ヨーロッパは日本や東南アジアと比べると昆虫相は単純で、
クワガタ虫においてもドルクス属Dorcus
が3種(2種1亜種とも)、イッカククワガタSinodendron が2種、
ルリクワガタPlatycerus が何種か?良く整理されていないらしい、それにマダラ
クワガタAesalusとツヤハダクワガタCeruchus そしてこのヨーロッパミヤマとその亜種や近縁種、ミヤマらしくないバルバロスミヤマなどが分布し
ているのみである。ちなみに東南アジアのクワガタは500種以上が知られている。
こう書くと、ヨーロッパのクワガタに関してはあまりおもしろくない印象を受
けると思うが、ミヤマ好きにとってこの地域のミヤマは非常に
興味が湧く種が多く特にブルガリアからトルコ、シリア、に
は種類(亜種)も多く分布の仕方もおもしろい。このあたりには採集に
も行ってみたいのだが、今のところはとてもかなわぬ夢。
ヨーロッパミヤマクワガタはヨーロッパに分布するクワガタの中では
唯一の大型種で分布はイギリス、スペインから中部ヨーロッパ、スカ
ンジナビア半島、東欧、ロシア、中央アジアにも達しかなりの寒
冷地にも適応しているようだ。多くの亜種や型が記載されており、その中で
もシリア、トルコあたりに分布するユダイクス L.judaicus や、アクベシアヌス
L.akbesianus は巨大になり
♂のオオ顎を含めた全長が100mmを越えるものもいる。これは世界
各地に分布するミヤマクワガタ属の中でもおそらく最大である。
ここに載せた以外にも更に多くの種や亜種や型(form)が書かれているが、
記載された年代は古く、タイプ標本は殆ど失われている。文献も入手困難で同定が
困難なものもあり、ここに書いた種名は標本に付いていた同定ラベルに従ったものもある。
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