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「アニマルスピーク ──守護動物「トーテム」のメッセージで目覚める本当のあなた」テッド・アンドリューズ (著) 永井二菜(翻訳)( パンローリング 2014年6月)

→目次など

■水辺の家に住みたいと思っていた私のトーテムアニマルはカエルなのかもしれません。■

特定の動物のことが好きだったり、特定の動物の夢を良くみたりするのはなぜでしょうか。もしかすると、その動物はあなたのトーテムアニマルだからかもしれません。トーテムアニマルを知るには、次のような質問に答えます。

●昔から気になっている動物は?
●動物園に行ったら、いちばん見たい動物は?
●屋外でよく見かけたり、自然のなかで遭遇したことのある動物は?
●動物に噛まれたり、襲われたりした経験はあるか
●動物の夢を見ることはあるか

思い当たる動物はあるでしょうか。

本書は、@自分のトーテムアニマルを見定める、Aトーテムアニマルのパワーに感謝、共鳴し、自分の人生に生かす、Bトーテムアニマルを通して自分の能力や存在意義を知る、Cトーテムアニマルの適応能力やサバイバル技術を日常に応用する、D自然界から自分に向けて発信される(現象や兆候として表れる)メッセージを聞き取り、読み解き、生かす、その過程で命に対する畏敬の念や自分に対する自信をはぐくむ、という五つのテーマに沿ってまとめられています。

たとえば、私が見る多くの悪夢には、クマが登場して追いかけてきます。本書のクマの項を読むとクマのトーテムは温存したエネルギーを発散させてこそ人生の蜜が味わえると教えているのです。と結ばれています。このような文章を読むことで、私の中に応えるものがあれば、それ以降の人生に影響があることは間違いありません。

トーテムの候補になる動物はたくさんいますから、それぞれの動物の説明を読んでいくと、自分の気持ちにぴったりくる動物がいそうです。私の場合、クマよりもカエルの項がしっくりきました。私は川や湖のほとりの家に住みたいと子どもの頃から感じていましたが、水を恋しがるカエルがトーテムアニマルであると考えると納得がいきます。カエルは豊穣と多産を象徴してもいるそうです。オタマジャクシの姿が精子に似ているからだと書かれています。むしろ、たくさんのカエルやオタマジャクシは、虫や鳥の多い自然環境を象徴しているのかもしれないと私は感じます。カエルがトーテムアニマルであるから、私はずっと環境汚染、特に水と土の汚染に関心を持っていたのかもしれません。

本書の「おわりに」にある言葉を引用してみましょう。

自然界は植物、動物、人間のコミュニティです。おのおのが生態系の一端をにない、お互いを必要としています。自然界で起きることは私たちに影響し、私たちに起きることは動植物に影響します。人間社会だけを切り離そうとしても、そうはいきません。自然と人間の共鳴は現実に起きています。たとえ人間が気づかなくても、自然は気づいています。

豊穣の象徴であるカエルを通してこの世界を捉えなおしたとき、虫やカエルがいてこそ、豊穣なのだということを知りました。冬眠するクマを通じてこの世界を見ると、穴にこもって過ごす時間の大切さを知り、自然界が活動期と休眠期にあふれていることを知ります。

超常現象・オカルトや超心理学の分野に分類されている本ですが、自己啓発のためや、この世界の本当の姿を知るためにも、役立つと思います。

内容の紹介


野生の魂に火をつけて
  自然の脅威はいたるところにあります。すべての動物は神秘であり、私たち人間も神秘の存在であることを思い出させてくれます。 何かに対する見方が変わると、自分自身に対する見方も変ります。 命あるものはみなトーテムです――どんな動物も、どんな植物も。 ひとつの種が絶滅するたびに世界も私たちも光をひとつ失い、種の個性を見つけるたびに、私たちも新しい自分やかけがえのない自分を発見します。
  自然に対する私の姿勢はしばしば疑問視されます。 「野生動物や自然を神秘ととらえていいのか」と。 私はいいと思っています。 自然にまつわる象徴や神話をいちいち信じる必要はありません。 しかし、それを研究することで忘れかけていた野生の魂が、自然に対する畏敬の念が蘇るに違いありません。 今まで眠っていた野生を呼び覚ます――それが象徴や神話の力です。
  ときには知ることよりも感じることのほうが大切です。 野生の魂が刺激され、目覚めると、知識欲が強くなるでしょう。 その知識欲に導かれて自然界のおもしろさや神秘を再発見することになるのです。
  動物と対話し、動物に学ぶには、今までとは違う目で動物を見なければいけません。 本書がみなさんの野生の魂に火をつけることを願ってやみません。 火のあるところに光あり、光のあるところに発見する喜びと神秘があるのです! - 318-319ページ

多忙な毎日を送る中で、仕事や娯楽だけが人生であるかのように勘ちがいしていた私は、動物のように生きる人々を知り、死の意味や脳の不思議、体の不思議を知って、以前とはまるで違う世界が見えるようになりました。 人工的な世界や、先進国、はたまた人工的に作られた精神世界だけを見て生きるのではなく、私たちも間違いなく生物であることを教えてくれる世界を見ながら生きていきたいものです。


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「ルビリン」は東山動物園にいたアムールトラの名前です。土手で出会った子猫を迎え入れ、「るびりん」と命名しました。

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