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「カラ族の文字でめざせ!世紀の大発見」日本探検協会 (著)、高橋 良典 (監修)(ヒカルランド 2012年6月)

→目次など

■今から2800年前まで、地球の全土を平和的に治めてきた原日本人<カラ族>がいた。世界各地に残された古代文字がそれを裏付けている。■

日本に古くから伝わる神代文字と呼ばれる文字があります。中国から漢字が伝わる以前の日本に文字はなかったはずですが、神社の護符などに使われいるれっきとした文字です。そうした文字を残したのは、古代ムー大陸から移民した<カラ族>なのだという人もあります。

この本の内容と関連する内容が秩父・仙台まほろばの道に記しされています。リンク先に登場するカラ族・クル族こそが、縄文宇宙人であり、世界を支配した原日本人であるというのです。

東アジアに限らず、南アジアやヨーロッパ、アフリカにまでこのような文字が残され、もちろん南北アメリカ大陸にもあるとすれば、世界史は大きく書き換えられることでしょう。果たして、本当にそんなことはあるのでしょうか。

本書によれば、インドに伝わる世界最大の叙事詩『マハバーラタ』には、紀元前八世紀にクル王家(日本の天皇家)の内紛によって破滅的な核戦争が起き、その後二千数百年にわたる不幸な歴史が始まったという物語が記されているそうです。

私自身は、人類の英知などまったく信じず、人もまた利己的な命としてしか生きられないと考えていますから、平和的に世界を統治できる主導者などありえないと考えています。そして、この本は、そのような幻想を抱かせかねないという点で有害だろうと受け止めています。それでも、現代社会もまた、西洋文明の優位性を裏付けるように情報が統制されていることを考えると、このような本を読んでバランスを取ることや、発想を得ることは必要なのだと思います。

たとえば、日本列島に大陸や海から人が渡って来る方向ばかりを考えるのではなく、日本列島から大陸へと渡っていった人々について考えてみることも必要かもしれません。現代文明とは違い、電力を利用せず、重力を活用できた文明について想定してみるべきかもしれません。そうした意味で、なかなか面白く読める本でした。

内容の紹介


今や、伝説の神々がよみがえり始めた!
  第二次世界大戦に敗れた日本は、過去半世紀の間、日本とアジアを否定して欧米に同化しようとしてきた。その結果、今日の多くの日本人は学校で日本神話を教えられることもなく、アイヌの叙事詩『ユーカラ』や沖縄の『おもろ草子』がもつ世界的な重要性を知ることもなく、「大人」になっている。
  しかし、過去半世紀に日本の文部省と大学教授たちが作りあげてきた歴史の教科書は、欧米と中国の学者の説を受け売りするだけで、紀元前の日本と世界のほんとうの歴史を教えるものではない。
  そもそも西洋の考古学がロゼッタ・ストーンの解読から始まったのに、日本の高校学者が日本固有の文字をまじめに研究しないのは、みずからの学問と日本の伝統を否定する行為ではないか。 - 64ページ

私たちの生き方は世界観によって作られるところが大いにあります。神話を持ち続けるということは、この地に生きる人の生き方の基本線を与えられていることになります。仮に外国人を受け入れるとしても受け入れ方に影響が出て来ることでしょう。神話の力を軽くみてはいけません。


二〇〇〇年前までつながりがあった?太古日本とアンデス
  紀元前の日本人、カラ族が世界各地で活躍した可能性を考えようともしない日本の「歴史学者」にとって、地球の裏側に住むインディオの祖先がかつては私たちの祖先と同じ歴史、同じ血を分けあった兄弟であった、などとは思いもよらないことだ。 しかし、ブラジル東部ペルナンブコ州のフルニオ族の話すイアテ語は日本語とそっくりだ。アマゾンやアンデスの各地から見つかり始めた文字は日本の神代文字で読み解くことができる。 - 243ページ

フルニオ族のイアテ(Yate )語の動画がありました。
日本語に似ているでしょうか。どうでしょうか。


太古日本、カラ文明の秘密を解き明かせ!
  その昔、私たち日本人の祖先がカラ族とかクル族と呼ばれ、世界全体を治めていた時代に、私たちの祖先は今よりもっと自由に地球の各地を行き来していた――われわれがこのように考えるのは、ほかでもない。日本の由緒ある神社に古くから伝わる神代文字で読み解ける碑文が、それこそ世界の各地から次々に見つかり始めているからである。
  過去二〇〇年の間に欧米の学者が組み立ててきた今の世界史は、基本的に、彼らの祖先がオリエント(東洋)を征服したときに残したアッシリヤやペルシア、マケドニア時代の碑文の解読結果にもとづいている。そして彼らの祖先が消し去ったそれ以前のカラ族の諸文字(クレタ文字やインダス文字、アンデス文字など)は、今も相変わらず「未解読文字」とされている。
  が、欧米の学者がそう言うからといって、君たちまでがそう思う必要はない。なぜなら、欧米の学者の大部分は自分たちの祖先が消し去ったカラ文明の文字を解読することに興味がなく、たとえまじめな学者がいてこれらの文字を読み解こうとしても、古代の日本語と神代文字の知識がなければカラ文明の秘密をつかめないからだ。 - 260ページ

  GHQは戦前・戦中の多くの資料を焚書しましたが、それはGHQが広めたい価値観とは相いれない価値観で書かれていたからにすぎません。どちらの価値観も、誰かにとって都合が良いだけであって、真実ではありません。GHQの焚書と同じことは、歴史上繰り返されてきたはずです。また、本書で取り上げられたような、神社で使われきた文字を一切無視することでないものとすることも頻繁に行われてきたことでしょう。
  私自身は、人類の歴史は、狩猟採集者の歴史と農耕民の歴史に大きく分かれており、まったく別の歴史をがあるという『イシュマエル』の見方に賛同しています。そのうち、私たちが学ぶのは、農耕民の歴史のみです。本書でも農耕民の歴史のみを扱っています。『イシュマエル』では、残す者として生きる狩猟採集者と違い、取る者となった農耕民は、極めて高いガケの上から飛び降りている最中のようなもので、自分は飛行しているつもりもで、わずかな期間の後に地面に激突して終わるだろうとされています。
  本書に登場するシュメール人なども、同じような観点から、滅亡した文明として捉え直してみると何か見えてくるかもしれません。


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「ルビリン」は東山動物園にいたアムールトラの名前です。土手で出会った子猫を迎え入れ、「るびりん」と命名しました。

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