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2015.7.19mf更新
弁護士河原崎弘

複数の遺言が発見された場合、遺言の効力は

相談
父が亡くなりました。金庫の中と、机の中から合計3通の遺言が見つかりました。その他に公正証書遺言もあります。遺言の内容は、それぞれ違うのです。
この場合公正証書遺言が優先しますか。
相談者は、弁護士事務所を訪れました。

回答
民法の定める方式に従った遺言が作成された後でも、遺言者は、いつでも、これを取消すことができます(民法1022条)。 遺言者が、遺言中に、「撤回しない」旨を前の遺言に書いていても、後の遺言で撤回できます。 従って、後の遺言で前の遺言を撤回すると、前の遺言は効力がなくなります。また、2通以上の遺言書が発見され、前の遺言と後の遺言との内容が抵触すると、抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を取消したものとみなされます(民法1023条2項)。従って、後の遺言が効力を持つことになります。
これは、遺言書の方式には関係ありません。公正証書遺言が自筆証書遺言に優先することもありません。
複数の遺言書が発見されれば、遺言の保管者は、公正証書遺言以外のものは、全て、家庭裁判所で検認 手続を受ける必要があります。相続 人が遺言を発見した場合も検認手続きを受ける必要があります。遺言が封印してあった場合は、勝手にあけることは法律に違反します。
その後、内容が抵触していれば、遺言のなされた時期をチェックし、後の遺言を有効と判断します。

法律
民法 第1023条  (前の遺言と後の遺言との抵触等)
前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす
2  前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。

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