遺留分算定の際の遺産の評価時期

弁護士(ホーム)遺言、相続法律相談
2015.9.27mf
弁護士河原崎弘

相談

6年前に父が亡くなりました。母は、既に亡くなっています。
遺言では、私が不動産(父が亡くなった当時の時価約1億2千万円)、弟が預貯金(2千万円)、妹が預貯金(2千万円)を相続しました。
当時、弟から私宛に、 遺留分減殺通知 があり、続いて、妹からも、同じ通知がありました。
その後、弟たちは遺留分の不足額を請求して、家庭裁判所に対し調停を申立をしています。問題は、私のもらった不動産(自宅の土地建物)の価値が下がったことです。相続時は、1億2千万円の評価(路線価)でしたが、現在、路線価は、8千万円ほどです。

【計算方法1】
父が亡くなった時点で、弟の遺留分を計算すると、次の通りです。
遺留分額不動産預貯金
2666万円1億2千万円4千万円÷÷

【計算方法2】
しかし、不動産を現在の時価に直して計算すると、弟たちの遺留分は次の通りになります。この計算では、遺留分不足額(遺留分と実際に取得した差額)はありません。
遺留分額不動産預貯金
2千万円8千万円4千万円÷÷

どちらが正しい計算方法ですか。いつの時点で遺産を評価して遺留分を計算しますか。
相談者は、弁護士の意見を求めました。

回答

遺留分計算の際、遺産を、いつの時点で評価するかについては、説が分かれています。通説は、相続開始時(被相続人死亡時)です。
実務も通説を前提に動いていると言っていいでしょう。
計算方法1が正しいです。 昔、もらった金銭は、物価上昇率を考慮し、相続開始時の価値に直して計算します。
遺留分減殺請求があると、相続開始時の時価で、遺留分を計算します。

減殺請求を受けた者が 価額弁償(民法1041条) する場合は、価額弁償する時点(裁判の場合は、口頭弁論終結時)の時価で価額弁償額を計算します。

なお、不動産の大雑把な時価の計算は、路線価を使ってもよいですが、より正確にするには、公示価格を使うと良いでしょう。

判決

登録 2005.3.7


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