弁護士(ホーム) > 弁護士による遺言、相続法律相談 >
2015.5.15mf更新
弁護士河原崎弘

公正証書遺言の証人の欠格事由/弁護士の法律相談

相談
公正証書遺言を作るときの2人の証人は、相続財産を受ける者と、その人が連れてきた公正遺言証書を保管していた税理士なんです。
この公正証書遺言は有効なのでしょうか。署名(サイン)が自筆サインではないように思われたのですが、署名は自筆でなくとも良いのでしょうか。
身近に、弁護士がいないので困っています。

回答
公正証書遺言 作成の際には、2人の証人が必要ですが、相続人あるいは受遺者は証人となれません(民法 974 条)。公証人が気が付けば、その旨注意をし、遺言書の作成を止めます。
公証人が気が付かずに誤って受遺者を証人にした場合は、その公正証書遺言は無効です。
署名の点ですが、遺言者が署名できない場合には、その旨を書いて公証人が代わりに署名します(民法969条四号)。従って、遺言者が署名していない場合もあります。しかし、遺言者が署名してあるが、それが(公証人ではない)他人の署名だと、公証役場に他人が行ったことになります。それが証明されると、遺言としては無効です。

相談2
父が公正証書遺言を作成しました。遺言の内容は、全遺産を内縁の妻に与えるとなっています。
内縁の妻の知人が証人となり、内縁の妻も立ち会ったそうです。
財産を受取る人(内縁の妻)が立ち会った遺言は、無効ではありませんか。

回答2
遺産を受取る人(相続人、受遺者)が証人となった公正証書遺言は、無効です。では、証人はいるが、遺産を受取る人が、事実上、立ち会った場合は、どうかについては、議論があり、判例も 別れていました。
その後、最高裁の判決があり、「公正証書遺言がされた場合において、遺言の証人となることができない者が同席していたとしても、この者によって遺言の内容が左右されたり、遺言者が自己の真意に基づいて遺言をすることを妨げられたりするなど特段の事情のない限り、遺言が無効とならない」とされました。

民法
第974条 [証人・立会人の欠格事由]
次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人になることができない。
未成年者
推定相続人、受遺者及びその配偶者並びに直系血族
公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇人

判例