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弁護士河原崎弘

相続放棄と代襲相続

相談:父の相続で放棄したが、祖父を代襲相続できるか

3年前に、父が亡くなりました。父は、事業に失敗し、多額の債務がありましたので、私は、相続放棄をしました。
1月前に、祖父が亡くなりました。私は、代襲相続できますか

相続関係図
祖父=====祖母
(1月前死)|
(被相続人)|
================
|||
|||
叔父亡父叔母
| (3年前死)
|
本人

回答:放棄は別の相続には影響しない

法定相続人となった場合に、相続放棄(具体的には、相続放棄の申述書を提出)をするとその法定相続人は初めから相続人でなかったことになります。 被相続人(例、親)が、莫大な債務(借金)を残して亡くなった場合に、その法定相続人(例、配偶者や子供など)にその債務を負担させると、残された家族が困窮してしまいますので、この相続放棄という手続きが必要なのです。
本件では、 父の相続と祖父の相続を別に考えます。
相続放棄は、その相続に関しては、初めから相続人にならなかったものとみなす(民法939条)との効力があります。その相続(父の相続)に関して相続放棄しても、別の相続である祖父の相続についてに効力は生じません。従って、相談者は、代襲相続します。

関連質問:父が相続放棄したが、私は代襲相続できますか

昨年、私の祖父(父の父)が亡くなりました。父には兄弟が3人いますが、父は、相続放棄しました。私は父の子供として、父の分を代襲相続できますか。

相続関係図
祖父=====祖母
(被相続人)|
|
================
|||
|||
叔父叔母
| (放棄)
|
本人

回答:相続権を失った原因が、相続放棄だと代襲相続は発生しない

被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は、相続欠格事由に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる制度です。 代襲相続は、相続権を失った原因が、「相続開始以前の死亡、相続欠格事由、廃除によってその相続権を失ったとき(民法887条3項)」と限定されています。相続放棄は除かれています。従って、あなたは、代襲相続しません。

関連質問2:遺贈の場合、代襲相続しますか

昨年、私の祖母(父の母)が亡くなりました。遺言があり、「全遺産を父に相続させる」と書いてありました。父は、既に、亡くなっています。
私に、代襲相続権があるそうですが、遺言についての権利はありますか。

回答:受遺者が先に死亡した場合は、効力なし

受遺者が遺言者より、先に死亡した場合は、遺贈は効力を生じません(民法994条)。
相続させるとの遺言についても、名宛人が、先に死亡した場合は、遺言者が,その代襲者その他の者に遺産を相続させる旨の意思を有していたとみるべき特段の事情のない限り、遺言は効力を生じません。
ccv下記に判決を挙げておきます。
当サイトの代襲相続に関するページ

法律

(民法887条)
被相続人の子は、相続人となる。
被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。 但し、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。
前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第891条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合に準用する。

(民法889条)
次に掲げる者は、第887条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
被相続人の兄弟姉妹
第887条第2項の規定は、前項第二号の場合について準用する。

(民法939条)
相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

(民法994条)
遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。
停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、前項と同様とする。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

判決


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