラマツ松の幹も、黒々と湿っています。でも、 そうした中で、緑が豊かです。下藪の葉には、雨にぬれたカタツムリや、テントウ虫が現れ、アリ が行列を作り、濃密な命の大海を見せてくれます。 藪の奥の桑の実も、赤黒く熟れて鈴なりです。私たちを藪の中へ誘います。そうした生活の中 で、≪今回の課題≫の、“生体ウエアー”について考察してきました...」
今回は、《資源・エネルギー・未来工学》担当/堀内秀雄さんとの仕事になります。アルバ イト・アシスタントのユキちゃんも、最初と最後には、顔を出してくれるそうです。あと、《軽井沢 基地》の響子さんも、近くにいるので、もちろん参加してもらいます。 それと...厨川アンにも、声をかけてあります。良い意見を、もらえると思います。ただ、この “生体ウエアー”についての考察は、すぐに結論の出るような課題ではありません。ゆっくりと、 長い時間をかけて、人類文明の流れの中で、育てて行くものかも知れません。私たちの仕事は、 その“叩き台”になれればと、考えているわけです」
「そもそも... 今回の...“生体ウエアーという・・・新概念の創出”、は...《“量子/開かずの扉”の内 部は?》/【U/検証実験】の最後に...高杉・塾長から提案されたものです。それを、【茜・ 新理論研究所】に...考察を依頼してきたわけですね。 そういうわけで...ここでは、その経緯も含めて...少しづつ、考察を試みたいと思います。 これは、発展性のある、難しい課題だと考えています。皆さんの協力を得て、進めて行こうと考え ています」 「あ、ユキちゃんも...ごあいさつをどうぞ、」茜が言った。 「はい!鳴沢ユキです!茜さんのアシスタントを務めます!よろしくお願いします!」 「今回は...」茜が言った。「ユキちゃんのお友達の、カエルや、カタツムリや、テントウ虫など も、いっぱいいますね、」 「はい...」ユキが、うなづいた。「鹿村のような、深い山の中ではないけど...軽井沢の林の 中も、小さな動物がいっぱいです」 「そうですね...」茜が言った。「...さあ、始めましょうか、」 「はい!」
〔1〕 “生体ウエアー/生体インターフェイス” とは?
「ええ、よろしくお願いします...」茜が、堀内秀雄と、里中響子に頭を下げた。「この“生体ウエ アー”という...新しい概念を、考察するに当たり... 何故...このような概念が、必要と考えたのかという...その経緯を紹介する必要があると 思います。そういうわけで...《 “量子/開かずの扉” の内部は?》/【U/検証実験】の、 最後の部分を、ここにコピーして、提示します...高杉・塾長と、折原マチコさんの会話です。
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(高杉・塾長と、折原マチコの会話)
「さて...」高杉が言った。「新しい時代/未来社会は... “量子コンピューター”、“量子通信”、“弱い測定”などの、“次世代テクノロジー”で実現し て行く流れですが...これだけでは、まだ、全体の構図は描けません...新時代の、方向性が、 定まりません... そこで...私が考えた、次世代・キーワードは...“生体ウエアー”です。“ハードウェアー”、 “ソフトウェアー”に続く...“生体ウエアー”という新しい概念ですが...どうでしょうか? これは、ハードとソフトの中間に位置するかも知れませんが...全く新しい概念です。これは、 “工学的な・・・生体部品”のようなもの、と考えてください...」 「うーん...」マチコが言った。「生物体とは違うのかしら?」 「生物体とは、違います... あえて言えば...“リンゲル液/生理的食塩水に浸した・・・人工的細胞”...に近いものか も知れません。ハードもソフトも含んで...“生体の基本チップ”のような、新しい概念です... ええ...これが、“生体ウエアー”ですが...どんなものが可能か...【茜・新理論研究所】 で、考察してもらいましょう。この“生体ウエアー”が、“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の 時代の...次世代・キーワードになって行くことを、期待しています」 「はい...」マチコが、うなづいた。「茜と、ユキちゃんの所で、考察するのかあ...」
「さて...」高杉が言った。「最後になりますが... “21世紀・大艱難時代”の中で、文明スタイルは...“機械科学の文明”から、“生体科学 の文明”へ...大きくパラダイム・シフトして行くことが予想され...また期待されます... しかし、これは、本来、非常に明確な流れです。私たちが、“存在している場所・・・知識を吸収 している対象・・・地球生態系”は...“非常に高度な・・・生体科学の・・・フロンティア”、だか らです。私たちは、“野生の喧騒”から...“真の文明種族”に、脱皮して行くわけです...」 「うーん...」マチコが、口に手を当てた。「可能なのでしょうか...?」 「“文明の折り返し”は、必至の状況です... “グローバル化/・・・大自然の征服”から...“人間の巣/・・・大自然との融合”へ、ステ ージが大きくシフトして行くことが予想されます。そこで...“生体ウエアー”...という概念が、 広がりを見せるようになれば...“生体科学の文明”が、本格化して行くのかも知れません」 「はい...」マチコが言った。「そこでは、“原発”なんかは、無くなっているわけかしら?」 「そうですね... “はるかに・・・高度に変貌”して行くでしょう...社会形態/社会ステージそのものが、今の ようなコンクリートや金属のものから、より“生態系的・生物的”なものへと、進化して行くでしょう。 そして、その第1歩となるのが...〔人間の巣のパラダイム〕...だと考えています...」 江里香が、うなづいた。 「COP16(気候変動枠組み条約・・・第16回締約国会議。/2010年11月/メキシコで開催予定)では...是非、“こ の方向性”を、打ち出して欲しいですね」 「はい、」マチコが言った。「もう11月は、アッという間に来てしまうわよね、」 「私たちの人類文明そのものに、期待してみましょう!」 「はい!」江里香が、両手を握った。
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...ええ...」茜が、堀内秀雄と、響子を眺めた。「...というものでした... さあ、では...“生体ウエアー”...という新しい概念を、考察して行きましょう。まず、堀内 さん、お願いします」 「はい...」堀内が言った。「私も... 軽井沢に来てから...“生体ウエアー”というものについて、色々と考察をしてみたのですが、 “ハードウェアー”、“ソフトウェアー”に続く...“生体ウエアー”という新しい概念は、結局のと ころ...“生体インターフェース”...ということに、なるのではないでしょうか。 つまり...“機械(ハード、ソフト)の・・・生物体への・・・インターフェース(二つのものの接触面)”... ということになると思います。 パソコンと人間とをつなぐものは...キーボードや、音声ガイド、タッチパネルのようなもので すが...パソコンと“生物体としての・・・ヒト/人体”をつなぐものが...塾長の提唱している、 “生体ウエアー”というものに、相当するのではないでしょうか...?」 「はい...」茜が、厳しい表情で、唇を引き結んだ。「“生体インターフェース”、ということは... “ハードウェアー”、“ソフトウェアー”と...“生物体との・・・ジャンクション/接合点”、にな るもの...ということでしょうか?」 「そうですねえ...」堀内が、顎に手を当てた。「まだ、分かりませんが... 素直に解釈すれば、そういうことになります...まあ、これも、1つの候補にはなるでしょう」 「はい...」茜が、うなづいた。「そうですね... “テクノロジーと生物体との・・・インターフェイス/接合面・・・ジャンクション/接合点”が、 今後...焦点になって行くということでしょうか。 “文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代において...“生体ウエアー/生体インタ ーフェース”が...つまり...“次世代・パラダイムの・・・キーワード”になって行く、と考えるわ けですね?」 「1つの候補...ということです」 「はい、」茜が、うなづいた。 〔2〕 具体的に
・・・
どのようなものか?
「そもそも...」響子が言った。「“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代では... “機械科学の・・・文明”から...“生体科学の・・・文明”へ...大きなパラダイム・シフトが 起こることが予想されるわけですね。そうした中で、“生体ウエアー”という新しい概念が、必要 になって来る...ということですね?」 「まあ...」堀内が、ゆっくりと口を開いた。「そうですねえ... “文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”の時代のパラダイム...“エネルギー・産業 革命/機械科学の文明”は...すでに“構造的な・・・終焉”が、見え始めたということです。 これは、言うまでもなく...“地球温暖化”や“海洋酸性化”、グローバル化の弊害、人口爆発、 食糧危機を見ても分かります。世界はまさに、“出口のない・・・閉塞状況”に陥っています。こ のパラダイムを、これ以上続けることは、“地球生態系の・・・大崩壊”につながります...」 「はい...」響子が、厳しい表情でうなづいた。「“戦争ゴッコ”は...まず、論外として... “文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”は...“構造的な・・・終焉”が見えて来たこ とは、確かですわ。この客観的事実を受け入れれば...“人類文明の・・・構造的な難問”... は、全てクリアできます... “巨大エネルギー施設/・・・原発の建設”...等は、終わりにして、“生体科学の文明”へ の切り替えを、促進するということですね。それを推進する...1つの新しい概念が...“生体 ウエアー”ということでしょうか?」 「はい...」茜が、両肘を抱くように腕を組み、うなづいた。「私たちが打ち出している...〔人間 の巣のパラダイム〕に続く...“生体ウエアー”という...新しい概念になるわけですね、」 「難しい仕事ですが...」響子が言った。「うまく行けば... 新しい時代に貢献できるかもしれませんね...それは、茜さん...具体的には、どういうもの なのかしら?」 「はい...」茜が、コクリとうなづいた。「それは、これから考察して行くわけですが... 生体インターフェース”の具体例では...“遺伝子チップ”や、“iPS細胞”や、“普通のクスリ” や、“ワクチン”なんかも...“生物体と・・・文明テクノロジーの接点”、に位置するものかも知 れません。 また、もっと広い意味では...“医療・医学・生物学・心理学なども・・・生物体との接点”、 とも言えます...こうした分野は、今後の考察になりますが...」 「はい...それは、これからの考察に、なるわけですね?」 「はい...」茜が、うなづいた。「時代的な推移にもよりますわ... でも...現在...とりあえず、“2010/参議院選挙”がスタートしましたので...ともかく、 そちらの方の考察が忙しくなります...以後の考察は...その後、ということになりまうわ...」 「そうですね...」響子が言った。「“2010/参議院選挙”が始まりましたね... そっちの方は、一体、どういうことになって行くのでしょうか...それも、気になります...」 「一応...」茜が、肩を後ろに引いた。「...〔新党/茜〕を...旗揚げするつもりです...」 「そうですか...」響子が、口元で微笑し、誠実にうなづいた。「大変でしょうけど...期待してい ますわ...」 「はい!」茜が、唇を結んだ。 新/列島改造で・・・21世紀維新! + 未来ステージへ! “2010/参議院選挙”が終わり・・・ 後は、野となれ山となれ・・・も過ぎ・・・ さあ・・・私たちの暮らし/・・・未来社会の展望は・・・?
そんな物憂い中で、軽井沢も依然として猛暑が続いている。 響子は、小さな息をついた。そして、リズムを取るように、体を回わした。ワンピースの裾がフ ワッと浮く。物憂い気持ちとは別に、体のキレはいいのが、彼女には分かる。 響子は深い思いを込め、インターネット正面カメラを見上げた。顎を伸ばし、唇を結んでいた。 そして...静かに口を開いた。
「ええ...」響子が言った。「...猛暑が続いていますね。“2010/参議院選挙”も終わり、一 段落です... 私は、これまで...政治向きの発言は控えて来ました。でも、昨今は...政治的混乱/陳腐 化が、〔国家/社会〕に大きな危機をもたらそうとしています。 《危機管理センター》 としても、 無関係ではいられない状況になりました。
ともかく、日本の政治は...“大豪雨災害/・・・大土砂災害の真只中”で...“社会インフ ラの・・・再構築”...の話もなく... まさに、別次元の混乱・紛糾の中で...貴重な、“2009/総選挙”と、“2010/参議院選 挙”を、過ごしてしまいました。これは、“確信的/過ち”であることは、全国民が知っています。 この国民に対する...“政治の明確な裏切りは・・・今後、消えることはない”と思われます。
一方、マスコミ/公共放送は...現下の未曾有の国難に際し...〔国民的・・・大議論の場〕 を、あえて提供せず...“日本文化/公序良俗/慣習法を蓄積を・・・破壊する方向”...に、 ベクトルを働かせているようです。 これも、国民に対する...“マスコミの・・・明確な裏切りに相当”...するわけですが、“政 治の国民からの乖離”と同様に、“マスコミの国民との乖離”も、理由が判然としません。何故な のでしょうか... ともかく、こうしたことのために...“社会形成のエキス”は失われ...代わりに、マンガ的な お笑いや、井戸端会議や、川を流れ下るゴミのような文化を、マスコミは陳列しています。これで は、夢の持てる社会ではなくなってしまいますわ。やがて、人材も育たなくなります...
“社会上流域/国家3権・・・司法・立法・行政”、そして、“第4の権力といわれる・・・マス コミ/公共放送”は...いずれも“玉石混合(ぎょくせきこんごう/優れたものと、つまらないものが入り混じって、 区別が付かないこと)”なのですが... これまでの経緯からして...全体としての自浄作用がなく、熱力学の第2法則のように、非可 逆的にエントロピーが増大して行く方向にあります...日本の伝統文化は、まさに、“破滅的な 文化に・・・模様替えをして行く様相”...が見えて来ます。
ええ、これには...こうした事態を想定して設置し...また“浄財・拠出”で運営して来た... “公共放送/NHK”が、あったわけです。この、“社会的安全装置/スタビライザー(姿勢安定化装 置)”の、機能不全が非常に大きいというのが、私たちの見解です。
いざという時のための...“非常電源/救命ボート/原発の・・・非常用炉心冷却装置” が、まさにその時になって...錆(さび)ついていて...あるいは、他の好き勝手なことをしていて、 全く役に立たなかった...ということですわ。これは、 《危機管理センター》 としても、最も承知 できない事態です。
“全てから独立”し...“浄財・拠出の国民に立脚”し...“国民の意思で運営される公共放 送”は...まさに、“民主主義の牙城/日本文化の守護神/公序良俗・慣習法の総本山”... として機能し...また、その中立性が、本来の使命として期待されてきたわけです。
でも...何故か、そのための人材育成は最初から放棄され...何故か、著しく官僚化してし まったようですね。現在も...未曾有の国難の中で...娯楽番組を中心に置いて、お料理番組 や、松井・選手だイチロー・選手だと騒いでいます。何を考えているのでしょうか...?
また...“財政の中立性”を確保するための“浄財の拠出”は...いつの間にか、国会へ持っ て行って報告され...国民への説明は無くなりました。そして...“浄財・拠出”のない国民に 対しては...“告訴する/出入り禁止/差別する”という...“鬼の顔/弾圧の顔”を見せ 始めています。これでは、“何のための・・・誰のための、公共放送なのか?”ということです。
こうした事態を反映するように...日本の、“民主主義/文化/公序良俗・慣習法”は、“ズタ ズタの状態”になっています。それを横目で見ながら、NHKは高校野球や娯楽番組などを放映 しているわけです...私は、この状況下では、娯楽番組は全面廃止すべきだと考えています。
そもそも...国家大乱の根本原因となる所は...“官僚の天下り”であり、“年金問題”であり、 最近では高齢者をはじめとする、“ずさんな行政管理問題”などがあります。でも...“公序良俗 ・慣習法の総本山”として...公共放送/スタビライザーは、別に機能しているはずなのです。
非常に、残念です!
《当ホームページ》では...公共放送/NHKは...日本国家のミニチュア版という、非常 にユークな特質を見抜いています...確かに、公共放送/NHKは、全国的ネットワークを持っ ていますし、“浄財”という独立財源も持っています。 かつては両方とも、トヨタのキャップをかぶっていましたが...でも、何よりも似ているのは、 その、官僚的体質なのではないでしょうか。
いったい、どうしてこんな...“官僚的軌道/レール”を、走ることになってしまったのでしょう か...NHKの歴史については、部外者にはよく分からない所があります。最初から、開示され た、シビリアンコントロールのもとにあったのか、非常に心もとないものを感じます。
いずれにしても...“NHKは国家のミニチュアで・・・国家再生のバロメーター”、というの は、“正鵠(せいこく/弓の的の中央の黒ぼし)を射ている”ものと思います。“公共放送/NHKの再生 が・・・日本再生と連動”...しているのは、確かだと思います。
民主主義社会ですから...“公共放送/NHKの・・・本来の機能”...が、健全に機能す ることが、“一番良い方策”なのです。それが...“透明な・・・新・民主主義社会”...のもう1 つの側面になります。
ただ、現在のような...“上から目線の・・・公共放送”ではなく...“トップダウン型/動脈 型の行政組織”と対峙する...“ボトムアップ型/静脈型の新・公共放送”への再編成が、不可 避です...それが、“透明な・・・新・民主主義社会”の、新しいスタビライザーになりますわ。
“市民目線/ボトムアップ型の・・・真の公共放送”、が機能して...これによって...“民 主主義のエキス”が...血液のように...うまく循環することになります...」
“2010/参議院選挙”の後...ここ軽井沢では...大韓航空機爆破事件の実行犯/金賢 姫(キム・ヒョンヒ)元工作員の滞在で...少しの間、ザワついていました。でも、それも去り...今は 時間の止まったような、夏の軽井沢に戻っています...ポンちゃんは、何をしているのかしら?」
「ええ...」響子が、インターネット・正面カメラに視線を戻した。「ともかく... 日常の時間が戻ったわけですが...“私たち国民は・・・これから、どの方向を目指し・・・ 再び希望に向かって、歩き始めたらよいのでしょうか?”...もう一度、具体的に考えてみた いと思います...
《危機管理センター》 の担当者としては...日本中で激化する、“豪雨災害・土砂災害” の、年々の拡大が、ひどく気がかりです...日本的情緒のあった梅雨のシトシト雨は...熱帯 地方のスコールのように変わりました。 事実...そのつど、“警報”が出され...毎年のように大災害が続出します。こうした事態を 総合すると...“日本社会の危機は・・・非常に高まって来ている”...ことは、誰の目にも明 らかなように思います。そこで、 《危機管理センター》 として...【警告2号】、を発動すること にしました...」
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「ええ...」響子が、メモから顔を上げ...あらためて、インターネット正面カメラを見た。「まず、 ≪警告≫...にかかる危機の...
1つ目は...“国家上流域・・・国家3権/司法・立法・行政・・・そして、第4の権力/マス コミ・公共放送の・・・モラルハザード”...です。それが...国家中流域/企業社会、国家下 流域/国民生活域へ流れ下り...拡大し...法治国家が揺らぎ...社会全体が鬱屈(うっくつ) としています。
2つ目は...“日本社会のインフラ全体が・・・気候変動/大地震等の前に・・・非常に脆 弱化(ぜいじゃくか)して来ている”...ということです。現在の社会インフラでは...“国家/社会 が・・・物理的に崩壊して行く”...ということです。 あらゆる自然災害...パンデミック(感染症の世界的大流行)...食糧危機...そして、紛争・戦争 を含め、あらゆる侵略にもビクともしない...“新しい社会インフラ/未来型都市の整備”が、 急務となっています。“大艱難(だいかんなん)時代”は...“生き残り戦略の時代”でもあります。
3つ目が...“文明の折り返し/反グローバル化”という...“地球的危機・・・文明的危 機”...への対処です。“地球温暖化/海洋酸性化”による、環境の激変が急迫して来ていま す。これらは全て...“想定範囲内で・・・十分に予想されていること”...なのですわ。そし て、回避可能なことでもあるのです。 COP・16(気候変動枠組み条約/第16回締約国会議/2010年11月・・・メキシコで開催予定)では...“ 文明の 折り返し・宣言!”...を、強く提唱します。
“持続可能な経済発展”...というスローガンは...私たちは当初から、懐疑的でした。そ して、案の定(あんのじょう/予期した通り)、こうした状況の到来となっています。この延長線上では、や がて、巨大な飢餓が訪れます。 そして、飢餓は社会を停止させ...さらに2次的被害、3次的被害が、地球を席巻して行くこと になります。グローバル化社会は機能不全となり、非常に多くの人々が犠牲になることは、容易 に想像できます。そして...生態系の中で、反グローバル化社会が、残って行くと思われます。
ええ、確か...1968年だったと思いますけど...ヨーロッパの、実業家と科学者の小グル Y ープが...イタリアの首都/ローマにある大邸宅で...ある会合を持ちました。“ローマ・クラ ブ”という会合です。 そして、“ローマ・クラブ”は1972年に...『成長の限界』という本を出版したわけですが... それは、“成長社会に対する・・・大きな警告”...だったわけですね。
今...振り返ってみても...“ローマクラブの警告は・・・正しかった”...ということですわ。 そしてまた、世界的な機運も、当時はあったのです。人類は、その時、“文明の折り返しの・・・ 大きなチャンス”...を失っています...非常に残念なことですわ...
さあ 、そして、 COP・16 ですが、果たしてどうなのでしょうか。“ 文明の折り返し・宣言!” は、すでに遅過ぎるほど、遅れています。でも、それゆえに、“少しでも・・・早いほどいい!”、 わけなのですが...非常に、気がかりです。はたして、どんなことになるのでしょうか。
ええ...これらの諸問題に関しては...<バーチャル・総理大臣候補>として...また今 回の“2010/参議院選挙”では...【新党・茜】を立ち上げ...秋月茜さんには、大変な御 尽力をしていただいています。 でも...いよいよ、《危機管理センター》としても...これまでのように、ただ監視だけをして いる段階ではなくなりました。私としても、今後は、積極的に関わって行くつもりです...」
<最良の策 ・・・ 人間の巣/未来型都市/千年都市・・・の展開で >
〔人間の巣のパラダイム〕にもとずく、【日本版/ニューディール政策】を提唱しています。 そして、これが、〔21世紀/維新〕への道と、確信しております。社会単位を、〔人間の巣〕のレ ベルに縮小し、その単位での生態系の中での...多様な社会的バリエーションを考えます。
そして、そうした中には、かなりの確率で...〔極楽浄土/パラダイス〕...を実現できる可 能性があります。政治〜民族・宗教まで、あらゆる対立は、〔人間の巣〕という細分化...多様 性・複雑化のベクトルで超えて行きます。私たちは、子孫に、〔極楽浄土〕を残して行くことも、可 能だということですわ。
ええと...もう1つ、言い添えると...〔人間の巣〕の展開は、“失敗リスクの無い・・・政策”、 だということです。〔未来型都市/千年都市は・・・生態系の中で自立可能な・・・自給自足 型社会〕...だということてす。 “大艱難時代”の中で...結局...“生態系と協調して行ける社会”...が生き残って行く ということですわ。有限な生態系の中では...結局...その方向しかないということです。 それから...政治的/経済的な連動がなくても...また、軍事的圧力にも耐え得る...1個 の細胞のような開放系システムだということです。 “万能型・防護力”は、その基本構造の中に有り...多方面に発揮されるわけです。ともかく、 世界中どこでも可能な...専守防衛の、〔未来型都市/千年都市・・・ 極楽浄土 〕...の “原型”になるということですわ。
さあ...しっかりと考察を重ね...“決断する時”が迫っています。こうした“未来型社会”を、 あえて阻むものは、既得権を持つ勢力でしょうか... でも、そうした既得権勢力も...“地球温暖化/海洋酸性化”、そして、“人口爆発/干ばつ /飢餓”を...回避できるものではありません。また、既得権などというものは、非常に些細な ものです。しかも、やがて...“価値観の・・・大きな変動”...もやって来ますわ...
あ、それから...“市場主義経済/グローバル化経済・・・というパラダイムは・・・まもな く有限な地球表層の限界に達し・・・終息に向かう”...ということです。 私たちは...差し迫った大混乱に備え...“万能型・防護力”/〔コンパクトな高機能空間 ・・・人間の巣/未来型都市/千年都市/・・・自給自足社会・・・〕...を、獲得しておくこと を、強く提唱します。
... ≪警告≫ は以上です...」
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げ、腰に手を滑らせ、椅子に掛けた。 「茜さんの方からも...」響子が、バインダーを脇に置きながら言った。「ひとことお願いします」 「はい!」茜が、小麦色に日焼けした顔で、快活にうなづいた。「ええと...そうですね... 私たちの、政治的な仕事は...“国民に・・・国家の将来展望/青写真を提示する”... ということに尽きると思います。その意味では、“2010/参議院選挙”、は終わりました。しば らくは...“生体ウエアーの考察”...に専念できることが、非常に嬉しいですわ」 「はい...」響子が唇を引き結び、目を細めてうなづいた。「もう...言いたいことは、言い尽くし た...ということかしら?」 「はい...でも、結果が出ませんわ。申し訳なく思っています」 「茜さんは、本当によくやってくれていますわ、」響子が、茜をねぎらった。 茜が、小さくうなづいた。
“生物情報系と・・・文明情報系の・・・接触領域”...の話に、移りますか...」 「はい...」響子が、肩を引いた。「よろしくお願いします... ええと...厨川アンも...今朝、軽井沢に入っているはずですわ。もうすぐ顔を出すでしょう」 「マチコさんと、一緒かしら?」茜が聞いた。 「そうです... 《病原菌の細胞ハイジャック》の方は、最初から急ぎの仕事ではありません。ノンビリでいい と言ってありますから、軽井沢に避暑に来たようですわ...また、にぎやかになりますね...」 「ふふ...」茜が、口に手を当てた。「マチコさんが来たのなら、にぎやかになりますね... 今頃は...リックサックを背負って...何処かを、ブラついているのかしら。アンと一緒に...」 「そうですね...」響子も、首をかしげて笑った。「うーん...おいしいパンを買ってきてくれると、 嬉しいんですけど、」 「あら...」茜が言った。「だったら、電話をしたら?」 「ええと...そうですね...」 「オウ...」ポン助が、向こうで言った。「電話なら、おれがしてやるぞ、」 「あら、そう...」響子が、肩を回した。「じゃ、お願いするわ、ポンちゃん、」 「オウ!」ポン助が、手を上げた。
〔4〕 生物情報系と・・・
文明情報系との・・・接触領域!
「ええ...」響子が、作業テーブルを見回して、話を切り出した。「9月も下旬になり...ここ軽井 沢も、ようやく秋の気配が漂って来ました。 《当ページ》は中断していたわけですが、その間、“2010/参議院選挙”があり...《当ペ ージ》を借りての...《危機管理センター》/【警告・2号】の発動もあり...本来の考察は、6 月以来になるでしょうか。
ええ...そういうわけですが、また、よろしくお願いします...」
「さあ... 《生体ウエアーの考察》ということですが...これは、“ハードウェアー”と“ソフトウェアー” に次ぐ、“新しい概念の創出”になります。じっくりと考え、急ぐという仕事ではないのですが、そろ そろ再開しなければなりません。 今回から、厨川アンにも参加してもらい、さらに考察を深めて行きたいと思います。久しぶりで もありますし、アンが参加したということもありますので、もう一度、重ねて説明することにしましょ う...」 響子がキイボードを叩き、モニターをスクロールし、表示された画像をマウスでクリックした。 「ええと...」響子が言った。「まず... この“生体ウエアー”という概念は、ハードとソフトの中間に位置するのかも知れません。でも、 これは、“新しい概念の創出”になります。まだ、全体のガイドラインも固まっていませんが、とり あえずは...“工学的な・・・生体基本チップ”...のようなもの、とお考え下さい。 その上で...くり返し周辺を説明すると...これは、生物体とは違うものですね。“生物体と ・・・機械/クスリ/物質/情報の・・・接点を形成”、するもので...“ハードウェアー”も“ソ フトウェアー”も含んだ、“生体科学文明・・・意識/情報革命時代の・・・基本的ツール”、の 1つに、なると予想されるものでしょうか... さらに、別の方向から眺めれば...“医療テクノロジーと・・・人体とを結ぶ・・・インターフェ ース(二つのものの接触面)/ジャンクション(接合点)”...というのが、ここまでの考察でした。 そして、肝心なことは...そこが単なる、“インターフェース/ジャンクション”ではなく、“そ れを超えて花開く・・・何者かを期待している!”...というわけです。 高杉・塾長は、そこに、“生体科学時代の・・・イノベーション(技術革新)・・・ステージの飛躍”、 の可能性を見ているようですわ...ともかく、そのあたりになると、私たちの想像を絶した世界 になります...その“未来ステージ”に、実際に立ってみないと分からないものがあります」
「ええ...」響子が、スクリーン・ボードの方に目を投げた。「これも、くり返しになりますが... 人類文明は...長い揺籃期(ようらんき: ゆりかごに入っている幼年の時代)の“文明の第1ステージ/農 耕・文明の曙”の時代を経て...“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”に至りました。 いわゆる、産業革命は...18世紀後半にイギリスで始まり、ヨーロッパ諸国に波及しました。 機械設備による大工場が成立し、社会構造が一変することになるわけです。この産業革命をへ て初めて、近代/資本主義経済が確立してくるわけです。そして、現在に至るわけですね... この、“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”の時代、を象徴するのは...莫大な熱 エネルギーと、熱エネルギー消費型/自動機械でしょうか。 そこで生み出された...核技術/核爆弾と...自動機械の究極/知能ロボット...そして、 文明スケールで産業を推進した、資本主義のダイナミズム...まさに、“郷愁の、古き良き時 代から・・・物質主義の、欲望に支配された時代”...に変貌してきたわけですわ。 当然...この、“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”の時代は...非常に短いもの になりました。“機械科学/核爆弾/資本主義ダイナミズムは・・・大戦争時代を開き・・・競 争原理の深化は・・・袋小路(ふくろこうじ)に陥り・・・環境破壊と人口増加は・・・文明の破滅を 招来すること・・・”...になってしまいました。 これは、当然、修正が必要です。いずれにせよ、“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革 命”の時代は、まもなく終息します。地球生命圏は今、古生代/カンブリア紀(約5億4000万年前〜 5億年前/・・・無脊椎動物が爆発的に出現)以降...人類文明による、“6度目の・・・種の大量絶滅”の 危機に直面しています。 原因は、あえて指摘するまでもありませんね...でも、ひとこと言い添えれば、人類文明が地 球生命圏の表層域に留まり...無限の太陽系空間、そして星間空間へと、版図を拡大すること がなかったということですわ... 地球生命圏という、有限空間の中で...人口増加と、競争原理のダイナミズムが支配し、生 態系が沈没し始めたということです。“有限の・・・生命原理のベクトル空間の中”で...【人 間原理空間・ストーリイ】が...“集束し始めた”...ということでしょう。 “何故・・・このレベルでの集束か・・・次の段階はどうか?”は...“ストーリイの世界軸 が・・・見えてこない段階では・・・分らない”...と高杉・塾長が、申しておりました。 ともかく...“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”から...“文明の第3ステージ/ 意識・情報革命”へと...【人間原理空間・ストーリイ】に、強大なバイアス(偏り、偏向)がかかって
いたと...塾長は見ているようです」
「ええ...」響子が、リモコンでスクリーン・ボードの画像をスクロールした。「そして... ここに、表示してあるように...“文明の第3ステージ/意識・情報革命”の時代は...すでに 並行的に、スタートが切られているわけですね。リレーでバトンタッチをするように、次のステージ が動き始めているわけです。 具体的には...輻輳(ふくそう/方々から集まること)的に...コンピューターの爆発的な発達があり、 ヒトゲノム解読に象徴される、高度・情報化時代がスタートし...さらに、次世代テクノロジーとし て、量子コンピューター/量子通信の...基礎研究が進展しています。 その、次世代ステージでは...“機械科学文明・・・巨大で粗野な熱運搬エネルギー”から、 “生体科学文明・・・微細で繊細な情報運搬エネルギー”への...パラダイムシフトが、想定さ れているわけですね。 “地球温暖化/海洋酸性化”が進行し...“人口爆発は・・・巨大な飢餓”を、呼び込むこと が確実となり...“文明の第2ステージ/エネルギー・産業革命”は...急速に終息して行くと思 われます」
私たちは、この...“21世紀/大艱難時代” に際し...“文明の折り返し/反・グローバ ル化”/〔人間の巣の・・・世界展開〕...を提唱しています。これが実現すれば、〔世界市民〕 の犠牲は最小限に抑えられ、“文明の・・・軟着陸が可能”と考えています。 もちろん、それでも...“相当の混乱と・・・犠牲を覚悟”...しなければならないでしょう。す でに、地球上の人口は許容範囲を大きく超えています。食物連鎖の上でも、異状な姿になってい るからです。 さらに...“機械科学文明は・・・大自然を鉄の爪で耕し・・・非常に単調な風景に激変”、 させています。それにもかかわらず...“日本の・・・政党スのローガンには・・・人口の増加 政策”、が掲げられています。 また、つい先日ですが...テレビで放映された“ワシントン・レポート”では...アメリカの有力 な論客が...“アメリカの人口増加傾向を歓迎し・・・かつ・・・経済の成長戦略”...を口に していました。 これには、私としては、“非常に驚き・・・ビックリ”しました...でも、これが...“世界の・・・ 現在の潮流”なのだと、納得した次第です。 確かに...“地球温暖化”のことも口にしましたが...これは予測不能と、ポイ、と投げ捨てて しまいました...これも、“そんな雰囲気・・・そんな潮流”なのでしょう。でも...“責任は・・・ 誰が取る”のでしょうか? “さらなる・・・人口増加”となれば...“結果は・・・非常に明白”ですわ。その“シワ寄”せ は、常に、弱者に押し寄せます。でも、最後には...“文明の第2ステージ”の終焉にと止まらす に...“6度目の・・・種の大量絶滅”...となるかも知れません...“この愚かさ”を、私たち
は、何処で食い止めたら、いいのでしょうか...」
「ええ...」響子が、口をすぼめて微笑し、頭を下げた。「この話になると、つい夢中になってしま います。申し訳、ございません... ともかく...こうした時代背景の中で、新時代/“文明の第3ステージ”に踏み込んで行く... 第1歩が、〔人間の巣のパラダイム〕ということです。そして、第2歩目が...“生体ウエアー” という...“新概念の創出”になるのでしょうか。 いずれも、“新しい概念”であり...“生体科学文明”という...“人類文明の・・・新しいス
テージを切り開いて行く・・・ツール(道具)”...ということになります」
響子がヘリの音を聞き、窓の方を眺めた...雑木林の端から降下して来る、ヘリが目に入っ た。機体の一部が、午後の強い陽射しを反射した。轟音がどんどん近付き、ヘリポートを目指し て降下して来る。ブラッキーの操縦する、定期便ではなかった。不定期便の機体だと分かった。 不定期便はめったに来ないが、管理部門の誰かが操縦して来る。いずれも、関東平野/西部
丘陵の...《航空宇宙基地・赤い稲妻/
危機管理センター本部
/< 彗星ビル>(/東京下町から、本部機能を移転)》とを結ぶ、ヘリ便である。 しかし、省エネ対策で、最近では定期便もまばらになっている。その穴を埋めるために、不定 期便が増えているようだったが、今週はすでにブラッキーの便は来ていた... <...何かしら...?>と、響子が、心の中でつぶやいた。<システムに異常事態があった のなら、連絡があるはずだし...緊急なら、ハイパー・リンク・ゲートを使うはずなのに...> 響子が、ヘリポートへの接近を見守っていると、ポン助が陽射しの中を、そっちの方へ歩いて いるのが目に入った。その後を、マチコが麦わら帽子を押さえ、ついて行く。轟音はさらに大きく なり、ヘリは接地体制に入った。
「ええ...」響子が、そこまで見届けると、作業テーブルに視線を戻した。「それでは...今回の 考察に入りましょうか...」 「はい...」茜も、窓から視線を戻した。 アンが、モニターからゆっくりと顔を上げた。
「誰が、来たのかな...」堀内が、冷めた茶を口に運んだ。
<生命体/・・・生物情報系とは?>
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